ken_non_sumの日記: 金銭感覚が絡む話と、世の中を知った風な口を利く話には参加しないという誓い 4
残業を終え、終列車で帰途に着く。
学生風の酔った男がふたりボクの前に立ち、就職活動の話で盛り上がっていた。
片方は上級生なのか OB なのか、ESはこう書くべきだ、面接にはこう答えるべきだと熱く語り、もうひとりは目を輝かせてそれに聞き入っていた。
「お前IT系志望だっけ。○○社(SNS で急成長したところ)受けてみな。すげー厳しいけれど、勉強になっから」
「あそこ1年目で年俸○○○万円だもんなー。すげーよな。オレ最終面接で落ちちゃったけどさ」
それからも上級生風の男は名だたる企業を挙げては、あっちはこうで、そっちはそうで、なんて話を続けていた。
彼らは自らの将来について、情熱的に希望を語っていた。
ボクは疲れ果てた頭で、虚ろなまなざしで彼らの足もとを見やりながら、それを聞くともなしに聞いていた。
ふたりとボクの間には、きっとひと筋の線が貫かれていた。
それが恒久的なものとは思わない。
でも、うすうす気付いていたのだけれど、やっぱり世の中って不公平だな、と思った。