現在の日本で通常運転状態で一定の稼働率を期待でき発電量を読めて管理できるのは火力と原子力しかないのが現実です。しかも火力は燃料の高騰や政情不安、CO2があってこれ以上依存できないどころか減らす必要があるのです。
ただし、事故が原因で電力網からの脱落が起こるリスクはどんな発電方式にもありますが、それを言うなら風力だって日本では落雷や不規則な風で故障が続出し絶望的に稼働率が低いですし、太陽光も緯度がそれなりに高く気象も不安定な日本では稼働率12%程度で、火力や原子力に比べて電源としての信頼性が低いのが現実です。(その点、安定した風が見込め海底も含めて平地を確保しやすい大陸なら風力もそれなりに活躍できますし、低緯度で砂漠がある国であれば安定した日射が得られるので太陽光もそれなりに活躍できるでしょう)
さらに発電量あたりの死者が多いのは実は石炭火力だったりします。少し検索してもこんなものがあります。おそらく炭鉱事故での死者が多いのでしょう。 Deaths per TWH by energy source [nextbigfuture.com]
あと、原子力発電の依存しなければもたない経済その物がバブルだという考え方もありますが、それなら日本という国自体をどうやって原子力発電が不要なレベルまで縮小するのか、縮小した状態でどうやって経済や安全保障を確保するのか現実的に示さないと、やはり夢想的脱原発に過ぎません。
恐らく、たった9年でそれだけ縮小するなら、相当数の移民を放出しなければならないでしょうけど、受け入れ国の選定から交渉、移民の募集や選定...さぞやたいへんでしょう。
個人的には簡単に可能だと思う (スコア:1)
たとえば、太陽電池のように供給が不安定な電源を利用可能にすれば、蓄電池の高性能化・大容量化の研究が強力に推し進められるように(そしてNECなんかがすでにプロダクトイメージをキャンペーン張っているように)、実は需要と供給のアンバランスを作ってやれば、市場は自動的に必要なものを補完します。この場合は発電システム側(電力供給側)に投資してやれば、自動的に反対側(蓄電側)は開発される。
一方で、補充しなくてはいけないのは原子力発電分の発電量全部ではない。
省電力プロダクトはすでにいくつも出ていて、単に「高額だ」という理由で売れ行きが芳しくない
fjの教祖様
Re:個人的には簡単に可能だと思う (スコア:1)
国民生活と日本の産業を人質に自然エネルギーを強制ですか? そんなことをすれば開発の前に企業は逃げるでしょう。自然エネルギーを使いたいなら、先にやるべきは蓄電技術の開発と系統安定化の目処をつける方です。(系統管理の重要性と責任の重さを理解していない人は、文系はもちろん理系にも多いです)
さらに、そういうアンバランスを強制的に作れば、市場に発生するのはバブルです。スペインなどがいい例です。
火力も無闇に増やせない以上、今までの社会を維持したいなら補充する必要があるのは原子力発電分+αになります。それができないなら、激痛レベルの変革を伴ってでも低エネルギー消費社会に移行するしかありません。
今時の電気製品やパワーエレクトロニクスの類は十分に効率が高く、EU圏の規制対応のため力率も十分に高く、すでに乾いた雑巾どころではないレベルに達していますよ。
それでも怪しい節電器の類をアテにしているのでしょうか?
さらにそんなものが本当にできるなら20年も前から脱原発に取り組んでいて、なおかつ工業国であるドイツがとっくの昔に開発して、今頃逆に日本に売り込みにきていると思いますけど。ドイツを馬鹿にしてはいけません。
減価償却という言葉をご存知でしょうか? 工場とかの設備というのは、そんな家電製品みたいにポンポンリプレースできるものではありません。大きな組織、大規模な設備であればなおのことです。
それでもやれというなら、税法を改正した上、残存寿命分の損失を政府が保証するしかありませんけど。そんな法改正は革命でも起こらない限りたぶん無理でしょうし、そんな革命が起こったら企業はこぞって日本脱出、東洋のジンバブエになるでしょう。
たとえばドイツでは日本より有利な条件(電力の輸入ができたり、豊富な石炭や風力資源を持ち、巨大都市もなく、人口密度も高くない...など)がありながら、これまでの20年に加えこれから10年で合計30年かかる予定(さらにその後廃炉とかをやる)で、これでもドイツ国民や産業界は相当な努力と痛みを覚悟し受け入れています。
そういうわけで、日本でたった9年で脱原発なんて、夢想的かつ急進的と言わざるをえません。
国を守るために首相が暴走しているのを必死で止めようとしているのではないでしょうか。
別コメントにありますが、暴発して五・一五事件 [wikipedia.org]みたいなことにならないか心配しています。
Re:個人的には簡単に可能だと思う (スコア:1)
これしか根拠がない反論だね。他は全部ここからの演繹にすぎない。
で、はっきり言って、「原発を優先するために、蓄電システムとかに対して規制をしまくってアンバランスにしている」のが現状なのであって、その規制を外せばバランスポイントは自然な所に移動する。
原発推進派は「自分が規制だらけにしてバランスを崩している」事を、まず理解するところから始め直すべきだ。
fjの教祖様
Re:個人的には簡単に可能だと思う (スコア:1)
では、まずスペインの自然エネルギーバブルがどれだけ死屍累々になっているかお調べになってはいかがでしょうか? 新聞とかでも報道されています。
だから、電力の供給というのはいろんな産業や生活に直結していて、工業国にとって電力系統管理の責任はとてもとても重大なので、怪しげな物をつないで賭博場にするわけにはいなない場所です。
もちろん、電力供給がベストエフォート型に移行して、半導体とか電炉とかギャランティー型の電力が必要な産業が日本からいなくなってもいいというなら、それはそれで筋は通っていますけど。
#真面目に脱原発を考えるならともかく、変なイデオロギーで夢想的な脱原発を唱えるのは、まじめな脱原発派の方にも迷惑ですよ。
Re:個人的には簡単に可能だと思う (スコア:2)
結局、自然エネルギーに頼るつもりなら不安定さとは付き合うしかないんでしょうな。
>電力の供給というのはいろんな産業や生活に直結していて、
>工業国にとって電力系統管理の責任はとてもとても重大なので、
>怪しげな物をつないで賭博場にするわけにはいなない場所です。
>もちろん、電力供給がベストエフォート型に移行して、
>半導体とか電炉とかギャランティー型の電力が必要な産業が日本からいなくなってもいいというなら、
>それはそれで筋は通っていますけど。
例えば、日本の電話回線ってのは結構信頼性の高いシロモノでしたが、
携帯電話が出てきても同じ高品質を利用者が要求できたかというと、無理でしたよね。
途切れるのは織り込み済みで使わないといけなかったけど、結局モバイルでコンタクトできる便利さが勝った。
ベストエフォートで信頼性が落ちても、利用者が慣れてしまえばどうということはない。
実際、ネットなんか最初から信頼性をある程度犠牲にしてるので電話回線用の帯域保証できるATMより
Ethernet系が普及してますし、相性が悪いはずのストリーミング系データの転送も今やIP経由でどんどん行われてます。
それこそ電話だってSkypeやGooglePhoneのようにIPパケットで使えてます。もちろん費用が安いからでしょうが、
ソフトウェア側でもじっくり対応してここまでやれたという部分は見過ごせない。要は使い方じゃないのかな。
今だと蛍光灯や水銀灯を減らして営業してる店舗がスーパーをはじめ普通に存在しますが、
別にこれが大きな問題になってたりはしないわけですし、結構地道に対応は進んでますよ。
# 夜が暗くなったのでひったくりのような犯罪は増えてるそうですが。
ギャランティー型の電力が必要な部分って、要するに本当にミッションクリティカルな分野でしょう。
例えば、エアコンを24時間稼働し続けないといけない需要家がどれだけありますか。冷蔵庫なんかもそうです。
大部分の需要家は「絶対に停電しちゃダメ」ってことは無いんじゃないのかな。落雷で停電したらどうすんだろう?
配電事情が悪化すれば海外に逃げるって話も出てるけど、実際のところ3.11以前の日本より停電の少ない国ってありますか?
最初から日本を逃げだす用意をしてきた企業ならともかく、配電事情だけで海外移転を決意する企業があるのかな。
確かに計画停電が発表された当初は人工呼吸器のような生命にかかわる装置のバックアップ電源が
稼働できる時間の限界が問題になりましたが、年単位で時間をかければ対応できないことはないでしょう。
コンピュータに関して言えば、ノートパソコンを使うかそれなりのUPSを装備すればいいだけのことだと思いますよ。
大規模に、止まっちゃいけない電気を必要としてる場所は自家発電を真剣に考慮したほうがいいのでは。
半導体分野なんかだと瞬停もマズいので現在も超電導コイルへの蓄電設備に投資してたりしますよね。
昔に戻って、工場のために専用発電所を作ってもいいんじゃないかな。電気が導入された当初はそれが普通だったし。
電力会社としては、勝手に電気を作られたくないので消極的ですが、本当は分散発電こそあるべき姿だと思います。
そもそも大規模に電力を使う事業所では結構自家発電も持ってるケースが多いですよ。
大概は古い設備なので効率は良くないし、最新鋭の設備に比べて大気汚染物質の排出も多いのだけど、
今は電力が不足してる現状なので需要ピークではフル稼働させて売電することで配電の安定化に一役かってます。
非常用ディーゼル発電機も結構いろんな所にありますが、配線を変更してエンジンオイル等を交換してメンテナンスすれば
それなりにピークカット用で使えるようになるそうですし、実際ちょっと申請すると用途変更できます。
非常用としてなら問題視されなくても、ずっと使うと大気汚染物質をたくさん吐き出すことになるので、
そのへんの申請が必要だとかいう話でしたね。使いかたをちょっと変えるだけで活用できるものは結構あります。
だいたい、オイルショックの頃なんて本当にどうしようもなかったので何とか対応するため必死でしたから、
エネルギー消費は横ばいになったけど、産業分野は高効率化を進めて結局、国際競争力を上げました。
それに対して家庭用は今に至るまでそれほど劇的な進歩は無くて、効率の良いエネルギーの使い方をしてません。
確かに家電製品の電力消費に関してはトップランナー方式などで頑張ってきましたが、
エネルギー消費全体で見ると、このセクターはまだまだ無駄が多いので絞れますし、そうすべきだと思っています。
Re:個人的には簡単に可能だと思う (スコア:1)
エネルギーバブルが死屍累々になるのは、スペインの「自然」エネルギーバブルだけではなく、エンロンの「通常」エネルギーバブルでも同様だ。ある種の過剰期待は常にバブルをもたらすが、それは原子力についても同様。
むしろ現状が原子力エネルギーに対する過剰バブル状態であり、不正会計処理状態がとうとう露呈して、バブルがはじけ始めた状態と見るのが、経済的に正しい分析というものだよ。
fjの教祖様
Re:個人的には簡単に可能だと思う (スコア:1)
エンロンの件は企業がエネルギーでマネーゲームをやった結果であってそれはそれで反省すべきですが、政府自ら急進的な自然エネルギー移行を行ってバブルや財政破綻を招いたスペインとは本質的に違うものです。
ここにエンロンの件を持ち出しても、自然エネルギーバブルを容認する理由にはなりません。
現在の日本で通常運転状態で一定の稼働率を期待でき発電量を読めて管理できるのは火力と原子力しかないのが現実です。しかも火力は燃料の高騰や政情不安、CO2があってこれ以上依存できないどころか減らす必要があるのです。
ただし、事故が原因で電力網からの脱落が起こるリスクはどんな発電方式にもありますが、それを言うなら風力だって日本では落雷や不規則な風で故障が続出し絶望的に稼働率が低いですし、太陽光も緯度がそれなりに高く気象も不安定な日本では稼働率12%程度で、火力や原子力に比べて電源としての信頼性が低いのが現実です。(その点、安定した風が見込め海底も含めて平地を確保しやすい大陸なら風力もそれなりに活躍できますし、低緯度で砂漠がある国であれば安定した日射が得られるので太陽光もそれなりに活躍できるでしょう)
さらに発電量あたりの死者が多いのは実は石炭火力だったりします。少し検索してもこんなものがあります。おそらく炭鉱事故での死者が多いのでしょう。
Deaths per TWH by energy source [nextbigfuture.com]
あと、原子力発電の依存しなければもたない経済その物がバブルだという考え方もありますが、それなら日本という国自体をどうやって原子力発電が不要なレベルまで縮小するのか、縮小した状態でどうやって経済や安全保障を確保するのか現実的に示さないと、やはり夢想的脱原発に過ぎません。
恐らく、たった9年でそれだけ縮小するなら、相当数の移民を放出しなければならないでしょうけど、受け入れ国の選定から交渉、移民の募集や選定...さぞやたいへんでしょう。