昨日いきなり今日の夜の部のチケットをもらったからつうことだったので急遽歌舞伎座へ。
なので藤岡弘、探検隊は録画対応(w
演目を見たら、4月は昼の部にやたら力が入ってるもんで(国性爺合戦だもんなぁ)夜の部はかなりマニア向け(ぉ)と見た。国性爺合戦はともかく鴈治郎の1人7役舞踊も昼の部だもんね。
- 元禄忠臣蔵 大石最後の一日
えーと、題名通り。(ぉ
でもこの「元禄忠臣蔵」、全十部からなるんだけど、この「大石最後の一日」は十部目(ラスト)に当たる話なのに一番最初に書かれたという(w)しかも初演が昭和9年、つまり歌舞伎としてはかなり新しい話となる訳で。
討ち入り後細川家中屋敷に預けられた十七士が切腹を言い渡されるまでの流れを、内蔵助(吉右衛門)をメインに磯貝(歌昇)とおみの(芝雀)の悲恋を絡めて描かれる、橋田壽賀子も真っ青(w)の台詞が多いお話。歌舞伎にありがちな派手な衣装も派手な隈取りも派手な立ち回りもない、女形を女優に置き換えればそのまま2時間ドラマとして成り立ちそうなくらい淡々と進む筋。って、忠臣蔵があまりにも有名過ぎる話だから筋が判りやすいってのもあるけどね。おまけに吉右衛門でしょ、もお気分はすっかり時代劇ドラマ。舞台演出も新しいお話らしく、冒頭で吉右衛門が登場するときに障子越しのシルエットで台詞をしゃべらせるなんて、照明技術が発達してないとなかなか出来ない(ロウソクの光だけじゃ難しいと思われる)情景を見せたりもしていた。
あ、鳴り物でウグイス笛を使ってましたな。今の時期に上演するのがいいのかもしれず。 - 百千鳥鳴門白浪 二人夕霧 傾城買指南所(ももちどりなるとのしらなみ ににんゆうぎり けいせいかいしなんじょ)
題名が長い!(ぉ)メインタイトルは「二人夕霧」だよう。
「廓文章」のパロディつうか後日譚だそーだけどそもそも「廓文章」を知らないんではーそーですかとしか反応出来ないんですが。まあ元ネタを知らなくても鑑賞出来るのが歌舞伎のいいところだけど。
主役の伊左衛門、仁左衛門が気管支炎で休演の為に代役は梅玉。うーむ、仁左衛門ならこのいかにも上方のお芝居に出てくる二枚目のぼんぼんてな伊左衛門がどハマりっぽいんだけどなぁ。タッパもあるから両方に花魁従えても映えるし。そりゃ勿論梅玉も悪くはないけどね。
花魁は先の夕霧が人間国宝鴈治郎、後の夕霧が魁春。鴈治郎、台詞は少ないけど流石の存在感。ちゃんと綺麗な花魁に見えるもんね(ぉ)。伊左衛門の弟子(いや風)役で息子の翫雀がいい味出していた。同じく息子の扇雀は次の「人間万事金世中」でこれまたキョーレツな娘さん役。親子共々名役者ですな。 - 人間万事金世中(にんげんばんじかねのよのなか)
散切物、というジャンルがあるそうな。明治初期を舞台とした、文明開化以降の世間を描いた歌舞伎。
やー、歌舞伎座でマゲや隈取りのない役者や洋装や横浜港のセットを観るとは思いませんでしたわ。つうても洋装で出てきたのは代言人(今の弁護士ですな)の杉田梅生(松助)くらいなもんだし、女性の登場人物は日本髪に和服だからほっとんどフツーの歌舞伎と変わらないし、とはいいつつも、おしな(扇雀)は指輪をしてたりするんでその辺が明治のお話だなあ、と。
この話、元はイギリスの"Money"(リットン作)という戯曲で、河竹黙阿弥が翻案したもの。日本での翻案劇の嚆矢でもあるらしい。役名も「ジョン・ヴェセイ」が「辺見勢左衛門(へんみ・せいざえもん)」、「エヴリン」が「恵府林之助(えふ・りんのすけ)」、「クララ」が「おくら」、「ジョージナ」が「おしな」なんてな具合でこじつけ振りがいかにも明治時代。この勢左衛門一家が金の亡者で、いつの時代でも世の中金なのね、とある意味笑えなかったり(ぉ)娘のおしななんて現代でもいるタイプじゃないかな。
それにしてもセットといいヅラといい台詞回しといい、何か新派を観ている気分。でも鳴り物は歌舞伎そのものなんだよなあ。なかなか不思議ではありました。