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SF小説の影響力は多大なり」記事へのコメント

  • 怪奇小説かと思ってましたよ。
    あれのどこにいわゆる正統的なSF要素があるのでしょう。

    • Re: (スコア:5, 参考になる)

      おいおい、フランケンシュタインの怪物の成立過程を舐めてもらっちゃ困るな。
      確かに怪談のコンペで披露するために書かれはしたものの、物語の着想となったのは会場となったバイロン卿の屋敷で交わされたエラスマス・ダーウィン(進化論のチャールズ・ダーウィンの祖父)の生命理論やガルバーニの電気の実験、そしてバイロン卿の娘のエイダ・ラブレス婦人が参加している”人間が命令した通りの計算をする機械”なんかの談義で、当時の最先端科学だったんだぜ。
      そして話の内容も人工的に作られた生命の話だ。これをSFと言わずに何て言うのさ。
      • 確かインゴルシュタット大学医学部のフランケンシュタイン博士が生命の神秘に迫りたくて、死体から作り上げたのが「怪物」だったはず(これはキリスト教世界では、神に対する冒涜になる行為)。
        怪物を作り上げるのが魔法使いとか錬金術師ではなく、医師だったという設定は、自然科学が哲学から分離し始めようとしていた時代を反映した、当時としてはとても斬新な小説だったといえますね(スタイルはゴシック小説の様式に則っているらしいけど)。

        ちなみに科学者という言葉ができるのは1830年代。

        • Re: (スコア:3, 興味深い)

          重箱の隅つつきで申し訳ないのですが、少しばかり指摘を……。

          まず、ヴィクター・フランケンシュタインは博士ではなく、学生です。
          それから、医学部という記述も原作ににはありません。ヴィクターが師事することになるのは化学の教授ヴァルトマンです。

          また、ヴィクターは幼少時に錬金術(アグリッパ、パラケルスス等)にかなり傾倒していたと回想されています。(このせいで、大学の教授達にからかわれます)
          怪物の創造にどのような技術が使われたのかはほとんど記述がないのですけど(よく映画などで表現される電気への言及もなし

          •  読み直してみたら、フランケンシュタインは学生ですね。
             解剖室に出入りとかで、医学博士だと誤解していたようです(創元推理文庫の解説にも誤解している人が多いと書かれていた・・・)。
             ご指摘ありがとうございました。
             電気ショックですが、初期のフランケンシュタイン映画の演出が広まったものですね。創元推理文庫の訳では「生命の機械」を怪物のまわりにおいたとの記述しかないです。
             ちなみに、現代からみると初期SFとみなされる作品でも、書かれた当時は怪奇小説だったり政体小説だったりしたようです。
             作者自身は序の中でダーウィン博士やドイツの生理学者が実現可能な出来事といっていると書いて、物語にリアリティを与える枠組みとして使うことを表明しているし、ゴシック小説の一つでありつつ、初期SFとしてみなせる作品だと思いますね。

            親コメント
            • 電気ショックですが、初期のフランケンシュタイン映画の演出が広まったものですね。創元推理文庫の訳では「生命の機械」を怪物のまわりにおいたとの記述しかないです。

              原作では、

              With an anxiety that almost amounted to agony, I collected the instruments of life around me, that I might infuse a spark of being into the lifeless thing that lay at my feet.

              となっていて"infuse a spark of being"が何だか判りませんね。映像化する時は安直に「spark=火花」にしてしまいそうです。:)
              なお、原作では第2章の最後でフランケンシュタインが15歳の時に落雷による破壊を見た事、その時一緒にいた自然哲学者の語る"electricity and galvanism"の理論によって錬金術から科学へ目を向けさせられた事が描写されているので、彼の生命創造に電気が利用されていると考えるのはまぁ自然ではないかと思います。
              # 古い小説だけあって、Project Gutenberg で公開されていました。 [gutenberg.org]

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