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yosuke (8569) の日記

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ばいおすふぃあ2。

yosuke による 2005年01月20日 0時20分 の日記 (#276569)

Biosphereとは生命圏の意味である。1984年にSpace Biospheres Ventures(SBV)が設立され、アリゾナに1.27haの閉鎖空間環境実験施設が作られることが決まった。そこには、我々がそれまでに知っていたただ一つの生命圏、地球(=Biosphere1)に続く第二の生命圏として、Biosphere2という名前がつけられた。

SBVのCEOはMargret Augustine、Vice PresidentはJohn Allen。テキサスの石油富豪Edward Bassの会社であるDecisions Team Ltd.(DTL)とDecisions Investments Corporation(DIC)がSBVのスポンサーとなった。
研究の目的は主に2つ。1つは炭素サイクルのモデル化など地球環境をめぐるさまざまな問題についてのコントロールされた結果を得ること、そしてもう1つは将来に建設されるであろう宇宙コロニーの維持についての知見を得ることである。施設の空気漏出率は年間10%以下、外部から入ってくるのは情報とエネルギーだけというほぼ完全な閉鎖空間である。内部は5つの原生バイオームと農地、居住区に分けられている。

1988年から始められた一連のテストを受け、第1次閉鎖実験が1991/09/26~1993/09/26に渡って行なわれた。クルーは8名。
途中、不安定なCO2濃度、O2濃度の低下、食料不足、生態系の維持などあらゆる問題に悩まされながらも、クルーは2年間の実験を遂行した。
実験中の1993/01/13には、酸素濃度が14.2%まで低下したことから14,000kgの液体酸素が19日間に分けて注入された。O2濃度の低下は追跡調査の結果、高CO2環境下でのコンクリートとCO2との化合によるものという結果が出ている。そのため、これ以降の閉鎖実験にはO2注入はおそらく必要ないだろうという予測がなされていた。
絶滅した種は驚くほど少なく、各バイオームが混ざり合ってしまうこともなかった。持ち込んだ種以外の害虫に悩まされながらも、食料生産が致命的なダメージを受けることもなかった。
2年間での食料自給率は80%程度。ただし残り2割も、閉鎖前にBiosphere2内部で生産されて緊急用に備蓄されていた食料を切り崩したもので、外部から持ち込まれたものではない。
どうしても必要な外部との標本の交換には、エアロックが用いられた。そのため、外部からの物質の侵入は最小限に抑えられている。一人が脱穀機に指を挟まれてほとんど切断状態となり、病院で縫合手術をうけることとなり5時間外部に出ることとなったことを除き、クルーも基本的に外部には出ていない。

第1次閉鎖実験の後に6ヶ月の移行期間を挟み、1994/03/06から第2次閉鎖実験が始められた。しかし、Edward Bassがパートナーシップを解消したことにより、この実験はたった1ヶ月で中断されている。環境研究施設を中心に置いたテーマパーク的なものを目指していたBassにとって、出費ばかりが嵩み利益を生み出さないBiosphere2の方向性は気に入らなかったため、と言われている。これによりBiosphere2はDICのものとなり、1996年より5年契約でColumbia大学に貸し出される。以降、閉鎖実験は1度も行なわれていない。
2000年には新たな10年契約が結ばれる。しかし2003/03にDICは、"契約上の義務を果たしていない"としてColumbia大学を訴え、この契約は2003/12/22をもって終了してしまう。その後は完全に観光地としてだけ稼働していた。

AllenらはBiospheres, LLC、EcoFrontiers LLCの2つの会社を設立し、次世代の人工生命圏の設計や環境の研究を続けていくこととなる。1999年にこの2つの会社は統合し、Global Ecotechnics Corporationとなっている。

主な参考資料:
http://www.biospheres.com/
講談社ブルーバックス "バイオスフィア実験生活" (ISBN4-06-257147-1)

#1. エネルギーに関しては、地球もエネルギー源を外部に持つということを考えれば量にもよるが妥当であるとも言える。
#2. 出費は、人が働いていれば発生するに決まっている。クルーもサポートスタッフもボランティアじゃないし。施設の補修だってある。
#3. 第1次クルーからのちに1組の夫婦が生まれているが、人間の出産は内部では行なわれていないはず。
#4. ついでにいえば、居住区の個室(2階建て)がガラス張りなわけないし、熱帯林内部だって外からは見えない。

##っていうか、この程度のことGoogleで調べたって即座に出てくるじゃん…。

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