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21611535 story
スラッシュドット

スラドであなたが印象に残っている記事やコメントは何ですか 251

ストーリー by headless
スラド 部門より
snowy 曰く、

まもなくスラドが終了するが、最後に、あなたの印象に残っている記事やコメントを教えてもらえるだろうか。あなたが投稿したり書き込んだものでも良い。あなたの人生を少しまたは大きく変えたり、趣味や嗜好すら変えた記事やコメントはあるだろうか。

私は、自分自身のコメントでは、ACで牛丼太郎の記事で書き込み、「おもしろおかしい」を5個もらったコメントを何故か思い出してしまう。

そのコメントに今更ながら反論しておくと、土日に「さんざんたれこみがたまってる」ところなど見たことがない。

個人的にお気に入りの記事は「死の触手「ブライニクル」が南極の海中で撮影される」で、元のタレコミはスラドの編集を14年間やった中で一番できのよいタレコミだと思う。このタレコミを書いたのは誰だったんだろう。

個別の記事ではないが、自分で楽しんで書いていたのはノーベル賞受賞者発表の記事サンタ追跡の記事だろうか。ノーベル賞の受賞者発表会はいつからか全部見て記事を書くようになっていた。

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ビジネス

2023年のノーベル経済学賞は労働市場における女性の研究を進めたクローディア・ゴールディン氏が受賞 23

ストーリー by nagazou
経済学かなあ 部門より
headless 曰く、

2023 年ノーベル経済学賞は、米ハーバード大学のクローディア・ゴールディン氏が受賞した。授賞理由は女性の労働市場における成果の理解促進 (プレスリリース一般向け解説詳細解説)。

女性は世界の労働市場で過小評価されており、同じ仕事をしても収入は男性より少ない。ゴールディン氏は 200 年以上におよぶ米国のデータを集め、収入と雇用率に関する性差がどのように、どうやって変化してきたのかを示した。

ゴールディン氏の研究成果によると、既婚女性の労働市場参加は農業から工業化社会に移行した 19 世紀初めに減少し、サービス業が成長した 20 世紀初めに再び増加してU型の曲線を描いているのだという。このパターンをゴールディン氏は構造的な変化と、家庭と家族に対する女性の責任に関する社会規範の進歩の結果だと説明する。

20 世紀を通じて女性の教育レベルは向上し、最も収入の高い国々では実質的に男性を上回っている。経口避妊薬の入手性が女性のキャリア計画に革命的な変化を与えたという。それでも女性と男性の収入差が縮まらない理由としては、子育てにおける女性の負担が引き続き大きいことが挙げられている。子供が成長するまで家庭にとどまる必要のあった母親の経験が若い女性の期待を形成するなら、発展は遅くなるとのことだ。

今回の発表ではゴールディン氏につながっていたはずの電話が切れてしまい、再び電話をかけてもつながらずに会場での質疑応答のみとなった。

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ニュース

2023年ノーベル平和賞はイランの人権擁護活動家、ナルゲス・モハンマディ氏が受賞 41

ストーリー by headless
人権 部門より
2023 年のノーベル平和賞はイランの人権擁護活動家でジャーナリストのナルゲス・モハンマディ氏が受賞した。授賞理由はイランにおける女性抑圧に対する彼女の闘い、およびすべての人の人権と自由を促進する彼女の闘い (プレスリリース)。

物理学を学ぶ学生だった 1990 年代からモハンマディ氏は平等と女性の権利の擁護者であることを明らかにしており、卒業後はエンジニアとして働く傍らさまざまな改革志向の新聞でコラムニストとして活動した。2003 年にはノーベル平和賞受賞者のシリン・エバディ氏が設立した人権擁護者センターに参加。2011 年には投獄された活動家とその家族を支援する活動で初めて逮捕され、実刑判決を受けた。以来、彼女は計 13 回逮捕されて 5 回の有罪判決を受けており、実刑は合計 31 年間、むち打ち刑は合計 154 回。現在も収監されている。

イランでは 2022 年 9 月、イラン道徳警察に拘束中の若いクルド人女性が殺害されたことを受け、神権体制が実権を握った 1979 年以来最大の政治的デモが行われた。このデモのスローガン「女性 — 生命 — 自由」はモハンマディ氏の献身と活動を適切に言い表しているという。ノルウェーノーベル委員会は彼女に授賞することで、イランにおける人権と自由、民主主義のための彼女の勇気ある闘いを称賛する。また、神権体制による女性の抑圧と差別に反対する昨年のデモに参加した人々に対する評価でもあるとのことだ。
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書籍

2023年ノーベル文学賞はノルウェーの作家ヨン・フォッセ氏が受賞 23

ストーリー by nagazou
平穏 部門より
headless 曰く、

2023 年ノーベル文学賞はノルウェーの作家ヨン・フォッセ氏が受賞した。授賞理由は語ることのできないものに声を与える彼の革新的な戯曲と散文 (プレスリリースバイオビブリオグラフィー)。

フォッセ氏は 1958 年、ノルウェー西岸のハウゲスンに生まれる。彼は地元との言語的・地理的な結びつきにベケットなどモダニストの芸術的手法を組み合わせているため、否定的な見方を先人と共有しているものの、作品には素晴らしいぬくもりとユーモアがある。欧州で劇作家としてのブレイクスルーとなった戯曲「Nokon kjem til å komme (誰かがやってくる)」ではセリフと演技のラディカルな削減により、不安感と無力感に関する人間の最も強力な感情をシンプルな日常的な言葉で表現した。フォッセ氏は現在、世界で最も広く上演されている劇作家の一人であるが、近年は散文の評価も高まっている。

国内では京都の劇団「地点」がフォッセ氏の戯曲たびたび上演している。

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サイエンス

2023年ノーベル化学賞は量子ドットを発見・合成した3氏が受賞 16

ストーリー by nagazou
ドット 部門より
headless 曰く、

2023 年ノーベル化学賞は米マサチューセッツ工科大学のムンジ・バウェンディ氏 (フランス出身) と米コロンビア大学のルイス・ブルース氏、米ナノクリスタルズテクノロジー社のアレクセイ・エキモフ氏 (旧ソ連出身) が共同受賞した。授賞理由は量子ドットの発見と合成 (プレスリリース一般向け解説: PDF詳細解説: PDF)。

元素の性質は電子の数により決まるが、物質をナノサイズまで縮小すると量子現象が起こり、物質の大きさにより性質が決まるようになる。古くから物理学者はナノ粒子では大きさにより異なる量子効果が起こることを理論上知っていたが、ナノサイズの物質を作り出すことは困難であったことから、実用性のある知識だと考える人は少なかった。

しかし 1980 年代初め、エキモフ氏は着色ガラスでサイズ別量子効果を作り出すことに成功。色は塩化銅のナノ粒子によるもので、エキモフ氏は量子効果により粒子の大きさが色に影響を与えることを示した。その数年後にはブルース氏が液体内で自由に浮遊する粒子のサイズ別量子効果を証明した世界初の科学者となった。1993 年にはバウェンディ氏が量子ドットの科学的製造に革命的変化をもたらし、ほぼ完ぺきな粒子を作り出すことを可能にする。品質の向上は量子ドットの応用で重要な役割を果たした。

現在、量子ドットは QLED テクノロジーによりコンピューターモニターやテレビを光らせ、LED ランプの色に変化を与えているほか、生化学者や医師は生物組織をマッピングするために使用している。量子ドットは人類に大きな利益をもたらしており、研究者は将来的に柔軟な電子機器や超小型センサー、より薄い太陽電池、暗号化された量子コミュニケーションなどに貢献すると考えているとのことだ。

2023 年ノーベル化学賞では最終決定の会合前に受賞者の名前が記載されたプレスリリースがスウェーデンメディアにリークするアクシデントが発生し、質疑応答の後半はこの話題で持ちきりだった (動画)。

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サイエンス

2023年ノーベル物理学賞はアト秒単位の光パルス作成を可能にした3氏が受賞 35

ストーリー by nagazou
パルス! 部門より
headless 曰く、

2023 年ノーベル物理学賞は、米オハイオ州立大学のピエール・アゴスティーニ氏とドイツ・マックスプランク量子工学研究所のフェレンス・クラウス氏 (ハンガリー出身)、スウェーデン・ルンド大学のアンヌ・ルリエール氏 (フランス出身)が共同受賞した。授賞理由は物質内部の電子動力学を研究するため光のアト秒パルスを生成する実験的手法 (プレスリリース一般向け解説詳細解説)。

アト秒 (100京分の1秒) 単位の速さで動く電子を観察するにはアト秒単位の光のパルスが必要となる。最も短い光のパルスはフェムト秒 (1,000 兆分の 1 秒) 単位だと長年考えられてきたが、3 氏の研究によりアト秒単位の光のパルスを作り出すことが可能となった。

ルリエール氏は 1987 年、希ガスを通して送られた赤外線レーザーが多数の異なる光の倍音を生むことを発見。これはレーザー光がガスの原子に作用して生まれるもので、一部の電子に与えられた余分なエネルギーが光として発せられる。ルリエール氏はこの現象の調査を継続し、その後のブレイクスルーの下地を作った。2001 年にはアゴスティーニ氏が長さ 250 アト秒の連続した光のパルスを作り出して調査することに成功しており、クラウス氏も同時期に長さ 650 アト秒で単一の光のパルスを分離可能にする実験を行っていた。

3 氏の貢献によりかつては不可能だった非常に高速なプロセスの調査が可能となり、電子により支配されるメカニズムを知る機会が我々にもたらされた。アト秒パルスは異なる分子の特定に用いた医療診断など、さまざまな分野での応用が期待されているとのことだ。

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バイオテック

2023年ノーベル生理学・医学賞はCOVID-19のmRNAワクチン開発を可能にした2氏が受賞 52

ストーリー by nagazou
今年も始まりました 部門より
headless 曰く、

2023 年ノーベル生理学・医学賞はハンガリーのカタリン・カリコ氏と米国のドリュー・ワイズマン氏が共同受賞した。授賞理由は COVID-19 に効果を示す mRNA ワクチン開発を可能にしたヌクレオシド塩基の改変に関する発見 (プレスリリース)。

1980 年代には細胞を培養することなく効率的に mRNA を作り出す in vitro 転写と呼ばれる手法が導入され、mRNA をワクチンや治療目的で使用する研究も進められた。しかし、in vitro 転写による mRNA は不安定であることなどに加え、炎症反応を引き起こす問題があったため、医療目的での開発は限定的だった。

1990 年代初め、ペンシルベニア大学の助教だった生化学者のカリコ氏は研究資金提供者に医療目的での mRNA 技術開発の重要性を納得させるのに苦心していたが、樹状細胞に興味を持っていた免疫学者のワイズマン氏が同僚となって研究は新たな展開を迎えた。

カリコ氏とワイズマン氏は in vitro 転写による mRNA を樹状細胞が異物と認識することに気付く。哺乳類の細胞内で RNA の 4 つの塩基は繰り返し化学的に改変されるが、in vitro 転写による mRNA では改変されないことに注目した 2 氏は塩基を改変した mRNA を作成。これを樹状細胞に導入したところ、炎症反応がほぼ起こらなくなることが判明した。2 氏は後に塩基を改変した mRNA では未改変の mRNA と比べてタンパク質の生成量が大幅に増加することも確認している。

2 氏の研究成果は前例のない速度でのワクチン開発を可能にし、COVID-19 パンデミック中に効果的な mRNA ワクチン開発に重要な役割を果たした。ノーベル会議事務局長のトーマス・パールマン氏は個人的にカリコ氏を知っており、研究者として認められずに苦労する様子や、2013 年にバイオンテックの(シニア)バイスプレジデントに就任した時のエピソードも語っている(動画)。

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ニュース

訃報: リチウムイオン電池開発者 ジョン・グッドイナフ氏 16

ストーリー by nagazou
お悔やみ申し上げます 部門より
headless 曰く、

リチウムイオン電池開発者として 2019 年ノーベル化学賞を共同受賞したジョン・グッドイナフ氏が 6 月 25 日に 100 歳で死去した (UT News の記事The Register の記事ノーベル賞受賞者情報)。

グッドイナフ氏は 1922 年 7 月 25 日にドイツで生まれ、米国で育つ。リチウムイオン電池のカソードとして酸化金属を用いることで硫化金属よりも高い性能が実現できると予想したグッドイナフ氏は 1980 年、リチウムイオンを吸蔵させた酸化コバルトをカソードに用い、最大 4 ボルトの出力が可能となることを示した。グッドイナフ氏のカソードは、2019 年ノーベル化学賞を共同受賞した吉野彰氏が初の実用的なリチウムイオン電池を作り出す際の基礎となった。2019 年ノーベル化学賞受賞時点で 97 歳であり、受賞時点で最年長のノーベル賞受賞者となっている。

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お金

2022 年ノーベル経済学賞は銀行破綻や経済危機悪化を防ぐ仕組みの基礎を築いた米国の 3 氏が受賞 80

ストーリー by nagazou
そうなのか 部門より
headless 曰く、

2022 年のノーベル経済学賞は米国のベン・S・バーナンキ氏ダグラス・W・ダイアモンド氏フィリップ・H・ディビグ氏が受賞した。授賞理由は銀行と経済危機に関する研究 (プレスリリース一般向け解説記事専門的解説記事)。

3 氏は 1980 年代初め、銀行の存在意義や、経済危機下において銀行の脆弱性を緩和する方法、銀行破綻が経済危機を悪化させる仕組みを解明する現代的な銀行システム研究の基礎を築いた。

ダイアモンド氏とディビグ氏は、いつでも自由に預金を引き出したい預金者と長期の投資を望む借り手を銀行が結びつける仕組みを示した。自由な預金引き出しを可能にすると銀行は破綻の噂による取り付け騒ぎに弱くなるが、両氏は政府による預金保険により脆弱性を緩和する仕組みも示した。

また、ダイアモンド氏は預金者と借り手の仲介者として機能する銀行に借り手の信用度を評価し、貸付金が優良な投資に用いられることを確実にするといった社会的に重要な役割を担えることも示している。

バーナンキ氏は 1930 年代の大恐慌を分析し、銀行への取り付けが経済危機をより深刻にする決定的な要素であることを示した。銀行が破綻すれば借り手に関する情報が失われ、すぐには再現できない。これにより、預金者と生産的な投資を結びつける社会の能力が深刻に低下する。

今年の受賞者の識見は、深刻な経済危機と高額な財政援助の両方を避ける我々の能力を改善したとのことだ。

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ニュース

2022 年ノーベル平和賞はベラルーシ・ロシア・ウクライナの人権活動家・団体が受賞 17

ストーリー by headless
受賞 部門より
2022 年のノーベル平和賞は、ベラルーシの人権活動家アレス・ビアリャツキ氏とロシアの人権団体 Memorial、ウクライナの人権団体 Center for Civil Liberties がそれぞれ 3 分の 1 を受賞した (プレスリリース)。

受賞者はそれぞれの母国で市民社会を代表しており、長年にわたって権力批判の権利や市民の基本的権利を促進してきた。また、戦争犯罪や人権侵害、権力乱用の記録に並外れて尽力しており、これらを合わせて平和と民主主義に対する市民社会の重要性を示したとのこと。

ビアリャツキ氏は 1980 年代半ばのベラルーシにおける民主運動の先導者の一人であり、母国の民主主義の促進と平和的な進歩に人生を捧げてきた。2011 年から 2014 年に投獄され、2020 年に再び逮捕されたビアリャツキ氏は現在も裁判を受けられないまま拘束されているが、屈服することなくベラルーシでの人権と民主主義を守り続けている。

Memorial はスターリン時代の圧政被害者が忘れ去られないようにしたいと考える旧ソ連の人権活動家により 1987 年に設立。ソ連崩壊後のロシアで最大の人権団体となった Memorial はロシアでの圧政や人権侵害の記録も行ってきた。ロシア政府は「外国の手先」として Memorial に解散や記録センターの閉鎖を命じたが、Memorial は閉鎖を拒否している。

Center for Civil Liberties はウクライナにおける人権と民主主義発展のため、2007 年にキーウで設立された。センターはウクライナの市民社会強化を支持し、ウクライナを本格的な民主主義国家にするため当局に圧力をかけた。ロシアのウクライナへの侵略開始以降はウクライナ市民に対するロシアの戦争犯罪の特定と記録にも取り組んでいる。

ノルウェー・ノーベル委員会は 2022 年ノーベル平和賞の授賞により、ベラルーシとロシア、ウクライナにおける人権と民主主義、隣国との平和的共存の傑出した推進者を称えたいとのことだ。
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書籍

2022 年ノーベル文学賞はフランスの作家アニー・エルノー氏が受賞 19

ストーリー by nagazou
今年は静か 部門より
headless 曰く、

2022 年のノーベル文学賞はフランスの作家、アニー・エルノー氏が受賞した。授賞理由は個人的な記憶の根底や疎外、集団的な拘束を明らかにする勇気と論理的な鋭さ (プレスリリースバイオビブリオグラフィー)。

エルノー氏は 1940 年生まれ。1974 年に自伝小説「Les armoires vides」でデビューした。ノルマンディー地方のイヴトで育った彼女を取り巻く状況は貧しくも野心的であり、彼女の作品では一貫してジェンダーや言語、階級による強い格差に特徴付けられた生活をさまざまな角度から探求している。彼女は自身をフィクション作家ではなく自分自身の研究者と位置付け、過去の再構築を試みる一方で日記形式の作品も著している。

過去に複数の邦訳作品が出版されているが、ノーベル文学賞発表時点で刊行されているのは「シンプルな情熱」のみのようだ。この作品は 2020 年に映画化されており、日本では 2021 年に劇場公開されている。

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サイエンス

2022 年ノーベル化学賞は化学を機能主義の時代に導いた 3 氏が受賞 8

ストーリー by nagazou
受賞 部門より
headless 曰く、

2022 年のノーベル化学賞は、米国のキャロリン・ベルトーシ氏バリー・シャープレス氏、デンマークのモルテン・メルダル氏が 3 分の 1 ずつ受賞した。授賞理由はクリックケミストリーと生体直交化学の開発。シャープレス氏は 2001 年に続く 2 回目のノーベル化学賞受賞となる (プレスリリース一般向け解説記事専門的解説記事)。

シャープレス氏は 2000 年ごろ、分子を素早く効率的に組み立てて機能性分子を作るクリックケミストリーの概念を提唱。そのすぐ後、銅を触媒としたアジドとアルキンの付加環化反応がクリックケミストリーの重要な要素であることをメルダル氏とシャープレス氏が個別に示した。この反応は現在、薬品開発で幅広く用いられている。

ベルトーシ氏はクリックケミストリーを新たなレベルに進め、生体内で機能する生体直交化学反応を提唱した。この反応は現在、細胞の調査や生物学的プロセスの追跡に世界中で用いられている。生体直交化学反応を用いることで研究者は癌をターゲットにした調剤の改善が可能となり、臨床実験も行われている。

クリックケミストリーと生体直交化学反応は化学を機能主義の時代に導き、人類に大きな利益をもたらした。

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サイエンス

2022 年ノーベル物理学賞は量子情報科学の先駆者 3 氏に 13

ストーリー by nagazou
受賞 部門より
headless 曰く、

2022 年のノーベル物理学賞は、フランスのアラン・アスペ氏と米国のジョン・F・クラウザー氏、オーストリアのアントン・ゼイリンガー氏が受賞した。授賞理由はベルの不等式の破れを確立し、量子情報科学の分野を開拓した、エンタングル状態の光子を用いた彼らの実験 (プレスリリース一般向け解説記事専門的解説記事)。

3 氏は 2 つの量子が分離したのちにも 1 つの単位としてふるまうエンタングル状態を用いた画期的な実験を行い、量子情報を基礎にする新しい技術への道を開いた。長年にわたってエンタングル状態では隠された変数が存在すると考えられており、1960 年代にはその上限を示す「ベルの不等式」が考案された。一方、量子力学ではベルの不等式の破れを予想していた。

クラウザー氏はベルのアイディアを基に実用的な実験を行い、明確にベルの不等式の破れを示すことにより量子力学を支持する測定結果を得た。アスペ氏はクラウザー氏の実験で残されていた抜け穴のうち、重要なものをふさぐことに成功した。ゼイリンガー氏は改良されたツールと何度も繰り返した実験を行い、量子テレポーテーションと呼ばれる現象などを立証している。

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バイオテック

2022年ノーベル生理学・医学賞は絶滅人類と現生人類の遺伝子的差異を発見したスヴァンテ・ペーボ氏に 26

ストーリー by nagazou
今年も始まりました 部門より
headless 曰く、

2022 年のノーベル生理学・医学賞はスウェーデン出身のスヴァンテ・ペーボ氏が受賞した。授賞理由は絶滅人類のゲノムと人類の進化に関する彼の発見 (プレスリリース)。

ペーボ氏は不可能と思われていたネアンデルタール人のゲノムシーケンスを実現。それまで知られていなかったデニソワ人も発見した。さらにはホモ・サピエンスがおよそ 7 万年前にアフリカを出たのち、これらの絶滅人類からの遺伝子導入が発生していたことも発見している。この遺伝子導入は我々の免疫システムの感染への反応などに影響を残しており、現在でも生理学的に重要である。

ペーボ氏の重要な研究は「古ゲノム学」というまったく新しい科学研究分野を誕生させた。現生人類と絶滅人類の遺伝子的な差異を明らかにしたペーボ氏の発見は、我々ホモ・サピエンスと他の人類を異なるものにしたのは何か、という人類の長年の疑問を解く研究の基礎となっている。

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ビジネス

2021 年ノーベル経済学賞は因果関係に関する結論が自然実験から導けることを示した 3 氏が受賞 35

ストーリー by nagazou
受賞 部門より
headless 曰く、

2021 年ノーベル経済学賞は米カリフォルニア大学バークレー校のデビッド・カード氏 (カナダ出身) が半分を受賞し、残り半分を米マサチューセッツ工科大学のジョシュア・D. アングリスト氏と米スタンフォード大学のグイド・W・インベンス氏 (オランダ出身) が共同受賞した (プレスリリース一般向け情報詳細情報)。

カード氏の授賞理由は労働経済に対する彼の実証的貢献、アングリスト氏とインベンス氏の授賞理由は因果関係の分析に対する彼らの方法論的貢献。社会科学上の問題は対照群を使用できないため因果関係の特定が難しいが、3 氏は自然実験を用いることでこのような問題に答えられることを示した。その鍵となったのは、偶然の出来事や政策の変更により、他とは異なる扱いを受けるようになったグループを対照群として用いることだ。

カード氏は自然実験により、最低賃金や移民、教育による労働市場への影響を分析した。彼が 1990 年代初めから行った研究は社会通念と異なる結論を導き、たとえば最低賃金の上昇は必ずしも雇用の減少につながらないことが示された。しかし、自然実験で得られたデータを解釈するのは容易ではない。アングリスト氏とインベンス氏は1990年代半ば、この方法論的問題を解決し、自然実験で得たデータから因果関係に関する正確な結論を導き出せることを示した。

3 氏の研究は自然実験が知識の豊かな源であることを示した。それは因果関係に関する結論を導く我々の能力を大きく向上させ、社会に大きな利益をもたらしたとのことだ。

なお、スウェーデン王立科学アカデミー事務局長のジョラン・ハンソン氏は 12 年間にわたってノーベル賞受賞者を発表してきたが、今回の経済学賞が最後の発表となる。ハンソン氏は 12 年間で 24 回の発表を行い、67 人に電話で受賞を伝えたそうだ (動画)。

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論説

2021年ノーベル平和賞は表現の自由を守るために尽力するフィリピンとロシアのジャーナリストが受賞 104

ストーリー by headless
自由 部門より
2021 年のノーベル平和賞は、フィリピンのマリア・レッサ氏とロシアのドミートリ・アンドリービッチ・ムラトフ氏共同受賞した。授賞理由は、民主主義と持続する平和の前提条件である表現の自由を守るための彼らの尽力 (プレスリリースRappler の記事Novaya Gazeta の記事)。

レッサ氏は母国フィリピンにおける独裁政治の台頭や権力の悪用、暴力の使用を暴くために表現の自由を用いた。2012 年には調査報道を行うデジタルメディア Rappler を共同設立。彼女はジャーナリストおよび Rappler CEO として、恐れを知らない表現の自由の守護者であることを示している。

ムラトフ氏は表現の自由をめぐる状況が悪化し続ける中、数十年にわたって表現の自由を守ってきた。1993 年には独立系の新聞 Novaya Gazeta を共同設立し、1995 年以来主筆を務める。敵対者は脅迫や暴力で応じ、6 人のジャーナリストが殺害されているが、ムラトフ氏は同紙の独立性を捨てることを拒否し続けている。

表現の自由と報道の自由なしに国家間の友愛や軍縮、現在に続くよりよい世界秩序を促進することは困難であり、今年のノーベル平和賞はアルフレッド・ノーベルの遺志に強く結びついたものだという。両氏の受賞はフィリピンとロシアでの表現の自由を促進するだけでなく、困難な状況下で民主主義と報道の自由のために立ち上がるすべてのジャーナリストを代表するものであるとのことだ。
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書籍

2021 年ノーベル文学賞は英小説家のアブドゥルラザク・グルナー氏が受賞 60

ストーリー by nagazou
いつもの人はいません 部門より
headless 曰く、

2021 年ノーベル文学賞は英小説家のアブドゥルラザク・グルナー氏が受賞した。授賞理由は、植民地主義の影響および文化と大陸の隔たりにおける亡命者の運命に対する彼の徹底的かつ同情心のある洞察 (プレスリリースバイオビブリオグラフィー)。

グルナー氏は 1948 年、ザンジバル生まれ。1964 年のザンジバル革命で迫害の対象となったアラブ系のグルナー氏は学校卒業後、樹立されたばかりのタンザニア連合共和国により家族と離れて出国することを強制される。1960 年代の終わりに難民として英国に到着したグルナー氏は 1984 年まで帰国できなかったという。最近引退するまでグルナー氏は英語とポストコロニアル文学の教授として英ケント大学で教鞭をとった。

スワヒリ語を母国語とするグルナー氏だが執筆には英語を用い、デビュー作「Memory of Departure (1987)」から最新作「Afterlives (2020)」まで計 10 作の小説を発表しているほか、数多くの短編を発表している。作品では亡命者や移民としての暮らしを描きつつ、生まれ故郷との関係が重要な役割を果たす。彼のバックグラウンドは植民地としての歴史を経て文化的な多様性を持つインド洋の島であり、より原始的な植民地時代以前のアフリカに対するノスタルジアをすべての作品で避けているとのことだ。

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サイエンス

2021 年ノーベル化学賞は分子を合成する有機分子触媒を開発した 2 氏が受賞 10

ストーリー by nagazou
ぷろりん 部門より
headless 曰く、

2021 年のノーベル化学賞はドイツ・マックスプランク石炭研究所のベンヤミン・リスト氏と米プリンストン大学のデービッド・マクミラン氏 (英国出身) が共同受賞した。授賞理由は不斉有機分子触媒の開発 (プレスリリース一般向け情報: PDF詳細情報: PDF)。

触媒としては金属と酵素の2種類が存在することが長らく知られていたが、2000 年にリスト氏とマクミラン氏は第3の触媒となる有機分子触媒の研究成果をそれぞれ発表した。

酵素は多数のアミノ酸により構築された大きな分子だが、化学反応を促進する金属を含むものと含まないものがある。抗体触媒 (酵素) を研究していたリスト氏は、金属を含まない酵素は化学反応の促進にアミノ酸を必要とするのか、アミノ酸単体や酵素よりも単純な分子だけでも触媒として働くのかという疑問を持つ。

リスト氏はプロリンと呼ばれるアミノ酸が 1970 年代に触媒として研究されていたことを知っており、(研究が続いていないことから大きな期待は持っていなかったものの) プロリンがアルドール反応を引き起こすかどうかの実験を行った。その結果、プロリンが効率のよい触媒であるだけでなく、鏡像体の一方を選択的に合成する不斉合成が可能な触媒であることを確認した。鏡像体の機能が異なる場合、不斉合成は非常に重要な役割を果たす。

一方、不斉合成の可能な金属触媒を研究していたマクミラン氏は、研究者には人気でも実際に用いられることが少ないことに気付く。その理由は新しい金属触媒が酸素や水に激しく反応したり、コストが高かったりすることによる扱いにくさだと考えたマクミラン氏は、金属と同様に一時的に電子を放出・保持する有機分子の研究を開始した。

彼は適切な特性を持つ複数の有機分子を選び、ディーレス・アルダー反応を引き起こすこと可能なことを確認する。中には不斉合成が可能な有機分子も含まれていた。研究成果を発表するにあたり、マクミラン氏はこのような有機分子に「organocatalysis (有機分子触媒)」と命名した。

それ以来、有機分子触媒の開発は驚くべきスピードで進められ、新しい薬剤の開発から高効率太陽電池セルの開発までさまざまな分野で活用されて人類に多大な利益をもたらしているとのことだ。

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地球

2021 年のノーベル物理学賞は複雑系をわかりやすく説明し、長期の変動を予測する方法を開発した 3 氏が受賞 56

ストーリー by nagazou
受賞 部門より
headless 曰く、

2021 年のノーベル物理学賞は半分を米プリンストン大学の真鍋淑郎氏 (日本出身) とドイツ・マックスプランク気象学研究所のクラウス・ハッセルマン氏が共同受賞し、あとの半分をイタリア・ローマサピエンツァ大学のジョルジオ・パリーシ氏が受賞した (プレスリリース)。

今年のノーベル物理学賞は複雑系を理解しやすく説明し、長期的な変動を予測する新しい方法を評価している。真鍋氏とハッセルマン氏の受賞理由は地球気候の物理モデル化と変動の定量化および地球温暖化の信頼できる予測。パリーシ氏の受賞理由は原子から惑星に至る規模の物理系における不規則さと変動の相関関係の発見。

真鍋氏は 1960 年代に地球気候の物理モデル開発を率い、大気中の二酸化炭素レベルの増加が地球の表面温度を上昇させることを示した。彼の研究は現在の気候モデルの基礎となっている。

それから約 10 年後、ハッセルマン氏は天候と気候を結びつけるモデルを作成し、天候が変わりやすい中でも気候モデルが信頼に値することを示した。さらに、気候変動に影響を与えた自然現象や人類の活動を特定する方法も開発。この方法は人類が排出する二酸化炭素により大気温度が上昇していることの証明に用いられた。

パリーシ氏は 1980 年ごろ、不規則で複雑な物質に隠されたパターンを発見。彼の発見は複雑系の理論に最も重要な貢献をした。このパターンは物理学に限らず、数学や生物学、神経科学、機械学習といった全く異なる分野を含め、さまざまな任意の物質や現象を理解・説明可能にしたとのことだ。

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バイオテック

2021 年ノーベル生理学・医学賞は温度と触覚の受容体を発見した 2 氏が受賞 25

ストーリー by nagazou
もうそんな季節 部門より
headless 曰く、

2021 年のノーベル生理学・医学賞は米カリフォルニア大学のデービッド・ジュリアス氏と、米ハワード・ヒューズ医学研究所のアーデム・パタプーチャン氏 (レバノン出身) が共同受賞した。授賞理由は温度と触覚の受容体の発見 (プレスリリース)。

1990 年代後半、トウガラシの辛み成分であるカプサイシンが痛みの感覚を与える仕組みを研究していたジュリアス氏は、同僚とともに数百万の DNA フラグメントから細胞をカプサイシンに反応させる単一の遺伝子を特定。さらなる実験により、この遺伝子がこれまで知られていなかったイオンチャンネルタンパク質をコード化することが判明し、発見されたカプサイシン受容体は後に TRPV1 と名付けられた。その後ジュリアス氏は TRPV1 が痛みを感じる温度で活性化する熱感知受容体であることに気付く。TRPV1 の発見はさらなる温度感知受容体の解明を導く重大なブレイクスルーとなり、ジュリアス氏とパタプーチャン氏はそれぞれ別にメンソールを用いて冷たさを感知する受容体 TRPM8 を特定した。

パタプーチャン氏は機械刺激を触覚や圧力として感知する受容体も特定しようとしており、個別の細胞をマイクロピペットで突くと測定可能な電気信号を発する細胞株を発見。機械刺激により活性化する受容体をイオンチャンネルだと仮定し、それをコード化する遺伝子を特定した。発見されたイオンチャンネルは Piezo1 と名付けられ、同様の働きをする第 2 のイオンチャンネル Piezo2 も特定される。その後の研究で Piezo2 が触覚感知に欠かせないものであることや、固有需要として知られる体の姿勢や動きの感知に重要な役割を担うことが判明する。また、Piezo1 と Piezo2 が血圧や呼吸、膀胱の制御など、生理学的に重要なプロセスを調整することも判明している。

2 氏の研究成果は我々が周囲の環境を認知・順応する仕組みに関する知見をもたらし、慢性痛を含む幅広い疾病の状態に対する治療法の開発に用いられているとのことだ。

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クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人

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