kaho (2741) の日記
ヤモリのメンテナンスフリー足
PNASにヤモリの剛毛が自分でゴミをとるという論文があった.
割と知られていることなのだが,ヤモリが平らな垂直の壁を上れるのは足の裏に直径200nmの非常に細かい毛が生えていて,その毛と壁とのvan der Waals力によるものだ.
吸盤でついている訳ではないから真空中でさえもくっつくし,引っ掛けている訳でもないからつるつるの壁でも上れる.
ところでこのような構造だとすると,足の裏が汚れてしまった場合きちんと体をささえられるのだろうか.
実際野生のヤモリは最後に脱皮してから数か月経っても足をきれいにするような仕草を見せないのにも関わらずいつもと同じようにすいすいと上っていくのだと言う.
この論文ではヤモリの足をはぎ取って(というとかなり聞こえが悪いが)泥やゴミに見立てた粒子の上におき,その後汚れがどのようになったのかを観察し,電子顕微鏡写真まで撮っている.
その結果分かったことは,汚れてから数歩歩くともうすでにかなりのゴミが落ちてしまっていたということだ.
つまりヤモリの足はわざわざ自分で洗わなくても単に歩いているだけで十分きれいに保たれているということになる.
筆者らの計算ではこれはゴミと壁,あるいは足とのvan der Waals力のバランスによって達成されているのだと言う.だからヤモリは自分の行きたい方向がどちらなら歩けるのか気にする必要もないということだ.
この構造は人間も応用できるかもというようなことも語られている.
確かにヤモリがくっつく理由を聞いても汚れた時は?と考えたことがなかったので「へえ」という気持ちになるが,この実験が正しいとするとセルフクリーニングができるかどうかはゴミの大きさによるし,その大きさがクリティカルだと足にくっついたままになったりするような気もする.
もし人間の世界で実用化されるとしたらどのような応用があるだろうか?
実際に (スコア:1)
なんだそうで、びっくりしました。
セルフクリーニングできるようになれば、マジックテープの分野を置き換え出来そうな気がします。
分子間力で引っ付いているなら水も通さないでしょうから、防水機能のオマケもつくかもしれませんね。
Re:実際に (スコア:1)
今調べてみたのですが、リソグラフィーを使って1cm (0.5cm?)四方のヤモリテープを作ったという話と,これで手袋を作れば原理上片手で天井にぶら下がれるということは書いてありましたが,実際につくったという話は見つかりませんでした.
その部分はx51.orgの誤訳ではないかと思います.
毛のサイズ的にはヤモリのものと全く同じなので,ヤモリはすぐにきれいになるのにヤモリよりも力の弱いヤモリテープがすぐに使い物にならなくなるというのは不思議な気がしますね.
材質の違いなのか毛の配置の違いなのか,興味あるところです.
参考
などなど
kaho
ヤモリテープは凄いですね (スコア:2, 興味深い)
Nature Web Newsで、昨年11月にStickiness takes on new shapes [nature.com](現在は有料記事なので訳文 [mypress.jp])という記事が出ていて、動物たちが粘質の分泌物では無く、「ファンデルワールス力 [mef.or.jp]」を利用している場合、粘着性を増加させるためには、「環状体の接点(つまりドーナッツ型)」が最も有効だ、という事が述べられていました。
新しい方程式によって「吸着接点の異なる形式」を比較する事が出来るようになったのだそうですが、自然状態では平らな面がほとんど無いので、そうなるのだそうです。
実際に数値的に計算できるようになると、動物たちがどんな風表面にくっついてどんな風に離れるのか、汚れが付着する事をどのように防いでいるが判るようになるかもしれない、と期待されているそうです。
希望応用例 : 必要な時に何処にでも貼れて、跡の残らない棚(もちろん落下しない)、表面がぬれていても、脂気があったとしても落ちてこないお風呂場のタオル掛け、気軽に模様替えが可能な壁紙、 … 衣類への応用はもののはずみというのが有りそうなのでパス 。
# 最近わかってきている話なんですね
Re:ヤモリテープは凄いですね (スコア:1)
油のついている表面は油ごとはずれてしまうので難しいかとは思いますが、穴をあけたりべたべたしたりしないでつけられる本当の壁掛けテレビとかできないものかと思います.
重いものは落ちた時が大変なのでセルフクリーニング機能もついていないと困りますけれど.
身近になるくらい安価に生産できるようにするにはどうしたらいいのでしょうね.
結晶成長させるような感じで基板上に毛を伸ばすとかでも高そうだし、いっそヤモリを遺伝子操作して!(笑)
kaho
… 巨大ヤモリ ? (スコア:0)
夢に見そうだ