NightWalker (21969) の日記
4月になる前にグインサーガについて語っておくべきだろう
一人の作者が書いた最も長い小説は、栗本薫さんの書いているグインサーガです。
2月に99巻が発刊され、4月上旬に記念すべき100巻が刊行される予定です。
1巻は昭和54年9月30日発行ですから、25年半かかって100巻に到達した事になります。
そして俺は、25年間グインサーガと付き合ってきました。
もともと、100巻まで書くと宣言して書き始めた栗本氏。
「100巻になって、グインをかけなくなったらどうしよう」とあとがきで洩らしていましたが、
実際は、100巻は単なる第一幕の終幕で、クライマックスはまだこれからという状態。
25年前。俺は都内の某私立中学に入学したばかり。私立ということもあっていろんなタイプの友人が出来た。
そんな友人の一人に教えてもらったのが、グインサーガとダーティペアだった。
グインサーガは既に5,6冊出ていて、初版本や3種類ある1巻を探して友人と神田をめぐったっけ。
3種類ある1巻とは
a.オリジナル
b.ストーリー中の描写がハンセン氏病の団体からクレームを受けたことに対するコメントを巻末に追加したもの
c.問題となる描写を書き直したもの(改訂版)
というもの。
あの頃から初版コンプリートを目指していたっけ。今も性格変わらないや(笑
あの頃は本を読むのに燃えていた。どうしても登場人物に日本語名が出てくるのが馴染めなかったから、
早川文庫SF/FTとかを足が痛くなるまで本屋で立ち読みしていた。
ちなみに初代ガンダムのTV放送もこの頃だ。
ダーティペア → 高千穂遥 → スタジオぬえ → 日本サンライズ → ガンダム
俺とガンダムは完璧なラインで結ばれている。運命の出会いではあるが、必然だったんだ。
ヒロイックファンタジーでは、ハロルドシェイが好きだった。作者は同じだが、蛮勇コナンはあえて読まなかった。
俺にとってコナンと言えば未来少年なんだ。
しかし、剣と魔法の世界は好き。エルリックとかコルムは早川SFではあったがむさぼるように読んでいた。
エルリックの挿絵は天野喜孝氏なのだが、グインサーガは最初は加藤直之氏だった。
ガンダムつながりで読んだ「宇宙の戦士」の挿絵は加藤直之氏が書いていて、
そんな加藤氏の書くグインは、当然メカ物は出てこないけども、やっぱり巧かった。
グイン、イシュトバーン、リンダ、レムス、ナリス、マリウス。
登場人物は何人も出たけども主要なこの6人には思いいれが強い。
ナリスが死んだとき、肉親以外で一番付き合いが長い大切な人なんだって気がついた。
ナリスが死んだとき、ボロボロ泣いた。飛行機の中だった。人目をはばからず泣いた。
普通はありえない。だって、ストーリーの中に潜っている時間とは、本を読む時間と等しい。
余韻に浸ったとしても、そんなに長い時間をキャラクタとすごすなんて無理だもの。
しかし、ナリスはグインサーガという物語の中で『実在』していた。
本当に20年来の知り合いに先立たれた俺は暫く落ち込んでいた。
読んでいる俺にすら歴史がある。もちろん、著者にも。
中島梓さんでもある栗本薫さんは、当時ピントでヒントという番組に出ていた。
「僕らの時代」で賞をとり才女ともてはやされた彼女は、グインサーガのあとがきの中で、
結婚し、子供を生み、その子供は成人するという事を報告してくれている。
長い時の流れを感じる。大河小説とはよく言ったものだ。
ゆったりと流れる川の流れ。いくつか波がおきて渦がまこうが、すぐに吸収されてすぐに判別できなくなる。
そして全体とした流れは変わらない。
グインサーガ(グインの冒険譚)といいながらグインがまったくでない巻も少なくない。
どうしてもありがちな中だるみ(これは仕方が無い事で著者のせいじゃない)で脱落していった人も少なくない。
1巻はリンダとレムスが戦争から逃げるのをグインが助ける所から始まるが、
その戦争はこうして必然的に起きたことだった、という事が80巻くらいで明らかになると、
加速をつけて話が盛り上がり面白くなってきた。なんという豪快な伏線だろう。
そして、グインサーガ外伝の1巻「七人の魔道士」は昭和56年に刊行されているにも関わらず、
本編が100巻を遥かに超えた時代の話であることは確実だ。
30年に到達しようかという予定調和。予定していなかった事といえば100巻で終わらなかった事だろう。
おそらく、マスコミで取り上げられるだろう、刊行100巻。
しかし、それはただ長いだけでなく、著者と読者のリアルな歴史も一緒に積み上げて出来た壮大な物語なのだ。
100巻……ねぇ? (スコア:0)
Re:100巻……ねぇ? (スコア:1)
実質、文庫本100冊なんて大した量ないですよ。