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5635 story

SARS研究者が防御目的でウィルスのDNAを特許出願 55

ストーリー by Oliver
俺のウィルス 部門より

本家より:B.C州の癌研究者がSARSウィルスのDNAに関する特許を米国特許庁に出願した、と カナディアン・プレスが報じている。普通なら「なんてことを!」と叫ぶところだが、この研究者は自分の名前が特許に乗らないことを要求していて、このウィルスに関する情報が公共のものであり続けるために、製薬会社などより先に出願したという。なぜならば、彼は発明をしたのではなく、発見をしただけだと感じているからだそうだ。まだまだ常識を持った人がいるのが嬉しい反面、こんな特許が必要なのが悲しい。

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  • 特許 (スコア:3, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2003年05月06日 21時43分 (#310765)
    特許ね。この分野では悩まされるものです。 ただ、研究者の研究成果はある程度までの公共性を有しているいえますから、この方の判断は良心に従ったものといえます。 ただ、企業の研究の成果である場合、微妙なところでしょうね。 こういう分野にもPublic Licenseってほしいものですね。 米や麹菌関連の遺伝子特許を米国企業にざっくり持ってかれたり、日本も大変ですわ。
    • Re:特許 (スコア:3, 参考になる)

      by Bombyx mori (15659) on 2003年05月06日 23時48分 (#310864)
      過去にこの手の分野にいたのですが、大学の教官はロイヤリティーうんぬんの話はしながらも
      特許を国だったか都道府県だったかに寄付していましたね。あの時点ではそのほうが本人達に
      とっても良かったのかも知れませんが。

      特許取得のプロの講義も受講しましたが、家族にも話せない辛さも裏話として聞きました。

      日本の場合には自著の論文掲載や学会発表でも特許取得の権利が皆から消失するそうですが、
      この場合はどうだったのでしょう。大きな利権が絡む問題ですから、あらぬ誤解でバッシングを
      受けたり、他者から攻撃されなければ良いのですが。

      米や麹菌関連の遺伝子特許は、外国企業にこれ以上持っていかれないように、ということも
      あって頑張っていますね。

      # 一部伏字の学会発表の練習に付き合ったけど、あれはもう通ったはずなのでID
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      • Re:特許 (スコア:2, 参考になる)

        by futo (10691) on 2003年05月07日 10時13分 (#311018) 日記
        >大学の教官はロイヤリティーうんぬんの話はしながらも 特許を国だったか都道府県だったかに寄付していましたね。

        今は、昨年末にできた知的財産基本法に則って、大学の教官の発明に関しても、かなり大学側や教官に対してインセンティブがあるような仕組みになりつつあるはずです。

        主要大学に「知的財産本部」を設けて、知的財産の発掘・権利化を一元的に推進し、実績をあげた研究者に研究費用を優先配分したり、国からの委託研究で得た知的財産が、大学に帰属できるようにするようになってきていると思います。


        >日本の場合には自著の論文掲載や学会発表でも特許取得の権利が皆から消失するそうですが、

        基本的にはそうですが、一応例外規定があって、発表後に、所定の手続きを取れば、6ヶ月以内なら出願できるはずです。
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        • Re:特許 (スコア:1, 参考になる)

          by kle (13087) on 2003年05月07日 12時07分 (#311073)
          > 基本的にはそうですが、一応例外規定があって、発表後に、
          > 所定の手続きを取れば、6ヶ月以内なら出願できるはずです。

          正確には「出願後に所定の手続きをとれば」です。

          この規定は特許法第30条(発明の新規性の喪失の例外)にある
          もので、要約すると
          「新規性を喪失(いわゆる発表)してから6か月以内にした出願に
          対して、出願後30日以内に例外を適用できることを証明する書面
          を特許庁長官に提出する」
          ことが条件となっています。

          ちなみに例外の適用範囲は同条第1~3項より
          ・刊行物や電気通信、学会等で発表されたもの
          ・本人の意に反して発表されてしまったもの
          ・政府等や特許庁長官の指定する博覧会などで発表されたもの
          となっています(要約)。
          いずれも特許を受ける本人のみに権利があります。

          ただ、アメリカの場合は他の国と違って先発明主義なので、第3者
          が保証できる形で発明した日時の証拠を残しておけば、最終的
          には出願された特許を無効にできます。
          今回は恐らく国際的なことを考慮してということと、後の面倒
          いようにということで出願という形で証拠を残したのだと思い
          ますが、別に日々の研究レポートに第3者のサインをもらうだけ
          でも一応その効力はあります(刊行物等に発表してある必要は
          ありません)。
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      • by saitoh (10803) on 2003年05月07日 12時23分 (#311085)
        数年前までの国立大学だと、「発明届け」を1枚提出すると、 その発明の権利を個人のものに出来ました。 その代わり、特許を取得するための手数料や弁理士費用は全部 自腹(数10万円)だし、特許を売り込んだり、無断使用している 企業を見つけて金を取ったりする交渉も全部自分でやらなければ なりません。
        なので、自腹でン10万円払って特許を取ってから どこかに寄付するというのは考えにくいですが。

        良くあるパターンは、 共同研究している企業に特許を譲ってそちらのお金で 特許を取ってもらう、で自分はそのネタで論文を書く。とい うものです。

        もっと多かったパターンは、特許をとらずに学会や論文発表して、 公知にしてしまうこと。

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        • Re:特許 (スコア:2, 参考になる)

          by futo (10691) on 2003年05月07日 13時04分 (#311113) 日記
          >特許を取得するための手数料や弁理士費用は全部自腹(数10万円)だし、

          弁理士を雇ったら、確かに数十万円すると思いますが、普通は個人で特許を出願する人は、明細書とかを自分で書いて出す場合が多いと思います。

          (それでも、最低、出願に2万1千円、審査請求に8万4300円、登録時に3年分3万9千円とか必要なので(請求項の多いものはもっとかかる)、特許になるまでに10万円はどうしても越えてしまいますが(^^;;)
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          • by Anonymous Coward
            知り合いで今まさに特許取得しようとしてる大学研究者から聞いた話ですが、時間や手間を考えるならば自力でやるよりもやはり専門家である弁理士を立てた方がいいとの答えでしたね。少なくとも、やるべき本業(実験その他)が他にあって、しかも出願のスピードを考えるならば、自力でやるのはクレイジーだと。
            #もちろん個人が趣味でやったり、経費削減が第一命題ならば問題ないですが
    • by Anonymous Coward
      通信衛星の発明というか世界で最初に論文として発表したのは、「2001年宇宙の旅」
      で有名なアーサー・C・クラークですが、彼は特許を取っていないんでしたっけ?
      後にテレビで、「通信衛星の公共性を確保し、一部の企業や国が通信衛星を独占して
      しまわないように…」と言っていたのを見たのですが、特許を取ったのか、
  • by KAMUI (3084) on 2003年05月06日 22時06分 (#310779) 日記
    台湾と香港で配列異なる SARSウイルス遺伝子 [sankei.co.jp]

    よく解らんがインフルエンザみたいに変化するとかだったりする?
    若しそうなら,ワクチンの開発とか結構大変な気が・・・
    • by nidak (2008) on 2003年05月06日 23時30分 (#310845) ホームページ 日記
      RNAタイプのウィルスで変化(進化というか)が激しいと推測されて
      います。よって、ホストから別のホストに感染した後に、ワクチンが
      効かなくなっていたり、害が少なくなっていたり、また凶悪になった
      り、最悪、とんでもない速度で増殖したりと、どうなるかは、その時
      次第。よって、一刻も早く駆逐したいウィルスなんだとかで。

      最近読んだ雑誌:Timeより参考。
      --

      There is no spoon.
      親コメント
      • by y_tambe (8218) on 2003年05月07日 11時55分 (#311062) ホームページ 日記
        変化の激しさというか、変異の頻度についてはまだ判らないというのが正直なところですね。国/感染地域ごとで流行の大きさに隔たりがあることを説明するためには便利な考えなんですがWHOの方ではまだその考えには懐疑的です。

        香港のグループは4/16に香港株の解読をしたと発表していたようですが、正直、今回のSARSの一件では、中国/香港発の情報にはフライングした挙げ句に結局間違ってたものも多かったので(クラミジア肺炎だとか、パラインフルエンザだとか)かなりフィルターをかけて聞くことにしてます。「香港株との違い」を語る前に、その配列がどこまで信頼できるかがちょっと…なので、現時点では変異の大きさを語るのは時期尚早でしょう。

        RNAウイルス(ゲノムがRNAで構成されてる)は一般に、DNAウイルスに比べると変異の頻度が高いです。これは一つにはDNAの方が安定であることと、宿主となる細胞が自分のゲノム(DNA)を守るために、DNAに対するエラー修復機構を備えているため変異しにくいのだと考えられています。
        ただ、インフルエンザウイルスはRNAウイルスのなかでもちょっと別格で大きな変異をしやすい仕組みを持ってます。インフルエンザのゲノムは8つの分節に別れていて、異なる株のインフルエンザウイルス同士が同じ宿主に二重感染したときに組換えが起こり、大変異(抗原ドリフト)を起こします。こういう機構があるからこそ変異しやすいのです。
        現時点ではSARSがこういった独自の変異機構を持っているのかどうか全く判りませんから、他のRNAウイルスと同程度に変異しやすいことは考えられても、インフルエンザと同程度、と考えるのはちょっと難しいかと。
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      • by y_tambe (8218) on 2003年05月07日 17時55分 (#311248) ホームページ 日記
        ホストから別のホストに感染した後に、ワクチンが 効かなくなっていたり、害が少なくなっていたり、また凶悪になった り、最悪、とんでもない速度で増殖したりと、どうなるかは、その時 次第。
        怖いのは、これも一種の進化というか、ウイルスにとっては環境適応を含んだ変化だということだったりします。

        宿主となるヒトの数が極めて少なく、また接触の機会が少ないようなところ、例えばアフリカの奥地で小規模の集落が離れて存在しているようなところだと、もしも極めて感染力が強くて致死性も高い変異ウイルスが出現したら、一つの集落で一気に広まり、そこは短期間で壊滅するでしょうが、それと同時に宿主を失った変異ウイルスも滅びてしまい、結果としては淘汰されてしまいます。そういう環境ではむしろ、宿主に長期間潜伏して、次の宿主と出会う機会を待つような変異ウイルスが結果的には繁栄し、生き残っていくと考えられてます。HIVがその一つの例に挙げられます。

        ところが一方、宿主がたくさん、かつ密集して存在しているところでは、感染力が強く増殖が速い変異ウイルスの方が、そうでない変異ウイルスよりもより速く、多くの宿主を使って増殖できます。また、宿主の持つ免疫力を押さえ込めば、その分ウイルスの増殖には有利なので、毒性も強いものの方が有利になると考えられます。その結果、こういう都市型の生活環境では、新たに出現した変異ウイルスの数ある中でも、特に凶悪なものが選択されてくる危険性が高いです。

        このような選択圧が本当に今回のSARSウイルスの変異に働いているかどうかは正直まだ判りません。ただ、感染地域ごとの被害の大きさの違いの説明として、こういう学説を持ち出している専門家もいる、ということです。
        #個人的には、もっと基本的な衛生環境などの側に、今はまだ見落とされている違いがあるんじゃないかと思ってますが。
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  • by marute (13883) on 2003年05月06日 21時56分 (#310774) 日記
    >まだまだ常識を持った人がいるのが嬉しい反面、
    >こんな特許が必要なのが悲しい。

    同感です。
    出願者の心意気には感服。

    でも、アメリカって先願制ではないんですよね?

    どこぞの製薬メーカーが新薬発表と同時に
    サブマリン特許で轟沈という憂き目に会わない
    ことを祈るばかりです…
  • by Anonymous Coward on 2003年05月06日 22時08分 (#310780)
    B.C.州ではなんだかあれなので。
  • 特許取らなくても証拠の残る形で公表すれば他人には特許できなくなるのではなかったでしょうか。
    • by nekomimi (13206) on 2003年05月06日 23時07分 (#310825)

      記事どおりなら、特許を取る意思はないでしょ、この人。
      多分、特許出願だけして終りじゃないかな。
      特許出願だけすれば、とりあえず公知化はできますからね。

      学会で発表するとか論文にするとか、他の公知化の方法もあったはずですけど。
      出願するのが一番手っ取り早いのかもしれない。

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      • Re:ほんとかな (スコア:2, すばらしい洞察)

        by poo (10689) on 2003年05月07日 0時26分 (#310895)
        >学会で発表するとか論文にするとか、他の公知化の方法もあったはずですけど。
        >出願するのが一番手っ取り早いのかもしれない。

        GenBankに登録しただけじゃだめなんでしょうか。
        一番手っ取り早いような気がするんですが。
        (といっても登録したことないのでよくわかんないですが)
        親コメント
        • by Bombyx mori (15659) on 2003年05月07日 6時43分 (#310976)
          > GenBankに登録しただけじゃだめなんでしょうか。

          「発見」ならそれでもOKかも知れませんが、「発明」だと構造(配列)だけではなく
          その機能も明確にする必要があったと思う。この研究者の意図はともかく、法的には。

          (といっても私も登録したことはないし、他国のことは不明ですが。
          私がやっていたのは新規ペプチドでしたし。)
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      • by 5884 (4404) on 2003年05月06日 23時55分 (#310870)
        学会掲載も論文発表も申し込んでから数ヵ月後になりますからね。
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      • つか、オンライン版ですがすでに論文も出てるんですけどね。
        これ [sciencemag.org]がカナダのグループが解読したやつで4/30にオンライン掲載されてます。

        このグループがSARSのトロント株(トロントで発生したSARS患者から分離したウイルス株)の遺伝子解読したと発表したのが4/13です。その翌日にはCDC(米疾病対策センター)がUrbani株を解読し、その日のうちに全配列をネットで公開してました [cdc.gov]。配列に関しては公知化というのならば、もうとっくに成立していたと思います。
        親コメント
    • アメリカの特許は日本などと違って、先に出願した者勝ちだったと記憶してますが
      …即ち学会で発表しても特許を出されたら負けだったような

      # 勘違いだったらごめんなさいです。

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      • >アメリカの特許は日本などと違って、先に出願した者勝ち
        アメリカが先発明で、日本が先出願ですね。

        記憶が不確かなのですが、アメリカで発明内容を封筒に書き込んで、自分宛に郵送し、その消印をもって先発明を主張し、裁判で認められたことがあったそうです。
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      • by Anonymous Coward
        日本が、『先に出願した者勝ち』で、 アメリカが、『先に発見、発明した者勝ち』では?
        • by Bombyx mori (15659) on 2003年05月07日 0時27分 (#310897)
          > 『先に発見、発明した者勝ち』では?

          そうだったとしても、それを客観的に証明できるようにしておくのは大変ですけどね。
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          • by marute (13883) on 2003年05月07日 9時37分 (#311001) 日記
            > 客観的に証明できるようにしておくのは大変

            最終的に判断するのは、素人の陪審員ですから、本当に
            大変なのは優秀な弁護士を雇うことかも。
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          • by futo (10691) on 2003年05月07日 10時29分 (#311023) 日記
            御意。

            アメリカの研究者は、発明ノートを毎日のように付けていて、それに、他の人のサイン(証明)をもらって、いつ誰が何を発明したのかがわかるようにしていますね。

            しかし、それが唯一の先発明主義のアメリカ国内だけの問題で留まるのならともかく、この国際化時代の中で、結果的にアメリカに商品を輸出する他国の企業にも強いる事になる(事実上、発明ノートなんてつけてないから不利益になる)のは、問題だなと思ってます。
            親コメント
        • by Anonymous Coward
          日本でも、発明者自身の学会発表などが、先願主義の(唯一の?)
          例外だった記憶が…。

          # どれぐらいの規模で公表すれば「唾をつけた」事になるのかが
          # 謎だけど。
          • by futo (10691) on 2003年05月07日 9時57分 (#311009) 日記
            唯一じゃ無いですね。

            学会発表だけじゃなく刊行物に掲載したり、インターネットなどでの公開も含まれますし、
            その他、博覧会なんかに出展しても、例外規定が適用されます。

            また、たとえ他人の先願があっても、それが発明を盗んだものだったら駄目です。

            公表する規模、と言うか、どの学術団体での発表なら、例外が適用されるかは、特許庁で指定しているので、特許庁 [jpo.go.jp]のHPに行けば謎では無くなりますね。
            親コメント
  • えっと (スコア:1, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2003年05月07日 1時19分 (#310921)
    「DNA」ではなくてgene「application」の特許です。
    DNA(gene)がわかっただけで特許は取れません。
    applicationが何かはわからんですけどね。

    SARSウィルスの遺伝子は11個らしい [sciencemag.org]です。

    • Re:えっと (スコア:2, 参考になる)

      by poo (10689) on 2003年05月07日 2時20分 (#310940)
      provisional applicationは仮出願だから
      applicationは応用じゃなくて申請じゃないですか?

       確かに配列(この場合RNA)がわかっただけで特許は取れないと思うんですが
      そんなこと知ってるけど、いちおう念のため出願しただけなのか
      それとも、この配列から設計したプライマとかは引っかかってしまうのでしょうか。
      親コメント
  • レントゲンがX線を発見したときも、"発明ではない。発見をしただけだ"というような感じだったかと。
    しかも、特許の勧めを蹴っていたそうで。
    --

    --
    Ath'r'onならfloatあたりに自信が持てます
  • by futo (10691) on 2003年05月07日 11時26分 (#311053) 日記
    産経の 新型肺炎で特許出願殺到 [sankei.co.jp] などの記事などを見ると、
    カナダに限らず、世界中でSARS治療薬の開発などに絡んだ、
    特許の出願ラッシュが起きているようです。
  • by SteppingWind (2654) on 2003年05月07日 11時40分 (#311060)

    RNAウィルスでDNA特許とは, これいかに?

    そりゃ逆転写すればDNAが出来るとは思うのですが.

  • by Anonymous Coward on 2003年05月06日 22時24分 (#310787)
    せっかく一生を安泰に暮らせるだけの財産を手に入れるチャンスだというのに...
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クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人

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