政府、海賊版配信サイトに対する自主規制要請を決定 131
国民を舐めてますね 部門より
政府が漫画やアニメなどの海賊版を配信するサイトに対し、インターネット接続事業者(ISP)などに自主的な接続遮断(ブロッキング)を要請することを決定した(ITmedia、ハフィントンポスト)。
知的財産戦略本部会合・犯罪対策閣僚会議 議事次第には、海賊版配信サイトである「漫画村」と「Anitube」、「Miomio」およびこれと同一とみなされるサイトについて「ブロッキングを行うことが適当と考えられる」との見解がある。
また、ブロッキングについては「通信の秘密」の侵害であるとの議論があるが、これに対しては「緊急避難」の要件を満たすため「適法である」とされている。「緊急避難」の根拠としては「特に悪質な海賊版サイトであれば、被害額は、総額数百億円~数千億円に上ると推計される」「海賊版サイトへの削除要請やサーバー管理者などの削除要請について実質的に効果が得られていない」「回復困難な損害を生じる」などが挙げられている。
あわせて将来的に海賊版サイトへのブロッキングに関する法制度を整備するとされており、さらに静止画(書籍)のダウンロード違法化についても触れられている。
ブロッキングに対しては、日本インターネットプロバイダー協会や日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)などが「要請」に法的根拠はない、「事実上権利者団体と政府だけでの結論を押し付けることは、通信の秘密の最大の当事者である国民の理解を得られるとは考えられません」「 法的および技術的見地に基づく慎重な検討および厳密な要件の適用が必要だと考えます」など慎重な対応を求める声明を出していた(日本インターネットプロバイダー協会の声明(PDF)、日本ネットワークインフォメーションセンターの声明)。
なお、こうした著作権侵害サイトに対するブロッキングは以前から議論されており(2015年の記事)、過去には「一般的な違法情報、著作権侵害コンテンツ等にしても、被害児童に自己の画像が流通すること自体に怯えることを余儀なくさせるような児童ポルノとは根本的に異なるものであって、ブロッキングの対象とすることは許されない」という判断もあった(Geekなページ)。