九州大が単一分子光メモリを実証 15
ストーリー by Oliver
ピカッ 部門より
ピカッ 部門より
Li Luxing 曰く、 "日本工業新聞によると『九州大学大学院工学研究院の入江正浩教授らの研究グループは、単一分子メモリーの書き込みや読み出し動作の確認に世界で初めて成功した。』これは1平方インチあたり1ペタビットの大容量メモリー実現に道を開くことになる。ただし、これは光メモリー。
現在のDRAMに置き換わる物ではないとは思いますが、光コンピュータって初端からものすごく高性能なものだなと実感してしまいました。専門家ではありませんので、今まで光コンピュータは光を使うことしか想像ができませんでしたが、分子単位で回路を構成するものになるのかも知れません。
これだけで光コンピュータについて、かなり楽しい想像をしてしまいませんか?"
光記録、光記憶ですね (スコア:3, 興味深い)
演算するわけではないので、厳密には「光コンピュータ」ではなく、非常に高感度、高密度な「光記録、光記憶」ですな。
もっとも、フォトンで操作する分子コンピューティングなども可能になるかもしれないですが。
最近の状況は知らないのですが、ジアリールエテンでは記録を壊さずに読み出しできるようになったのでしょうか?
フォトクロミズムは色素の光異性化 (6π→4π+σ) で最大吸収波長が変わるものなのですが、
光異性化(要は書き込み)後の読み出し光での逆反応もわずかながらあるので
読み出し時に書き込んだ記録が徐々に壊れてしまって記録の耐久性がそんなにはなかったような覚えがあるのです。
(私がやっていたのは十年前の話なので最新状況は知らないのです。
ジアリールエテンの書き込み/消去の繰り返し耐久性自体は当時から一万回を超えていましたが。)
識者、もしくは関係者に出ていただきたいな。
光異性化についてちょっと捕捉 (スコア:2, 参考になる)
あ、これはジアリールエテン、フルギド系の話で、スピロピラン、アゾベンゼン系は別です。
スピロピランは光でメロシアニン色素を生成して色が変わります。
アゾベンゼンはシス、トランスの光異性化で色が変わります。
アナログ光コンピュータへの応用 (スコア:2, 参考になる)
# ということでハッパを掛けてみる。
フォトクロミック色素の光コンピュータへの応用は事例があります。
このストーリーのような単一光子によるものではないですが。
NIMCによる事例 [nimc.go.jp]では、ジアリールエテンの膜を使って
その着色分布を記憶・学習機能として用いてニューラル的モデルの
デモに成功しているようです。
# ほら、光計算機屋さん、アナログ計算機屋さん、食い付いて!
速度 (スコア:2, 興味深い)
これって読み書きの速度は将来的に実用的になるでしょうか?
光を当てて記録を読み書きするということは、それなりの精度をもった光学装置とアクチュエータを使うことになるような気がしますがあまり速くなさそうな印象があります。 あるいは、CRTのビームのように電磁力でもって読み出し位置の制御をすることも考えられますが、非常にノイズに弱そうな、、、
そのへんのところどうなでしょう?
// kraymor
Re:速度 (スコア:1)
Re:速度はあるよ (スコア:1)
個人的には遮光性の分子と透過性の分子で光の通路を作っておき、
光をスイッチする分子で制御すれば良いのではないかと。
イメージ的には電気を光に置き換えただけのものを想像しています。
#空想は更に広がって、透明な『思考結晶』の登場を期待しています。
李 露星
それって (スコア:0)
それってブルーウォーター?
でもジアリールエテン赤いですねー
ということはJジュエル?
Re:それって (スコア:1)
紫外線コンピュータで可視光線が透過しても大丈夫なやつとか。
レンズマンにも憧れますねぇ~。(笑)
李 露星
Re:速度 (スコア:0)
もし、どこかのメーカが本腰いれたら、何とかなるんじゃないかと楽観しています。
私は家で、ProjectXを待ってます。
# キャッシュにHDDを使うようになったりして・・・
今度はモノになるか? (スコア:1)
まあ、理論のみから実験室レベルにようやく来た所のようなので、 実用化の話はまだ時期早尚でしょうか。もし、このクラスのメモリ (二次記憶) ができたら、なにを記録するかを考えた方が面白いかな。
ちなみにざっと計算してみたら、1mm 角で DVD 20枚くらいに相当する記録密度です(計算あってるのか? ^_^;)。さあ何を入れます?
の
Re:今度はモノになるか? (スコア:2, 興味深い)
フォトクロミズムでは入江先生のグループが最先端を行っているのですが、それでもこの程度。
入江先生のサイト [kyushu-u.ac.jp]でも書いてありますが(先に出しておくべきだった)、
結晶状態でもフォトクロを示すものもあるそうなので(一年くらい前に Advanced Materials で読んだ覚えが…)
結晶表面に近接場光プローブを当てておいて分子一個づつをメモリーにすることも実験的には可能かもしれないですね。
そのためには今回の単一光子フォトクロ材料が固体状態でもフォトクロを示すと良いのですが。
密度向上も面白いですが、リアルで二次元の記録、記憶というのも光屋さん的には面白いかも。
# 記録密度の計算は結晶格子間隔がどのくらいかによるので私には合っているかどうかよく判らない。
Re:今度はモノになるか? (スコア:1)
入江研のジアリールエテンなフォトクロ材料って、僕が知ってるのは全部結晶状態だった気がします。
まぁ、入江研の学生はB4で一人一人に独自の分子を一個設計するらしいので、
とてもたくさんの分子があるんでしょうけど:-)
>結晶状態でもフォトクロを示すものもあるそうなので(一年くらい前に Advanced Materials で読んだ覚えが…)
日本語の記事で印象に残ってるのは、「化学」の野依先生がノーベル化学賞を受賞したときの記事の
*後ろ*にジアリールエテンについての記事が書かれていたってのです。
確か、九重研修でおなじみの透明なジアリールエテンの結晶にある光を当てると・・・いろんな色に変わります!
という写真とその分子の解説だったはずです。
僕が入江研の学生実験を受けていたときに、河合先生か松田先生(どっちかしかいないんですけどね:-))のどちらかが、
「1cmの角砂糖くらいの立方体にPBオーダーな記憶媒体をつくる!」とか言ってた気がします。
10年後実用化って言ってた記憶もあるんだけど、
技術屋の言う「10年後」って「未定」と同義な気もしないでもないですけどどうなんでしょうね?
# 今日も入江教授室のそばの講義室で講義を受けた気がするけど、
# ACにしたいけど、実名主義なのでハンドルです。しくしく。
もう少し知らない世界の化学なら、喜んで加わるんだけどなぁ。
下手したら、入江先生に伝わるかもしれないじゃないかっ。
KaI
Re:今度はモノになるか? (スコア:2, おもしろおかしい)
実はフォトクロ材料のほとんどが結晶でもフォトクロしたりします。
十年前にもフルギドの結晶で遊んだ覚えが。
ただしフォトクロしているのは表面だけなんでしょうね。
# あんまり書くと私も身元がばれる。
入江先生の論文は「あぁ、まだやってるんだ~」という感慨で
タイトルのみ見ただけだったりすることは内緒。
中身もフォトクロしているのかどうかは実は知らなかったりする。
さらに十年前にも「十年後は」と言っていたことも内緒。
使いみち(Re:今度はモノになるか?) (スコア:1)
んー、直近の5年間を振り返ってみると、大容量メディアはとにかく映像と音声のデータの保存目的に使われているのが目立っているような。一般的な用途として。
当たり前かも知れませんけど、やっぱり人間の記憶に関わるモノを保存しようとしているので、これから先は人間の持っている知識のデータベースとかになるのかなぁ、とか。どうやって吸い出すのかは知りませんけど(^^;。
電子計算機ではないので (スコア:0)