2013年、OECD国際成人力調査(PIAAC)の調査結果報告書が公開された。この調査は「読解力」「数的思考力」「ITを活用した問題解決能力」を調べるもので、OECD加盟国など24か国・地域を対象に行われた。この調査結果のうち、「ITを活用した問題解決能力」については以前も話題になったが、この調査結果を文春オンラインが話題にしている。これによると、「日本人の3分の1は日本語が読めない」という。
調査結果の要約は国立教育政策研究所のWebサイトで閲覧できるが、読解力や数的思考力については日本は成人の平均得点が調査対象の国のなかでもっとも高いという結果となっていた。
一方で文春オンラインの記事では、この調査で使われたテストの問題例を挙げて日本人の読解力や数的思考力について批判的に捉えている。この調査において、読解力および数的思考力テストの結果を「習熟度レベル」としてレベル1未満からレベル5までの6段階に分類しているが、日本での分布は次のようになっている。
テスト内容 |
レベル1未満 |
レベル1 |
レベル2 |
レベル3 |
レベル4 |
レベル5 |
欠損 |
読解力 |
0.6% |
4.3% |
22.8% |
48.6% |
21.4% |
1.2% |
1.2% |
数的思考力 |
1.2% |
7.0% |
28.1% |
43.7% |
17.3% |
1.5% |
1.2% |
記事によると、「レベル3」や「レベル4」の読解力に対応する問題は簡単なもののように見えるにも関わらず、レベル3は27.7%が、レベル4では76.3%が正答できていないという。また、数的思考力についてもレベル3の問題は小学校5年生程度の難度だが、36.3%が解けないと指摘。レベル4のグラフの読み取りでは約8割が解けないと指摘している。