pascal 曰く、 "東京大学および日立製作所の研究グループは、円周率を(10進表現で)1兆2400億桁求め、従来の世界記録(1999年9月東京大学金田研究室の、高橋、金田による)である2061億5843万桁を3年ぶりに大幅に更新した模様です。
まだ新聞発表禁止だそうで、ネットにも載っていません。しかし、12月4日現在、金田研究室のHPを見ると円周率計算の最新の結果について (2002年12月6日に更新予定)とあり、ガセネタではない模様。それにしてもこの桁数はいったいどこまで求められ続けるんでしょうか。"
6日昼の解禁と同時に毎日新聞が掲載している。
質問どうぞ。 (スコア:3, 参考になる)
さて、今回計算に使われた方法は、意外にもArctanを用いた級数展開だそうです。
初期計算が、
PI = 48arctan(1/49) + 128arctan(1/57) + 20arctan(1/239) + 48arctan(1/110443)
検証計算が
PI = 176arctan(1/57) + 28arctan(1/239) - 48arctan(1/682) + 96arctan(1/12943)
とありました。
これに独自に(?)考案したDRM法(分数有利化法)を使用したそうです。
他にも「2段階FFTの乗算を考案し、16進を採用して余白(編註:メモリのことと思われる)の利用量を削減」したらしいです。
他にも実行時の情報やスペックなどいろいろわかるので、質問ありましたらどうぞ。
ただし、突っ込まれるとわからないこともあります。DRM法などは知りません。
あと、返事が必ず返ってくる保障もできないのであしからず(^-^;
Re:質問 (スコア:2, 参考になる)
一応、あとのほうの
>メモリの特定のアドレスが壊れていたとか、計算中にオーバーヒートを
>起こしたとかのことを想定しているのでしょうか?
がだいたい正しいです。
実際には今回の主計算、検証計算では問題はなかったようですが、別の処理では(16進数で求めた1兆桁を10進数の1.2兆桁に変換する時点で1回とその10進数をまた16進数に直してみる時点で2回)不正な結果が出力されたそうです。
手動で中断したときのバッファの問題らしいですが、そういう細かいところまで1つのバグも許されないと思うと検証したほうが良いです。
今回のプログラムは主計算、検証計算だけで54600行ものプログラム(全てFortran)になっており、バグがないことを示すのは検証が一番楽だったりします。
もはやこのレベルに達すると「単純な計算式」なんてものはなく、ほんの少しでも効率が高くなるように工夫されているのです。
普段私達が遊び半分で作るような円周率を求めるプログラムは(失礼ですが)間違っててもたいして問題はないですが、今回のような「世界記録」と大々的に報じるものなんかは東大の名誉にかけても、またHITACHIの技術者からしても万に一つも間違いは犯せない、という気持ちでしょう。
念には念を、でもあると思います。
16進数の円周率といえば (スコア:2, 興味深い)
ここ [doe.gov]が元記事を扱ってます。
これによると円周率は、16進数でならいきなり任意の桁の数字がわかるそうです。
やってみたらそれなりに時間はかかりますが。
この方法で16進数を求めて10進数に直すのはきっと時間の無駄なんでしょうがね。
でもarctanの公式がまだまだ現役で使えることを示されてしまったらこれから先どうなることやらです。
円周率のnビット目「だけ」を求めるプロジェクト [cecm.sfu.ca]もあります。一応ね。
なんぼ計算したところで (スコア:2, すばらしい洞察)
結局、「3」しか使わない [google.com]んじゃ・・・
#そういう問題じゃないと分かってるけどID。
Re:なんぼ計算したところで (スコア:1)
Re:なんぼ計算したところで (スコア:1, 参考になる)
Re:なんぼ計算したところで (スコア:1, 参考になる)
Re:なんぼ計算したところで (スコア:2, 参考になる)
ここ [cyberstation.ne.jp]が一番分かりやすいかな?何にしてもあまり良い方向には行って無いかと思いますです。
実用的な桁数 (スコア:2, 参考になる)
「銀河系ぐらいの大きさの円を、水素分子の大きさの精度で計算するのなら、円周率は百桁程度で間に合う」
ということみたいです。(検算していないです)
純粋に計算機学とかの挑戦になるみたいですね。小柴教授の「役には立ちません」を思い出す。
余談。
昔の月刊LOGiNの記事で。
人格を持った未来のスーパーコンピューターが、春巻きを作るために円周率の計算を始めてしまい、しばらく他のことが何も出来なくなった。
というネタが有りました。
割り込みがかかって、戻ってきたときには「僕は円周率の計算も終了出来ない駄目なコンピューターなんだ」と、すっかりグレてしまった。と。
Masafumi Otsune [otsune.com]
学術的価値 (スコア:2, すばらしい洞察)
こんな計算続けてなんか意味あるんですか?
Re:学術的価値(πのはなし) (スコア:2, 参考になる)
にπに関する書誌情報がありますが、その中に、「πのはなし」という金田教授ご自身が書かれた本があります。昔読んだことがあります。なぜ、πを計算するのか、という事を書かれていた記憶があります。
計算機の性能調査ということ以外に、πという数の乱数性を
調べるとかいうのもあったと思います。
もしも、入手可能ならば、一読されてみるとよいかと思います。
ただ、googleで拾ってみたのですが、結構πに取り付かれている
人はいるみたいですね。
Re:学術的価値 (スコア:1)
Re:学術的価値 (スコア:1, すばらしい洞察)
人にはそれぞれの役割ってもんがある
他人が一生懸命わけのわからんことをしてくれてるってことは・・・だ
そのわけのわからないことで俺達が苦労しなくて済むってことだ
Re:学術的価値 (スコア:1)
時間かければ誰でも移動できるわけで、しかも1兆メートルなんて実用的にはまったく無意味。
車なんて意味あるんですか?
時間かければ誰でもプログラムかけるわけで、しかも1兆行なんて実用的にはまったく無意味。(そんなにはないか?)
(Windows|Linux)なんて意味あるんですか?
Re:学術的価値 (スコア:2, 興味深い)
でも、この計算は趣味だけでやっているわけではありません。
そんなことに税金を使わせてもらえるはずはないです。
今回のプロジェクトで得られたものとして、使われたスーパーコンピュータの
1.コンパイラの性能強化(最適化性能の向上)
2.数値計算ライブラリとノード間通信ライブラリの性能のチューニング
3.磁気ディスク装置への入出力の性能の向上
4.ハード、ソフトの問題点の発見と対策
ができたと資料にあります。
高い実行性能と安定稼動ができること。
この点においては意味のあることだったと思います。
#どうせ性能を確かめるなら円周率を求めよう、という感じかな?
#円周率そのものが目的なら本末転倒ですが。
Re:学術的価値 (スコア:1)
Re:学術的価値 (スコア:1, 参考になる)
>
情報工学と情報学をいっしょにすんなー!
Re:学術的価値 (スコア:1)
円周率を求めることよりも、円周率をどうやって求めるかに価値をみいだせると思います。
外から見ればそれは人類の到達点であり、本人たちからすれば最高にエキサイティングなことですね。
お金だ、時間だ、税金だというのは簡単ですが、あまりにも余裕がないと思います。国宝に実用性云々とは言わないとでしょ? 円周率が国宝とは言いませんけどね。
あんなの電気の無駄です!偉い人にはそれがわからんの (スコア:2, すばらしい洞察)
計算しているのだとしたら、あきれられてもおかしくないとは思うけどね(笑)
とりあえず、πは乱数数列としても結構優秀なんで、
ハッシュに組合わせて暗号とかに利用できそうですから、
使いでがないわけじゃないですよ。
そしてこの計算は、コンピュータのベンチマークとしては役立っている。
これやると、大きな桁数の演算をばんばんやるようになるので、
それを記憶するメモリに物凄い負荷がかかるんですよ。
工学技術の粋を集めた電子計算機の負荷性能をアピールするには
格好の題材なんです。これから結果を知りたいシミュレーションのような
ものとは違って、きちんと検算もできる。
# そもそも、Superπの配布元がここだったかと。
最近のパワーコンピューティングは
やたらとCPUをつなげて「最大○○FLOPS!!」とか言われても、
実際に並列演算を使ってプログラムを走らせた場合に
どれくらいの性能が出るのかというと、結構幅があったりします。
・ 高速な並列演算アルゴリズムを求めてのコード改良、
・ 高速・大容量の記憶をもった安定した計算機、
・ 動かす莫大な電力と計算機利用時間。
こういったものが揃わないと長い桁のπは計算できない。
実際には、物凄い負荷のためにπの計算は
「本当にやってみないとわからない」という部分が結構ある。
マシンのコンディションを見て、いつ挑戦するのかということにも気を配ります。
挑戦してもエラー終了してしまって結果が出ないこともある。
# ずっと前にNECのSXを使った時なんか、ディスクドライブが壊れていたし…。
そして、こいつの出す結果は、結果のわかりきった単なるベンチマークとは違う。
いままで誰も知らなかった人類未踏の領域から数値をもぎとってくる研究なんですよ。
当然 (スコア:1, おもしろおかしい)
割り切れるまででしょう。
Re:当然 (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:当然 (スコア:1, おもしろおかしい)
Re:当然 (スコア:2, 参考になる)
19世紀に超越数であることの証明が、
それぞれなされています
Re:当然 (スコア:1, すばらしい洞察)
当然2 (スコア:1)
Re:当然2 (スコア:1, おもしろおかしい)
揚げ足取りですが (Re:当然2) (スコア:1)
鵜呑みにしてみる?
メモリが… (スコア:1)
演算した数値を格納するだけでも…(恐怖)
# rm -rf ./.
Re:メモリが… (スコア:1)
アンパックドだと1TBオーバー。
PCでも用意できない事はない容量です。
Re:メモリが… (スコア:2, 参考になる)
1兆桁だと4TBくらいなのでしょうか。
アルゴリズムはちがいますとは書いていますけど・・・
地球シミュレータの主記憶が10TBですね・・・
Re:メモリが… (スコア:2, 参考になる)
気になるのは (スコア:1)
Re:気になるのは (スコア:3, 参考になる)
ぐぐってみると・・・
> 1853年のウィリアム・シャンクスの円周率は707桁まで
> 発表されたが、その後528桁以降正しくないことを、
> 卓上計算機を用いて、フェルグソンが発表した。
> また確率で有名なド・モルガンは、シャンクスの結果は
> 7が異常に少ないことを見つけ、「このようになる確率は
> 1/45、つまり間違っている公算が大である」と言った。
円周率πの歴史年表 [coralnet.or.jp]より
Re:気になるのは (スコア:2, おもしろおかしい)
> つまり間違っている公算が大である」と言った。
あぁ、アレ。TOEIC中に、「この列はAが少ないなぁ、えぃ。」
検証方法はこれだ! (スコア:1, おもしろおかしい)
2. 計算方法の検証方法の検証方法を考案する
3. 計算方法の検証方法の検証方法の検証方法を考案する
.
.
.
N. 最後に 42 がでたら完了
『銀河ヒッチハイク・ガイド』 (was: 検証方法はこれ (スコア:1)
# 現在のところ第1作目のみですが
- Lupinoid -
Re:気になるのは (スコア:2, 参考になる)
画期的な収束式が出たという話も聞かないので、今回も同じじゃないんでしょうか。
Re:気になるのは (スコア:3, 参考になる)
ここに [nikkeibp.co.jp]もう少し詳しくあります。
データは大きすぎて公開できないのだそうです。Re:気になるのは (スコア:1)
Re:気になるのは (スコア:1)
全然、楽になりません。
それほど大幅な更新、ということなのですが。
当然3 (スコア:1)
0と1しか出てこなくなって、円を描くまででしょう。
あれは11進数だったけど。
----
Save our starry skies; Jump into the Universe.
Re:当然3 (スコア:1, 参考になる)
というか、 (スコア:1)
仮にしようとしても、2 を1回掛けるだけでどえらい時間が掛かってしまう。
Re:というか、 (スコア:1, すばらしい洞察)
参考 (スコア:1)
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/2002/1206/index.html
Re:こうなると (スコア:2, 参考になる)
これ [computation.free.fr]によると、2000年8月で12,884,901,000digits (128億桁) だそうで。ご参考まで。
# 別のページ [wikipedia.org]によるとγ(Euler定数)は108,000,000桁だそうな。ゆけ勇者!
Re:こうなると (スコア:1)
かといって、オイラー定数とかは一般受けがよくなさそうだし。
ここはやっぱりぜひ虚数単位 i を。
鵜呑みにしてみる?
Re:こうなると (スコア:2, おもしろおかしい)
交通費の精算よりか短時間かも?
自嘲ID。
一応。 (スコア:1)
Re:最速アルゴリズム (スコア:1)
もう誰かが計算してくれた、と云うことはともかく1兆桁まで「定数で」持てると云うことですよね。
ふーん。