無料MAPS最後の一ヵ月 7
ストーリー by Oliver
そしてspamが世界を覆った 部門より
そしてspamが世界を覆った 部門より
スパマーのリストRBLをメンテしているMAPSが8月からは有料会員以外からの接続を拒否することを発表した。プレスリリースのページにはまだ情報がないが、本家の同じネタにnews.admin.net-abuse.emailへ投稿された発表が転載されている。大学や個人等、MAPSの有料サービスを利用できない/したくない人は多いはず。スパマー対策の有効な手段が失われ、これからメール管理者は自衛するしかないのか。
SPAM撲滅のためとなると創造力と自由を放棄する人達 (スコア:3, すばらしい洞察)
全てのメールの「発信者の特定などが容易にでき」る システム、そのようなシステムは誰にとって都合がよいのでしょう?
そもそも、SPAMの多くは商業的宣伝である以上、 発信者はある意味特定できていると言える状況が あります。 「発信者の特定」によってSPAMを撲滅できるとは言えない でしょう。
一方、「発信者の特定」というのは、 匿名の通信を許さないということですよね。 この広い世界には、 非暴力的な政治的言論や不正告発をしたことによって 投獄されたり殺害されたりする人達が大勢いること、 そして、そういう環境からのメッセージが しばしば匿名の通信で届くことがあること、 その内容の正しさは発信者特定とは 別の手段で確認されて公表されること、 そういう現実があります。
「全てのメールの発信者が特定」されるシステムが 現実に構築されてしまうと、 その特定された情報は法執行機関にも 容易にアクセスできる情報になるでしょう。 そのような状況では、上記のような 「匿名の通信」が成り立たないので、 より多くの人々が投獄され、あるいは殺害されるでしょう。
(そもそも、こいつこんな意見を臆病匿名くんで出してるのかぁ...)。
類似サービス (スコア:2, 参考になる)
このサービスには相当なコストがかかっているようなので、有料化もやむを得ないのかなとは思います。
ORBSも少し前に消滅しているので、いまのところ無料で利用できるのはこの辺でしょうか:
日本でも別にRBLを立ち上げる動きがあるようです:
HIRATA Yasuyuki
モラルレベルとSPAMの関係 (スコア:2, 興味深い)
ボクも、上司も、友達も、いわゆるSPAMメールは嫌いだし、ウザイし、いいかげんにしてほしいと思ってるです。大半の人がそうなんじゃないかと、思ってました。
ところが、ボクがアルバイトしている会社の社長さんなんかは、宣伝という意味もあるんでしょうけれど、SPAMを奨励するかのような(そして実際に奨励しているみたいなのですけれど)発言をしているんです。
ドコモの迷惑メールも、普通は迷惑って名前がついているし、当時は受信にお金もかかっていたわけだから、ほんとに迷惑なわけだけれど、なぜか、「出会い系メールがいっぱい来てうれしい」なんて人も少ないながらいたです。
世の中を良くしようとしている人とはまた別の次元で、本当は世の中のためにならないのにそれを望んでいる人たちもいる。
そういうわけで、SPAMメールは需要もあるし、供給もあるのでなかなかなくならない。さらに、これからビジネスだとかでどこぞの社長みたいに「(SPAM)メール広告送ろう」って人も増えてくるかもしれない。
各人の持っている知識や環境から導き出されるモラルのレベルによって、SPAMを拒否したりもするし歓迎したりもする。なんだかいたちごっこな気がします。
これからは、自衛ももちろんのことでしょうけれど、やっぱり「予防」が大事だと思うです。そして「教育」。社長さんみたいに「SPAMって何?おいしいの?」という方もいっぱいいるわけですから……。
問題は、そういった知識をどう啓蒙していくか、というところだと思うのですが、どうでしょうか。
-------- SORAMINE Yukino
ま、検閲ソフトらしい方向性ですね (スコア:1)
SPAMの善悪はさておき、MAPSだのORBSだのってのは 一種の検閲システムですね。 利用するサイト管理者は「データの正しさ」を 全体として確かめる手段を持たないわけだし、 エンドユーザにとってはかなり「見えない」存在なんだしね。
MAPSにしても、ORBS(やその後継)にしても、 SPAMのみを弾くわけじゃなくて、 ほかのものもいっぱい道連れにする。 まして、DNS subscription で メールサーバでエラーを返すんならまだしも、 BGPであらゆるパケットをブロックなんてのを バックボーンISPで動かしちゃって 批判をあびてる ってことは忘れてほしくない。
で、有料化で登録したところしか データを見れませんってことは、 MAPSが自分のサイトを変なブロックをしてても 確かめることができなくなるってことだよね。 批判されるネタも隠しましょうって感じかもね。
SPAMとは? (スコア:1, 参考になる)
うちもSPAMに悩まされてます。もちろん、自衛手段ですぐにブロックします。
SPAMするほうは、相手の財産権(SPAMによって、相手のネット関連資源を、相手の同意を得ずに食ってしまう)の侵害について無頓着か、意識の外にある。
根本的にはSPAM(迷惑メール全般含めて)は、その発信者が元凶なので、ここに対する取締りや法整備、罰則の徹底、見せしめなどがまず必要です。
その上で、メールシステムそのものを(社会的システムも加えて)、発信者の特定などが容易にでき、その特定ができないメールは発信も受信もできない、というようにするべきですね。できれば理想ですが、100%ではなくても、かなりの精度で追求可能、というレベルのものでもOKです。
(もっとも、通常の「はがき」だって、差出人不明のものは出せるわけなので、それにならえば、ここまでする必要はないよね、という答えもありです)
そういう意味ではMAPSとかはあくまでそれまでの過渡的手段ということになると思います。
いわば、「つなぎ」ですね。
郵便の場合、「送信は有料」[受信は無料」という「しばり」があるので、発信する側はそれなりのコストを要求されます。これはSPAM防止の立場から言うと「送信」と「受信」のコストの差がけっこう効いているから、SPAMが少ないのだともいえます。だとすると、E-Mailの場合はこれを一歩進めて、いろいろなシステムを考えることができるな、と、思いますが、いかがでしょうか?
Re:SPAMとは? (スコア:1)
メールによるSPAMはよりコストの少ない宣伝の方法と位しか認識されていないのでしょう。
郵便のDMだって最近はだいぶ安価になってきてるのでそれこそごみ箱が山になるくらい送られてきますよね。
だから送信者が分かったところで止むとは思えません。
つまり、メールシステムうんぬんの話ではなく、宣伝方法としてどうであるかということでは?
費用対効果がどの程度あるのかを冷静に判断する以外に止める手立てはないような。
補足 (Re:類似サービス) (スコア:1)
antispam-j ML からの情報によると、ORBS から派生したサービスはもう1つあるようです:
ウェブ上にMAPSからのアナウンスも出ましたね。
HIRATA Yasuyuki