匿名で運営されているサイト「netgeek」が名誉棄損を行っているとしてその責任を問う訴訟が行われているが(過去記事)、この訴訟の原告らはドメイン名登録代行業者が提供しているWHOIS情報公開代行サービスについても「違法行為の隠れ蓑になっている」と主張しているという(弁護士ドットコムニュース)。
Whois情報公開代行サービスは、ドメイン名登録者ではなくドメイン名登録代行業者の情報をWHOISデータベースに登録するサービス。たとえばGMOインターネットの「お名前.com」サービスでは有料オプションとしてこのサービスが提供されている。
netgeekは運営者が秘匿されていおり、netgeekが使用しているドメインについてはWHOIS情報公開代行サービスが使われている。原告らはこれについて次のように主張しているという。
登録申請者の連絡先をドメイン登録機関に提供しないことによって、違法な活動を行っても法的責任を追求されにくい状況を作り出し、インターネットをいわば無法地帯として活用したい人たちからの依頼を集めてその利益を極大化しようとしている
一方で、昨今WHOISデータベースでの連絡先情報公開が行われないケースは増えている。たとえばJPドメインでも、JPドメインの管理を行っているJPRSが公式にWhois登録者情報非表示設定を提供している。
Anonymous Coward曰く、
WHOIS上で名前や住所、電話番号が空欄になっているのはあたかもGMOインターネットのようなドメイン名登録代行業者が正確な情報を提供していないことと関係あるかのような書きっぷりだが、GMOのコメントにも書かれているとおり、これらの情報はGDPR施行以来(少なくとも.bizでは)一律でWHOISに公開されなくなったものであり、代行業者とは関係ない。たとえばnic.bizをWHOISで調べてみれば同じように空欄となっていることを確認できる。
小倉弁護士は、WHOISに連絡先情報がほとんど公開されなくなったことを知らないのではないか。まさかとは思うが、そうとでも考えないと氏の「独自ドメインを取らなくても、情報発信はできる」「サブドメインを使えば、whoisデータベースに情報を載せる必要はありません。独自ドメインを取るのであれば、責任の所在を明らかにすべきだと考えます」というコメントの説明がつかない。本当に知らないなら不勉強だし、知ってて(法廷戦術としてあえて)誤解させるような書き方をしているとしたら不誠実のそしりを免れないと思う。