「渡邊フォント」がパクリと発覚 285
ストーリー by Oliver
ドット絵 部門より
ドット絵 部門より
kanou 曰く、 "一般に「渡邊フォント」と呼ばれる32ドットビットマップフォントが、1983~84年の間にタイプバンクと日立製作所が開発し、ワープロに搭載していたフォントのコピー品であることが判明しました。
このフォントはビットマップフォントとして使われるほかに、これを基にアウトラインを自動作成した TTF が存在し、それを参考にして新たに一から作り直されたフォントが東風明朝フォントです。結果として、字形バランスのゆがみ等が、最初のビットマップのゆがみと共通する部分があり、コピーの事実が判明した現在は東風明朝のオリジナル、CID/OTF 版ともに公開を停止しています。
基本的なエレメント設計はオリジナルですし、明朝体一般に共通する書体上の特徴はパブリックドメインなので、新たに分担して手書き→スキャンするなどの方法で、字形の基となるパターンを作成し、それに沿って再設計を行う…という解決策が、現在検討されています。"
この件に関するまとめ用のwiki (スコア:5, 参考になる)
日本の著作権法的には (スコア:3, 興味深い)
パクリであったとしても法的な問題はどの程度あるのでしょうか。
Re:日本の著作権法的には (スコア:2, 参考になる)
しかし、この判決というのは紙に印刷された状態でのタイプフェースの類似に付いて出されたもので、デジタルデータとしての著作権に付いてはPSフォントを「プログラムの著作物」として認められた例があります。
元の京都大学教育ソフト研究開発クラブの32ドットフォントは、ROMから吸い出してファイルにされたものと思いますが、そのファイル自体はグレーですね。
渡邊フォントと、その系列のものに付いては、京都大学教育ソフト研究開発クラブのフォントからタイプフェイスの情報を取り出して不可逆な形で変換をかけている(32ドットフォントを生成したとしても完全一致する保証はない)のですから、タイプフェースのみを使った事になり、著作権上は問題にならないのではないでしょうか?
法的には問題ないとしても、「ノウアスフィアの開墾(山形浩生訳) [cruel.org]」の「3 放縦な理論と純潔な実践」で
と述べられているように、その素性を偽る行為は決して行われるべきではないし、日立/タイプバンクが出自である事を明確にすべきだと思います。一番良い落し所としては、「日立タイプバンクフォント」とでも呼べば勝手に使っていいよと日立とタイプバンクが言ってくれる事でしょうがね。
裁判に持ち込んだとしても渡邊フォント以降のものに著作権を主張するのは難しいだろうし、仮に勝ったとしても賠償取れる相手もいないし、ディストリビューションなどで添付されてる有償フォントではリコーが強いので、渡邊フォントの添付を止めさせてもリコーが儲かるだけ。
代わりにタイプバンクのフォントが優勢になるとも思えない。
勝っても負けても日立/タイプバンクにメリットが無いし、負ける可能性の方が高いのであれば、法的に動くのは得策ではない。
# 「あんな汚いフォントに自社の名前を付けるのは許せん」という判断はあるかもしれませんが:-)
watanabe and kochi (スコア:2, 参考になる)
http://khdd.net/kanou/fonts/stolenbitmap.html
~~~
今ちょうどLFSで日本語環境を作っていて、モナーフォント [sourceforge.net]を入れたばかりです。
いろいろなディストリビューションに入っているので影響が大きいですね。。。
東風ゴシックも公開停止ですね。 (スコア:2, 参考になる)
と,ありますし。
東風ゴシックの方で東風明朝からスケルトン引っ張って来てるのは
「仮名部分/ASCII」との事でこの部分を置き換えれば再公開もあるでしょうが
東風明朝の大規模改定は道義的にも避けられないでしょう。
そうなった時に,果たして一からやり直せるかと言えばかなり疑問です。
Re:東風ゴシックも公開停止ですね。 (スコア:1)
> 「仮名部分/ASCII」との事でこの部分を置き換えれば再公開もあるでしょうが
> 東風明朝の大規模改定は道義的にも避けられないでしょう。
> そうなった時に,果たして一からやり直せるかと言えばかなり疑問です。
ここは一つ、平成書体をフリーにしてほしいなあ。
時間が許せば私も日本語のフォントを作ってみたいのだけど…
32・48ドット辺りで一度皆で頑張ってみるとか?
Re:和田研フォントの改善 (スコア:2)
「このような研究に興味がある人も募集しています」
ということです.
これを募集している人(つまり「指導教官」の「田中哲郎」)が
博士論文として出したものの副産物が和田研フォントです.
#実際にはいろいろな方が協力してできたものですが
ちなみにこの「和田研」の和田先生は Happy Hacking Keyboard の
発案者でもあります.
なんか悲しい (スコア:2, 参考になる)
やはり Linux の普及には日本語フォントは欠かせないですよねぇ。
法的な問題は (スコア:2, 参考になる)
ちょっとぐぐってみて
http://lists.debian.or.jp/debian-devel/200211/msg00041.html [debian.or.jp]http://www.jagat.or.jp/story_memo_view.asp?StoryID=6223 [jagat.or.jp]
やらを見ると、法的には問題ではない(問題にできない?)ようにも思えます。 道義的な問題は別として(それ以前に「パクリ」が事実だとして)。
それに、もう一方の当事者のタイプバンクや日立製作所はどう言っているのでしょう?
Re:法的な問題は (スコア:2, 参考になる)
日本における法律、判例で問題がないというだけで良いのでしょうか?
公有フォントの利用と制作のための参考情報 [asahi-net.or.jp]
というページでは、ウィーン協定というものや欧米、台湾の例を示されています。
もちろん、権利者がOKを出してくれれは、問題は解決できるとは思います。
陰謀論 (スコア:2, おもしろおかしい)
もう何年も前の話ですし、影響も大きいわけですから、せめて当事者に事実関係を確認してから発表されたほうがよかったのでは無いでしょうか。
当事者同士が何らかの契約をしていた可能性だって、0%じゃないわけですし。
/.Jを自己主張の場として使う輩が出てこないことを祈ります。
Re:陰謀論 (スコア:2, 参考になる)
真偽はともかくニュースバリューがあり、みんなの話題にするのにふさわしいニュースだと編集者が判断すれば掲載されるでしょう。真偽を判断するのが各個人であっていけないことはないですよね?
わたしは今回の件のようなタレコミはむしろ歓迎されるべきものだと思います。
やっぱり尋ねておこう (スコア:2, すばらしい洞察)
暫く躊躇してましたが、やっぱり尋ねておこうと思います。ストーリーに
とあるのですが、どこのどういう人たちが検討してらっしゃるのでしょうか?そういうストーリーもリンクを張ってカバーしてくださると、嬉しいな、と思いました。このストーリーを読んで、協力したい人、あるいは別の案がある人など、いるかもしれませんし。「書体関係Wiki [fdiary.net]」に書いてある記述のことなのでしょうか。
Re:やっぱり尋ねておこう (スコア:2, 参考になる)
電子書体オープンラボ [openlab.jp]の方々ではないでしょうか。狩野宏樹さんがここ [khdd.net] で以下のように書かれていますし。
15年以上前の話だが (スコア:2, 参考になる)
何処で使われていたのかはいろいろあって明かせないけど、その14dotの字形は30歳以上の人なら多くの人が見た事がある筈。
この行為が著作権侵害にあたるのかはわからないけど、こんな形の流用も過去にはありました。
32 ドットビットマップフォントの無断複製について (スコア:1, 参考になる)
Re:32 ドットビットマップフォントの無断複製について (スコア:1)
フォントってやっぱり最低1つはpublicなものが欲しいねえ。と思いますが。フォント会社さんが困るからダメ?
Re:32 ドットビットマップフォントの無断複製について (スコア:1)
Re:32 ドットビットマップフォントの無断複製について (スコア:3, 参考になる)
タイプフェイス作っているところに言わせると、
1書体で億単位のカネがかかっているのだそうな。
英語の場合、例えばX-windowシステムに対して、
adobeとかは気前良くフォントを提供してくれたけど、
これと同じ調子で日本のフォントメーカーに
「フォントを無償提供して下さい」って頼んだら、
「冗談じゃない」って門前払いだったという話。
それぐらい手間暇かかってるということなんでしょうな。
ちなみに以前、本職の印刷機材で使うフォントの値段を調べたら、
軽く1書体20万とかしてました。それに比べると今はほんと、
安くなりましたね。
Re:32 ドットビットマップフォントの無断複製について (スコア:3, すばらしい洞察)
みかちゃん [mikachan-font.com]に改めて敬礼しませう。
baekmuk、arphic (スコア:2, 参考になる)
韓国語の baekmuk フォントは、Kim Jeong-Hwan さんという人が著作権者になっていて、Baekmuk Font 21 Inc. というところが開発元になっているようです。明朝体ライクな Batang、ゴシック体ライクな Dotum、丸ゴシック体ライクな Gulim、太ゴシック体ライクな Headline の 4 書体があります。
中国語の arphic フォントは、Arphic Technology Co., Ltd. というところが著作権者になっています。繁体字については教科書体ライクな KaitiM と明朝体ライクな Mingti2L、簡体字については教科書体ライクな KaitiM と明朝体ライクな SungtiL があります。
日本語のフォントを企業がフリーにすることは確かにおっしゃるように非現実的かもしれませんが、(日本語ではないですが韓国語や中国語で)現実にこのようにフリーになった例があるというのもまた事実です。
これらはどういった経緯でフリーになったのでしょうか...
だからこそ (スコア:2, すばらしい洞察)
日本語フォントを作ることが一筋縄ではいかないというのは百も承知。
自作はまず無理。かといって他所様の著作物だと、改変不可だったり
再配布不可だったりするのが足枷になって、特に無料配布するソフトに
バンドルすることが現実的でなくなる。その結果、そのソフトを
日本語対応すること自体が足枷となってしまうオチ。
これ、国としては悪い傾向なんじゃないかな。
--
Ath'r'onならfloatあたりに自信が持てます
Re:32 ドットビットマップフォントの無断複製について (スコア:1)
既に販売して元を取ったフォントや、機械的にダウングレードした製品作ってもらうとかであれば買い取り価格も比較的易く実現できるかも。
の
Re:開発してはなりません (スコア:2, 参考になる)
そいつは経済産業省の最近の著作権・オープンソースを巡る政府動向 [rieti.go.jp]の中の一文ですね。
関連リンク:IT@RIETI - オープンソースと知的財産権- [rieti.go.jp]
Re:32 ドットビットマップフォントの無断複製について (スコア:4, 参考になる)
JaWaTeX の開発者である渡邊雅俊さんは、単に、当時既にフリーな物として公開されていた物をフォーマット変換しただけなので、この件に関しては全く関知していません。
そういうわけで、私は以前から「作者ではない渡邊さんの名を冠するのはやめよう [khdd.net]」と主張していました。この文書を読んでいただければ、このフォントの改造の履歴が分かると思います。
Re:32 ドットビットマップフォントの無断複製について (スコア:3, 参考になる)
この1024の点が1ドットの違いも無く全く同一になる可能性というのは非常に低いですよ。
もちろん0ではありませんが、確認されているだけでも20文字存在する訳で、しかも画数の多い字であれば「そこにしか点が打てない」という事もあるでしょうし、「亜」「圧」「夫」「木」など、ほぼ直線だけで構成されているような場合は類似するのも止むを得ないでしょう。
しかし、「ひ」「む」など曲線で構成され画数の少ないものや、「亥」「茨」「飲」など、自由度の高い文字においても1点の違いも無く一致しているというのは、偶然では説明できないのではないでしょうか?
ソースコードのdiffを取って完全一致していれば、それは「同一と推測される」のではなく「事実同一」なのです。
判明しました? (スコア:1)
「判明しました。」ってのはどうなんだい?と思った。
Kiyotan
Re:判明しました? (スコア:3, 参考になる)
どの時点のバージョンをパクったのか (ワープロからか、 後に発売されたビットマップからか不明) というだけで、 確認したほぼ全文字のビットマップが1ドットの違いもなく一致しているという 事実は、故意以外に説明不可能です。
また、一緒に開発されている48ドットフォントのあまりの下手くそさ(これは JIS X 9052 の 24 ドットフォントを 2 倍に拡大して手直ししたものなのは明らかですが、その直し方が素人のもの) と比べてあまりに隔絶してうまいのも、説明困難な事実です。今までは単に、「うまい人と下手な人がそれぞれ開発にあたったから」と考えていましたが、今はそう考える必要はありません。
12ドット程度ですら作者の感覚によってずいぶん違いが出てくるものです。ましてや32ドットとなれば、数文字でも書風の違いが露骨に出てきます。偶然の一致というのは起こり得ません。 例えば、GNU intlfont 日本語 32 ドット (これが比較に使ったフォントです) と、中明朝体「日比谷32」 [aichi-edu.ac.jp] を比較してみればよくわかります。どちらもプロが作ったうまいフォントですから曲線のラインの取り方などは似てくるのですが、それでも「義太夫」の 3 文字を比較しただけでぜんぜん違うことが判ります。一致する文字は 1 文字たりともありません。ウロコの大きさ、横画の配置位置などで作者の好みの違いがあり、それが細部のさまざまな処理の違いに影響します。その結果、文字の並びが与える印象はずいぶん異なったものになっています。
コピーしたかどうかの判定については、もはや推測の入る余地はありません。
痛い、痛すぎる (スコア:1)
使用を検討していた矢先にこれとは。
Habian2000にしよっかな…
こっちは大丈夫ですよねぇ…ちょっと不安。
# ACなのでAC
なんとなく知ってたけど (スコア:1, 興味深い)
うすうす知っていましたが、だまってました。(w;
パクラれ元が承諾してくれたら万事OKになるんですけど
どーなんでしょうか。
Re:なんとなく知ってたけど (スコア:3, すばらしい洞察)
日立やタイプバンクにとってよい宣伝効果になりますね。
ついでに企業の評判も上がり、一挙両得ですね。
Re:なんとなく知ってたけど (スコア:3, 興味深い)
商用利用不可で,個人が個人的利用でのみ許可するぐらいしか
フォントを持っているPCメーカーがLinuxの世界へコミットする
ことは出来ないと考えます。
それでも綺麗なフォントが出てくると
インパクトがありますので,PCメーカだけでなく
フォントメーカにも,ぜひ御検討いただきたい
と考えます。
Turbo Linuxのftp版付属のリコーの限定版フォント
をフルセットにしてもらうイメージです。
個人限定使用権の他に,もともとの著作権表記とフォント名の
改変を除いて,フォントフェイス自体の改変権と再配布権を
つけて貰えると,さらに良いです。
kazu2
著作権? (スコア:1, フレームのもと)
道義的な問題以外になにか問題ある?
どうしても問題だというなら全ての字形の
目立たない所の点を黒く塗りつぶしとけば良いだけだし。
これで違うものになるよね。
アメリカでのフォント著作権 (スコア:1, 興味深い)
アウトラインは保護される。
判例があったはず。
2050とか3050とかは? (スコア:1)
このフォントは入ってたんでしょうかね。
気になるところです。
昔、2050を使ってたことが一時期あったけど、32ドットフォントが
あったかどうか、全然思い出せない(苦笑)。
Re:2050とか3050とかは? (スコア:2, 興味深い)
確かに、ウィンドウ上で使用していたフォントは24ドット
だったと思います。
ただ、2050のGUIの開発には、当時聞いた話では、
日立デザイン研究所が関わっていたという話だったから、
ひょっとして、そこが開発した
32ドットフォントも持ってたかもと、ふと思ったんです。
PC9801全盛期 (スコア:1, 参考になる)
# ふと思い出しただけなのでAC
Re:2ちゃんねるでフォント開発 (スコア:2, 参考になる)
これ [2ch.net]ですか?
Re:2ちゃんねるでフォント開発 (スコア:1)
売り物だと、そのような作業に慣れた(つまり常に一定の判断のできる)人が、
何年かかけて理想的には一人、そうじゃなくてもせいぜい2,3人ぐらいで開発
するものです。品質を目指せば、オープンな場での開発は難しいでしょう。
#この手の伝統的な開発方法ではなくて、複数の書体を合成して作ったら
#著作権的にはどうなるんでしょうね?
フォントはこうやって作られている (スコア:2, 参考になる)
社長鳥海修氏です。ちなみに字遊工房はMacOSXで使われて
いるヒラギノ明朝体をデザインしたところです。
書体がどう作られるのか、つくるのにどんな苦労があるのか
などがわかります。
リュウミンからヒラギノ明朝まで20年間空いているといのが
驚き。
Re:フォントはこうやって作られている (スコア:2, 興味深い)
やっぱプロの仕事と思います。
の
Re:渡邊雅俊って、 (スコア:2)
渡邊氏はそこのフォントを加工した人
http://khdd.net/kanou/fonts/so-called-watanabe.html
magicmirror
Re:渡邊雅俊って、 (スコア:1)
Re: 渡邊雅俊って、 (スコア:1, 参考になる)
Re:京都大学教育ソフト研究開発クラブ (スコア:1, 興味深い)
勘弁してくれ。見づらくてしようがねぇ。
Re:京都大学教育ソフト研究開発クラブ (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:MSゴシック (スコア:2)
# 私にはできない(以下略なのでID)
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Re:民間企業を圧迫!? (スコア:2, すばらしい洞察)
実際フォント屋さんから見れば無料で配られているも同然です
ですが、それで他のフォントを作っている会社が潰れたと言う話は
聞きませんが...
今さら1つ位フォントが増えても問題ないと思いますがねえ
どんなフォントをつくるかによると思いますが。 (スコア:2, 興味深い)
唯でつかわせろというのは民業圧迫でしょうけど、文字情報
のやり取りが可能な最低限の品質で、だれもが無償かつ制限
なく使えるフォントというのを国なりが用意するというので
はあれば民業圧迫にはならないかと。
逆に、そのフォントをベースにより高品質なフォントや多彩
なフェイスのフォントが民間によって作られるのであれば
民業圧迫の逆になると思います。
Re:税金でフォント (スコア:2, 参考になる)
日刊アスキーLinuxのこの記事 [ascii24.com]にあるスライドの画像に日本語フォントという記述が。
KNOPPIX に絡む話かとは思いますが。