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原稿は誰のもの? 97

ストーリー by wakatono
描いた人のものじゃなかったのか? 部門より

Ikke曰く、"毎日新聞の記事によると、原稿を紛失された漫画家が出版社を相手取って損害賠償を求めた訴訟の判決が出たとの事。出版社側は原稿料を支払った時点で所有権が移ると主張したが、判決では原稿料は所有権移転の対価ではないとして漫画家の所有権を認めた。一方で、残された製版フィルムでの再出版が可能なために財産的被害はないと判断され、原稿を紛失された事による精神的な被害に対しての賠償だけが認められた。しかし、出版社側の主張って、結構一般的なものなのだろうか?"

所有権についての判断はまことに妥当なものであるが、出版社側の主張がまことにアレゲ。あと、どのような経緯をたどって「原稿の財産的被害がない」と判断されたのかもかなり気になるが…「フィルムがあるから」って主張はかなりひどいんでない?

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  • by Anonymous Coward on 2002年08月28日 5時23分 (#154311)
    出版業って言うのはただの物流業なんだから、そんな連中にとっての「著作物」って
    いうのは、ただのモノとしての側面しか認識されないし、認識のしようがないって
    言うことじゃないの?

    ようするに極端な言い方をするなら、出版業に携わってる連中なんて、
    みんな物流システムを維持するために働くことをプロと称しているだけなんだから、
    言い換えるなら全員取次のトラックの運転手の利害がそのまま本音だといえると思うんだよね。

    そういった連中からすれば作者が精魂込めて書き上げた作品なんて、
    所詮生活を維持するためのひとつのモノでしかないわけで、
    そういったあたりから「所有権が移る」なんて表現が出てくるんじゃないかと思うんだけどさ。

    #編集者の本音なんて、つまるところ「作品をいっぱい持ってくれば、あんたも私も、
    みんな幸せになれるやんけ」の1行でしかないと思うな。:-p
    #そんな搾取そのものが生業の業種を相手に対等に渡り合おうと思ったら、やっぱりそうとうに
    #構えざるをえないよねぇ。
    • >所詮生活を維持するためのひとつのモノでしかないわけで、

      ここまでの主張は理解できるんだが

      >そういったあたりから「所有権が移る」なんて表現が出てくるんじゃないかと思うんだけどさ。

      へのつながりがよくわからない。
      トラックのメタファなら、作者から読者へ「運んでる」だけということで、なおさら「所有権が移る」なんて概念はないとおもうんだが。
      親コメント
      • >> >所詮生活を維持するためのひとつのモノでしかないわけで、
        >> ここまでの主張は理解できるんだが
        >>
        >> >そういったあたりから「所有権が移る」なんて表現が出てくるん
        >> じゃないかと思うんだけどさ。
        >>
        >> へのつながりがよくわからない。

        「作家の権利」なんて概念は商売の邪魔にしかならない、ということでは。

        あからさまにそういう意識を見せる業者は非難されてしかるべきだが、すべての業者をひと括りにしている点で元コメントは暴論だと思う。
        親コメント
    • きょうびデータ入稿はめずらしくなくなっていますが、これをレーザープリンタで両面印刷して製本機にかければ作家の手もとで商品が作れてしまいます。数があるなら印刷所でもいい。販売にはネットが使えますね。

      >> 出版業って言うのはただの物流業

      これが正しければ、これから上記の方法で生活する作家が多数出現するものと思われます。逆にそうならないならば、出版には物流以上の役割があるということでしょう。

      # 夏コミに出すコピー本 (正確にはレーザープリンタ本) を
      # ホチキスで留めてサークル参加したので account
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      立派に「意見のひとつ」と思いますが。
      これぐらいの極論を呑み込めなくて、どうして議論ができますか?
      >自称モデレータサン
      • by dai75 (557) on 2002年08月28日 13時58分 (#154574) 日記
        物流業を卑俗な業種であるかのように述べ、かつ出版業と物流業が同じであるという珍しい主張を理由も言わずに前提として論を展開してるので、おもしろおかしいと思いましたが。

        # モデレータではありません
        --
        -- wanna be the biggest dreamer
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2002年08月28日 15時03分 (#154622)
          物流に対して「情流」 [nikkei.co.jp](=情報流通)なんて言ってる人達もいます
          メディア産業を流通業と捕らえることが取りたてて珍しいとは思えません

          また,「出版業者の利害」=「取次のトラックの運転手の利害」と書いてあるだけで
          物流業(=取次のトラックの運転手)を卑俗な業種であるように
          書いているようにも読み取れません.
          私の読解力不足でしょうか?

          流通業が「搾取そのものが生業の業種」だと言う(#154311) [srad.jp]の意見には同意できませんがね
          親コメント
      • by Anonymous Coward
        極論だけでなく、
        既存の出版業にたいする
        誹謗中傷も混じってますが。
  • >「原稿の財産的被害がない」と判断されたのかもかなり気になるが…「フィルムがあるから」って主張はかなりひどいんでない?
    この前盗まれた漱石とかの生原稿やら、横山大観の絵画や、雪舟の掛け軸も資料として制作したマイクロフィルムがあれば、
    「フィルムがあるから」の一言で、紛失しようが、焼失しようが、 損壊しようが、財産的被害が無いって事になるんですね?>裁判官の皆さん
    --

    /* Kachou Utumi
    I'm Not Rich... */
    • 知的財産に関しては(ト)な解釈をする学者・司法関係者も多い [k-nagi.com]ようですね……
      --
        - Lupinoid -
      親コメント
      • >知的財産に関しては(ト)な解釈をする学者・司法関係者も多い [k-nagi.com]ようですね
        学者と判事が癒着して云々だなんて、陰謀論もいい所じゃないですか。そのページのほうが(ト)かもよ。
    • by torigasira (9469) on 2002年08月28日 4時53分 (#154306)
      漫画の原稿そのものに芸術品的価値を認めるかどうかはさておき、
      藤子不二雄氏の生原稿ですら4万円程度 [google.co.jp]で取引されているようですので、
      今回紛失された原稿に原告の要求通り1300万円もの価値があるとは到底思えないですね。
      親コメント
      • by ginjin (10967) on 2002年08月28日 9時10分 (#154353)
        実際、漫画家さんや漫画家が苦労してあげた原稿を見た事のある方は
        こんな判決は不服と思われます。

        生原稿には出版された本からでは計り知れない努力と工夫と苦労の跡が
        垣間見えます。
        (切って貼った後やら、ホワイトの厚みやら…etc)

        でも、1300万は行き過ぎかもしれませんが…(^^;
        多少の(原稿に対する)賠償は判決で出してあげるべきだと…

        ---
        --
        "吟"遊"人"---
        親コメント
        • >生原稿には出版された本からでは計り知れない努力と工夫と苦労の跡が垣間見えます。
          >(切って貼った後やら、ホワイトの厚みやら…etc)

          それがどうしたとおっしゃるのでしょうか?

          いやしくもプロの作品においてそんなものに価値があるとでも?
          出来上がった作品で勝負するのがプロであって、製作過程や努力の跡なんぞを認めてほしいというなら、そんなのはプロじゃありませんぜ。

          親コメント
          • by nekopon (1483) on 2002年08月28日 19時39分 (#154829) 日記

            いやいや、価値を見いだそうと思えば見いだせるのですよ。 ワシにとっては紙切れでも、ファンにとっては代えがたいシロモノでせう。

            # まあ、プロなら印刷でどう出るかまで考えて原稿を作りますから、 本当の意味での作品は出版物そのものなのかもしれません。

            親コメント
      • この場合、生原稿自体の価値はないに等しくても、
        著作権者の手にある限り複製物の頒布が可能なのだのだ。
    • 書画と違って生原稿をそのもの売って、対価を得ているわけでは無い→プロの漫画家としての財産的被害無しということでしょう。現状としては妥当な判決とも思えます。

      一方で普通の(失礼)プロの漫画家の原稿は明治時代の文豪の直筆原稿などのように、その物自体の価値がまだ認められていないという判決でもあるわけで、漫画ファンとしてはさみしくはあります。
      ただし、紛失被害にあったのが現役の作者の原稿ということで再出版等この原稿から得られたであろう損失の有無のみで判断されたということなので、これが手塚先生の貸本時代の生原稿とかだったら話が違っていたでしょうね。

      親コメント
      • by KAMUI (3084) on 2002年08月28日 7時09分 (#154320) 日記
        うぅむ「製版フィルムがあるから被害無し」みたいな考え方って・・・

        漫画家が出版社・編集部の方針と合わずに他の出版社へ移る場合や
        それに伴って単行本を他の社から出す場合がある事を
        およそ考慮してない気がするんですけど・・・

        例えば「他社に移るからその製版フィルム渡せ」って言われて
        出版社が渡してくれるか保証の限りではありませんし。
        親コメント
        • >例えば「他社に移るからその製版フィルム渡せ」って言われて
          >出版社が渡してくれるか保証の限りではありませんし。

          この判決を根拠に渡すことが義務化されるでしょう。
          ただ、また裁判をやらなければならない可能性が高い
          ですが。
          親コメント
          • >この判決を根拠に渡すことが義務化されるでしょう。

            つーか、
            「出版後の原稿は作家に返すべし」
            って取り決めを作っちゃえば?
            「オリジナルを紛失した場合は、(多少の罰則金付きで)同等のもの=製版フィルムでも可とする」
            とかの附則もアリ。
            もちろん
            「オリジナルが再発見された場合は可及的速やかに作家に返却する」
            のはあたりまえ。

            つーか、今までこういう取り決めが無かった方が不思議。

            んで、自前で原稿の保管/管理ができない作家のための保管業者があってもいいよね。出版社が代行してももちろん可。
            もちろん、しっかりと「契約書」を交わして保管と管理を依頼するわけ。
            親コメント
        • 製版フィルムの所有権って、出版社じゃなくて印刷所が持つものなんじゃないの? そうだとすれば別の出版社から再版するのは可能だよね。ふつうは「再版するからフィルムくれ」とは言わないで入稿し直すんだろうけど。
          詳しい人に聞きたいところだが、こんな古いスレの奥深くではだれも見ないだろうな。

          親コメント
  • by argon (3541) on 2002年08月28日 8時30分 (#154342) 日記
    「まあじゃんほうろうき」には、編集に渡した原稿を紛失されたら、
    原稿料の10倍返しが相場のように書いてあったのを信じてました :-)。
  • 唐沢なをきセンセも扶桑社と揉めましたね。確か。

    単行本「百億万円」の巻末に顛末が載ってましたが、
    扶桑社側が原稿の紛失を認めて謝罪することで、
    和解したんでしたっけ。

    原稿は戻らなかったけど、製版フィルムが残って
    いたのでそれを元に単行本「百億万円」に収録した
    そうです。
    修正したい部分があって、そこの作業が大変やったと
    しみじみ書かれてましたな。

    他の出版社から出す単行本だからって意地悪したのかな?(^_^;)
    単に出版社側の管理が悪いだけか。
    --
    ======= nandabe =======
  • by Anonymous Coward on 2002年08月28日 2時54分 (#154281)
    文章仕事でのケースであれば、原稿料は基本的に雑誌等への掲載権についての対価で、その掲載時期が済めば(月刊誌ならそのひと月)権利は著者に戻ってくる……という解釈が一般的と思ってました。

    マンガの原稿紛失の話は割とよく聞きますが、最近見た例ですとこの本が

    http://shop.mediaworks.co.jp/item.php?cd=B0211520

    印刷所に保存されていたフィルムが発見されて復刊に繋がった具体例として挙げられると思います。
    • まんがに限らず、作者と出版社の間の契約がいわゆる「買取り」なのかどうかが問題なのですが、この辺りを明確に「契約書」の形で取り決めてる所って少ないような....。
      おそらくこの問題でもそうした明文化された契約が無くて、出版社側は一方的に「買取り」と主張したんようでが、さすがにそれは通らないんでしょう。まあはっきりした契約が無ければ原稿の所有権は移転しないという判例が確定するのは良い事じゃないですか。
      著名まんが家が名を連ねた団体で「新古書店」「まんが喫茶」を著作権侵害として運動している所がありますけれど、そういう問題よりこの手のトラブルを無くしてまんが家の地位向上を計るべく、まんが家と出版社の「統一契約書」作りの運動でもした方がよっぽど有益だと思うんだけどなあ。「大作家」でも出版社と喧嘩するのは怖いのかしら.....。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2002年08月28日 6時19分 (#154314)
    「あの」学研でしょ。相手が。出版社はどこも似たようなものだけど、特にあそこはひどい話がたくさん詰まってますね。
    • by Anonymous Coward
      例を挙げてみてくださいな
      • Re:しかしねぇ (スコア:1, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2002年08月28日 10時36分 (#154411)
        学研はいしかわじゅんの原稿を「取れなかった」というまことに珍しい前科を持っています。(藁
        #いしかわじゅんは原稿を締め切り前に上げる落としたことのない作家として有名。
        #当然原稿を取れなかったのは既に原稿を仕上げていたいしかわ氏とコンタクトを取らなかった担当の責任。
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2002年08月28日 6時57分 (#154319)

    裁判所の判決で前例ができたということに価値を感じます。そんなわけで、この訴えた漫画家さんとうやむやにせずに受けてたった出版社に感謝したいです。

    • Re:とりあえず。 (スコア:3, 参考になる)

      by juan (3871) on 2002年08月28日 8時36分 (#154344) ホームページ 日記
      こういう事によって出版社や編集プロダクションが原稿管理をきちんとやってくれるようになればいいですねえ。エロ雑誌で結構ながいことマンガ描いていましたが、編集プロダクションによっては何度返却をお願いしてもなしのつぶてで…いや、返してもらっても単行本出すあてがあるわけじゃないんですけどね。
      あのての所だと少人数で毎月の編集作業をやってることもあって、原稿はどんどん奥にしまっちゃって、整理がつかないってのはわかるんですけどね。作家に返す原稿を倉庫から発掘したってお金にならないわけだし。ふう…
      親コメント
      • Re:とりあえず。 (スコア:2, 参考になる)

        by Mahiru.Minamino (2542) on 2002年08月28日 11時02分 (#154435) 日記
        昔某弱小出版社でバイトしていましたが、労働環境は極めて劣悪、ちょっと売り上げが落ちると給料なんて即止まる。おまけにワンマン社長は極めて理不尽。
        まあ弱小企業はどこも似たようなもんかとは思いますが、そんな訳でほとんどの社員は保って一年ぐらいで辞めていく。原稿管理なんて夢のまた夢。
        # バイトの方が待遇が良く、長く居着くので仕事に詳しかったり。

        当時原稿返すの返さないので(返したくてもモノがない)モメてましたが、確か製版データ渡してなんとか収めていたような。
        おかげでちゃんと別出版社から再版されてました。
        親コメント
    • by znc (2768) on 2002年08月28日 10時11分 (#154386)
      過去のさかのぼることが出来ればねぇ・・・・
      まぁ,今度は訴訟という手段が出来るから
      多少は補償される可能性が出てくるのではないかと・・・

      # 名前忘れた・・・角川かメディアワークスに二回ほど
      # 原稿を紛失(しかも掲載前に(涙))された不幸な漫画家・・・
      # 同人誌で怒りまくった旨を書き綴っていたはず・・・
      --
      『今日の屈辱に耐え明日の為に生きるのが男だ』
      宇宙戦艦 ヤマト 艦長 沖田十三氏談
      2006/06/23 JPN 1 - 4 BRA
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typodupeerror

アレゲはアレゲを呼ぶ -- ある傍観者

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