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リンクをたどっていくとグラフの一部が無料で見れるが、C/10(1時間あたり総充電量の1/10を充電あるいは放電する。電池のストレステストとしてはかなりヌルい)で充放電を繰り返しても、わずか150サイクルで容量が75%低下している。つまり、どんなに注意深く扱っても、150回使うだけでリチウムイオン電池と同じ程度まで劣化するということ。研究結果としては非常に面白いけど、こんなものは商業用品として使い物にならない。
また、すべてのテストを60℃に昇温してやっているが、そんな面倒なことをやっているのは室温ではロクな性能が出ないからだろう。(どんな電池でも、昇温すれば、構成物が分解されたりしない限り性能は上がる。)だが、そんな温度を常に維持出来る環境というのは限られている。携帯やノートパソコンでは論外だし、乗用車でも昇温しないと使えない電池など採用してもらえまい。かならず基地で充電する前提の商用車なら外部電力でヒーターを動かせるから辛うじていいかもしれないが。しかし温度を下げるのは非常にムズカシイはずなので、今後もかなり大きなブレイクスルーが必要とされるだろう。
決してダメと言ってる訳ではない。これからこういう問題を解決すればいい電池になる可能性はまだある。だが、どんなにうまくいっても、この技術が携帯電話に搭載されるのは7-8年後であろう。自動車なら最低でも14-15年。
>また、すべてのテストを60℃に昇温してやっているが、そんな面倒なことをやっているのは室温ではロクな性能が出ないからだろう。(どんな電池でも、昇温すれば、構成物が分解されたりしない限り性能は上がる。)だが、そんな温度を常に維持出来る環境というのは限られている。
Pentium4「ようやく俺の時代が来たわけだな……」Thunderbird Athlon「お前にだけ頑張らせるわけにはいかねえぜ!」
NaS電池は安価なので、大規模な蓄電に役立つと聞きました。風力発電などと組み合わせて地域全体のスマートグリッド化の切り札かと思っていました
あの事故の後、実用化はどうなっているのかな・・・・
スマートグリッド化が可能になり、発送電分離化が進めば、電力を市場の原理に任せることができるのに
確かに見た目は大きいので,ソーラーアークを大規模な太陽光発電施設だと思っている人が多いのかもしれませんが,あれはメガソーラーですらないのですよ。
去年一年間でソーラーアーク 6000 基分が日本で導入されていて,それでもまだ大したことはないのですが,10 年後にはソーラーアーク 10 万基分以上が稼働していることになり,それを使いこなすには蓄電池が重要な役割を果たすのではないですかね。火力や原子力が必要かどうかという議論はまた別の話。
安価なので大規模蓄電に向くのではなく、大規模でしかできないけどWh単価が安いが正解。
と言いつつ、事故率とか事故時の対応などを見る限りとてもペイできる代物じゃない。だから最近話題の変電所における電圧安定のための蓄電池はNASではなくリチウムイオン蓄電池ベースで検討されてる。
#水が使えない(水を加えると大爆発する)から一度燃えたら砂かけて1ヶ月ぐらい鎮火するのを待つしかない上に、#静まったかな~と思って砂をどけた時に再引火しようもんならまた1ヶ月ぐらい待つことが必要とか、#事故発生時の対応が難しすぎる…。
容量がドカンと低下してるのはバックグラウンド(混ぜこんでる部材だけでの測定)な。
横から指摘してみましょう.
まず無料で読める部分(多分Supporting Info)にはきちんと「Blank test of Li3PS4 and carbon material」と書いてある.Blank testとあるように,これは本来の電極材料では無く,それに入っている(または入っている可能性のある)別の材料によるものだとわかる.じゃあそれがなんなのかというと,同じ文章にあるように"Li3PS4 and carbon".
今回実験で使っているものは,硫黄をLi3PS4(というか,そこから生じるリン)で架橋したものです.つまり,硫黄のポリマーがリンで架橋された「逆ゴム」的な構造.このあたり,私が以前日記で取り上げた硫黄ポリマー [srad.jp]と同じような設計指針ですね.これと炭素を混ぜ込んであるので,「見えている大きな容量に対する,混ぜ込んである炭素やLi3PS4の寄与は?」という疑問に答えるのがこのブランクテストです.で,この容量は非常に小さいんで,実験で見えている大きな容量は硫黄ポリマーに由来するんだろうね,と考えられると.
そもそも,このSupporting Infoのグラフを,電極の容量と誤解するのは無理があります.なにせ容量があまりに小さい.初回から現在の電極にも大きく劣るレベルなので,本文中にある「大容量が実現出来た(しかも300回の充放電に耐える)」と明らかに食い違います.だからその段階で「あ,何か誤解してるんだな」と気づかないとダメです.
なおこの素材,論文本体の図3にあるように,室温でも使用可能です.ただし室温で使用すると300回の充放電で容量が半分ぐらいに減ります.
>ただし室温で使用すると300回の充放電で容量が半分ぐらいに減ります.
今や4000回で80%容量のリチウムイオン蓄電池が普通になりつつある世の中でこの性能はどうよ…。やっすい奴でも1500回/80%程度の性能はあるのに…。
勘違いを指摘された時の反応を見れば、そいつがどの程度のやつかわかるよね。
ACが本人とは限らんだろ
かっこわる…プライドの方向性を間違えてますよ。
そりゃ違う。論文本体読めば、Supporting Informationの図に関する説明も載ってるし、読めば誤解する余地すら無い。「論文の補足説明」であるSupporting Informationの図だけ見て誤解して糞論文とか言ってるのはただのバカ&そもそものSupporting Informationと言うものを理解してない無知。
というか、Blank Test(本来測定すべきものを入れずに、空の状態でのバックグラウンド測定)って書いてあるにもかかわらず本測定だと誤解しちゃう段階で、読んでる方の英語力が根本的になってない。
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「毎々お世話になっております。仕様書を頂きたく。」「拝承」 -- ある会社の日常
まだ外野が騒ぐような代物ではない (スコア:1, 参考になる)
リンクをたどっていくとグラフの一部が無料で見れるが、C/10(1時間あたり総充電量の1/10を充電あるいは放電する。電池のストレステストとしてはかなりヌルい)で充放電を繰り返しても、わずか150サイクルで容量が75%低下している。つまり、どんなに注意深く扱っても、150回使うだけでリチウムイオン電池と同じ程度まで劣化するということ。研究結果としては非常に面白いけど、こんなものは商業用品として使い物にならない。
また、すべてのテストを60℃に昇温してやっているが、そんな面倒なことをやっているのは室温ではロクな性能が出ないからだろう。(どんな電池でも、昇温すれば、構成物が分解されたりしない限り性能は上がる。)だが、そんな温度を常に維持出来る環境というのは限られている。携帯やノートパソコンでは論外だし、乗用車でも昇温しないと使えない電池など採用してもらえまい。かならず基地で充電する前提の商用車なら外部電力でヒーターを動かせるから辛うじていいかもしれないが。しかし温度を下げるのは非常にムズカシイはずなので、今後もかなり大きなブレイクスルーが必要とされるだろう。
決してダメと言ってる訳ではない。これからこういう問題を解決すればいい電池になる可能性はまだある。だが、どんなにうまくいっても、この技術が携帯電話に搭載されるのは7-8年後であろう。自動車なら最低でも14-15年。
Re:まだ外野が騒ぐような代物ではない (スコア:4, おもしろおかしい)
>また、すべてのテストを60℃に昇温してやっているが、そんな面倒なことをやっているのは室温ではロクな性能が出ないからだろう。(どんな電池でも、昇温すれば、構成物が分解されたりしない限り性能は上がる。)だが、そんな温度を常に維持出来る環境というのは限られている。
Pentium4「ようやく俺の時代が来たわけだな……」
Thunderbird Athlon「お前にだけ頑張らせるわけにはいかねえぜ!」
Re:まだ外野が騒ぐような代物ではない (スコア:2)
負極がリチウムになるのかナトリウムになるのか判りませんがこれら全固体アルカリ金属・硫黄電池が実用化されるのは本当に先の話でしょうね。
Re:まだ外野が騒ぐような代物ではない (スコア:1)
NaS電池は安価なので、大規模な蓄電に役立つと聞きました。風力発電などと組み合わせて
地域全体のスマートグリッド化の切り札かと思っていました
あの事故の後、実用化はどうなっているのかな・・・・
スマートグリッド化が可能になり、発送電分離化が進めば、電力を市場の原理に任せることができるのに
Re:まだ外野が騒ぐような代物ではない (スコア:1)
家族経営の町工場が ソーラーアーク [panasonic.co.jp] の最大出力を ぺろっと [fujielectric.co.jp] 平らげる [kitashiba.co.jp] 事例なんぞ幾らでも在る訳で。(溶解量500kgの辺りまでがだいたい家族経営の鋳物屋が使う設備。)
結局産業用に安定しかつ大容量の電力を供給するために火力や原子力発電は必要なのですよ。
Re: (スコア:0)
確かに見た目は大きいので,ソーラーアークを大規模な太陽光発電施設だと思っている人が
多いのかもしれませんが,あれはメガソーラーですらないのですよ。
去年一年間でソーラーアーク 6000 基分が日本で導入されていて,それでもまだ大したことは
ないのですが,10 年後にはソーラーアーク 10 万基分以上が稼働していることになり,それを
使いこなすには蓄電池が重要な役割を果たすのではないですかね。火力や原子力が必要か
どうかという議論はまた別の話。
Re: (スコア:0)
安価なので大規模蓄電に向くのではなく、
大規模でしかできないけどWh単価が安いが正解。
と言いつつ、事故率とか事故時の対応などを見る限りとてもペイできる代物じゃない。
だから最近話題の変電所における電圧安定のための蓄電池はNASではなくリチウムイオン蓄電池ベースで検討されてる。
#水が使えない(水を加えると大爆発する)から一度燃えたら砂かけて1ヶ月ぐらい鎮火するのを待つしかない上に、
#静まったかな~と思って砂をどけた時に再引火しようもんならまた1ヶ月ぐらい待つことが必要とか、
#事故発生時の対応が難しすぎる…。
それは大きな勘違い (スコア:0)
容量がドカンと低下してるのはバックグラウンド(混ぜこんでる部材だけでの測定)な。
Re: (スコア:0)
Re:それは大きな勘違い (スコア:5, 参考になる)
横から指摘してみましょう.
まず無料で読める部分(多分Supporting Info)にはきちんと「Blank test of Li3PS4 and carbon material」と書いてある.Blank testとあるように,これは本来の電極材料では無く,それに入っている(または入っている可能性のある)別の材料によるものだとわかる.
じゃあそれがなんなのかというと,同じ文章にあるように"Li3PS4 and carbon".
今回実験で使っているものは,硫黄をLi3PS4(というか,そこから生じるリン)で架橋したものです.つまり,硫黄のポリマーがリンで架橋された「逆ゴム」的な構造.このあたり,私が以前日記で取り上げた硫黄ポリマー [srad.jp]と同じような設計指針ですね.
これと炭素を混ぜ込んであるので,「見えている大きな容量に対する,混ぜ込んである炭素やLi3PS4の寄与は?」という疑問に答えるのがこのブランクテストです.で,この容量は非常に小さいんで,実験で見えている大きな容量は硫黄ポリマーに由来するんだろうね,と考えられると.
そもそも,このSupporting Infoのグラフを,電極の容量と誤解するのは無理があります.なにせ容量があまりに小さい.初回から現在の電極にも大きく劣るレベルなので,本文中にある「大容量が実現出来た(しかも300回の充放電に耐える)」と明らかに食い違います.だからその段階で「あ,何か誤解してるんだな」と気づかないとダメです.
なおこの素材,論文本体の図3にあるように,室温でも使用可能です.ただし室温で使用すると300回の充放電で容量が半分ぐらいに減ります.
Re: (スコア:0)
>ただし室温で使用すると300回の充放電で容量が半分ぐらいに減ります.
今や4000回で80%容量のリチウムイオン蓄電池が普通になりつつある世の中でこの性能はどうよ…。
やっすい奴でも1500回/80%程度の性能はあるのに…。
Re:それは大きな勘違い (スコア:1)
勘違いを指摘された時の反応を見れば、そいつがどの程度のやつかわかるよね。
Re:それは大きな勘違い (スコア:1)
ACが本人とは限らんだろ
the.ACount
Re: (スコア:0)
かっこわる…
プライドの方向性を間違えてますよ。
Re: (スコア:0)
そりゃ違う。
論文本体読めば、Supporting Informationの図に関する説明も載ってるし、読めば誤解する余地すら無い。
「論文の補足説明」であるSupporting Informationの図だけ見て誤解して糞論文とか言ってるのはただのバカ&そもそものSupporting Informationと言うものを理解してない無知。
というか、Blank Test(本来測定すべきものを入れずに、空の状態でのバックグラウンド測定)って書いてあるにもかかわらず本測定だと誤解しちゃう段階で、読んでる方の英語力が根本的になってない。