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>>タンパク質から成る粘液は、水中に放出されると強力な繊維に変化し、ヌタウナギを捕食しようとする外敵の喉を詰まらせて防御する働きがある。
本当に粘液が繊維に変化するのか?化学繊維には溶かした原料をノズルから酸だかアルカリ溶液だかの中に押し出して作り出すものがあるそうだが、ヌタウナギの粘液は本当に水中でいきなり繊維に変わるのか?空想が入り交じった適当訳の雰囲気が。。。。。。
この原料,中間径フィラメントっちゅう繊維状のタンパク質の仲間です.中間径フィラメントというのは,こんな感じで分子がどんどん寄り集まって細い繊維を作ります.
http://www.youtube.com/watch?v=FoDniO676Dw [youtube.com](1分あたりから)
で,こういったものは(分子によって)様々な条件で凝集が起こったり起こらなかったりします.この手のタンパクを糸だとかゲル化剤として利用する生物は,体内では凝集しにくいけど外界の条件では凝集するようなタンパクを使って至りだとか,使用直前に凝集のための何かを混合してから吹き出したりします.
ヌタウナギのネバネバの粘液状態は,あれは内部的には既に繊維化しているものです.その繊維状のものが水だのなんだのを取り込んでゲル化してるわけですね.寒天と同じようなものです.あれもゲル化状態では分子が凝集して繊維を作り,水を抱え込むことで固体になっています.
今回のも似たような事をやっていて,取り出したタンパク質を希釈しておいて,そこにイオンを作用させると固化することを見出し(水だけだとダメらしい),イオンの種類だのタンパク質濃度だのを変えながら実験して,ファイバー(とかフィルム)の物理特性がどう変わるかを検討しているようです.
論文自体はhttp://dx.doi.org/10.1021/bm3011837 [doi.org]で.
化学繊維には溶かした原料をノズルから酸だかアルカリ溶液だかの中に押し出して作り出すものがあるそうだが
たとえばビスコース [wikipedia.org]。高校時代の部活では化学部でビスコースレーヨンこうやって作ります…というショボい実演を文化祭でしていました。モントリオールオリンピックの頃。あれに負けないくらい不純物の臭い悪臭が記憶に染み付いて、長い年月を経ていい思い出になるのかと思うとむねがあつい(棒読)
粘液というのは繊維状タンパク質が絡み合ってできる。血液が空気に触れてぬるぬるの粘液になるのも、フィブリンという繊維状タンパクのせい。空気に触れて繊維になるタンパクがあるのだから、水に触れて繊維になるタンパクがあっても不思議はない。
そもそも、絹糸もクモの糸も、虫の体内では液状の物質ですよね。 絹の場合、吐き出されるときに機械力と脱水反応で絹タンパクの構造変化が起こり、繊維化するようです。 参考:http://www.tuat.ac.jp/~asakura/image/PDF/healthist_jp.pdf [tuat.ac.jp] # なぜかこのPDFはページ順が入れ替わってますが
酸の中で…というところでは、釣りに使うテグスの昔の作り方を思い出しました。クスサンの幼虫を裂いて絹糸腺を取り出し、酢につけてから引き伸ばすというやつです。 参考:http://www.museum.tokushima-ec.ed.jp/cc/73.htm [tokushima-ec.ed.jp] 考えたこともなかったのですが、これも酢酸による化学反応が効いているんでしょうね。
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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン
繊維? (スコア:2, 興味深い)
>>タンパク質から成る粘液は、水中に放出されると強力な繊維に変化し、ヌタウナギを捕食しようとする外敵の喉を詰まらせて防御する働きがある。
本当に粘液が繊維に変化するのか?
化学繊維には溶かした原料をノズルから酸だかアルカリ溶液だかの中に押し出して作り出すものがあるそうだが、ヌタウナギの粘液は本当に水中でいきなり繊維に変わるのか?
空想が入り交じった適当訳の雰囲気が。。。。。。
Re:繊維? (スコア:5, 参考になる)
この原料,中間径フィラメントっちゅう繊維状のタンパク質の仲間です.
中間径フィラメントというのは,こんな感じで分子がどんどん寄り集まって細い繊維を作ります.
http://www.youtube.com/watch?v=FoDniO676Dw [youtube.com]
(1分あたりから)
で,こういったものは(分子によって)様々な条件で凝集が起こったり起こらなかったりします.
この手のタンパクを糸だとかゲル化剤として利用する生物は,体内では凝集しにくいけど外界の条件では凝集するようなタンパクを使って至りだとか,使用直前に凝集のための何かを混合してから吹き出したりします.
ヌタウナギのネバネバの粘液状態は,あれは内部的には既に繊維化しているものです.その繊維状のものが水だのなんだのを取り込んでゲル化してるわけですね.寒天と同じようなものです.あれもゲル化状態では分子が凝集して繊維を作り,水を抱え込むことで固体になっています.
今回のも似たような事をやっていて,取り出したタンパク質を希釈しておいて,そこにイオンを作用させると固化することを見出し(水だけだとダメらしい),イオンの種類だのタンパク質濃度だのを変えながら実験して,ファイバー(とかフィルム)の物理特性がどう変わるかを検討しているようです.
論文自体は
http://dx.doi.org/10.1021/bm3011837 [doi.org]
で.
Re:繊維? (スコア:4, 参考になる)
化学繊維には溶かした原料をノズルから酸だかアルカリ溶液だかの中に押し出して作り出すものがあるそうだが
たとえばビスコース [wikipedia.org]。
高校時代の部活では化学部でビスコースレーヨンこうやって作ります…というショボい実演を文化祭でしていました。モントリオールオリンピックの頃。
あれに負けないくらい不純物の臭い悪臭が記憶に染み付いて、長い年月を経ていい思い出になるのかと思うとむねがあつい(棒読)
Re:繊維? (スコア:2, 参考になる)
粘液というのは繊維状タンパク質が絡み合ってできる。
血液が空気に触れてぬるぬるの粘液になるのも、フィブリンという繊維状タンパクのせい。
空気に触れて繊維になるタンパクがあるのだから、水に触れて繊維になるタンパクがあっても不思議はない。
Re:繊維? (スコア:1)
そもそも、絹糸もクモの糸も、虫の体内では液状の物質ですよね。
絹の場合、吐き出されるときに機械力と脱水反応で絹タンパクの構造変化が起こり、繊維化するようです。
参考:http://www.tuat.ac.jp/~asakura/image/PDF/healthist_jp.pdf [tuat.ac.jp]
# なぜかこのPDFはページ順が入れ替わってますが
酸の中で…というところでは、釣りに使うテグスの昔の作り方を思い出しました。クスサンの幼虫を裂いて絹糸腺を取り出し、酢につけてから引き伸ばすというやつです。
参考:http://www.museum.tokushima-ec.ed.jp/cc/73.htm [tokushima-ec.ed.jp]
考えたこともなかったのですが、これも酢酸による化学反応が効いているんでしょうね。