こうしたメチル化マークは生殖細胞の段階でいったん消去されるのがふつうなのだが,豪シドニー大学の遺伝学者が率いるグループが1999年,毛色遺伝子のメチル化マークがメスの生殖細胞で保存されているのを発見した。DNAの変異と同様に,メチル化マークが子孫へ受け継がれていく可能性があるわけだ。
このマウスから,人間の肥満に関する手がかりも得られそうだ。アグーチ・バイアブル・イエローは食べ過ぎによって肥満しやすい。2008年,ベイラー医科大学のウォーターランド(Robert A. Waterland)は,この形質が子孫に遺伝し,世代が進むにつれて強まって,「太った母マウスの子どもはさらに太る」ことを発見した。
確認 (スコア:1)
この手のニュースって最近ちょくちょくある気がするのだけど、体の各所の細胞のDNAは生まれた時からずっと変わらないけれど、生殖細胞(精子だけかな)は後天的に獲得した情報を反映して変化している可能性が高いってことでいいのでしょうか>詳しい人
Re:確認 (スコア:1)
遺伝する獲得形質 [nikkeibook.com]
Re: (スコア:0)
横レスですが、リンク先よみました。
メチル化した部位が遺伝するらしいということはわかりましたが、
メチル化する部位に関する記述が不明瞭で、どうにも突然変異のように思えます。
「脳で経験したことが精巣とリンクして関連部位をメチル化させる」
っていうプロセスがあまりピンと来ません。
Re: (スコア:0)
今回のに当てはめてよいかはわからないんですが
思春期のストレスは神経エピジェネティクス機構の障害を引き起こし、成体の行動パターン・神経系を障害する [nagoya-u.ac.jp]
のように神経系のDNAメチル化はストレスで引き起こされるようです。
これのトリガーはホルモンらしいので、血液にのって体内を巡るなら、精巣に影響することはありそうに思えます。
Re: (スコア:0)
>メチル化する部位に関する記述が不明瞭で、どうにも突然変異のように思えます。
メチル化に限らないんですが、周辺状況に応じて遺伝子自体がいろいろと修飾されたり、DNAをコンパクトに巻き取っておくためのタンパク質であるヒストンが修飾されたり(これによりDNAのどこが巻き付くかなどが変わる)することが最近になってよくわかってきました。
これは、同じ遺伝子であっても環境に応じて(=必要性に応じて)遺伝子の発現のしやすさを変え、必要性の高いものをたくさん作ったり、不必要な部分の発現を抑えたり、といった制御になっているのだと考