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コンピュータに負けない新ゲーム 97

ストーリー by Oliver
モビルスーツ駒版もきっと 部門より

84p 曰く、 "WIRED NEWSの記事によると、Deep Blueとチェス王者の対戦にインスパイアされて開発された新しいゲーム「Arimaa」が公開された。チェスと同じ8×8の盤上で象・駱駝・馬・犬・猫・兎の駒を使い、兎の駒が敵陣の端までたどり着けば勝ちというルール。チュートリアル(Flash版)を見たところ、将棋やチェスのように駒を取ることができない代わりに相手の弱い駒を押したり引いたりできるらしい。
ゲーム開始時の駒の配置が自由だったり、1ターンに駒を4マス動かすことができたりと自由度が高いことから、コンピュータがしらみつぶしに最善手を読むのは困難だという。そんなわけでArimaa王者に勝つコンピュータプログラムを書けば賞金10000ドルとのことなので、我こそと思う方はルールを研究してみると良いだろう。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by SHNSK (10099) on 2002年11月26日 13時36分 (#207090)
    昨日早速研究仲間とやってみたのですが,序盤で大ポカをやってしまい,いきなり駱駝を落とされてしまって苦戦しました.
    • 相手の駒を落としても単純に有利になったとは言えない
    • 終盤での一発逆転の手が読みにくい
    • 味方の駒同士はうまくクラスタにしておくのがよい
    といったことをふまえると,従来の(Chessや将棋の)評価関数とは多少発想の違う方法で盤面を評価した方が良さそうです. しかし新奇性のある発想は必要ないような気がします.
    #様々なゲームやパズルに関する研究はありますし
  • by suntear (11933) on 2002年11月26日 10時00分 (#207004) ホームページ 日記
    件のチェス対戦でのカスパロフ氏の敗北は,むしろこの手のゲームでは特殊なケースだと思いますので,人間のアドバンテージを確保する目的で新しいルールを公案する必要はないのではないでしょうか.将棋,囲碁になるとコンピュータは人間の専門棋士に遠く及ばないのが現状です.

    将棋は随分と強くなっており,アマ初段の私などでは簡単に勝てないソフトが市販されています.

    囲碁はまだまだ弱く,例えば GNU Go [gnu.org]などは,今年の 7 月にカナダのエドモントンで開催された The second annual 21st Century Cup Computer Go Competition [intelligentgo.org]において 7 位の成績でしたが,アマ 6 級 (ほぼ初心者) の私と良い勝負をします.

    チェスや囲碁が世界的に愛されるゲームとなったのは,何百年に渡り様々な人がプレー,研究した結果,単純なルールにもかかわらず深さと面白さがあったからです.

    面白い知的ゲームが増えることは大いに歓迎したいので,このゲームも多くの人に愛されるゲームとなると良いと思います.
    • オセロとバックギャモンはもうコンピュータの方が強いようですね。

      で、軍人将棋はどうなってるんでしょう?
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      • > オセロとバックギャモンはもうコンピュータの方が強いようですね。

        囲碁や将棋よりも手が狭いということです.

        この手の問題は,おそらく P != NP な問題で,現在広く使われているコンピュータでは brute-force アルゴリズムで解くしかありません.したがって 1 手の自由度が狭いゲーム程,コンピュータが有利になります.

        オセロのゲーム開始から 5 手のすべての手順の数は,

          64 * 63 * 62 * 61 * 60 = 914941440

        囲碁のゲーム開始から 5 手のすべての手順の数は,

          361 * 360 * 359 * 358 * 357 = 5962870725840
          (石を取ることは考慮しない)

        それぞれひとつの手順を評価するのに要する時間を同じであるとすると,同じ 5 手を読む場合,囲碁の方が,

          5962870725840 / 914941440 = 6517 倍

        の時間を必要とします.

        これは単純化されたモデルによる計算ですが,1 手の自由度の差が,読む手数が増える程,指数関数的に,処理時間の差となって現れることを,雰囲気的につかんでいただけるのではないかと思います.
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        • おお、丁寧な説明ありがとうございます。

          囲碁というのは探索範囲の広さもさることながら、
          「この辺はまだ決着ついてないけど、あっち行こか」とか、
          「まだ微妙なとこあるけど、決まったよね」みたいな
          対戦者同士の無言のやりとりが感じられるゲームで、
          その辺をプログラム化することは難しかろうなと思います。

          各手の評価をするアルゴリズムを作って総あたり式でという
          今のアプローチだと、まだしばらくの間、強い弱いの問題とは
          別の意味で相手にならないというのが私の印象です。
          親コメント
          • > 囲碁というのは探索範囲の広さもさることながら、
            > 「この辺はまだ決着ついてないけど、あっち行こか」とか、
            > 「まだ微妙なとこあるけど、決まったよね」みたいな
            > 対戦者同士の無言のやりとりが感じられるゲームで、
            > その辺をプログラム化することは難しかろうなと思います。

            そうですよね.石が詰まって来た場面での死活は読みの部分がありますけど,それは局面が進んで,手順が限定されて来たときの話です.手が広い場面では到底読みきれるものではありませんので感性で打つことになります.

            > 各手の評価をするアルゴリズムを作って総あたり式でという
            > 今のアプローチだと、まだしばらくの間、強い弱いの問題とは
            > 別の意味で相手にならないというのが私の印象です。

            良く知らないのですが,量子コンピュータが実用化されると P != NP であると思われる問題に強いという話です.
            結構期待しているのですが.
            親コメント
        • 些細な事だけど、Othelloはそんなに手が無いから読むの簡単だよ(例えば初手は置ける場所は8通り、でも対称形を削れば実質1通り)

          # 最近趣味でOthelloのアルゴリズム書いてるのでID
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    • スポーツとか見ていると,西洋人は勝てないとルールを変える傾向がありますねぇ.
      # 関係ないが,arimaa [arimaa.com]のサイトのプルダウンメニューがふざけとる
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  • その前に (スコア:2, すばらしい洞察)

    by takenoko (9775) on 2002年11月26日 10時51分 (#207019)
    このゲームが面白いか、とか、研究する価値があるのかを考えるのが先では。
    チェスや将棋や囲碁が現在の形で残ったのが偶然ではないなら、何か理由が
    あるはずですよね。それがこのゲームにあるのかと。
  • by y_tambe (8218) on 2002年11月26日 11時30分 (#207035) ホームページ 日記
    この分野、全くの半可通なのですが、ボードゲームの世界というのも非常に奥が深いところがありますよね。
    将棋やチェス、せいぜい軍人将棋くらいまでは知っていても、 比較的歴史があるのに名前すら知らないようなものも、世界のゲーム事典 [amazon.co.jp]などのような書籍や、Table Games in the World [u-netsurf.ne.jp]、盤駒ゲームパラダイス [infoseek.co.jp]のようなWebサイトにまとめられてるだけでも沢山あります。既存のチェスや将棋のセットを使った別の遊び方もたくさん考案されているし、新しいルールのボードゲームを作り出しているゲームデザイナ [u-netsurf.ne.jp]もドイツを中心にたくさんいるようです。

    囲碁や将棋ほどの歴史はないにせよ、ゲームバランスもよくて高度な戦略を必要とするゲームはごまんとあるわけで、とりたてて今回のものを「チェスや将棋、囲碁の次の課題」にする必要はないというのが率直な感想ですね。1ターンに「4手」指すというあたりから、手数でバランスを調製せざるを得ないゲームなんじゃないかという感じも受けますし。ただ、コンピュータ対戦を全面に押し出して賞金をつけてゲームを広めようというのは(非難する人もいそうではありますが)時代にあった面白い商売戦略かも。

    ルール的には一ターンに複数手を指すのは、変形チェスなんかにもすでに見られてます。ただ「駒を取るのではなくて押しのける」というのはちょっと珍しいかも(といっても、そういうルールの奴もあったような気はするんだけど)
    • by akiu (7087) on 2002年11月26日 13時54分 (#207100) 日記
      >ただ「駒を取るのではなくて押しのける」というのはちょっと珍しいかも(といっても、そういうルールの奴もあったような気はするんだけど)

      アバロン [cside.ne.jp]かな?

      ドイツのボードゲームの数量&奥深さはすごいものがあります。個人的にはカルカソンヌとプエルトリコが最近のお気に入り。
      とりあえずメビウス [mobius-games.co.jp]でも覗いてみてくだされ。

      # ちなみに、カプコン版カタンは改悪されているのでお勧めできません。そのまま出せばいいのに、なぜマップ半固定なんてバカなことを……。
      親コメント
    • すみません。勘違いしてました。「1ターンに4手」ではなくて「一手に4コマ」でした。だから「手数でバランスを調製せざるを得ない」という下りの指摘は的を射ていません。
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    • 世界のボードゲーム (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2002年11月26日 11時38分 (#207040)
      こういう話題があるたびに、 「チェス以外にも将棋も囲碁もあるだろう」 という意見がわんさか出るのですが、 そして、その意見はもっともだと思います。

      が、しかしです。

      思うんですが、そういうボードゲームって、 きっと世界各国というか各文化ごとに、あると思うのです。 すると、日本人が「将棋があるだろう」とツッコミを 入れるのとまったく同様に、世界中のいろんな民族の人々が、 「xx というボードゲームがあるだろう」とツッコミを 入れているに違いないと想像するのです。

      親コメント
      • >思うんですが、そういうボードゲームって、 きっと世界各国というか各文化ごとに、あると思うのです。

        単にその国で競技人口が多い、というだけでなくてそれで生活している「プロ」がいるというのが将棋や囲碁、チェスの場合のポイントかもしれません。だからこそコンピュータで「プロ」を作ろうとするのかも。
        #それと、もしよその国にもそれほどメジャーなのがあるんなら、もう少し知る機会が多くてもよさそうな気もする。
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    • by Shidho (5649) on 2002年11月26日 14時32分 (#207134) 日記
      #とりあえずここにコメントつなげておきます。

      敵陣に一番弱い駒を送り込んだら勝ち、というルールは
      「テラス(terrace)」を思い出させます。
      #スタートレックに出てくるゲームらしいのですけど検索しても出てきませんでした。ふう。
      「ファンタスミ」(ガイスターとも)も、
      勝利条件に「相手の敵陣から自コマを1つ出す」というのがあるのですが、こっちは似てないかな。

      一ターン複数手は、こういうゲームの場合数えるのが面倒なので、
      コンピュータ経由での対戦が必須になるかもしれません。

      #個人的にこういうトピックが増えるのは歓迎。
      #でも、シドサクソン死去の話題はタレコんだけど却下されたんだよなあ。
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  • チェスで計算機が人間のチャンピオンに勝ったのは、「あらゆる変化を読み切りさえすれば勝てる」のを (理屈が判らない人にも) 実証した、という点で画期的な出来事だと思ってます。
    今回の新ゲームも、チェスに比べて計算量こそ飛躍的に大きくなるようですが、基本的には「変化を総当たり」で勝てるゲームですよね。その意味で、特に新味はないと思います。
    むしろ次は、総当たりで解けないゲームにこそ注目したいです。

    # 個人的にはコントラクトブリッジを推す。
  • 新ゲームだと (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2002年11月26日 8時48分 (#206982)
    人間もまだ弱いのでは?
  • by Anonymous Coward on 2002年11月26日 9時03分 (#206985)
    新ゲームなんか考えるより、将棋や囲碁を極めた方が有益とおもわれ。
    • まだ20世紀だった頃に、羽生善治さんは
      2005年頃(年うろ覚え)には将棋でもコンピュータの方が
      強くなってしまうだろう、と言ってましたねえ。

      さすがに後3年でコンピュータのほうが強くなるとは
      思えないけど、そういう時期も近いのでしょうか。
       
       
      --
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      /* SHADOWFIRE */
      親コメント
      • さすがに後3年でコンピュータのほうが強くなるとは 思えないけど、そういう時期も近いのでしょうか。
        Deep Blueってかなり強力なスーパーコンピューターだと思っていましたが。

        とりあえず最近強い将棋プログラムをtop500に載るようなマシンに移植して、その上で対戦させてみては。実はそこそこのプロ相手でも良い勝負(勝つ、とはいいませんが)をするんじゃないかな、と思います。

        親コメント
  • 6500通り以上の駒の配置に第一手のパターンが2千から3千ということは人間にも最善手が
    選べないということでこのゲーム人間同士の対局だとしても行き当たりばったりの対戦が
    行われることにはならないだろうか。
    あまりのパターンの多さに場当たり的対局に終始することになりゲームとして魅力が余り
    感じられませんね。
    果たして、このゲーム普及するのかぁ?

    なまじ手のパターンが多い分、演算速度が上がればコンピュータの方が有利ではないかと。
    もちろん、勝つためのプログラムあってのことですが。
  • コンピュータに負けない新ゲーム...だと負け犬っぽくてやだなぁ
    # 人間とコンピュータは持ちつ持たれつと思うのでIDで
    --
    M-FalconSky (暑いか寒い)
  • 中将棋とか大将棋とかに手をだしてみたらどうよ?
    アレならしらみつぶしはできなそうな気が・・・。
    --
    だが、いいこともあるぞ、外の天気は上々なんだ
  • そもそもArimaa王者ってだれ?
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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

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