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日本の絞首刑では、執行ボタンが3つあって(うち二つはダミー)3人の担当者が同時に押すことで執行される。それによって、どの担当者が本物のボタンを押したのかが分からないので「自分が殺してしまった」という罪悪感を減らせると聞いた。注射だとそんな細かい芸当はできないと思うけど、トラウマになったりしないのかな?それとも3人の執行官が注射を打つけど、うち二人は生理食塩水を打ってるだけなのかな?
薬物注射による死刑執行も、機械式で執行ボタン押すタイプのやつがあったりしますよ。ダミー付き。担当者は「薬物を機械に注入→投与ボタンを押す」をやるわけですが、これを複数人がそれぞれ実行します。銃殺刑でも、発砲担当が複数いて、一人分には実弾が入っているけれどそれ以外は空砲(あるいは致死性のない弾)、とかだったりするので同じ方式を取ったわけですな。
ちなみに薬殺刑には3種類の薬品が用いられ、麻酔→筋弛緩剤→心停止液、の順で投与されますが不足に陥るのは「麻酔」用の薬品で、死ぬのは死ぬけど鎮痛されず苦しむ、ゆえに非人道的という理屈です。薬殺刑用の麻酔薬が不足になることは何年も前からわかっていました(欧州の製薬会社が薬殺刑用としての薬品輸出をやめたのは2010年頃)。もちろん代替品が探されてきた……というか、実際の死刑執行に使って試されてきました。で、苦しんで死にました。その代替品も在庫が少なくなったので次の代替品を試したらやっぱり苦しんで死んだとか、これまではそういう有様です。
麻酔薬はいろいろありますよね。実際の手術で使われている全身麻酔は、確実に意識がなくなり、メスで切られても苦しみませんがこれが薬殺用に使われなかった理由は何ですか?
同じ薬品でも医療用と薬殺用では扱いが別で、製薬会社は「薬殺用」の輸出をやめたのです。やめたというか、そういう輸出規制があるので「その使用目的では輸出できなくなった」が正しいですが。なので「薬殺刑用としての薬品輸出」と書きました。
外科手術用麻酔薬として知られるプロポフォールを死刑に使う予定もあったのですがそうすると医療用もひっくるめてプロポフォールそのものが規制されかねなかったためアメリカ側が自粛するような形で使用が取りやめになりました。このあたりはEUの輸出規制により、米国での死刑執行が延期される [srad.jp]として/.-jでも記事になってます。ほんとに何年も前からの問題なんですよ。
さて、医療用として使われているものまで規制されては困る、という理屈はプロポフォールに限らないわけですからじゃあどうしようかといったところで、混合麻酔(いわゆるカクテル)に目が向けられました。単体の麻酔薬としては医療用全身麻酔に使えないような効果が弱いものでも、組み合わせればいけるのではないかということです。
しかし、外科手術においては普通に医療用の全身麻酔薬を使えばいいので、わざわざカクテルは使われませんでしたし、死刑もこれまではチオペンタールがあった(※)ため、カクテルが使われたことがありませんでした。つまり使用実績がないものの中から新たに探すことになります。
で、死刑執行に際して何度か(さまざまなカクテルが)ぶっつけ本番で使われましたがそれらには充分な鎮痛作用がなかったため、今になってもこうして問題になっているのです。
※チオペンタールはアメリカ国内でも一社だけ製造していたのですが、あるときその会社が製薬施設をイタリアへ移転しようとしたのです。 ところが欧州には件の輸出規制が存在することから、そんな移転は受け入れないとイタリアが首を横に振り……というのがすべての発端です。 この製薬会社はチオペンタールの製造そのものを諦めてしまい、アメリカ国内調達が不可能になりました。 FDAはうるさいわロクな利益にならないわで新たな名乗り手も出てこないようです。
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私はプログラマです。1040 formに私の職業としてそう書いています -- Ken Thompson
注射を打つ人はトラウマにならないのか? (スコア:1)
日本の絞首刑では、執行ボタンが3つあって(うち二つはダミー)3人の担当者が同時に押すことで執行される。
それによって、どの担当者が本物のボタンを押したのかが分からないので「自分が殺してしまった」という罪悪感を減らせると聞いた。
注射だとそんな細かい芸当はできないと思うけど、トラウマになったりしないのかな?
それとも3人の執行官が注射を打つけど、うち二人は生理食塩水を打ってるだけなのかな?
Re: (スコア:1, 参考になる)
薬物注射による死刑執行も、機械式で執行ボタン押すタイプのやつがあったりしますよ。ダミー付き。
担当者は「薬物を機械に注入→投与ボタンを押す」をやるわけですが、これを複数人がそれぞれ実行します。
銃殺刑でも、発砲担当が複数いて、一人分には実弾が入っているけれどそれ以外は空砲(あるいは致死性のない弾)、とかだったりするので
同じ方式を取ったわけですな。
ちなみに薬殺刑には3種類の薬品が用いられ、麻酔→筋弛緩剤→心停止液、の順で投与されますが
不足に陥るのは「麻酔」用の薬品で、死ぬのは死ぬけど鎮痛されず苦しむ、ゆえに非人道的という理屈です。
薬殺刑用の麻酔薬が不足になることは何年も前からわかっていました(欧州の製薬会社が薬殺刑用としての薬品輸出をやめたのは2010年頃)。
もちろん代替品が探されてきた……というか、実際の死刑執行に使って試されてきました。
で、苦しんで死にました。
その代替品も在庫が少なくなったので次の代替品を試したらやっぱり苦しんで死んだとか、これまではそういう有様です。
Re: (スコア:0)
麻酔薬はいろいろありますよね。
実際の手術で使われている全身麻酔は、確実に意識がなくなり、メスで切られても苦しみませんが
これが薬殺用に使われなかった理由は何ですか?
Re:注射を打つ人はトラウマにならないのか? (スコア:0)
同じ薬品でも医療用と薬殺用では扱いが別で、製薬会社は「薬殺用」の輸出をやめたのです。
やめたというか、そういう輸出規制があるので「その使用目的では輸出できなくなった」が正しいですが。
なので「薬殺刑用としての薬品輸出」と書きました。
外科手術用麻酔薬として知られるプロポフォールを死刑に使う予定もあったのですが
そうすると医療用もひっくるめてプロポフォールそのものが規制されかねなかったため
アメリカ側が自粛するような形で使用が取りやめになりました。
このあたりはEUの輸出規制により、米国での死刑執行が延期される [srad.jp]として/.-jでも記事になってます。
ほんとに何年も前からの問題なんですよ。
さて、医療用として使われているものまで規制されては困る、という理屈はプロポフォールに限らないわけですから
じゃあどうしようかといったところで、混合麻酔(いわゆるカクテル)に目が向けられました。
単体の麻酔薬としては医療用全身麻酔に使えないような効果が弱いものでも、組み合わせればいけるのではないかということです。
しかし、外科手術においては普通に医療用の全身麻酔薬を使えばいいので、わざわざカクテルは使われませんでしたし、
死刑もこれまではチオペンタールがあった(※)ため、カクテルが使われたことがありませんでした。
つまり使用実績がないものの中から新たに探すことになります。
で、死刑執行に際して何度か(さまざまなカクテルが)ぶっつけ本番で使われましたが
それらには充分な鎮痛作用がなかったため、今になってもこうして問題になっているのです。
※チオペンタールはアメリカ国内でも一社だけ製造していたのですが、あるときその会社が製薬施設をイタリアへ移転しようとしたのです。
ところが欧州には件の輸出規制が存在することから、そんな移転は受け入れないとイタリアが首を横に振り……というのがすべての発端です。
この製薬会社はチオペンタールの製造そのものを諦めてしまい、アメリカ国内調達が不可能になりました。
FDAはうるさいわロクな利益にならないわで新たな名乗り手も出てこないようです。