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なぜこんな州法ができるのかというと、アメリカの州議会の仕組みがそうさせているというのが答えでしょう。
アメリカの州議会は、完全に議員立法主義で、更に議員1人でも法案を提出することができます。議会が雇用する立法スタッフも豊富で、弁護士レベルのスタッフが数1000人という州も珍しくありません。1度の会期に提出される法案は1000件を超えます。
こうなると、州議会議員の仕事は「法案の提出と採決だけ」ということになってきます。日本では陳情で処理されるような、「公園にトイレが欲しい」というレベルの法律がどんどんできます。更には、数を稼ぐためなのか(次の選挙のために数は重要です)、ヘンテコな法案が出てくるのです。
ところで、アメリカの市議会に目を落としてみると、議員が数人という体制になっています。こういう市では、シティー・マネージャー制が取られています。シティー・マネージャー制については、日本では肯定的に捉えられることが多いですが、実際のところ議会のチェック機能はあまり機能しておらず、シティー・マネージャーにコントロールされているとの指摘もあります。
日本では、東京都も小さな村も基本的に同じような議会制度となっていますが、アメリカでは州と市の議会制度は全然違うのです。
当該の記事はアメリカの変な「不文法」について取り扱った記事ではないですか?
アメリカの法律は大陸法 [wikipedia.org]ではなく英米法 [wikipedia.org]を起源としておりますので、判例がそのまま法律になる不文法 [wikipedia.org]といわれる種類の法律があります。
本当にこんな馬鹿げた法律が議会で制定されるほどアメリカ人は愚かなのでしょうか?
いい記事がありましたので補足しておきます。エクイティ [wikipedia.org]
エクイティ(〔英〕 equity:衡平法(こうへいほう))とは、英米法[1]の国々において、コモン・ロー (common law)[2]で解決されない分野に適用される法準則である。英米法において、コモン・ローは、イングランドのコモン・ロー裁判所が下した判決が集積してできた判例法体系であるのに対し、エクイティは、コモン・ローの硬直化に対応するため大法官 (Lord Chancellor) が与えた個別的な救済が、雑多な法準則の集合体として集積したものである[3]。
エクイティ(〔英〕 equity:衡平法(こうへいほう))とは、英米法[1]の国々において、コモン・ロー (common law)[2]で解決されない分野に適用される法準則である。
英米法において、コモン・ローは、イングランドのコモン・ロー裁判所が下した判決が集積してできた判例法体系であるのに対し、エクイティは、コモン・ローの硬直化に対応するため大法官 (Lord Chancellor) が与えた個別的な救済が、雑多な法準則の集合体として集積したものである[3]。
今日のアメリカ合衆国では、連邦裁判所とほとんどの州裁判所では、同じ裁判所が通常法とエクイティの双方を管轄するため、原告は、一回の手続で通常法上及びエクイティ上の双方の救済を得ることができる。しかし、特にデラウェア州など、今もなおコモン・ローとエクイティとで管轄する裁判所を分けている州もある[10]。デラウェアの大法官裁判所(エクイティ裁判所)は、会社、信託、不動産、契約等の訴訟を管轄している[11]。そのほか、一つの裁判所の中に別々の部を設けて、コモン・ローとエクイティとを分けて管轄させている州もある。信託法から発展した会社法のほか、伝統的に大法官部裁判所が管轄してきた分野には、遺言とその検認、養子縁組と後見、婚姻と離婚などがある[要出典]。
http://srad.jp/comments.pl?sid=500249&cid=1789027 [srad.jp]が指摘している、「インディアナ州円周率法案」は州議会を通過したものですよ?
円周率の法案は上院は通過していません。個人的には、当時T型フォードすらまだ生産が開始されていないほどの時代ですから、仮に上院を通過してしまっても驚きではないですし、施行されても政治家が「トンデモ」と思えば廃案にするでしょう。ただ、私が示したかったのは以下の点です。
タレコミのネタとしては面白いですが、さも、アメリカの議会で制定されたのかのような語りっぷりはいかがなもんでしょうか、と思いました。
> 日本でも、判例法主義だと仮定すればその趣旨だと日本で法律を決めてるのは事実上議会でも裁判所でもありませんね。検察です。起訴されたら99.9%有罪で、何を起訴するかは検察がほぼ独占的に決めてますからね。検察審査会法改正で強制起訴できるようにはなりましたが、その場合でも起訴するのはあくまで指定弁護士であって検察ではありませんね。
そうですね。日本の刑事訴訟法は英米法の影響を受けていると言われています。ただし基本的には、議会で定められた法律にあてはまるかあてはまらないかしか判断できないし、それを越えた判決は出せません。
> ただし基本的には、議会で定められた法律にあてはまるかあてはまらないかしか判断できないし、それを越えた判決は出せません。起訴されなきゃそもそも判断自体ができませんけど。ほとんど100%有罪と確信できる場合以外勝手に不起訴にしてる人たちがいるから有罪率99.9%とかになるんでは。
> 勝手に不起訴にしてる
日本では国家訴追主義によって、公訴は検察官の専権(刑事訴訟法247条)となっています(最近、例外的手続きが開始されましたが)。
したがって、それ以外の人たちが行うと「勝手に」なりますが、不起訴にしてる人たちが不起訴にする分には職権で行なっているのであって、「勝手」ではありませんね。
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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds
議員立法主義 (スコア:5, 興味深い)
なぜこんな州法ができるのかというと、アメリカの州議会の仕組みがそうさせているというのが答えでしょう。
アメリカの州議会は、完全に議員立法主義で、更に議員1人でも法案を提出することができます。
議会が雇用する立法スタッフも豊富で、弁護士レベルのスタッフが数1000人という州も珍しくありません。
1度の会期に提出される法案は1000件を超えます。
こうなると、州議会議員の仕事は「法案の提出と採決だけ」ということになってきます。
日本では陳情で処理されるような、「公園にトイレが欲しい」というレベルの法律がどんどんできます。
更には、数を稼ぐためなのか(次の選挙のために数は重要です)、ヘンテコな法案が出てくるのです。
ところで、アメリカの市議会に目を落としてみると、議員が数人という体制になっています。
こういう市では、シティー・マネージャー制が取られています。
シティー・マネージャー制については、日本では肯定的に捉えられることが多いですが、実際のところ議会のチェック機能はあまり機能しておらず、シティー・マネージャーにコントロールされているとの指摘もあります。
日本では、東京都も小さな村も基本的に同じような議会制度となっていますが、アメリカでは州と市の議会制度は全然違うのです。
元記事は見てませんが不文法のことを指して「法律」って言っているんじゃない?(Re:議員立法主義) (スコア:2)
当該の記事はアメリカの変な「不文法」について取り扱った記事ではないですか?
アメリカの法律は大陸法 [wikipedia.org]ではなく英米法 [wikipedia.org]を起源としておりますので、判例がそのまま法律になる不文法 [wikipedia.org]といわれる種類の法律があります。
本当にこんな馬鹿げた法律が議会で制定されるほどアメリカ人は愚かなのでしょうか?
Re:元記事は見てませんが不文法のことを指して「法律」って言っているんじゃない?(Re:議員立法主義 (スコア:2)
いい記事がありましたので補足しておきます。
エクイティ [wikipedia.org]
Re: (スコア:0)
http://srad.jp/comments.pl?sid=500249&cid=1789027 [srad.jp]
が指摘している、「インディアナ州円周率法案」は州議会を通過したものですよ?
Re:元記事は見てませんが不文法のことを指して「法律」って言っているんじゃない?(Re:議員立法主義 (スコア:2)
円周率の法案は上院は通過していません。個人的には、当時T型フォードすらまだ生産が開始されていないほどの時代ですから、仮に上院を通過してしまっても驚きではないですし、施行されても政治家が「トンデモ」と思えば廃案にするでしょう。ただ、私が示したかったのは以下の点です。
タレコミのネタとしては面白いですが、さも、アメリカの議会で制定されたのかのような語りっぷりはいかがなもんでしょうか、と思いました。
Re: (スコア:0)
> 日本でも、判例法主義だと仮定すれば
その趣旨だと日本で法律を決めてるのは事実上議会でも裁判所でもありませんね。検察です。起訴されたら99.9%有罪で、何を起訴するかは検察がほぼ独占的に決めてますからね。検察審査会法改正で強制起訴できるようにはなりましたが、その場合でも起訴するのはあくまで指定弁護士であって検察ではありませんね。
Re:元記事は見てませんが不文法のことを指して「法律」って言っているんじゃない?(Re:議員立法主義 (スコア:1)
そうですね。日本の刑事訴訟法は英米法の影響を受けていると言われています。
ただし基本的には、議会で定められた法律にあてはまるかあてはまらないかしか判断できないし、
それを越えた判決は出せません。
Re: (スコア:0)
> ただし基本的には、議会で定められた法律にあてはまるかあてはまらないかしか判断できないし、
それを越えた判決は出せません。
起訴されなきゃそもそも判断自体ができませんけど。ほとんど100%有罪と確信できる場合以外勝手に不起訴にしてる人たちがいるから有罪率99.9%とかになるんでは。
Re: (スコア:0)
> 勝手に不起訴にしてる
日本では国家訴追主義によって、公訴は検察官の専権(刑事訴訟法247条)と
なっています(最近、例外的手続きが開始されましたが)。
したがって、それ以外の人たちが行うと「勝手に」なりますが、不起訴にしてる
人たちが不起訴にする分には職権で行なっているのであって、「勝手」ではありませんね。
Re: (スコア:0)
開拓初期、広大な国土に人々が散らばり、一つ一つのコミュニティは小さいながらも強い
独立性を持つ。で、それがそのまま大きくなって州という構造に……
100年以上前の制度が様々なところに思いもしない形で残っている。
現代の人から見たらやっぱり変、っていう。
一度、征服されて、外国の制度で上書きされたらそういうものは残らないのかな、と。
# どこにぶら下げよか迷いましたが、ここに m(_ _)m