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映像情報メディア学会誌69巻(2015)3号の特集「最近のラジオ技術」の「2.NHKの中波ラジオ送信機 [jst.go.jp]」(登録しななくとも読めます)に2015年頃のNHK中波送信設備の更新動向について述べられています。
NHKの場合は2011年から更新を行い、札幌/秋田/東京/名古屋/大阪/福岡/熊本の7箇所ある大電力送信所については2015年に新しくなっている模様。中電力は75箇所、小電力は144箇所あり、同じく2011年から更新が行われているらしい(終わったかどうかは不明)
NHKについては、まだしばらくは稼働し続けるのではないかという感じがしますね
それにしても「2015年の大阪R2用送信機更新をもって全ラジオ送信所の真空管式送信機の更新を完了する予定である」って、結構最近まで真空管が使われていたとは驚きです。
150kW送信機の場合、真空管6本でまかなっていたものが、半導体だと300台で構成するらしく、それはそれで大変そうです。
真空管といっても、ガラス管の中にほんのりヒーターの灯が...なんてもんじゃないですから。オーバー100kWクラスだと9F45 [uec.ac.jp]とかアイマック4CV250000 [tubedata.jp]といった蒸発冷却管が用いられていました(注1)。PC用のCPUクーラーでおなじみの水冷ではないです(注2)。真空管の放熱フィン部を蒸留水を満たした「ボイラー」に突っ込んで動作時の発熱で沸騰させて熱を移動します。蒸気は外部(屋外)に設置した復水器で液化して(熱は大気に放出)再びボイラーに戻して循環させています。同じ増幅器がRF終段と、変調器(実際にはオーディオアンプ)に使われてプレート変調(小規模な回路はこちら [i-media.jp]。RFアンプと変調アンプは別ですが)を行います。当時の500kWクラスの中波送信機の概要がこちら [jst.go.jp]にあります。(注1)型名の「4C」はセラミック封止の4極管、「V」は蒸発冷却、「W」は水冷、「X」は強制空冷、数字は許容プレート損失(W)です。意味合いとしてはCPUのTDPみたいな定格指標です(もちろん同じではないですが)。(注2)水冷管もありました。例えば4CW50000 [tubedata.jp]など。これらの冷却の原理はCPUの水冷と似たようなものです。
いまだに電子レンジは真空管が使われてるんだよなGaNとかつかったソリッドステート電子レンジとかいいかげん発売すればいいのに
マグネトロンより低価格で同等以上の信頼性が出せないだろ。
真空管、長持ちなんだな
うちのはエミ減しだした。
「放送法」
第二十条 協会は、第十五条の目的を達成するため、次の業務を行う。 一 次に掲げる放送による国内基幹放送(特定地上基幹放送局を用いて行われるものに限る。)を行うこと。 イ 中波放送
放送法そのもの中に書き込まれているため、NHKが中波放送(AM放送)を停止するには、国会で放送法を改正しなくてはならない(業務内容の詳細は政令で指定しておけばいいものを、放送法制定当時の国会議員はそう思わなかった)。
いざ放送法を改正するとなると、いろいろメンドーなことが山積み [nhk.or.jp]なんで、なかなか通らない。
放送法そのもの中に書き込まれているため、NHKが中波放送(AM放送)を停止するには、国会で放送法を改正しなくてはならない
そうか、中波をFMで使えば良いのか。
FMの帯域幅は上下200kHzらしいけどNHKだけになったら可能?
原理的に可能かもしれんが今更沢山の人がNHK1局専用ラジオを買い替えると思うかい?notTVでさえ4チャンネルあったと言うのに
スーパーナローFMってのがありますよ。帯域幅わずかに 5kHz。ナローFMってのもあって、これは帯域幅 10kHz。どちらもアマチュア無線や業務用無線で実績がある方式ですね。音質はシラネw
AMラジオの占有帯域は15kHzだそうなので、全然問題無く使えます。まぁ帯域幅と音質は比例すると思うので、どこまで音質落とすかで変わるわけですが、変調方式としてのFMが、中波で使えないというわけではありません。実際、AMステレオの差信号は位相変調なので、事実上FM変調でした。
でもまぁ今更中波でFM変調してもねぇ…。どうせならデジタルラジオにしちゃった方がいいけど、送信設備も負担が大きいし、ユーザーも機器買い換えになるし、需要なさげ。
キャリア周波数の低い中波でFMにすると相対的にデビエーション(周波数偏移)が大きくなるので、アナログでは無理で必然的に変調も復調もデジタルになってしまうはず
中波放送用のアンテナを維持するのも大変なのに、周波数(波長)と変調方式を混同していますね。
工業用の高周波加熱装置なんかはとっくの昔にソリッドステート化されてたのに、さすがに大出力の送信管(水冷だったりする)は替えがないのか......
AM帯はNHKとAFNだけになるのか。妨害電波(笑)がなくなったと北朝鮮が新たな放送局を稼働させそう。
1620kHzのハイウェイラジオはどうなるんだろうね。
新しい設備がPA300台なのは、半導体だから真空管より増えたのではなく、DACで直接信号を合成する方式にアーキテクチャを変更したからですよ。電力効率を上げるために、アナログ動作からデジタル動作(スイッチ動作)になるDAC方式への変更が先にあり、その実現手段として半導体SWを多数使用してPAを構成してます。
概ねその通りなのですが、鶏と卵の話であって、デジタル処理型が多数の半導体PAを並べることで実現できたという側面もあります。真空管で同じことを実現しようとすると固体素子(MOSFET)よりも信頼性が下がりますし効率も期待通りに上がらないので。
菖蒲久喜送信所の送信機 [nhk.or.jp]では125kW送信機の並列合成をさらに2セット並列合成して500kWを得ています。125kW送信機は単位PAを124台使用しているので、各PAは約1kW強の出力ということになります(合成回路のロスを加味するともう少し大きいはず)。固体化した単位PAも内部では複数のトランジスタアンプを並列合成していまして、1石や2石で1kWも出せるわけではありません。もともと固体化送信機は多数の素子を使い出力を合成するのが前提なのです。
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Stay hungry, Stay foolish. -- Steven Paul Jobs
2015年頃のNHK中波送信設備に関する資料 (スコア:2)
映像情報メディア学会誌69巻(2015)3号の特集「最近のラジオ技術」の「2.NHKの中波ラジオ送信機 [jst.go.jp]」(登録しななくとも読めます)に2015年頃のNHK中波送信設備の更新動向について述べられています。
NHKの場合は2011年から更新を行い、札幌/秋田/東京/名古屋/大阪/福岡/熊本の7箇所ある大電力送信所については2015年に新しくなっている模様。
中電力は75箇所、小電力は144箇所あり、同じく2011年から更新が行われているらしい(終わったかどうかは不明)
NHKについては、まだしばらくは稼働し続けるのではないかという感じがしますね
それにしても「2015年の大阪R2用送信機更新をもって全ラジオ送信所の真空管式送信機の更新を完了する予定である」って、結構最近まで真空管が使われていたとは驚きです。
150kW送信機の場合、真空管6本でまかなっていたものが、半導体だと300台で構成するらしく、それはそれで大変そうです。
Re:2015年頃のNHK中波送信設備に関する資料 (スコア:1)
真空管といっても、ガラス管の中にほんのりヒーターの灯が...なんてもんじゃないですから。
オーバー100kWクラスだと9F45 [uec.ac.jp]とかアイマック4CV250000 [tubedata.jp]といった蒸発冷却管が用いられていました(注1)。
PC用のCPUクーラーでおなじみの水冷ではないです(注2)。真空管の放熱フィン部を蒸留水を満たした「ボイラー」に突っ込んで動作時の発熱で沸騰させて熱を移動します。蒸気は外部(屋外)に設置した復水器で液化して(熱は大気に放出)再びボイラーに戻して循環させています。同じ増幅器がRF終段と、変調器(実際にはオーディオアンプ)に使われてプレート変調(小規模な回路はこちら [i-media.jp]。RFアンプと変調アンプは別ですが)を行います。当時の500kWクラスの中波送信機の概要がこちら [jst.go.jp]にあります。
(注1)型名の「4C」はセラミック封止の4極管、「V」は蒸発冷却、「W」は水冷、「X」は強制空冷、数字は許容プレート損失(W)です。意味合いとしてはCPUのTDPみたいな定格指標です(もちろん同じではないですが)。
(注2)水冷管もありました。例えば4CW50000 [tubedata.jp]など。これらの冷却の原理はCPUの水冷と似たようなものです。
Re: (スコア:0)
いまだに電子レンジは真空管が使われてるんだよな
GaNとかつかったソリッドステート電子レンジとかいいかげん発売すればいいのに
Re: (スコア:0)
マグネトロンより低価格で同等以上の信頼性が出せないだろ。
Re: (スコア:0)
真空管、長持ちなんだな
Re: (スコア:0)
うちのはエミ減しだした。
NHKはAM放送をやめられない (スコア:0)
「放送法」
第二十条 協会は、第十五条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 次に掲げる放送による国内基幹放送(特定地上基幹放送局を用いて行われるものに限る。)を行うこと。
イ 中波放送
放送法そのもの中に書き込まれているため、NHKが中波放送(AM放送)を停止するには、国会で放送法を改正しなくてはならない(業務内容の詳細は政令で指定しておけばいいものを、放送法制定当時の国会議員はそう思わなかった)。
いざ放送法を改正するとなると、いろいろメンドーなことが山積み [nhk.or.jp]なんで、なかなか通らない。
Re: (スコア:0)
放送法そのもの中に書き込まれているため、NHKが中波放送(AM放送)を停止するには、国会で放送法を改正しなくてはならない
そうか、中波をFMで使えば良いのか。
Re:NHKはAM放送をやめられない (スコア:2)
FMの帯域幅は上下200kHzらしいけどNHKだけになったら可能?
Re: (スコア:0)
原理的に可能かもしれんが今更沢山の人がNHK1局専用ラジオを買い替えると思うかい?
notTVでさえ4チャンネルあったと言うのに
Re: (スコア:0)
スーパーナローFMってのがありますよ。帯域幅わずかに 5kHz。
ナローFMってのもあって、これは帯域幅 10kHz。
どちらもアマチュア無線や業務用無線で実績がある方式ですね。
音質はシラネw
AMラジオの占有帯域は15kHzだそうなので、全然問題無く使えます。
まぁ帯域幅と音質は比例すると思うので、どこまで音質落とすかで変わるわけですが、変調方式としてのFMが、中波で使えないというわけではありません。
実際、AMステレオの差信号は位相変調なので、事実上FM変調でした。
でもまぁ今更中波でFM変調してもねぇ…。
どうせならデジタルラジオにしちゃった方がいいけど、送信設備も負担が大きいし、ユーザーも機器買い換えになるし、需要なさげ。
Re: (スコア:0)
キャリア周波数の低い中波でFMにすると相対的にデビエーション(周波数偏移)が大きくなるので、アナログでは無理で必然的に変調も復調もデジタルになってしまうはず
Re: (スコア:0)
中波放送用のアンテナを維持するのも大変なのに、周波数(波長)と変調方式を混同していますね。
Re: (スコア:0)
工業用の高周波加熱装置なんかはとっくの昔にソリッドステート化されてたのに、さすがに大出力の送信管(水冷だったりする)は替えがないのか......
Re: (スコア:0)
AM帯はNHKとAFNだけになるのか。
妨害電波(笑)がなくなったと北朝鮮が新たな放送局を稼働させそう。
Re: (スコア:0)
1620kHzのハイウェイラジオはどうなるんだろうね。
Re:2015年頃のNHK中波送信設備に関する資料 (スコア:1)
トンネル内のAM再放送も厳しいらしいですし
Re: (スコア:0)
新しい設備がPA300台なのは、半導体だから真空管より増えたのではなく、DACで直接信号を合成する方式にアーキテクチャを変更したからですよ。
電力効率を上げるために、アナログ動作からデジタル動作(スイッチ動作)になるDAC方式への変更が先にあり、その実現手段として半導体SWを多数使用してPAを構成してます。
Re: (スコア:0)
概ねその通りなのですが、鶏と卵の話であって、デジタル処理型が多数の半導体PAを並べることで実現できたという側面もあります。
真空管で同じことを実現しようとすると固体素子(MOSFET)よりも信頼性が下がりますし効率も期待通りに上がらないので。
菖蒲久喜送信所の送信機 [nhk.or.jp]では125kW送信機の並列合成をさらに2セット並列合成して500kWを得ています。125kW送信機は単位PAを124台使用しているので、各PAは約1kW強の出力ということになります(合成回路のロスを加味するともう少し大きいはず)。固体化した単位PAも内部では複数のトランジスタアンプを並列合成していまして、1石や2石で1kWも出せるわけではありません。もともと固体化送信機は多数の素子を使い出力を合成するのが前提なのです。