光ディスク特許裁判で発明者に3489万円支払い命令 9
ストーリー by Oliver
特許は個人のものです 部門より
特許は個人のものです 部門より
Chomy曰く、"日経新聞によると、光ディスク読み取り装置開発者米沢成二氏が日立製作所に特許の「相当対価」約9億7000万円の支払いを求めた訴訟の判決で東京地裁は、日立に対し約3489万円の支払を命じたとのこと。
裁判所が認めた相当対価では過去最高額だが、「特許権の効力はその国の領域内にしか及ばない」とする「属地主義」の判例を援用し海外でのライセンス契約分の対価請求を認めなかった。"
asahi.comの記事が詳しい一方で日立のリリースは案の上、そっけない。気になったので特許庁の検索ページで探してみたところ、検索可能範囲より古いからか、問題の特許とおぼしきものはみつからなかったが、米沢氏が日立の為に多数の基礎的な光ディスク関連特許を取得しているのが見られる。
Update: 11/30 11:18 GMT by O: von_yosukeyanによると最高裁知的財産権判決速報による判決全文に問題の特許の番号が書かれているが、米国で取得されたひとつを除き、やっぱりいずれもオンラインのデータベースには蓄積されていない。
判決文によると (スコア:3, 興味深い)
「光学的情報処理装置」(特許第1547005号)
「情報記録再生方法,その装置及びその記録媒体」(特許第981978号、米国特許4223187号)
「情報再生方法及びその装置」(特許第1291864号)
特許庁特許DB [jpo.go.jp]で検索してみると未登載のものが多いです。なお、いつもながら日経エレクトロニクス・オンライン [nikkeibp.co.jp]が詳細な記事を載せています。ついでに日立のプレスリリース [hitachi.co.jp]を。争点となった特許の概要については最高裁知的財産権判決速報 [courts.go.jp]による判決文の末尾に書かれています。
判決の重要な点ですが、タレコミ文が指摘しているように海外で成立した特許に関しては平9年7月1日最高裁第三小法廷判決を引用し、"我が国の特許を受ける権利にのみ適用され,外国における特許を受ける権利に適用又は類推適用されることはない"と、属地主義の原則に沿った判断を下しています。
もう一つ需要な点は、ライセンス収入だけでなく、包括的クロスライセンスに対しても"相手方に支払うべき実施料の支払を免れたことにあると解され""各特許権の価値や契約締結の経過等諸般の事情を考慮して決するべきもの"と判断している点に注目すべきだと思います
あと些細な点ですが、部門名の「特許は個人のものです 部門」のところですが、判決は特許法35条3項の「相当の対価」に関しては許容していますが、特許権の移転無効確認に関しては判決は認めていないので、あまり妥当とはいえないのではないかと>Oliver氏
#そういえば、IPDLは日立が構築してたな
IPDLの検索 (スコア:3, 参考になる)
特許登録番号であり、特許庁IPDLで検索するためには
公報番号である「公告番号」を用いなければなりません。
「特公昭62-011327」で、内容を見ることができますよ。
本案件に関連する番号は、
特許出願昭52-111399
公開番号 特許公開昭54-045156
公告番号 特許公告昭62-011327
審判番号 審判昭61-015128
特許番号 特許1547005
です。
IPDLで、まず番号照会のページに飛んで、
特許番号を入力すると、上記番号を参照でき、
そのまま公報表示のページに飛べるようになっています。
一瞬 (スコア:2, すばらしい洞察)
Re:一瞬 (スコア:2, 参考になる)
訴えた個人に言及したいのはわからないでもないけれど。
よくある新聞記事だと、裁判所から命令を下された側へ言及しますね。
それに準じると「DVD特許訴訟、日立敗訴で3489万円支払命令」でしょうか。
Re:一瞬 (スコア:1)
光ディスク特許裁判で発明者へ3489万円支払命令
なら、わかるんだが。
# おふとぴでごめん
Re:一瞬 (スコア:0)
「発明者に(orへ)3489万円支払い」までが「命令」なわけですから。
文節末の体言の連続を、ひとかたまりの単語にしたくなる衝動をどうにかしなくちゃ。
# me tooなのでAC
Re:一瞬 (スコア:1)
#一体どんな逆転裁判かと・・・
特許に対する対価 (スコア:1)
よいのでしょうね。
#判例を積み重ねるのもいいけどね。
裁判やっていくらもらった、払うのも大事だが、本当に有能な人が
生活を保障されて、落ち着いて研究に取り組み、良い成果・役に立つ
成果・夢のある成果をあげられるように会社や研究所が配慮してあげる
方が、本人にとっても社会にとっても有意義でしょうね。
属地主義まわり (スコア:1)
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/biz/219863
でやっと分かった。要するに特許法 35条の職務発明規定が争点になっているのね。単に原告側の作戦ミスじゃん。職務発明規定があるのは主要国では日本とドイツ (だったかな) で、アメリカにはありません。