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皆さんご存じの通り,常温核融合は一時熱狂的に迎えられた後,核物理の専門家からめった打ちにされて表舞台からほぼ姿を消しました.
まあ原因はいろいろあったのですが,まず問題になったのが再現性の無さです.同じ人間が実験しても再現されない,「再現性は良い」という人の実験でも他の人が見学しているとなぜか偶然再現しない,常温核融合研究者同士の間ではそれなりに再現されるけどチェックを厳しくしている外部の機関では再現されない,などです.このことから,一般の研究者の間ではあれらは較正ミスや実験のセッティングの問題だろうと見なされています.(特に
そんなわけで近年,常温核融合やってた人々の一部がこの「集団励起による中性子生成」の研究を行っています.
*ただ非常に胡散臭い実験をする人が多いのはいつもの事で,例えばE-Catと言う有名な装置があるのですが,これは電力を供給するとそれを元に内部で常温核融合を起こし,より多くの電力を出力する,という触れ込みです.各種イベントに持ち込んで「ほーらこんなに出力が出てくるよ」とデモして出資を集めたのですが,その後外部の研究者が「装置そのものには我々は手を触れずブラックボックス状態で良いから,うちの環境で検証実験させてよ」と言っても「うちの技術が盗まれるから断じて拒否!」&「今後は一切公開実験はしない!」と言い出したりと素敵な事になっていたりもします.
まあそれはさておき,(最終的に正しいかどうかはともかく)新しい理論が提示されたので,実験をやっている人たちが存在します.今回出てきたNASAの人もその一人.ただ一応書いておくと,NASAの研究ではありますが,NASAが総力を挙げて研究していたり,と言うのとはちょっと違います.NASAの中に「将来当たれば凄いよ!」という研究をする部門があって,そこのある研究グループがやっている,と言うものになります.「○○大学にはこの研究をやっている研究室がある」というのと似た感じでしょうか.ただし,NASAにオフィシャルに雇われている人が,きちんと予算を付けてもらって研究しているものですから,「実はこれを開発したのは元NASAの(略)」とか「NASAの技術でお米がうまい!」とかそう言うのとは違います.この人が現在やっているのは,表面のナノ構造まできっちり作った金属に水素を吸蔵させて,光を当てて表面プラズモンポラリトンを励起したときに本当に中性子が出るのか?核変換は起こるのか?とかそのあたりです.「常温核融合炉の開発」とか言うレベルでは無く,「常温核融合を可能にする(かも知れない)理論が,本当に正しいのかを調べる研究」と言うものになります.
ここから先,実際の常温核融合炉に行くにはまだまだ先が長くて,少なくとも以下の二点をクリアする必要があります.
1. 理論は本当に正しいのか?理屈は出たが,それが正しいという証明は実現できていない(それをやるための研究).いろいろ理論の問題点も指摘されているので,どうなるかは謎.例えば先日のニュートリノ超光速騒ぎの時も「ニュートリノで超光速を出せる理論」がいくつも提出されたように,理論なんてのは結構どうとでもなってしまう側面があります.(全部を正確には扱えないのでいろいろ近似を入れるため,そのやり方によってはおかしな結果が導かれてしまう)
2. 理論が正しいとして,エネルギーを得る上で十分なほどの頻度で中性子が発生するのか?理論が正しいなら,超低速中性子が発生する可能性がありますが,例えばその個数が毎秒一個,とかではエネルギー源としてはとても話になりません.そのため,もし理論が正しい事がわかったとしても,それがすぐに使える核融合炉の作成に繋がるというわけではありません.
まあ「厳しいだろうが,当たればとんでもなくでかい」という研究ですよね.
シノプシスを添えてもらえるとうれしいです ><
常温核融合がフルボッコされる↓Wisdom&Larsen「私にいい考えがある」↓NASAの研究者が、本当にいい考えかどうか実験中
シノプシスのシノプシスとはこれ如何に。
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※ただしPHPを除く -- あるAdmin
LENR (スコア:5, 参考になる)
皆さんご存じの通り,常温核融合は一時熱狂的に迎えられた後,核物理の専門家からめった打ちにされて表舞台からほぼ姿を消しました.
まあ原因はいろいろあったのですが,まず問題になったのが再現性の無さです.同じ人間が実験しても再現されない,「再現性は良い」という人の実験でも他の人が見学しているとなぜか偶然再現しない,常温核融合研究者同士の間ではそれなりに再現されるけどチェックを厳しくしている外部の機関では再現されない,などです.
このことから,一般の研究者の間ではあれらは較正ミスや実験のセッティングの問題だろうと見なされています.
(特に
Re:LENR (スコア:5, 参考になる)
そんなわけで近年,常温核融合やってた人々の一部がこの「集団励起による中性子生成」の研究を行っています.
*ただ非常に胡散臭い実験をする人が多いのはいつもの事で,例えばE-Catと言う有名な装置があるのですが,これは電力を供給するとそれを元に内部で常温核融合を起こし,より多くの電力を出力する,という触れ込みです.各種イベントに持ち込んで「ほーらこんなに出力が出てくるよ」とデモして出資を集めたのですが,その後外部の研究者が「装置そのものには我々は手を触れずブラックボックス状態で良いから,うちの環境で検証実験させてよ」と言っても「うちの技術が盗まれるから断じて拒否!」&「今後は一切公開実験はしない!」と言い出したりと素敵な事になっていたりもします.
まあそれはさておき,(最終的に正しいかどうかはともかく)新しい理論が提示されたので,実験をやっている人たちが存在します.今回出てきたNASAの人もその一人.ただ一応書いておくと,NASAの研究ではありますが,NASAが総力を挙げて研究していたり,と言うのとはちょっと違います.NASAの中に「将来当たれば凄いよ!」という研究をする部門があって,そこのある研究グループがやっている,と言うものになります.「○○大学にはこの研究をやっている研究室がある」というのと似た感じでしょうか.ただし,NASAにオフィシャルに雇われている人が,きちんと予算を付けてもらって研究しているものですから,「実はこれを開発したのは元NASAの(略)」とか「NASAの技術でお米がうまい!」とかそう言うのとは違います.
この人が現在やっているのは,表面のナノ構造まできっちり作った金属に水素を吸蔵させて,光を当てて表面プラズモンポラリトンを励起したときに本当に中性子が出るのか?核変換は起こるのか?とかそのあたりです.「常温核融合炉の開発」とか言うレベルでは無く,「常温核融合を可能にする(かも知れない)理論が,本当に正しいのかを調べる研究」と言うものになります.
ここから先,実際の常温核融合炉に行くにはまだまだ先が長くて,少なくとも以下の二点をクリアする必要があります.
1. 理論は本当に正しいのか?
理屈は出たが,それが正しいという証明は実現できていない(それをやるための研究).いろいろ理論の問題点も指摘されているので,どうなるかは謎.
例えば先日のニュートリノ超光速騒ぎの時も「ニュートリノで超光速を出せる理論」がいくつも提出されたように,理論なんてのは結構どうとでもなってしまう側面があります.
(全部を正確には扱えないのでいろいろ近似を入れるため,そのやり方によってはおかしな結果が導かれてしまう)
2. 理論が正しいとして,エネルギーを得る上で十分なほどの頻度で中性子が発生するのか?
理論が正しいなら,超低速中性子が発生する可能性がありますが,例えばその個数が毎秒一個,とかではエネルギー源としてはとても話になりません.そのため,もし理論が正しい事がわかったとしても,それがすぐに使える核融合炉の作成に繋がるというわけではありません.
まあ「厳しいだろうが,当たればとんでもなくでかい」という研究ですよね.
Re: (スコア:0)
シノプシスを添えてもらえるとうれしいです ><
Re: (スコア:0)
常温核融合がフルボッコされる
↓
Wisdom&Larsen「私にいい考えがある」
↓
NASAの研究者が、本当にいい考えかどうか実験中
Re: (スコア:0)
シノプシスのシノプシスとはこれ如何に。