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名実共に日本の半導体産業がシステムLSIに期待をかけた時代の終焉ですね(とっくの昔に終わっていたと言って良いのかもしれませんが)日本はパワーデバイスの時代なのかな?
システムLSI死亡の責任の一端は、大学や政府研究機関にもある気がしてます。日本の大学では、物性・プロセス・デバイスに偏重してて、システムLSIどころかLSIの設計自体を教育・研究する場所が少ない。世間の需要が変わっても教授が入れ替わらないから、研究する内容が30年前の分野のまま。アメリカから戻った30-40歳代の若い教授がLSI設計教えてる中国とは対照的。
日本はパワーデバイスの時代と言うのはその通りかもしれないけど、物性重視の研究体制にたまたまヒットしただけな気がする。
それは鶏が先か卵が先かと言う話で、LSIが弱かったからPCや家電のデジタル化について行けなかった面もある。回路図を図面で書いてる時代は良かったけど、RTLとシステム設計の時代になってからは、体系化した設計の方法論が無くてどうにも。外資系にしかいなかったら気が付かないかもしれないけど、日本のシステムLSI設計の現場は今のソフト開発と同じで竹槍で戦闘機と戦ってる感じだったよ。
#今も半導体屋の中の人だけどAC
>RTLとシステム設計の時代になってからは、体系化した設計の方法論が無くてどうにも。>日本のシステムLSI設計の現場は今のソフト開発と同じで竹槍で戦闘機と戦ってる感じだったよ。
とりあえず「ご愁傷様」とだけ言っておこう。RTLなんぞとりあえず文法覚えて書くだけなら新人でも数週間でどうにかなる。もちろんそんなレベルの奴にシステム設計は無理だけど、簡単な部分のコーディングなら後チェックの手間を考えなければ一応なんとかなる。でもそういう人間を集めてシステム屋きどりしてる会社が当時わんさか沸いていたのも事実で、そういう所はちゃんとした設計手法(これ
そうですよね。
日本企業のいうシステムLSI事業って、「お客さんのいう仕様をお客さんに金(=人件費)を出してもらって作りまっせ」というもので、下手すりゃ「コーディングとシミュレーションはします。でも他はシステム設計もテストベンチも全部お客さんの仰せのままに」の印象が強かった。なので、手取り足取り半導体屋のお友達の設計受託会社にいろいろ教えた挙げ句、セットメーカー側には何も残らない、という感じだった。(東芝がそうだったかは知らない)もちろん、セットメーカー側でシステム設計からコーディング、ドライバ開発、その後の基板・筐体・機構・ソフトウェア・その他の開発まで全て垂直統合できるくらいの力があればいいのだろうけど、なかなかそんな事業ってなかったと思う。NREもどんどん高騰したし。
海外のSoCベンダの場合は、もっと上流工程から自己投資でやるので、セットメーカーが「こういう機能があったら使えるんだけど」というと、要求仕様分析・システム設計から評価ボード・ドライバ開発まで全部自己投資する代わりに、他のユーザーにも使えるようにして汎用品として売る。第一世代は使い物にならないことも少なくなかったけど、世代を重ねるごとにまともになっていって、セットメーカー視点では「これだったらこっち使ったほうが開発投資少なくていいじゃん。どうしても足りないところはそこだけFPGAとかで何とかしよう。」となっていった印象が強いですね。
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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie
システムLSIの終焉 (スコア:0)
名実共に日本の半導体産業がシステムLSIに期待をかけた時代の終焉ですね
(とっくの昔に終わっていたと言って良いのかもしれませんが)
日本はパワーデバイスの時代なのかな?
Re: (スコア:0)
システムLSI死亡の責任の一端は、大学や政府研究機関にもある気がしてます。
日本の大学では、物性・プロセス・デバイスに偏重してて、システムLSIどころかLSIの設計自体を教育・研究する場所が少ない。
世間の需要が変わっても教授が入れ替わらないから、研究する内容が30年前の分野のまま。
アメリカから戻った30-40歳代の若い教授がLSI設計教えてる中国とは対照的。
日本はパワーデバイスの時代と言うのはその通りかもしれないけど、物性重視の研究体制にたまたまヒットしただけな気がする。
Re: (スコア:5, 参考になる)
まだ日本の家電メーカーが全盛だった頃は、外資の半導体メーカーも日本の家電向けにシステムLSI作っているところが多かった。
ここ20年くらいで外資のメーカーは日本向け事業を整理してましたから、東芝は逃げ遅れただけです。
#元外資半導体屋の中の人なのでAC
Re: (スコア:1)
それは鶏が先か卵が先かと言う話で、LSIが弱かったからPCや家電のデジタル化について行けなかった面もある。
回路図を図面で書いてる時代は良かったけど、RTLとシステム設計の時代になってからは、体系化した設計の方法論が無くてどうにも。
外資系にしかいなかったら気が付かないかもしれないけど、日本のシステムLSI設計の現場は今のソフト開発と同じで竹槍で戦闘機と戦ってる感じだったよ。
#今も半導体屋の中の人だけどAC
Re: (スコア:1)
>RTLとシステム設計の時代になってからは、体系化した設計の方法論が無くてどうにも。
>日本のシステムLSI設計の現場は今のソフト開発と同じで竹槍で戦闘機と戦ってる感じだったよ。
とりあえず「ご愁傷様」とだけ言っておこう。
RTLなんぞとりあえず文法覚えて書くだけなら新人でも数週間でどうにかなる。
もちろんそんなレベルの奴にシステム設計は無理だけど、簡単な部分のコーディングなら
後チェックの手間を考えなければ一応なんとかなる。でもそういう人間を集めてシステム屋
きどりしてる会社が当時わんさか沸いていたのも事実で、そういう所はちゃんとした
設計手法(これ
Re:システムLSIの終焉 (スコア:2, 興味深い)
そうですよね。
日本企業のいうシステムLSI事業って、「お客さんのいう仕様をお客さんに金(=人件費)を出してもらって作りまっせ」というもので、下手すりゃ「コーディングとシミュレーションはします。でも他はシステム設計もテストベンチも全部お客さんの仰せのままに」の印象が強かった。なので、手取り足取り半導体屋のお友達の設計受託会社にいろいろ教えた挙げ句、セットメーカー側には何も残らない、という感じだった。(東芝がそうだったかは知らない)
もちろん、セットメーカー側でシステム設計からコーディング、ドライバ開発、その後の基板・筐体・機構・ソフトウェア・その他の開発まで全て垂直統合できるくらいの力があればいいのだろうけど、なかなかそんな事業ってなかったと思う。NREもどんどん高騰したし。
海外のSoCベンダの場合は、もっと上流工程から自己投資でやるので、セットメーカーが「こういう機能があったら使えるんだけど」というと、要求仕様分析・システム設計から評価ボード・ドライバ開発まで全部自己投資する代わりに、他のユーザーにも使えるようにして汎用品として売る。
第一世代は使い物にならないことも少なくなかったけど、世代を重ねるごとにまともになっていって、セットメーカー視点では「これだったらこっち使ったほうが開発投資少なくていいじゃん。どうしても足りないところはそこだけFPGAとかで何とかしよう。」となっていった印象が強いですね。