米疾病予防センター、電子タバコ製品使用に関連付けられた肺損傷の可能性のある原因物質としてビタミンEアセテートを特定 64
特定 部門より
CDCでは10州29名の患者から採取された気管支肺胞洗浄(BAL)液を用い、可能性のある原因毒素を調査。サンプルの82%でTHC(テトラヒドロカンナビノール)、62%でニコチンが検出されたのに対し、ビタミンEアセテートはすべてのサンプルで検出されたという。このほか、植物油や鉱物油、中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)、テルペンといった電子タバコリキッドが含む物質についても調査したが、サンプルからは検出されなかったそうだ。
THC含有リキッド製品が顕著な量のビタミンEアセテートを含むことは以前からわかっていたが、生体サンプルから検出されるのは今回が初めてだという。CDCが単一の物質を可能性のあるEVALIの原因として特定するのも今回が初めて。ただし、ビタミンEアセテート以外の物質もEVALI発症にかかわっていることを現時点では否定できないとのこと。ビタミンEアセテートは多くの食品に含まれるほか、サプリメント食品や化粧品の原料としても使われており、経口摂取や皮膚への塗布は安全性が確認されている。ただし、蒸気を吸入すると正常な肺機能を阻害する可能性がこれまでの研究で示唆されている。
11月5日現在、米国でのEVALI症例はアラスカを除く49州と首都ワシントンおよび1海外県で確認されている。CDCに報告された症例数は10月29日時点から163件増加して計2,051件となり、初めて2,000件を超えた。EVALIによる死者の数も24州・39名まで増加している。