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英医学誌、新三種混合ワクチンと自閉症との関連性を示した論文を撤回」記事へのコメント

  • by Technical Type (3408) on 2010年02月06日 12時01分 (#1714659)
    取り下げ理由の後半にある

    investigations were "approved" by the local ethics committee have been proven to be false

    というのは、元の論文 [thelancet.com]の

    Ethical approval and consent
    Investigations were approved by the Ethical Practices Committee of the Royal Free Hospital NHS Trust, and parents gave informed consent.

    というのがウソだった事が明らかになった、というわけね。

    前から「変な論文じゃないか?」と疑う声が多かったのだろうが、これで完全にアウトだな。

    どうして査読を通ったのだろう。Lancet は無償で読めるので The New England Journal of Medicine が有料化されてからは、医療関係者ではないがマスコミ報道や個人ページよりは正確な情報を知りたいという点で便利なのだが、やはり NEJM には負けるか、とも思ったけど、論文が捏造で問題になったのは日本でも良く聞くし、

    査読も突破していたりするので…内容で判断するしかないか。

    それにしても捏造結果を導いた研究チーム、一体何がしたかったのだろう。旧石器遺跡捏造の藤村新一 [hatena.ne.jp]氏みたいな理解不能なのもあったから、動機がよくわからないが。

    • by Anonymous Coward on 2010年02月06日 13時05分 (#1714675)
      まぁ査読システム自体も、決して「完全無欠」ではありませんが、大前提として「これよりも優れたシステムは、今のところ存在しない」ということは忘れてはならないというか。
      #科学は万能ではないけど、科学以上に正しく未来を予測できる手段はない(占いなどに比べたら信頼できる)、というのと同様で。

      まぁ、LancetとNEJMとでは、同じ医学分野のトップクラスのジャーナルとは言っても、少し傾向が異なるというか……前者は「医者」のための雑誌で、後者は「医学研究者」のための雑誌とでも言うか、そんな感じがあります。
      #JAMAなんかも前者のタイプですね。

      もちろん、Lancetもすごい雑誌だし「医科学」として見ても、貴重な研究報告は出てますけど、基本的に「医者」が、必ずしも「科学者」や「研究者」ではないわけで。科学研究という視点からの正確さという点では、少し引いてみた方がいい部分も見受けられます。「医学という(狭い)分野の中での、Natureみたいなもん」とでも考えればよろしいかと…。
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    • by pmjames (29210) on 2010年02月06日 15時55分 (#1714719) 日記

      > 動機がよくわからない

      インパクトファクターが28.4 (2008)というようなジャーナルに論文を載せたいというのは十分な動機ではないでしょうか。ワクチンのせいではないかと訴える親の叫びがそれを後押ししたかもしれません。

      このような、実はたまたま合併しただけの患児を何人か(n=1かもしれませんが)みたところで問題の論文のような仮説に至り、検証しようとしたのは多分事実でしょう。そうでもなければ消化管の医者が「腸と発達障害とワクチン」などという一見突飛な関係を思いつくきっかけがない。

      もう一か所挙げられている、虚偽と判明している部分が

      12 children, consecutively referred to the department of paediatric gastroenterology with a history of a pervasive developmental disorder with loss of acquired skills and intestinal symptoms (略), were investigated.

      ですから、negativeなデータが出たのに症例数の水増しでなんとかpositiveなデータにしようと捏造した、ということなのでしょうか。
      既にどこかで検証されているのだと思いますが、ちゃんと調べていなくてすみません。

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    • 論文が査読を通って掲載されたくらいで信用しちゃいけません。
      追試で確認が残ってます。

      --
      the.ACount
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    • Is this the end of vaccine-autism debate? [baltimoresun.com] が良くまとまっていますね。

      ワクチンを受けていても、受けていなくても、一定の割合で成長するにつれ自閉症だったと判断される子がいるのは事実です。たとえばこちらは一年前の裁判所の判断に対する親の反応のようですが、Autism, vaccine debate not over for some [post-gazette.com] によると

      "This doesn't put this issue to rest, and scientific research is going to continue" into possible connections between vaccines and autism, said Ellen Cicconi of North Strabane, who has two sons who have been diagnosed on the autism spectr

      • 今回話題になってる自閉症との関連と、日本でのMMRワクチンの接種中止は全く関係がありません。日本ではMMR(麻疹・おたふくかぜ・風疹三種混合)ワクチンのうち、おたふくかぜ(ムンプス)ワクチンによる副反応が問題となりましたが、これは製造方法を変えたことが問題だったわけではなく、そもそもムンプスワクチンはそういう副反応がどうしても出てしまうものだったのです。

        日本では1993年にMMRワクチンが中止されましたが、2005年にムンプスワクチンを除いたMR混合ワクチンが定期接種に組み入れられてます。単に「製法を変えたのが問題だった」のであれば、旧来の製造方法に戻して復活できるはずですが、結局、そうは出来なかったのです。

        日本のワクチンではそれ以前に、DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風三種混合)ワクチンに含まれる、百日咳全菌ワクチン(このタイプの混合ワクチンをDwPTともよぶ)による副反応が問題になり、接種中止になったことがありました。そのため日本では、世界に先駆けて、百日咳の成分ワクチンが開発されて実用化されました(DaPT三種混合ワクチン)。このような経緯もあって、ワクチンに対して(あるいは「ワクチンに対しても」と言うか)、副反応に対する評価が世界的に見てもかなり厳しく、ある意味「過剰品質」と言えるような状況だったりします。
        まぁこれはその頃に始まった話でもなく、元々BCGの接種に使われる「はんこ注射(管針/朽木針)」だって、従来通りの皮下接種法よりも接種部位の副反応を減らす目的で独自に開発(朽木先生が開発)/採用されたものです。ヨーロッパなどでBCG接種を実施してる国でも普通の注射器を用いた皮下接種法が多く、近年になってようやく、Hiff-gunを用いた接種実験が行われてる状況です。

        まぁ元々ワクチン製造というのは、接種方針が国ごとに異なるのもあって、国や地域ごとにかなりばらつきがあるものです(さらに言うと、単なる国民衛生だけでなく、ひいては国防上の問題にもなるので、独自に製造できることが望ましい)。日本のワクチンは、上述のような副反応の問題で世論から叩かれた歴史などから不信感を抱いてる人も多いし、海外で実用化されてるワクチンがなかなか承認されなかったり(例えば、最近ようやく認可されたhibワクチンや肺炎球菌ワクチンなど)して、まるで「ワクチン後進国」のように認識してる人も多いです。…が、実は開発技術そのものや、特に副反応の少なさにかけては、世界でもトップクラスなんです。ただ、ワクチンに対する一般の理解が低く、結果的に接種率が低くなったり、必要な開発設備や予算が削られたことなど、「取り巻く状況」のために、結果的に「ワクチン後進国」と呼ばれるような状況につながっています。
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        • by Anonymous Coward on 2010年02月06日 20時07分 (#1714775)
           ワクチン接種に関しては副反応ばかり注目されてますが、新型かつ今後の急激な変化が予想される場合は、免疫の汎用性と効果を維持できる期間も気にした方が良いのではないかと思います。

           それもあって、海外製ワクチンを打って欲しかったんですが…、持病の関係で打てもらえる病院に制限があって、国産ワクチンになってしまいました(T_T)
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          • 私は逆に、今回の新型インフルエンザワクチンについても*できれば*国産ワクチンの方が安心できるんだけどなぁ、というのが正直なところです。もちろん、供給の面で輸入ワクチンを導入せざるを得なかったのは、当時の状況では「仕方ない」わけだったのですが。

            この辺りは、要はエビデンスがあるかどうかの問題でして…基本的に、ワクチンで得られる効果については、ワクチンの種類だけでなくその国における状況なども大きく影響し、疫学調査の結果も国によって変わるのが、半ば当たり前になってます。
            実は、過去のインフルエンザワクチン(日本で用いられてるタイプのsubvirionワクチンと、欧米などのwhole-virusワクチン)のそれぞれの効果を直接比較したデータってのは、昔にちょっと確認された程度で、あまり存在しなかったはず…と記憶してたので、改めてpubmed検索してみましたが、1977年 [nih.gov]に出た論文で"Antibody titers fell about two-fold over six months, and they fell slightly more for recipients of subvirion than for recipients of whole-virus vaccines."とあるように、持続期間の差は"slightly"でしたし、1980年 [nih.gov]に出た論文では、効果としてはsubvirionワクチンの方が高かった、という報告がありました。
            #そういや確かそのあたりの報告もあって、日本がsubvirionワクチンを採用した、という話だったような。
            #あとまぁ、弱毒生ワクチンと比べてもsubvirionワクチンの方が効果が高かった、という報告が2-3年前に出てたかと。
            #そこらあたりについても、日本は割と「先進的な」判断を下してた、と(少なくとも、「ワクチン種類の選択」については)

            少なくとも「日本人に、日本の製造方法で作られたインフルエンザワクチンを集団接種した場合」にどうなるか、ということについては、過去の実例からある程度は推測が可能です。新型インフルエンザの場合も(強毒型ではこの限りではなく、まったく想像が付きませんが)強毒型でないのであれば、概ね、過去に実施されたものと同程度になる可能性が高い、という期待値が高まります。しかし、「日本の製造方法以外で作られたワクチンの集団接種」でどうなるかについては、より遠い例から推測せざるを得ません。そこらへんもあって、日本製のタイプの方が「少なくとも外れはない」だろう、と個人的には判断してます……まぁあくまでエビデンスからの判断なので、外国産のヤツの方が結果的に好成績になる、という可能性も、もちろんないとは言えないのですけどね。
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      • by LRLR (39386) on 2010年02月08日 9時32分 (#1715021)

        確かに、「ワクチンは必ず副作用があり、そのデメリットがメリットを上回ると判断すれば接種する」というのは間違っていないと思いますが、その判断は集団免疫という概念を理解した上で行っているのでしょうか。

        自分だけ良ければそれでOKという考え方には違和感を感じます。

        特に、身体上の理由でワクチンの接種ができない方にとっては、ワクチン接種率は自分の生死に関わります。
        自分には直接の利益はありませんが、他人に感染させるリスクについても考えてみてください。

        なお他の方も述べていますが、「MMRと自閉症の関係」は多数の論文により「全面的に間違っている」ことが示されています。

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