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中国新聞の17日の報道によれば、段差の本土の室津側の橋台付近の橋桁が跳ね上がったためにできたと見られている。橋台につなぎ留めていた鋼材が破断した可能性があるとしている
ここ、中国新聞の原文だと
県によると、段差は本土の室津側の橋台付近の橋桁が跳ね上がるかたちで発生。橋台につなぎ留めていた鋼材が何らかの原因で破断した恐れがあるという。
つまり橋桁が跳ね上がったように見えるというだけの話で、本当に跳ね上がったのか、地盤沈下なのか、何が原因かは未だ不明という感じのニュアンスだと思います。
橋台につなぎ留めていた鋼材というのはおそらく支承のことで、何らかの原因で橋桁が上がって支承部が壊れたという結果的な話ですね。
15日の報道だと
路面や桁の内部を目視点検したところ、本土の室津半島側の桁が約20センチせり上がり、逆に橋中央部がシーソーのように約1センチ沈んでいたという。
とあるので、取付道路(アバット)側の沈下が原因の説は消えたことになりますね。また、コンクリート自体の変形も考えにくいので、橋中央部の沈下の説が有力な感じでしょうか。それはそれで離島側の接続部が跳ね上がってない理由の説明が難しくなりますが。
この橋はドゥルックバンド橋という方式だそうで、径間の重量バランスが悪いのを支えるために、橋台から橋桁に鋼棒を渡して強く引っ張っているのだそうです。おそらくこの鋼棒が破断して、本来の重量バランスで釣り合う点までずれたのではないか、という話です。
建設時に橋脚から両側にバランスを取って桁を造っていくけど、橋脚と橋台の間が短いので橋台まで桁が到達しても、まだ橋脚間は対岸から伸びてきた桁と閉合しない。それより先まで建設を進めると、細い橋脚のままでは転倒してしまうから、鋼棒で引っ張って転倒しないようにして工事した、ということなんでしょう。閉合してしまえば、鋼棒がなくても支えられるが、重量が釣り合う点ではなかったと。
なので離島側の接続部が跳ね上がっていないのは、そちら側の鋼棒は破断していないということになります。
このままの状態で、橋台側で桁にうまく取り付くように高さを調整する材料を入れて使い続けられるのかどうかは不明です。引っ張る力がなくなると、最悪橋全体が横に転倒するおそれがあるんじゃないか、という意見も見ました。専門家が試算するのでは。
日経クロステック [nikkei.com]の記事もそれを追認する形ですね(図が載っているのでわかりやすい)
引張材を有する道路橋の損傷例と 定期点検に関する参考資料 (案) [mlit.go.jp]の最後2ページが、ドゥルックバンド橋の損傷例になってるね。ところで、平成31年の国交省 道路局関係の委員会・審議会資料みたいだけれど、委員会・審議会名が不明だし、「案」が取れた資料は公開されていないみたいだし、色々不思議な資料だ。
まあ国交省は「案」のまま何年も運用することが珍しくないので……と思ったら道路橋定期点検要領(平成31年2月)の一部として「案」が取れた正式な資料はこちらで公開されていました
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/yobohozen.html [mlit.go.jp]https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/tenken/yobo4_1-2.pdf [mlit.go.jp]
> 閉合してしまえば、鋼棒がなくても支えられるが、重量が釣り合う点ではなかったと。
(#3926854)で紹介されている日経クロステックの記事によると、中央で接合しているのはヒンジ構造なので接合後も引っ張り力は変わらず加わったままのようです。
> 桁端部には常に上向きの力が作用する。その力で浮き上がらないように桁と橋座をアンカーでつないでいた。アンカーが何らかの原因で損傷した可能性が高い
アンカーの固定部が緩んだのか、アンカーそのものが老朽化で破断したのか不明ですが、修理大変そう。
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ソースを見ろ -- ある4桁UID
補足 (スコア:0)
ここ、中国新聞の原文だと
つまり橋桁が跳ね上がったように見えるというだけの話で、本当に跳ね上がったのか、地盤沈下なのか、何が原因かは未だ不明という感じのニュアンスだと思います。
橋台につなぎ留めていた鋼材というのはおそらく支承のことで、何らかの原因で橋桁が上がって支承部が壊れたという結果的な話ですね。
Re:補足 (スコア:0)
15日の報道だと
とあるので、取付道路(アバット)側の沈下が原因の説は消えたことになりますね。また、コンクリート自体の変形も考えにくいので、橋中央部の沈下の説が有力な感じでしょうか。
それはそれで離島側の接続部が跳ね上がってない理由の説明が難しくなりますが。
Re:補足 (スコア:2)
この橋はドゥルックバンド橋という方式だそうで、径間の重量バランスが悪いのを支えるために、
橋台から橋桁に鋼棒を渡して強く引っ張っているのだそうです。
おそらくこの鋼棒が破断して、本来の重量バランスで釣り合う点までずれたのではないか、という話です。
建設時に橋脚から両側にバランスを取って桁を造っていくけど、橋脚と橋台の間が短いので
橋台まで桁が到達しても、まだ橋脚間は対岸から伸びてきた桁と閉合しない。
それより先まで建設を進めると、細い橋脚のままでは転倒してしまうから、
鋼棒で引っ張って転倒しないようにして工事した、ということなんでしょう。
閉合してしまえば、鋼棒がなくても支えられるが、重量が釣り合う点ではなかったと。
なので離島側の接続部が跳ね上がっていないのは、そちら側の鋼棒は破断していないということになります。
このままの状態で、橋台側で桁にうまく取り付くように高さを調整する材料を入れて使い続けられるのかどうかは不明です。
引っ張る力がなくなると、最悪橋全体が横に転倒するおそれがあるんじゃないか、
という意見も見ました。
専門家が試算するのでは。
Re:補足 (スコア:1)
日経クロステック [nikkei.com]の記事もそれを追認する形ですね(図が載っているのでわかりやすい)
Re: (スコア:0)
引張材を有する道路橋の損傷例と 定期点検に関する参考資料 (案) [mlit.go.jp]の最後2ページが、ドゥルックバンド橋の損傷例になってるね。
ところで、平成31年の国交省 道路局関係の委員会・審議会資料みたいだけれど、委員会・審議会名が不明だし、「案」が取れた資料は公開されていないみたいだし、色々不思議な資料だ。
Re: (スコア:0)
まあ国交省は「案」のまま何年も運用することが珍しくないので……と思ったら
道路橋定期点検要領(平成31年2月)の一部として「案」が取れた正式な資料はこちらで公開されていました
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/yobohozen.html [mlit.go.jp]
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/tenken/yobo4_1-2.pdf [mlit.go.jp]
Re: (スコア:0)
> 閉合してしまえば、鋼棒がなくても支えられるが、重量が釣り合う点ではなかったと。
(#3926854)で紹介されている日経クロステックの記事によると、中央で接合しているのはヒンジ構造なので接合後も引っ張り力は変わらず加わったままのようです。
> 桁端部には常に上向きの力が作用する。その力で浮き上がらないように桁と橋座をアンカーでつないでいた。アンカーが何らかの原因で損傷した可能性が高い
アンカーの固定部が緩んだのか、アンカーそのものが老朽化で破断したのか不明ですが、修理大変そう。