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「囚人のジレンマ」で説明されるんじゃなくて、「淘汰圧は個体単位ではなく遺伝子単位で働く」ということで説明されるものと思っていたけど。
つまりある生物の「群れ」では各個体間で共通な遺伝子を持っている割合が高い。自分が犠牲になることによって、他の個体が持つ自分と共通する遺伝子が生き残る可能性が高くなるなら、その個体は自分を犠牲にして他を助ける行動をとることもありうる、という話。
親が子を守るために自分を犠牲にすることなどは、これで説明できる。遺伝子は、自分の遺伝情報が生き延びるためには、自分が現在乗っかっている個体を犠牲にしてでも他
私は生物学は授業を受けたり,本を読んでかじっただけですけど,同じ印象を持ちました。おっしゃっているのは,血縁淘汰ですね。「血縁淘汰」+ゲーム理論ということになると,メイナードスミスの「進化的に安定な戦略(ESS)」ですか。「進化とゲーム理論」昔読んだけれど,よくわからなかった。。。
それで,「血縁淘汰」などの生物系の議論を無視しているのかと思って,英語が不自由なために,長くて全部読めないので検索をかけたところ:
Researchers have proposed different possible mechanisms to explain cooperation. Kin selection (血縁淘
ESSは、少数の突然変異が生じたとしても、そうした変異を淘汰できる安定的な戦略というのが定義なので、ESSそのものは血縁淘汰とは独立な概念ですよ。メイナード・スミスの貢献も、血縁淘汰+ESSという新しい分析方法を確立したと考えることができます。
元論文は頭だけチラ見しましたけど、有限オートマトンに無限繰り返し囚人のジレンマを対戦させたときの新しい数学的性質を発見したよーという感じでしょうか。オートマトンを用いた囚人のジレンマ研究というのは90年代に盛んに行われていて、進化ゲームが流行してからはすっかり下火になってしまった印象がありますね。
ご教示ありがとうございます。ESSは単純に微分方程式と均衡の話でいいのですね。血縁淘汰がメイナードスミスの研究にどう影響してるのかは、昔読んだ当時(15年くらい前ですが)よく分かりませんでした。実はwikipediaの「社会生物学」のページにESSが血縁淘汰に関連したそうなことを書いてあったので、そうだったのかな?と思いながら知ったかして書いてしまいました。今、積ん読になっていたスミスの「進化遺伝学」を、この問題意識をもって眺めましたら、9章「構造のある集団での進化」で囚人のジレンマのESSを議論していて、協力型は裏切り型に侵入できないが、血縁の効果を考えたときに協力型が定着できる、というような議論があるのを見つけました。まさにこれが、yet-another-suさんのおっしゃる「血縁淘汰+ESSという新しい分析方法」ですね。(なかなか独学だと読み進めないものですね)。
有限オートマトンですか。同じものか分かりませんが、セルオートマトンの囚人のジレンマゲームでしたら昔よく見たことを覚えています。プログラムを動かすとパタパタとセルの色が変わってきれいで、突然裏切り戦略だらけになったり(協調は青,裏切りは赤)、雑誌の記事(サイエンスだったか)だと色だけではなくセルに顔が書いてあったりとかして(裏切りは怒った顔だったか)、懐かしいですね。
この情報系優位の掲示板ですと、血縁淘汰とかハミルトンとかESSとかなかなか出てこないですが、ドーキンスの話題はやっぱり出てきて、ドーキンスは生物系から見ても正しいはずなのでいい仕事しているな、と思います。生物系詳しい方にももっと書き込んで欲しいなって、元生物ファンの機械系の人間としては思います。
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コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell
生物の利他的行動というのは (スコア:0)
「囚人のジレンマ」で説明されるんじゃなくて、「淘汰圧は個体単位ではなく遺伝子単位で働く」ということで説明されるものと思っていたけど。
つまりある生物の「群れ」では各個体間で共通な遺伝子を持っている割合が高い。
自分が犠牲になることによって、他の個体が持つ自分と共通する遺伝子が生き残る可能性が高くなるなら、
その個体は自分を犠牲にして他を助ける行動をとることもありうる、という話。
親が子を守るために自分を犠牲にすることなどは、これで説明できる。
遺伝子は、自分の遺伝情報が生き延びるためには、自分が現在乗っかっている個体を犠牲にしてでも
他
Re: (スコア:0)
私は生物学は授業を受けたり,本を読んでかじっただけですけど,同じ印象を持ちました。おっしゃっているのは,血縁淘汰ですね。
「血縁淘汰」+ゲーム理論ということになると,メイナードスミスの「進化的に安定な戦略(ESS)」ですか。「進化とゲーム理論」昔読んだけれど,よくわからなかった。。。
それで,「血縁淘汰」などの生物系の議論を無視しているのかと思って,英語が不自由なために,長くて全部読めないので検索をかけたところ:
Researchers have proposed different possible mechanisms to explain cooperation. Kin selection (血縁淘
Re: (スコア:1)
ESSは、少数の突然変異が生じたとしても、そうした変異を淘汰できる安定的な戦略というのが定義なので、ESSそのものは血縁淘汰とは独立な概念ですよ。
メイナード・スミスの貢献も、血縁淘汰+ESSという新しい分析方法を確立したと考えることができます。
元論文は頭だけチラ見しましたけど、有限オートマトンに無限繰り返し囚人のジレンマを対戦させたときの新しい数学的性質を発見したよーという感じでしょうか。
オートマトンを用いた囚人のジレンマ研究というのは90年代に盛んに行われていて、進化ゲームが流行してからはすっかり下火になってしまった印象がありますね。
Re:生物の利他的行動というのは (スコア:0)
ご教示ありがとうございます。ESSは単純に微分方程式と均衡の話でいいのですね。血縁淘汰がメイナードスミスの研究にどう影響してるのかは、昔読んだ当時(15年くらい前ですが)よく分かりませんでした。実はwikipediaの「社会生物学」のページにESSが血縁淘汰に関連したそうなことを書いてあったので、そうだったのかな?と思いながら知ったかして書いてしまいました。
今、積ん読になっていたスミスの「進化遺伝学」を、この問題意識をもって眺めましたら、9章「構造のある集団での進化」で囚人のジレンマのESSを議論していて、協力型は裏切り型に侵入できないが、血縁の効果を考えたときに協力型が定着できる、というような議論があるのを見つけました。まさにこれが、yet-another-suさんのおっしゃる「血縁淘汰+ESSという新しい分析方法」ですね。
(なかなか独学だと読み進めないものですね)。
有限オートマトンですか。同じものか分かりませんが、セルオートマトンの囚人のジレンマゲームでしたら昔よく見たことを覚えています。プログラムを動かすとパタパタとセルの色が変わってきれいで、突然裏切り戦略だらけになったり(協調は青,裏切りは赤)、雑誌の記事(サイエンスだったか)だと色だけではなくセルに顔が書いてあったりとかして(裏切りは怒った顔だったか)、懐かしいですね。
この情報系優位の掲示板ですと、血縁淘汰とかハミルトンとかESSとかなかなか出てこないですが、ドーキンスの話題はやっぱり出てきて、ドーキンスは生物系から見ても正しいはずなのでいい仕事しているな、と思います。生物系詳しい方にももっと書き込んで欲しいなって、元生物ファンの機械系の人間としては思います。