「MISはJR東日本の駅構内を使うべきでない」総務省答申 18
二転三転 部門より
k3c曰く、 "以前タレコんだ、モバイルインターネットサービス (MIS) がJR東日本の駅構内に無線LAN基地局の設置を求めて総務省に裁定を求めた問題で、総務省の電気通信事業紛争処理委員会が「認可は相当でない」との結論を答申した
(総務省プレスリリース、INTERNET Watch記事、日経の記事)。答申書 (PDF) によれば、争点となっていた電気通信事業法第73条1項の解釈について、委員会は、旧電電公社が電話線を敷設する場合のように「長距離にわたる線路の設置にあたり一部の電柱等でも設置ができないと全体の工事が完成しない結果に」なり、「個々の (土地等の) 権利者の使用権を上回る利用についての公共の利益ないしは潜在的権利がある」ような場合を想定した規定であると解釈。無線LANの送信距離が100m程度であることから、利益を受けるのはJR東日本の旅客に限られ、隔地者間の通信を行うものではないので、電気通信事業法第73条1項にいう線路には該当しないと判断した。
特に興味深いのは、「第1種通信事業者が端末設備と同等の設備を、希望するままに私的な場所に設置することが許されるものとすれば、土地等の権利者や利用者の意思に反してでも、際限なく私的な施設を利用して営業活動を展開することが許されることになる」と、同規定の安易な適用について警告を発していることだ。これは、無線LAN事業者が第73条1項を根拠に私用地への無線基地局設置を求めることを否定し、無線LAN設備の設置についてはあくまで「当事者間の話合いによるべき」と主張するものである。
このままいくと、今後はJR駅構内にISPが無線基地局を設置するのは非常に困難になると思われる。MISがこのまま引き下がるのか、それとも裁判に持ちこむのか、そしてJR東日本は試験中の駅構内での無線LANサービスを今後どうするつもりなのか、要注目だ。"
tty曰く、 "総務省の方は駅を公共空間とみなしてできるだけ多数のプロバイダに解放する方針のようですが、電気通信事業者法が追いついていないようです。「周波数」が共有財産であることは技術者なら常識ですが、記事を見ると「財産権の侵害」とか言っています。そりゃ駅舎は鉄道会社の財産かもしれないけれど、駅という公共性が高い空間の周波数という資源は鉄道会社に所属する「財産」なのでしょうか。"
これに対しMISは、答申の内容にかかわらず土地等使用の認可を求める要望書を総務大臣に提出、受理されたと発表している。
公共無線LANのもう1つの問題 (スコア:4, 興味深い)
敷地内に設備を置くのもなかなか大変ですが、実はその後にも問題があります。近接地域内の異種サービスです。
例えば、品川駅。JRE [jreast.co.jp]はFLORA内の2店舗でIEEE 802.11bの実験 [jreast.co.jp]をやっています。一方、同じく品川に駅を構える京急 [keikyu.co.jp]はNTT-BP [ntt-bp.net]との協力の元でやはり802.11bを飛ばして [ntt-bp.net]います。それぞれのエリアを比べてみると、最も近いところで基地局間距離が30m程度しかありません。これだけ近いと混信が生じたり、お隣さんのセッションを誤って扱おうとしてしまったりしないんでしょうかね?
まぁ、JRE(旧国鉄を含む)と京急は昔から激しい競争をしてきたので、らしいといえばらしいですけどね。そういえば、京急がプロモーションと称して品川駅でMOTOR MAN 京浜急行VVVF [radiosonic.co.jp]をJRにしっかり聞こえる音量で流したってのもありましたな(笑)。
他のソース (スコア:2, 興味深い)
それにしてもMISのプレスリリースにある
というのはあくまで要望書が受理されただけであって、要望が受理されたわけではないと思うのですが、わざわざ発表するほどのことですか?「使うべきでない」はちと変 (スコア:2, 参考になる)
現行法では施設管理者に対して第三者の設備を設置する事を強制する根拠は無いよ....という判断だと思うのですが。(その判断が正しいかどうかはまた別の問題ですね)
電気通信事業法を読むと (スコア:2, 参考になる)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/japanese/laws/telecom/tb_re9908_3.html
この規定のキモは、土地の所有者の意に反しても、通信事業のために
強制的に使うことが出来る「裁定」という手続きを定めていることで
す。無論いきなりそんな乱暴なことは申請(第74条)できないから、そ
れに先立って第73条1項にある、総務大臣の認可に基づいて協議を求め
るという手順を踏むわけです。
で、総務大臣は何を考えて認可を決めるかというと、この場合はMIS
が提供しようという通信サービスの公共性を考えて、重要ならば所有
者の権利を制限してでも実現しなさいというし、それほどでもなけれ
ば認可しない、となるわけです。重要なことは、JR東日本という会社
の公共性なり、駅という場所の公共性について配慮しなさいとは、こ
の法律には書いていないという点です。
もしこの法律がMISとJR東日本との間に適用されるとすれば、MISと
あらゆる土地所有者との間にも適用される可能性がある、ということ
になります。それが、MISの主張の問題点です。
Re:電気通信事業法を読むと (スコア:1)
ここで問題となっている「通信サービスの公共性」について、今回の答申は「無線LANの通信距離は100m程度で、利益はJREの旅客だけしか受けられない」として否定的な判断をしました。ですが、MISが使っているルートの機械は基地局間handoverを実現しているので、基地局を正しく設置さえすれば駅ビルや地下街へ入っても使えるはずです。そうすれば、もはやJREの旅客だけでなく、地下街の買い物客も利益を受けることができます。
また、JREの旅客しか利益が受けられないことを盾にJREの基地局設置を優先するならば、その基地局からの通信はJREの土地からは1mmたりとも出てはいけないということになります。しかし、土地の境界というのは単なる空間。そこで通信を遮断するのはまず不可能です。
そうなると、今回の答申に対しては以下のような疑問が出てきます。
(スコア:-1, 余計なもの) (スコア:1, 参考になる)
Re:(スコア:-1, 余計なもの) (スコア:0)
疑問 (スコア:1)
それと根本的な疑問なんですが、MISのような会員制サービスの場合、一体ユーザが何人だったら公共のサービスだと言い切れるんでしょうか??
端末設備と同等の設備 (スコア:0)
専用の周波数を割り当てられている携帯電話の基地局などとは違って、ISMバンドといういわば他のバンドよりもさらに公共性の高いバンドを使用する機器を使用して電気通信事業を行う場合、電気通信事業者をあまりひいきして扱うと、公平性を欠いてしまうかもしれないという危惧があるのではないでしょうか。地権者にだってその土地でISMバンドを利用する権利があるのですから。
通信路分離の手段は帯域だけじゃ...ない (スコア:1)
ただし、この議論、そして紛争委員会の答申は「帯域の分離が通信路を分離する唯一の手段である」ことを大前提としています。この前提に対しては、太田昌孝氏が「通信と線路を混同している」という問題を指摘 [rbbtoday.com]しています。
もともと、国家などが行う通信資源の管理といえば、もっぱら帯域の管理でした。かたや、MISは一段上の符号化の部分で通信資源を管理すべきと主張しているわけです(この考え方はGenuineが採用したdatalinkに頼らない通信路暗号化 [miserv.net]などに現れている)。帯域以外にも管理すべきものがある事を知らなかった総務省も総務省ですが、符号化が帯域と同じく通信路の分離に十分使えることをあまり強く主張しなかったMISもMISという気がしています。
ISMバンドを使うのはIEEE802.11bだけではない (スコア:0)
しかし現状では、IEEE802.11b以外の機器も(中にはアナログ方式のものも)たくさん使われており
Re:通信路分離の手段は帯域だけじゃ...ない (スコア:0)
「東工大の太田昌孝氏より中立的な立場からコメントいただいた」
って書いてあるけどMISの会社概要 [miserv.net]見てみると 取締役に名前がでているんですが,別人?
それはおいておいて
>「帯域の分離が通信路を分離する唯一の手段である」
っていっても無線の場合は同じ帯域を使う以上通信容量は低下するわけだし.
まぁIEEE802.11bの場合同一周波数に複数の基地局があった場合どうなるかはよくしらないんですが.(802.11会合でそんな
Re:通信路分離の手段は帯域だけじゃ...ない (スコア:1)
基地局の共用はおそらく無理だったと思います。MISの基地局はルート [root-hq.com]の機械を使っているわけですが、こいつは単に802.11bを飛ばすだけではなく、端末の移動も考えて基地局間のhandoverやそれにともなう経路制御など、ソフトウェアもかなり作り込んだものです(ip layerが基地局毎に閉じていたと記憶している)。一方、JREなどが使っているのは、単に有線のEthernetからdatalink layerをbridgeするだけのものと見られます。
また、同じ帯域を食われるから使ってはならないという論法が成立したと仮定すると、もし駅構内でJREの運輸業務以外の店舗が業務用に同じ帯域を使っていた場合、こちらも同じ帯域が使えなくなります。店舗側からすれば当然反発するでしょう。あるいは、電磁波は土地の境界を超えて飛んでいけるので、私が先に書いたコメントのような例 [srad.jp]ではJREと京急またはNTT-BPが大ゲンカということにもなりかねません。
Re:通信路分離の手段は帯域だけじゃ...ない (スコア:0)
有しない、というべきだろうな。
監督官庁は、何処? (スコア:0)
ようだけど、鉄道会社って国土交通省の監督下に入ると
思うんだよね。ましてや、問題の2.4GHz帯って無線局の
免許が不要な帯域だから鉄道会社を電気通信事業者法で
どうこうしようとするのがそもそも、無理ではないかと。
いくら公共性の強い場所とはいえ、鉄道会社の土地は
私有地ですからね。鉄道会社の許可がないと、勧誘1つ
できないんですから。財産権侵害と業務用で使用している
無線に混信が起きるとの理由で威力業務妨害で裁判起こされたら
国に勝ち目はないですね。
JR自身が業者に頼んでサービスをすれば良い (スコア:0)
導入するでしょう?
既に試験してるんだけど (スコア:0)
おまえの土地つかわせろゴルァ (スコア:0)
2)JRの駅構内は非常に多くの人が行き来する.
3)JRの駅の集客効果はJRの企業努力によるものではなく, 国鉄として税金による設備投資を受けた結果であり, JR駅構内は公共スペースと言える
4)おまえの土地に我が社の基地局設置させろゴルァ!
NTTに使えた論法だしJRに適応しても良いんでない?>総務省様