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3602 story

「納豆樹脂」で砂漠を緑化 27

ストーリー by yourCat
応用範囲が広そう 部門より

von_yosukeyan曰く、"読売新聞によると、九州大学大学院の原敏夫助教授はこのほど、納豆の糸に含まれるポリグルタミン酸を応用した納豆樹脂を開発したとのこと。この納豆樹脂は、ポリグルタミン酸に放射線を照射することで生成され、自重の5000倍の水を吸収できるという優れた保水力のあるほかに、ゲル状に加工したりトレイなどの材料にも応用可能だという。
原助教授は、この納豆樹脂の特性を砂漠緑化への応用を提案している。納豆樹脂の保水力を、厄介モノのヘドロや糞尿、それに植物の種を混ぜて砂漠や乾燥地の緑化に応用できるといい、実際に霞ヶ浦のヘドロと納豆樹脂を使い、牧草の栽培に成功しているという。面白い技術だが、原教授は納豆そのものではなく納豆菌から直接ポリグルタミン酸の生成方法も考案しているそうで、納豆嫌いの人にもこれで安心?"

以前ちょっと話題に上った「納豆樹脂」だが、こういう使い道もあるのか。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 納豆リンク (スコア:4, 興味深い)

    by skimsr (9280) on 2002年08月11日 21時48分 (#144023) ホームページ 日記
    私は晩飯では毎日納豆を食べるほどの納豆好きなのですが,Google大好きっ子でもあるので早速検索してみました。

    • 原研究室の公式サイト [geocities.co.jp]
    • 九州大学の研究報告 [kyushu-u.ac.jp]
    • 「世界の納豆博物館」 [puni.net](参考文献に原先生の著書「納豆は世界を救う」が挙げられています)

      原研究室の紹介ページ [geocities.co.jp]によると,納豆がネバネバするのはポリグルタミン酸というポリアミノ酸のせいで,このアミノ酸ポリマーには以下のような変わった特徴があるそうです。

    • 自然界に存在するアミノ酸はL型なのに,納豆のネバネバにはD型のグルタミン酸が存在する(熟成後は80%もの割合になる)
    • 一般にタンパク質ではアミノ酸がアルファー結合をとるが,納豆の糸をつくるグルタミン酸はガンマー結合をしたヘリックス構造をとる

      …私はこの辺さっぱりなので,解説をお願いします>識者の方。
    • ># 自然界に存在するアミノ酸はL型なのに,納豆のネバネバにはD型のグルタミン酸が存在する(熟成後は80%もの割合になる)

      確かに通常のタンパク質(酵素など)を構成しているアミノ酸はほとんどL型です.しかしD型のアミノ酸も全く存在しないか、というとそういうわけでもありません.

      #ちなみに知っている方も多いとは思いますが、L型とD型は光学異性体(ラセミ体)と呼ばれるもので、互いに鏡像の関係にある立体異性体の一種です.

      古くから知られている例でいえば、細菌の細胞壁を構成しているペプチドグリカンもD-アミノ酸を構成成分としています.
      D-アミノ酸は従来言われているよりもいろんな生物に存在していて、さまざまな機能に関わっていることが解明されつつありますね.実際ヒトの神経細胞などにおいてもラセマーゼ(L→D型アミノ酸への光学異性(ラセミ)化反応を触媒する酵素)が存在していると聞いたことがあり、これが白内障やアルツハイマーの発症に関与するという報告もあるようです.

      つっても私もこの分野は不勉強でそれほど詳しくはないので、 ここ [nagaokaut.ac.jp]などがさらに参考になるかと.
      親コメント
    • by y_tambe (8218) on 2002年08月11日 22時29分 (#144037) ホームページ 日記
      グルタミン酸の構造 [ajinomoto.co.jp]を見ていただくと、他のアミノ酸とは異なりカルボン酸基(-COOH)が2つあることが判ると思います.
      このうち、1つはアミノ基(-NH3)がついているのと同じ炭素分子(α位)に、もう1つはそこから2つ隣の炭素分子(γ位)にあります.α結合か、γ結合か、ということは、そのどちらの位置のカルボン酸基が、別のアミノ酸分子のアミノ基とペプチド結合をするか、ということです.
      親コメント
      • 丁寧な解説ありがとうございます。

        ヘリックス構造というのは,この図 [jst.go.jp]のような螺旋型の構造をとるので,γ結合だとこの螺旋の鎖が長くなって伸縮性(ネバネバ?)が強くなる。

        …という解釈は正しいでしょうか?
        # 質問ばかりですいません。
        親コメント
        • >ヘリックス構造というのは,この図 [jst.go.jp]のような螺旋型の構造をとるので,γ結合だとこの螺旋の鎖が長くなって伸縮性(ネバネバ?)が強くなる。

          タンパク質の立体構造からその性質を類推するのは難しいので何とも言えない、というのが実情でしょうが、思うに多少の関係はあるのでしょう.でも高分子全体の鎖長や、網目構造を取るかってあたりの方が粘性にはより影響が大きいのではないかと思います.
          グルタミン酸にはγとα位の2ケ所のカルボン酸基があるから、その両方を使うことで網目構造のポリマーを作ってもおかしくないとは思いますが、ここ [hoops.ne.jp]あたりを見ると、納豆のネバネバはポリグルタミン酸だけでなくフラクタン(多糖の一種)も含んでいるそうなので、むしろフラクタン自体の粘性が高かったり、ポリグルタミン酸の繊維を互いにくっつけあって粘性を増すような役割をしていると考える方が自然かもしれないです.
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    • by Anonymous Coward
      仕事で斜め読みしてた雑誌に記事が掲載されてました。

      http://www.rada.or.jp/rada/radi&indu1/no81.html
  • 納豆星 (スコア:2, すばらしい洞察)

    by sameshima (10060) on 2002年08月12日 1時39分 (#144149) 日記
    火星に打ち込んで緑化できないでしょうか?
    • Re:納豆星 (スコア:2, 興味深い)

      by aria (10025) on 2002年08月12日 2時31分 (#144178) 日記
      太陽光を集める反射鏡が要りますね。
      膨大な数のガラス、金属も一緒に打ち込みましょう。
      --
      米子-松江往復だと?そんなの自転車に決まっ(ry
      愛車(ロード)のフレームに「ありす」って名前つけちゃったze
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      • by aria (10025) on 2002年08月12日 3時07分 (#144191) 日記
        てらふぉーみんぐへの道のりは長いですなぁ。
        何というか、天野こずえ [mag-garden.co.jp]の、「ARIA」かと。

        納豆打ち込みすぎで粘っこい星にはしたくないですね。
        --
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      • by Gamma8 (10685) on 2002年08月12日 11時30分 (#144286) 日記
        とりあえず、極冠のドライアイスを解かさないといけないんで、核ミサイルでも打ち込みますか(違)

        昔、海外の「第三の選択」って嘘番組で、んなこと言ってたな(笑)

        ただ、まじにあのドライアイスを解かそうって案自体は今でもあるらしい。
        --


        (_ _)ZZZZzzzzz...... I'm sleepy
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        • by aria (10025) on 2002年08月12日 12時26分 (#144312) 日記
          ドライアイス(二酸化炭素)から酸素を生成する。
          同時に生成された炭素は化学合成に使う、と。

          化学反応に膨大な電気が要りそうですね。

          取り敢えず電気は太陽光発電で軌道上の衛星から、
          マイクロ波で送信すれば燃料を火星で使う事がない、と。

          #マイクロ波の照準がずれたら・・・
          #まるでSimCityの災害イベントのように地上がとんでもない事に

          テラフォーミングする際に環境破壊しちゃ本末転倒(笑
          --
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  • by Anonymous Coward on 2002年08月11日 21時47分 (#144022)
    名古屋大学ではないのはよくわかるが、なぜに九州なんですかね?あれは寒い地方のものと思っていたんだが。。。九州は最近寒冷地になったのかな?いや、景気のお話じゃなくて。
  • by Anonymous Coward on 2002年08月12日 5時51分 (#144219)
    なぜ実用化されて無いのだろう。
    保水力の高い人口樹脂による緑化計画ってのが、
    口の端に上るようになってから10年くらいになる
    と思います。
    •  何をもって「実用化」と言うのか?と言う問題はありますが、いくつか実地で検証をしている物はありますよ。
      (記憶だけで申し訳無いが、中国に行ってやってるのとか)

       後はやっぱり、お金(と現地の協力?)かと。

      #勝手に日本から行って「緑化してやるから」とか言ってもねぇ、、、
      親コメント
      • 砂漠改革に不可欠な技術とは、ざっとあげただけでも林業、灌漑技術、保水剤技術、海水の淡水化技術であり、保水技術だけできても、塩害がおこるだけです。塩害とは、水をまいた後に熱により干上がり、その際に水中の塩分が残るためにおこるもので、砂漠緑化の一番の難点です。

        成功例は、比較的条件のよい砂漠(沙漠)ではみられますが、万能な方法はないようです。
        http://www.d1.dion.ne.jp/~yao_s/sabk2.html
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        • by aria (10025) on 2002年08月12日 12時07分 (#144307) 日記
          TVで見ましたが、ある草を植えると土から塩分が抜け、
          保水力もアップするそうです。
          (干上がって砂漠化したアラル海の緑化)

          あと、葦を植えた池に(2~3段の沈殿地)塩水を流すと、
          葦が塩分の8割以上を吸収するようです。
          これらは機械的なものは一切使わないらしいです。

          自浄能力も捨てた物ではありませんね。
          --
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    • by Anonymous Coward on 2002年08月12日 11時35分 (#144288)
      「砂漠を緑化」てのは聞こえは良いけれども
      りっぱな「環境破壊」なんですよ。

      また、
      焼畑や家畜害で砂漠化したところは、保水力等は
      もともとの砂漠より随分と条件の良い土地のはずですが
      回復が難しいことからわかるように、保水力だけじゃ足りない。
      親コメント
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