M-FalconSkyの日記: 歌舞伎部 第7回観劇:感想
歌舞伎部 第7回観劇
場所は国立劇場(大劇場)です、こちらも綺麗で大きいですねー。
演目は 塩原多助一代記 を通しです。
今回、昼からだったので、時間に余裕があるのがよかったですね(遠方者の余談)
概要ですが、塩原多助の数奇というよりはちょっと不幸ながら努力による(最後は)立身出世の物語です。
けっこうな年までパッとはしませんがw
# 江戸の人としても、30台で咲きだした、はやや遅いと思う。
それでは各幕の感想について
序幕
全体としてもそうですが、話のテンポアップと時間内に収めるために、いろいろ演出が変化します。
で、そのため、ホットスタートゆえに、かなりわけわかめな所あるままに、多助が養子に出されてしまいます。
# せめて馬が青(という名前)であるくらいは、この時点からでも出してもいい気がしますが...
話の序盤だけなら、これもいいとは思うのですが、これが最後まで続いているので、総じて見る側もこまってしまう幕になってるかな。
# プログラム/解説があるのなら、これはこれでOKな幕ではあると思ってます。
演技は、まあ子役が可愛いでよいかなとw。
ただまあインパクトで引っぱる感が、(この後の展開も相俟って)ラノベっぽい流れに見えてしまい、気楽ではありますが、ちょっと緊迫感に欠けつつ見ることになりました。
二幕
養子先である、豪農 塩原邸での話。
ここではお亀(義理の父の後妻)という、それだけだと縁の薄い人にやたら弱いという、多助が情けなく見えてしまうシーンです。
また入り浸りの浪人親子もおり、これもただ悪印象を付けるだけになってしまっています。
演技的にはキャラの立った演技がほどよい人数で舞台にいつづけるので、地味ではあるものの見応えはあったと思います。
やはり切ってしまっている、お亀/お栄とも遠い親戚であることや、原親子も一応人助けしてたりした、などの人間味というか奥行きがなくなってるのが響いてるかなぁ。
多助もほどほど良いカンジに商売にやり甲斐を感じ、義理でも親を大切にするという、優しさがあるのですが、弱さ一辺倒になってしまっているのが(のび太くんじゃなしに)ちょっとしょんぼり。
あと、縁者の太左衛門の話している間は他の人が動きにくいので、そこもちょっともったいない(手紙を落したことに気付いたときの顔とかはすごい面白いんですが)
三幕
いろいろ変化の後、お亀と原丹次が落ち延びていく先で、悪党の小平(の母)と関わってしまう話。
これも端折られてる、小平が塩原家に対しての悪事があったのですが、それもないので、なぜなのか微妙にわからぬまま殺り合いとなってしまい、小平が悠々と金をもっていってしまいます。
2,3と悪側が良好にすすむので、ストーリー的にはちょっとフラストレーションがあるといえばある、かな。
四幕
二幕で身の危機を感じ、村から逃げた多助が身を寄せ、働いている山口屋(炭商人)の店先の話。
ここで小平がかたりをしようとし、それを多助が(前出の家での悪事を知っていたので)助言して、解決するという流れ。
でも、身バレした小平が居座り続ける理由がよくわからなかった(聴き逃した)のと、それでも突き出すではなく、穏便にすませるとなっていて、ここもちょっと消化不良になる箇所。
多助は帯刀する人ではない(台頭するが)ので、しょうがないのですが、多助が活躍すると場面が地味になるというのが厳しいという所。
滔々と話しで魅せたいところですが、こちらも内容が地味になってしまうので...
とはいえ、複数の立ち位置の人がいろいろと主張するので、場面は見てて飽きず、コミカルというほどでないけど、楽しい場面ですね。
五幕
実親の武士 塩原氏が出世し、江戸で働き、その際の家での場面。
ここは実親側での切実な気持が見え、場面も締まっていてよかったかなと。
あまり色々は言うことがないのですが、この場面に無理矢理語らせている情報とかがないためかもしれませんw。
大詰その1
茶屋で懇意の他業種の人(久八)さんと仕事とはなんぞや、という話の後、急転直下で縁談話がくる場面。
仕事が軌道に乗ってきた多助の生活の充実という意味で生きる楽しさも伺える、やっと上向いた感じが良い所。主役級が語るという意味で、本舞台でいちばんいいところと感じます。
あと、ここの演出で一番疑問に思ったのは、お花(地主藤野屋の娘、多助に惚れ、親が縁談を進めようとしてくれた)の挙動。ただでさえセリフと場面の時間が短いため、唐突感がいなめないのに、次のような舞台上の動きになる(見落してなければ)
1.多助と久八の会話
2.久八が藤野屋に呼ばれる
3.お亀との再会(このあたりで上の窓に顔をだす)
4.久八もどってくる
5.縁談話がでる
以前から、というのは演出しようがないので、せめて、1.で顔を出しておくとかしてないと、本気度とか真面目度がわかりにくい気がする、なんかカルく即決したかのように見えていた。
# もしかしたら1.でも顔出してたかも、だけど。
大詰その2
いろいろ周りが外堀を埋めて縁談話がすすむ場面。
最初に書いた点もあるので、やや性急でもストーリーとしてはアリかなという演出でした。
ただ、次の点もあって多少コミカルエンドでしたがw。
主要な演出の感想ですが、せめてもうちょっとお花にどう思っているか語らせるとか、それに多助が間の手を入れることで、相互理解がすすんでいるようにできたらよかったかなぁ。
# このハッピーエンドなんだけど、ご都合っぽいように見えてしまったのもラノベっぽく感じた理由かも。
全体
やはり全部を出す、を維持しようとしたがため、派手/印象的なシーンとかが減ってしまって、説明回しになってるのが厳しい気がします。
減らすのを、中盤ではなく先頭側、もしくは最後側にして、なるべくがんばってる所とか小平との関わりとか、「演出になってる」ように演出してほしかったというのがまとめかなぁ...。
# でも時間を考えると、こうなるよね、とも思う。
あと、青のことを折りにつけ、セリフに入れてもいいと思う。最後の方でいっときも忘れずにいて、影響が大きかったようなのに、言葉には特にないので、やっぱりちょっと唐突。
演技はまあ、二日目じゃあ、こんなもんかな、くらいかと。
むしろそれなりに噛んでしまう台詞のある演技を、見ることができたということ自体が貴重で、良かったかもしれません。さすがに毎度毎度だと見にいくモチベーションが減ってしまいますが。
後記
全体的に辛口になったかな。派手な演出がないというが、やたら着目してなくても楽しめるでもあるため、肩肘はらず(ガッチリ注視してなくてもよい)ので、けっこう気楽に楽しめたのはたしかなんですが。
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