フィッシング詐欺に対する責任を金融機関と通信会社、消費者で共有する枠組み (SRF) 案について、シンガポール金融管理局 (MAS) と情報通信メディア開発庁 (IMDA) が意見募集を行っている
(
MAS の発表、
The Straits Times の記事、
CNA の記事、
The Register の記事)。
シンガポールでは政府機関 Smart Nation and Digital Government Group が
詐欺 SMS のブロック機能を搭載するアプリ ScamShield を提供しているほか、IMDA は SMS の発信者 ID 偽装対策として SMS 発信者 ID 登録 (SSIR) を実施しており、政府機関はすべて SSIR に参加している。SRF では金融機関や通信会社をフィッシング詐欺から消費者を守る立場に位置付け、これらの対策を怠ったことでフィッシング詐欺の被害が発生した場合には消費者の金銭的被害を負担することになる。
SRF は金融機関に対し、詐欺師の手にデジタルセキュリティトークンが渡っても高リスクな取引ができないよう 12 時間のクーリングオフ期間を設け、高リスクな取引の試みを消費者に警告することや、年中無休の通報チャネルやセルフサービスによる取引中断機能などの設置を義務付ける。通信会社に対しては、SSIR に登録していない送信者からの送信者 ID を使用した SMS のブロックや、既知のフィッシングリンクを含む SMS のブロックなどを義務付ける。
なお、投資詐欺やロマンス詐欺といったフィッシング詐欺以外の詐欺被害や、マルウェアによる詐欺被害などは対象外とのこと。意見募集は 12 月 20 日まで。