オーストリアの地方裁判所が、同国で初めてゲーム中の「ルートボックス(ガチャ)」を違法ギャンブルに分類する判断をおこなったという。この裁判はPlayStation版「FIFA Ultimate Team」に関して行われたもので、当時17歳の学生がゲームのパックに費やした338.26ユーロ(約4万8000円)を返金するよう求めて2年前に起こされたという。ゲームの購入がPSストア上で行われたことから、ゲーム開発元のEAではなくSIEが訴えられることになった模様(
derStandard.at、
GamesWirtschaft.de、
PCGames、
オレ的ゲーム速報@刃、
iPhone GameCast)。
今回の裁判はオーストリアで初めてルートボックス・ビジネスに関連して行われたものだという。問題となっているゲームパックでは、チームに組み込むことができるバーチャルサッカー選手が含まれているが、どの優れた選手を手に入れられるかはガチャ要素となっている。今回の裁判では、こうしたデジタル上に存在するサッカー選手は市場で取引されたことから、オーストリア賭博法にいう金銭的利益が生じており、ギャンブルに相当すると判断されたようだ。しかもプラットフォーマーであるSIEが同国内でのギャンブル事業のライセンスを取得していないため、ギャンブル契約は契約無効と判断されたとしている。
返金を命じられたのは少額だが、この判決の通りギャンブルと認定されると、ほかの販売ゲームなどにも影響し、あらゆるートボックス関連に返金が通る可能性もある。このためSIE側も上告する可能性もあるようだ。