異端審問で証拠となったガリレオ・ガリレイの手紙、オリジナルとみられるものが英国で発見される 26
証拠 部門より
数百年にわたり失われたと考えられていた、ガリレオ・ガリレイがベネデット・カステッリに送った手紙のオリジナルとみられるものが英国の王立協会図書館で発見された(Natureの記事、
Ars Technicaの記事)。
ガリレオが1613年12月21日に書いた7ページの手紙(英訳)は、科学研究が神学上の教義に拘束されるべきではないと初めて主張したものだ。聖書では天文学的事象を多くの人が理解できるよう簡略化しているため、文字通りとらえてはいけないと主張。そのため、70年前にコペルニクスが提唱した、地球が太陽を周回する地動説のモデルは聖書と矛盾しないと述べている。
当時フィレンツェに住んでいたガリレオは数千通の手紙を書いている。多くは科学論文であり、特に重要なものはすぐに写しが出回ったという。この手紙の写しに関しては、バチカン秘密文書館収蔵の異端審問で証拠になったバージョンと、よりソフトな表現のバージョンが現存する。ガリレオは前者について自分を陥れるために改ざんされたものだと主張。友人の聖職者に後者を本物として送り、バチカンの神学者に渡すよう依頼している。ただし、オリジナルはカステッリがガリレオに返却したことはわかっているものの、現物がないため主張の真偽は不明だった。