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がんになるのは,がん細胞に対して,免疫系が対応しきれなかったから,
癌細胞は本人の細胞なので外的要因向けの免疫さんは仕事しないのでは。。。
細胞免疫が機能するのは変異した遺伝子によって作られる抗原なので、免疫さんは仕事をしますよ。ただ、がんは元々本人の細胞なので、反応が弱くてがん細胞の増殖を抑えられなくなることがあり、それががんの発症となります。
このがんと免疫の関係は「免疫編集」という概念で説明が試みられています。http://epoc.ncc.go.jp/division/immunology/project1.php [ncc.go.jp]
免疫編集のリンクはこちらでした(pdfですが)http://www.hokkaido-juishikai.jp/wp/wp-content/uploads/2017/04/1702_01.pdf [hokkaido-juishikai.jp]
> 外的要因向けの免疫さんは仕事しないのでは。。。という考えが、ここ数年で大きく変化したのが「ガン免疫療法」の核です。
免疫療法が隆盛していますが、そのはしりが、丸山ワクチン [wikipedia.org]なんだよなと思うのは、もういいおっさんですかね。
細胞性免疫の仕組みですが、
生殖細胞など、一部の細胞以外ではMHCによって細胞内のたんぱく質の構成要素であるペプチドが抗原提示されています。これは細胞内たんぱく質の一部がリソソームによって分解され、MHCと結合して細胞表面に現れるからです。
これにより、細胞がウィルスに感染すればウィルスのたんぱく質の一部が抗原として提示され、細胞外から細胞内の異常が識別できるようになっています。同様に、がん細胞に関しても変異した遺伝子に関連するペプチド断片が抗原提示されます。
樹状細胞やマクロファージといった抗原提示細胞にこれらの異物ペプチドが取り込まれると、抗原提示細胞表面のMHCによって抗原提示され、抗原に対応する細胞傷害性Tリンパ球やヘルパーT細胞などを活性化します(実際には抗原提示細胞のMHCにはクラスⅠ、Ⅱがありますが、細かい部分は省略します)。活性化した細胞傷害性Tリンパ球は、特定の異物由来のペプチドと結合したMHCを持つ標的細胞を発見すると、細胞傷害性顆粒たんぱく質を注入して標的細胞を殺します。
T細胞自体は特定の型のMHCと結合した特定のペプチドの組み合わせのみを識別し、抗原が外因性や変異性由来のものか正常な自己の組織由来のものであるかを識別する能力はありません。ある抗原に特異的に作用するT細胞の集合(レパトワ)から自己由来の抗原に反応するT細胞群を除去することによって、自己を攻撃せず、異物を認識できる能力を持たせています。これは、未熟T細胞では抗原レセプター遺伝子組み換えによってあらゆる抗原に対応した抗原特異的T細胞群が形成され、その後胸腺でのネガティブセレクションと呼ばれる過程で、自己由来抗原に反応したT細胞にはアポトーシスが誘導されることによって達成されています。
以上がざっくりとした細胞免疫の説明ですが、がんの抑制に免疫は重要な役割を果たしています。ちなみに、細胞性免疫は移植の拒絶反応にも関係していて、MHCの型はHLAの型と同じ意味です。NK・NKT細胞もがんの抑制に関係しているとされていますが、がん細胞を識別する仕組みには未解明の部分があるようです。
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Stableって古いって意味だっけ? -- Debian初級
免疫系ががんに負けたのに,それに期待するのは間違い (スコア:2)
大きく育ってしまったがんが切除か破壊以外で消える,というのは,可能性はかなり低いんですよね。
いきなりではなく,積み重ねの結果なので,いまから免疫高めたって遅い,みたいな。
代替治療の中には免疫力を高めるものも少なくないですので,
標準治療で致命的な病巣を取り除いた後なら有意義なものもあるかもしれませんね。
もっとも,免疫力つけるっていったって,体力をつけることと,ストレスをためないことぐらいなので,
術後,代替治療にハマるよりは,軽い運動を兼ねた小旅行を積み重ねた方がQOL的にも良さそうですが。
Re:免疫系ががんに負けたのに,それに期待するのは間違い (スコア:0)
がんになるのは,がん細胞に対して,免疫系が対応しきれなかったから,
癌細胞は本人の細胞なので
外的要因向けの免疫さんは仕事しないのでは。。。
Re:免疫系ががんに負けたのに,それに期待するのは間違い (スコア:2, 参考になる)
細胞免疫が機能するのは変異した遺伝子によって作られる抗原なので、免疫さんは仕事をしますよ。
ただ、がんは元々本人の細胞なので、反応が弱くてがん細胞の増殖を抑えられなくなることがあり、それががんの発症となります。
このがんと免疫の関係は「免疫編集」という概念で説明が試みられています。
http://epoc.ncc.go.jp/division/immunology/project1.php [ncc.go.jp]
Re:免疫系ががんに負けたのに,それに期待するのは間違い (スコア:2)
そのバランスが崩れたままだと,
運が悪いと免疫に競り勝つぐらいにがん細胞が成長してしまうというか。
それがいわゆる悪性腫瘍,ってやつですよね。
免疫で対応しきれなくなった緊急事態なのに,生活習慣の改善や神頼みをしても事は改善するわけないですわな。
Re:免疫系ががんに負けたのに,それに期待するのは間違い (スコア:1)
免疫編集のリンクはこちらでした(pdfですが)
http://www.hokkaido-juishikai.jp/wp/wp-content/uploads/2017/04/1702_01.pdf [hokkaido-juishikai.jp]
Re:免疫系ががんに負けたのに,それに期待するのは間違い (スコア:1)
> 外的要因向けの免疫さんは仕事しないのでは。。。
という考えが、ここ数年で大きく変化したのが「ガン免疫療法」の核です。
Re: (スコア:0)
免疫療法が隆盛していますが、そのはしりが、
丸山ワクチン [wikipedia.org]なんだよな
と思うのは、もういいおっさんですかね。
Re:免疫系ががんに負けたのに,それに期待するのは間違い (スコア:1)
細胞性免疫の仕組みですが、
生殖細胞など、一部の細胞以外ではMHCによって細胞内のたんぱく質の構成要素であるペプチドが抗原提示されています。
これは細胞内たんぱく質の一部がリソソームによって分解され、MHCと結合して細胞表面に現れるからです。
これにより、細胞がウィルスに感染すればウィルスのたんぱく質の一部が抗原として提示され、細胞外から細胞内の異常が識別できるようになっています。
同様に、がん細胞に関しても変異した遺伝子に関連するペプチド断片が抗原提示されます。
樹状細胞やマクロファージといった抗原提示細胞にこれらの異物ペプチドが取り込まれると、抗原提示細胞表面のMHCによって抗原提示され、抗原に対応する細胞傷害性Tリンパ球やヘルパーT細胞などを活性化します(実際には抗原提示細胞のMHCにはクラスⅠ、Ⅱがありますが、細かい部分は省略します)。
活性化した細胞傷害性Tリンパ球は、特定の異物由来のペプチドと結合したMHCを持つ標的細胞を発見すると、細胞傷害性顆粒たんぱく質を注入して標的細胞を殺します。
T細胞自体は特定の型のMHCと結合した特定のペプチドの組み合わせのみを識別し、抗原が外因性や変異性由来のものか正常な自己の組織由来のものであるかを識別する能力はありません。
ある抗原に特異的に作用するT細胞の集合(レパトワ)から自己由来の抗原に反応するT細胞群を除去することによって、自己を攻撃せず、異物を認識できる能力を持たせています。
これは、未熟T細胞では抗原レセプター遺伝子組み換えによってあらゆる抗原に対応した抗原特異的T細胞群が形成され、その後胸腺でのネガティブセレクションと呼ばれる過程で、自己由来抗原に反応したT細胞にはアポトーシスが誘導されることによって達成されています。
以上がざっくりとした細胞免疫の説明ですが、がんの抑制に免疫は重要な役割を果たしています。
ちなみに、細胞性免疫は移植の拒絶反応にも関係していて、MHCの型はHLAの型と同じ意味です。
NK・NKT細胞もがんの抑制に関係しているとされていますが、がん細胞を識別する仕組みには未解明の部分があるようです。