月や火星の地下探査に向け、「ヘンゼルとグレーテル」のパンくず技を取り入れたネットワーク構築をアリゾナ大学の研究チームが提案している
(
論文アブストラクト、
アリゾナ大学のニュース記事、
The Register の記事)。
惑星探査でメッシュネットワークを構築するアイディアは新しいものではないが、従来のアイディアは事前の計画に従って通信ノードを配置していくものだ。一方、研究チームの特許も出願中だという「Breadcrumb-Style Dynamically Deployed Communication Network」(DDCN)では、ヘンゼルとグレーテルが帰り道を見失わないようパンくずを落としていったのと同様、探査機が必要に応じて自律的にノードを配置していくのだという。
具体的には前のノードから離れて信号が弱くなってきた場合、新しいノードを配置し、通信が確立されるまでその場で待機するといった処理になる。これにより、地下の溶岩洞や地底湖を調査する探査機と地上の探査機との間を長距離で、かつ堅固に結ぶことができるとのこと。
候補となる溶岩洞は月や火星で特定されており、地上の厳しい環境から生命を保護できる可能性から深く長い溶岩洞は宇宙生物学における重要性があるほか、将来の宇宙飛行士が滞在する居住地の建設地としても重要だ。研究チームでは DDCN のコンセプトを 2019 年に NASA に提案しているとのことだ。