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リンク先を読んでみると、Oecologiaの論文 [springer.com]ですね。いま広島で日本生態学会やってるからタイムリーかな?Abstractをざっと訳してみました。
『チェルノブイリ由来の放射能汚染が植物性物質の分解に与える影響は未だに未知である。我々は、重度に汚染されたサイトでは土壌無脊椎動物の消失または密度の低下が分解率を下げるだろうと予測した。もしも微生物が主要な分解者であったなら、大型の土壌無脊椎動物の排除は分解に影響を与えないであろう。2007年9月に、チェルノブイリの周囲のバックグラウンドの放射線量が2600倍異なる20のサイトにおいて、我々は汚染されていない4種の樹木の乾燥した落葉を入れた572個のバッグを落葉層に設置した。それらのバッグの約4分の1は土壌無脊椎動物の侵入を阻む目の細かいメッシュでできていた。これらのバッグは2008年の6月に回収され、質量減少を評価するため乾燥の上秤量された。ウクライナの正常なバックグラウンド放射線レベルのサイトと比較して、重度に汚染されたサイトでは落葉の質量減少は40%少なかった。同様の落葉の質量減少の低下を、個々のバッグ、異なるサイトのバッグ、および放射能汚染のレベルが異なる隣接したサイトのバッグの組の間の差について推定した。落葉の質量減少は、大型の土壌無脊椎動物がいる場合、いない場合より少しだけ多かった。林床の厚さは放射線レベルに沿って増加し、全ての落葉のバッグからの質量減少に比例して減少した。これらの発見から、放射能汚染は落葉の質量減少率を低下させ、落葉の蓄積を増加させ、植物の生育環境に影響することが示唆される。』
# なんかいまいちな英文です。"Similar reduction..."の文なんか構造破綻してるんじゃないかな。間違いがあったら直してください。
リターの分解にミミズやトビムシやササラダニ(こいつらまとめて土壌無脊椎動物)による摂食が大きく影響しているのはまあ常識です。Abstractではその生息数に触れられていなかったけれど、ツルグレン+ベールマンで調べるのはごく普通です。
基礎知識的な話をすると、落葉(リターlitter)の分解速度を知るのによく使われるのがリターバッグ法です。対象物を網の袋に詰めて林床(地面)においたり、地中に埋めたりします。一定期間後に回収して乾燥して秤量。根っこが入ってたりすると悲惨。それをいっぱいやったみたいです。ウクライナの自然放射能レベルは知らないけれど、福島レベル(0.05μSv/h)だったとしても2600倍あると130μSv/hだから1日仕事すると1mSv浴びちゃいますね。東日本は世界的にも自然放射能が低い方だったから、恐らくもっと高いでしょう。そんなところでよくやったもんです。
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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー
元ネタはOecologiaだよ (スコア:5, 参考になる)
リンク先を読んでみると、Oecologiaの論文 [springer.com]ですね。いま広島で日本生態学会やってるからタイムリーかな?Abstractをざっと訳してみました。
『チェルノブイリ由来の放射能汚染が植物性物質の分解に与える影響は未だに未知である。我々は、重度に汚染されたサイトでは土壌無脊椎動物の消失または密度の低下が分解率を下げるだろうと予測した。もしも微生物が主要な分解者であったなら、大型の土壌無脊椎動物の排除は分解に影響を与えないであろう。2007年9月に、チェルノブイリの周囲のバックグラウンドの放射線量が2600倍異なる20のサイトにおいて、我々は汚染されていない4種の樹木の乾燥した落葉を入れた572個のバッグを落葉層に設置した。それらのバッグの約4分の1は土壌無脊椎動物の侵入を阻む目の細かいメッシュでできていた。これらのバッグは2008年の6月に回収され、質量減少を評価するため乾燥の上秤量された。ウクライナの正常なバックグラウンド放射線レベルのサイトと比較して、重度に汚染されたサイトでは落葉の質量減少は40%少なかった。同様の落葉の質量減少の低下を、個々のバッグ、異なるサイトのバッグ、および放射能汚染のレベルが異なる隣接したサイトのバッグの組の間の差について推定した。落葉の質量減少は、大型の土壌無脊椎動物がいる場合、いない場合より少しだけ多かった。林床の厚さは放射線レベルに沿って増加し、全ての落葉のバッグからの質量減少に比例して減少した。これらの発見から、放射能汚染は落葉の質量減少率を低下させ、落葉の蓄積を増加させ、植物の生育環境に影響することが示唆される。』
# なんかいまいちな英文です。"Similar reduction..."の文なんか構造破綻してるんじゃないかな。間違いがあったら直してください。
リターの分解にミミズやトビムシやササラダニ(こいつらまとめて土壌無脊椎動物)による摂食が大きく影響しているのはまあ常識です。Abstractではその生息数に触れられていなかったけれど、ツルグレン+ベールマンで調べるのはごく普通です。
基礎知識的な話をすると、落葉(リターlitter)の分解速度を知るのによく使われるのがリターバッグ法です。対象物を網の袋に詰めて林床(地面)においたり、地中に埋めたりします。一定期間後に回収して乾燥して秤量。根っこが入ってたりすると悲惨。それをいっぱいやったみたいです。ウクライナの自然放射能レベルは知らないけれど、福島レベル(0.05μSv/h)だったとしても2600倍あると130μSv/hだから1日仕事すると1mSv浴びちゃいますね。東日本は世界的にも自然放射能が低い方だったから、恐らくもっと高いでしょう。そんなところでよくやったもんです。
Jubilee