最小人工生命体作成計画 36
ストーリー by Oliver
小さなホムンクルス 部門より
小さなホムンクルス 部門より
y_tambe曰く、"
Mainichi INTERACTIVEの記事によると、Craig Venterが率いる生物代替エネルギー研究所(米メリーランド州、Webサイトは作成途中)が、必要最小限の遺伝子で生命活動を維持する、いわば「人工生命体」を作成する計画を発表した。
現在ゲノム(全遺伝子)解読が完了している生物のなかで、そのサイズが最も小さいのはマイコプラズマ・ゲニタリウムという細菌であるが、その細胞から本来のゲノムを取り去った後で、ここにこの細菌の持つ遺伝子(517個)のうち、生命活動に必要とされる遺伝子、265〜350個程度を人工合成して入れ直す計画とのこと。
昨年4月のMainichi INTERACTIVEの連載でもこの計画に触れられているが、今回米エネルギー省から3年間で300万ドルの助成がついたそうだ。/.Jでも以前ポリオウイルス遺伝子の全合成が話題に上ったが、今回の研究はこれより技術的にもかなり高度なものだ。倫理的問題や生物兵器開発につながる危険性など解決せねばならない問題はまだまだ多そうだが、人類が生命創造に向けて歩を進めているのは間違いないといえるだろう。"
タレコミ人曰く・・・ (スコア:4, 興味深い)
#124018 [srad.jp]で今回のタレコミ元のy_tambeさんがおっしゃっているように、「だからどうしたの?」という気がしてしまいます。
しばらく前まで(人によっては今でも)生命活動を維持する最小の遺伝子セットとは何か、という話題がありました。しかし、結局そんなものは環境依存で議論しても埒があかないし、よしんばそれらを見つけてもそれで生命の起源が明らかになるわけではないということでもう最近では言われなくなっていると、まあ私の勝手な印象かもしれませんが、そう見えますし。
Craig Venterのことだから、その他の勝算があってやっているのではないかと勘ぐりたくなります。
でもCeleraで自分の配列読んだおかげでアルツハイマーの素因があるのは分かっても(笑。あ、違う病気だったかも)、Mycoplsma genitaliumを合成しても本人には何の得もないような。
もしDNAをPCR合成するだけではなく、その他の小器官まで人工合成する、というなら魅力的ではありますが、ちょっと目的が分からないです。
(リンク元に書いてある「石油に代わるエネルギー源」というのはただの建て前だと思ってます)
kaho
Re:タレコミ人曰く・・・ (スコア:4, 興味深い)
ウイルス全合成の話はPCRで増やせばいいものを、わざわざというか、一個一個核酸つないでいってウイルス遺伝子を全部組み上げたというものなので、例えるなら「入手可能なプログラムのソースを複製するのにコピー&ペーストせずに、一文字ずつ打ち込んだ」ようなことでしょう。
これに対して、今回のやつは「稼働しているシステム(ハードウェア+ソフトウェア)のソフトウェアを全部消去して、重要だと思われるプログラムだけを入れ直して最低限のシステムを作る」ことにあたるのかな?
出来上がった「最低限のシステム」は最低限であるがゆえの使い道というのが見込めるかもしれません。結局のところ、どういう使い道があるのかは未知数だから「だからどうした」と思う人も「これはすごい」と思う人も、どちらの言い分にも道理があるでしょうね、少なくとも今のところは。
>リンク元に書いてある「石油に代わるエネルギー源」というのはただの建て前だと思ってます
僕もそう思います。まぁ所属研究所の名称や、エネルギー省から助成を受けてる関係でそう言ってるだけでしょうね。
個人的には、これが発展して基礎研究に有用なモデル生物にならないかな、というところに関心がありますね。入っている遺伝子がすべて機能既知のものであるというのは、他のモデル生物にない大きなメリットになるんじゃないかと。
新生物の可能性 (スコア:0)
細胞は高性能な化学工場です。しかも試験管一本で、つまり20世紀のような巨大化学プラントを建てることなく非常に小さな初期投資で、化学工場として稼動開始しますから、化学産業として非常に有望です。
しかし化学工場としての性能を追求すると、既発見のバクテリアでは不十分です。例えば、プラスチックを分解するバクテリアが発見されていますが、こいつはプラスチック「だけ」食べて生きているわけでなく
(だとしたら
純粋な興味 (スコア:3, 興味深い)
以前から「リポソームに必要な遺伝子を詰め込み、必要なオルガネラを適切に再現し詰め込んでやれば、そいつは細胞としての活動を開始するのだろうか?」という疑問を持っています。
換言すれば「生命は物質に還元可能か?」と。
現在の分子生物学は「可能であろう」という前提なわけですが、まだ誰もそれに成功していない。
その答えへの第一歩だと思います。
再構成することにより、切り刻むだけでは知り得ないことがわかってくることもあると思います。
部門名 (スコア:2, 参考になる)
ホムンクルス [google.com]
ホムルンクス [google.com]
ホルムンクス [google.com]
Re:部門名 (スコア:1)
ホモん来るっす (スコア:0)
必須ではない遺伝子 (スコア:2, 興味深い)
生命活動の維持に必須ではない遺伝子には何が書かれているのでしょうか.人間にたとえれば髪の毛の色を決めたりするような,個体差に関する情報ですかね.それとも,注釈文か何かで遺伝子の設計者名が書かれていたり...
注釈 (Re:必須ではない遺伝子) (スコア:2, おもしろおかしい)
はじめに「光あれ」と... (スコア:1)
そんなわけないか.
Re:必須ではない遺伝子 (スコア:1)
(_ _)ZZZZzzzzz...... I'm sleepy
Re:必須ではない遺伝子 (スコア:0)
Re:必須ではない遺伝子 (スコア:1)
匿名の臆病者さん
(_ _)ZZZZzzzzz...... I'm sleepy
Re:必須ではない遺伝子 (スコア:0)
Re:必須ではない遺伝子 (スコア:0)
Re:必須ではない遺伝子 (スコア:1)
他にもあるかもしれませんが、思いつきませんねえ
#遺伝子517個の構成が特定できているって事は
#遺伝子的な個体差もわかるんでしょうね
「個体差」はこれからの課題です (スコア:0)
というのも、塩基配列の決定の段階でのエラー(読み間違い)が同じ程度あるはずですから。100%近い精度が必要ですね。全ゲノムを2~3回読むことが必要でしょう
Re:「個体差」はこれからの課題です (スコア:2, 参考になる)
>と言いますが、全ゲノム数百万塩基のなかの数パーセント以下の差異を見つ
>けるというのは相当困難です。
>というのも、塩基配列の決定の段階でのエラー(読み間違い)が同じ程度あ
>るはずですから。100%近い精度が必要ですね。全ゲノムを2~3回読むこと
>が必要でしょう。
まず、SNPsは全体の0.1%ほどです。1%違えば種が違ってしまいます。(ヒトと
チンパンジーくらい)
シークエンサーの読みとり精度も0.1%程度の誤差ですが、こちらは当然複数回
読みます。なぜなら、一度の読みとりでは500-600塩基ほどしか読めないので
その断片を他の断片とつなげるためにはほとんどの領域が他の断片と共通して
いないとなりませんから。
個体差に関してはSNPは必ずしも原因とは言えません。
配列は同じでもその後の修飾過程で変化があったりしますし、免疫系は個体の
発生の後で個体間の差がでてきます。
ゲノム解析が終わって、これからはより難しい個体差の解析が必要になって
くるのは確かですね。なぜなら、病気とはまさに個体差の研究なわけですか
ら。
>ある意味、他の生物のゲノムを決定する方が簡単かも知れません。95%程度
>の精度があれば、とりあえずOKだと思いますから。
個体差、というのは個体の数だけあるので、ある生物の代表的な配列を全て
取得する方が楽なのは確かです。
ただ「精度」というのはちょっと不正確では。
一般にゲノム解析でいわれるパーセンテージはゲノム全体の何%を読んだか
という意味での比率であり、精度ではありません。誤差はシークエンサーの
精度に依存しますので、通常99.9-99.99%です。前述しましたように、5%も誤
りを含むような配列では、種も、多分遺伝子の場所の特定さえもできないの
で生物学的に価値がなくなってしまいます。
また、100%にするのが難しいのは、(多分染色体が凝集していて)ある部分の
配列を取得するのが難しい箇所があったり、一旦配列をランダムに分割する
手法を用いた場合は、確率的な問題で、に今欠失している部分が読み込まれる
確率が解読すればするほど急速に小さくなるからです。
細かいところにつっこんでごめんなさい。
でもちょっと誤解を招きそうな言い方だったので。
kaho
数十万でした(訂正) (スコア:0)
#なんでプレビュー通りにならないかなぁ。
Re:必須ではない遺伝子 (スコア:0)
固い物質製のコンピュータと違って、細胞は水溶媒中で巨大分子が熱雑音でブルブル震えながらDNAコピーしてるわけですから、コピーエラーが頻繁なんだと思いま
そうでもない (スコア:1, 参考になる)
そして、それらのほとんどは複製後に修復されるので実際にはほとんど変異は固定されません。
鋳型の塩基とあらたに合成される塩基の間の水素結合の位置および塩基の立体配置を検出することにより、正しい塩基対を形成し、かなり正確に複製しています。
熱ノイズ(ブラウン運動)は相当大きな影響を持ってるはずなんですけどね。
ただし、インフルエンザウイルスのようなRNAウイルスははるかに変異(複製の間違い)の割合が高いので、容易に変化します。
つまり、去年のワクチンは今年は効かない、と。
無粋を承知で解説 (スコア:0)
分裂に必要な遺伝子は「必須遺伝子」に入っていると思いますよ。増殖しなけりゃ実験に使えませんから。
いずれにせよ、特定の環境・状況下でのみ必要とされるような遺伝子(産物)はバクテリアでは通常作られていないことが多いです。必要な時のみ合成されるよう制御されています。
例えば
Re:無粋を承知で解説 (スコア:1)
DNA修復に関連する遺伝子は無かったら異常により死滅するリスクが高くなりすぎるので、生存には必須だと捉えた方がいいとおもいます。また薬剤耐性については、バクテリア自身がゲノムとして持つのでなく、プラスミド上に載っている場合が多いですよね。
「必須遺伝子」についてですが、これらは「こういう機能を持ってるから生命維持に必須だ」という形で決まったというより、「とりあえず潰してみたら生命維持できなかった。その後で機能解析してみたら、こういう機能を持ってることが判った」という形で決められたものも多いかと。
#もちろんこのゲノムが決められる以前に、重要な遺伝子については個別に(種間で保持されているものについては別の生物種での解析を含めて)確認されてたのでしょうけど。
Re:無粋を承知で解説 (スコア:0)
多いと言うより、厳密にはそれ以外の方法では「必須遺伝子」か否かは判別出来ません。重複してる(同じ機能を持った遺伝子が複数存在する
DNAを細胞に入れ込む (スコア:1, 参考になる)
森岡氏の小説にあったけど (スコア:1)
いつかは人間と同じ遺伝子を合成できると思うけれど
そうなった場合に、人工合成された人間そっくりの遺伝子から創られたモノは人間なのかな?
科学倫理というのは、もっともっと議論しなくちゃいけないよね
#研究開発は進められるべきだと思うけれど
#その合成されたモノを使った実験とかはいいのかな?
#いや、もっとぐろい使い方も想像できるけど・・・。
-------------------------- 探し物は見つかりましたか? sk1y2k
Re:森岡氏の小説にあったけど (スコア:1)
で、そこに「元はなんであれ、出来たものが同じならば、同じである」という台詞が出てきますね。
そう言えるだけの状況が現出することを期待したいものです。
Re:森岡氏の小説にあったけど (スコア:1)
(それどころか、人間として認定が降りたタイミング狙って殺してやがるし)
無機物のアンドロイドじゃなくて、有機体の見かけも中身も人間と同じ対象に対して、人道上やったらまずいだろうってことを平気でやれる奴は、多分、対象が普通の人間でも同じことしたがってるんじゃないですかねぇ..........
ま、昨今のニュース見てると、直接、手を下すのでなければ、案外、そのまずいことを容認できる人間が多いんだなぁとは思うのだが
(_ _)ZZZZzzzzz...... I'm sleepy
Re:森岡氏の小説にあったけど (スコア:1)
自分の欲望を妥協無く追求する男に感動してしまった(爆)ので
コメント。
「有機体の見かけも中身も人間と同じ対象」であっても
人間の定義無きが故に「人間として認められるまで食べなかった」
ところが話のミソではないかと。
従って、人の生殖活動で産まれた女性で条件に合う人がいれば
「罪であろうが無かろうが人道も関係なく」さっさとやって
いた筈。
男も作中でそのようなことを言っていた記憶がありますが、
これはあやふやですので、間違っていたらごめんなさい。
Re:森岡氏の小説にあったけど (スコア:0)
Re:森岡氏の小説にあったけど (スコア:1)
事故などで大ダメージ受けた時の保険として、
臓器移植の部品取り用として使うのは許可して欲しいっすよね。
なんて思ってたら、
「こいつは全損っすね、修理は高くつきますよ?丸ごと取り替えましょうや」
とそのまま廃車>新品交換になる場合の方が多かったりして。
Re:森岡氏の小説にあったけど (スコア:1)
# 体のあちこちがたが来てるので AC で。
Re:森岡氏の小説にあったけど (スコア:1, 興味深い)
人=知能だけなのか、容姿が人であれば人間なのか
人間の脳を犬に移植できたとして、それは人間なのか、
犬の脳を人間に移植したとして、これは犬なの?ってのと同じ
ですな。
要するに、作られたモノが「自分は人である」と自己申告すれば
人として認めるって事になるのでは?
自己申告できなければ、それは、似たモノである、又は
人類の予備パーツの塊でしかないかも。
Re:森岡氏の小説にあったけど (スコア:1)
Re:森岡氏の小説にあったけど (スコア:1)
# For man might be free./人は自由になれるかもしれないから。
人間に限りなく近く (スコア:0)