M1権獲得を目指してしばらくログインしてなかったんですが、どうしても日記に付けておきたいネタが上がったもんで。
Yahooサイエンスニュースに
コーヒー浣腸に関する話題が上がっている。元ネタはWIREDらしい。
このゴンザレス博士とやらは知らないが、実はコーヒー浣腸というのは彼のオリジナルではない。Max Gersonという人が1978年に発表しているのだ。仮にゴンザレス博士が考案した部分があるとしたら、膵臓ガンへの適用か、用法(1日何回やるか)の部分だろう。
ちなみに何でこんなしょうもないことを知ってるかというと、2000年の頭に「健康」という雑誌にコーヒー浣腸の特集が組まれてて、そのときに調べたから。
そのときの内容を
ここに置いている。あんまりしょうもないのでトップページからのリンクなどは貼っていない。その後に調べようかと思って放置したままの部分もあるし、自家中毒説が信じられた背景にその提唱者であったメチニコフがノーベル賞を受賞(細胞性免疫の発見)してたことがあったことなども書きたいな、とかも思ってはいたんだが。
【11/12追記】
2chにスレ立った さて、うちのページに置いてあるのが挙げられたりするだろうか。GoogleやAlltheWebでもこのページは出てこない(どっからもリンク貼ってない。robotは排除してないが)から、もし出てきたりしたら、どうやって探したか知りたいところだ。
ちなみにコーヒー浣腸でぐぐると、いわゆる健康情報関係のサイトがぼろぼろ引っかかってくる。批判の経緯などを書いてるのはどうも見当たらない。(あるいはうちみたいにリンクされてないところにあったりする?)
補足 (スコア:0)
ちなみに今回の記事が「上」で、「下」は明日公開の予定。
要するに何が問題かというと (スコア:0)
ゲルソン療法では、コーヒー浣腸を最大の特徴とするものの、それ以外にも同時にサプリメントなど食餌のコントロールも行う。これでは一体どっちの効果を見ているのか判らないではないか、と考えるのがまともなサイエンティストというものだ。かと言って、自分の患者でどっちの効果かを確かめるための実験を行うことは人道上許されることではない、と彼等はいうかもしれない。が、だったら適切な実験モデルを作って検証しようというのが、これまたサイエンティストの考え方だ。百歩譲っても、ゴンザレス博士のようにいきなりPhaseIII臨床治験を、などとは考えず、まずは健常人ボランティアで安全性などを検証しようというのが健全な考え方。
また彼等は療法を行う上で「ゲルソン理論」という「科学的な(と彼等が言う)理論」に基づいているというが、30年前ならいざしらず、もはやその理論に従って(科学的に)実験を行ってもがんの治療はできないということが判ってしまったものに何の意味があるというのか。それでもゲルソン療法が効くというのなら、それが効くメカニズムを新たに考え直し、それを実証する必要があるのだ。
そのためにも再現性ある実験モデルを作成し、ゲルソン療法としてくくられた要素ひとつひとつの効果を、例えばコーヒー浣腸だけではどうか、サプリメントだけだとどうか、浣腸液もコーヒーでない場合、コーヒーの単一成分(カフェイン、クロロゲン酸、ジテルペン)だけの場合、またそれらを浣腸以外の経路で与えた場合、などなどを検証した上で、本当にその療法のひとつひとつのものに意味があるのかを突き止めるのが、サイエンスというものなのだ。
まぁ実のところ、病気が本当に治るというのであれば、別に科学だろうが呪術だろうが構わないのだ。医者はそもそも別に科学者である必要はないのだし(治療に必要な科学技術を知っておいた方がいいにせよ)、ゲルソン療法で治るのであれば、別にそれが科学である必要は必ずしもない。だが「治る」ということを科学的に検証したいなら、またその理論構築が科学の姿を借りて行われている以上、これは「科学と擬似科学」の領域に属する問題になってしまう。現在のゲルソン療法士の主張は擬似科学そのものなのだ。これが結局いちばんの問題。
HOTWAIRED記事(下) (スコア:0)
ゴンザレス博士の手法は「科学的手順に従っている」と書かれているが、正直僕はそうは思わない。理由は上述。しかしことの白黒をはっきりさせる気が本当にあるんなら(ネガティブデータに直面しても受け入れる覚悟を持っているのなら)やるに越したことはないだろう。本当にゴンザレス博士にそれができるのかは疑問に思うが。
それと彼が書いたという研究論文だが、少なくともPubMedでは出てこない。まぁ300ページも載せる雑誌があるとも思えないから当然だろうが。しかし、そこから重要なデータを引き出して査読付きの雑誌に送って評価を受けるのが、科学者としての筋の通し方。それをせずに「データは非常に説得力のあるものだった」と言っても、妄想と変わりないのだが。