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米特許団体が日本に特許法改正迫る 107

ストーリー by yoosee
正しい「相応の対価」って何だろう 部門より

patagon曰く、"日経BizTechによると、米知的財産法協会(アメリカの特許団体)が日本に特許法35条3項と4項の改正を求めて日本の特許庁長官に要望書を送付したとのこと。

記事によると "最大の理由は、日本で優れた発明をした元従業員が雇用主の企業を訴える事例が増えていることについて、米国の有力企業が危機感を強めていることにある。しかも訴えを起こした側が勝訴する事例が増えていることを特に懸念している。 専門家によると米国には、発明者に相当の対価を与えるという35条3項に相当する法律はない" とのこと。
日本企業は研究者に対する報奨や評価が低いと嘲笑してきた国家の特許を扱う弁護士団体(企業の代弁者)が、アメリカ企業の日本での活動の障害になるからと、こういう要望書を提出するってなんかおかしくないでしょうか? 特許は個人ではなく企業で押さえておきたいというのは日本もアメリカも変わりないということかなと。特許法35条3項と4項があるだけ日本のほうがいいかもと思ったり。個人的には*普通は低い*ナショナリズムを感じました。
(slashdot.jpでの過去の関連ストーリーは青色LEDの逆襲, 青色LEDの中村教授、特許権認められず, 中村VS日亜のLED裁判、1勝1敗に, 青色LEDで豊田合成と日亜化学が和解へ)"

米国では法律に条文が無くても相応の対価を払わなくては優秀な人材を失うことになるのと、条文の「相応の対価」が明確でない限りは企業がリスクを見積もれない危険性がある、と言うのは理解できる理由ではある。しかし日本の場合は優秀な研究者へ報いる仕組みの確立が先だろう。
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  • さすがアメリカ (スコア:3, すばらしい洞察)

    by fengshen (11985) on 2003年08月28日 20時50分 (#387438) 日記
    >しかし日本の場合は優秀な研究者へ報いる仕組みの確立が先だろう。

    まったくですね。
    訴訟が起こってるのは対価があまりにさびしすぎたせいなんだし、
    そもそもの背景が全然違うんだから同列に扱える問題じゃないでしょうに。
    こんなことまで自分の基準で考えるとは。もっともお上に
    言われなくともちゃんと報酬が出てるのは良いことなのかな。
    • Re:さすがアメリカ (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2003年08月28日 20時56分 (#387440)
      これが元々の問題なわけですよね。
      しかし”優秀な技術者”が離れても
      遺産をワッシワッシ捌いて儲けるわけですから、
      アメリカでは云々だって眉唾です。
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    • by Anonymous Coward on 2003年08月28日 22時06分 (#387460)
      極々一部の例をもって
      >訴訟が起こってるのは対価があまりにさびしすぎたせいなんだし
      ってのはどうかなぁ?
      どんなところにも強欲な人間はいるわけで、それは研究者とで例外じゃないよ。

      相応の対価とともに今の温室からもっとドライな世界に変わることを望む人って
      どれくらいの比率なんでしょうかねぇ。
      温室も報酬の一部だということも忘れずに。
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    • by Anonymous Coward on 2003年08月28日 22時12分 (#387463)
      >しかし日本の場合は優秀な研究者へ報いる仕組みの確立が先だろう。

      ついでに、無能な研究者に報いる勇気も必要だろう。
      イスに長く座ってりゃ偉い訳でもないだろうに。
      親コメント
  • 建前:

    米国にはない方法で、日本が発明者にインセンティブを与えて知的創造サイクルを回し、技術移転をすすめて米国に追いついてきたら嫌なので、不安の芽は刈り取っておこう。

    本音:

    日本がいまさら30年も遅れてプロパテント政策であがいて何しようとも追いつけるわきゃねーけど、こちらが技術力、経済力だけでなく権力においても圧倒的に勝っているのだと釘をさしておくかね。
    --
    office
    • by arkas (10211) on 2003年08月29日 2時34分 (#387573) 日記
      つーか、本音: うち(例: IBM)の技術者が外国出願(→日本)した特許を、この条項を楯にして外国(→日本)の司法下で外国(→日本)での適用相当分の対価を要求されるんじゃ、おちおち外願もできやしねぇ、って所じゃないかと。
      親コメント
  • むしろ (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2003年08月28日 21時18分 (#387446)
    むしろ日本が世界に対して何も言わなすぎる方が問題のような気もします。
    言ったことが受け入れられるかそうでないかは、話し合い次第なんだからとりあえず日本政府はもっと国益になるように世界へ意見を言ってほしいものです。
  • それぞれの言い分 (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2003年08月28日 21時37分 (#387453)
    ・アメリカの経営者
    「相当の対価っていくらだよ。そんな曖昧なもの出されても
    リスクが計れねーよ。優秀な奴には金を払ってるんだからいいだろ、
    こんなものさっさと消せよ」

    ・アメリカの研究者
    「給料が少ないと思ったら転職するからこんなものなくても別にいいよ。」

    ・日本の経営者
    「リスク?経営学?学生運動で忙しかったのにそんなのやってる訳ねーだろ。
    根性でなんとかしろ。死ぬまで働け。」

    ・日本の研究者
    (´-`).。oO(いつ日本を捨ててアメリカに行こうかな…)

    #ヘタレなのでAC
  • by virtual (15806) on 2003年08月28日 20時08分 (#387419)
    と、とりあえず政府から最初に言って欲しいな。あとで取り下げることになっても責めないからさ。
  • by Anonymous Coward on 2003年08月28日 20時38分 (#387431)
    要望を出すのは自由じゃん。
    • by Ryo.F (3896) on 2003年08月28日 22時20分 (#387469) 日記
      そうだね。

      > 日本企業は研究者に対する報奨や評価が低いと嘲笑してきた国家
      > の特許を扱う弁護士団体(企業の代弁者)が、アメリカ企業の日本
      > での活動の障害になるからと、こういう要望書を提出するってな
      > んかおかしくないでしょうか?

      国家は国家、企業は企業、個人は個人です。国家の決定にすべての企業や個人は従う義務がありますが、反対意見を提出するのは自由です。それが民主主義国家と言うものです。
      逆に、国家が決定することに反対する企業や個人がまったくいない、という状況のほうがよっぽど「おかしい」です。

      ちなみに、米国と言う国家は、国家が国民の権利を不当に侵害する場合、暴力革命を起こして現政権を転覆させても良い、という憲法を持っています。
      親コメント
      • ちなみに、米国と言う国家は、国家が国民の権利を不当に侵害する場合、暴力革命を起こして現政権を転覆させても良い、という憲法を持っています。

        転覆させようとするのは勝手だが、それなりの対応はするぞ、と言う事ですか。何年か前に国営放送の「クローズアップ現代」で「ミリッシア」とか云う民兵組織を取材していました。全米に数百だか在るそうで、その内の一つに所属する民兵が「合衆国が我々の権利を侵害した時の為に訓練しているんだ」とか言っていました。

        所で今、合衆国憲法 [state.gov]を眺めていたのですが反逆罪に関する規定(第二条第三節之一)は見当たりましたが、革命権の条項は見当たらなかったのですが。

        --
        -- pyon
        親コメント
      • 1.
        >ちなみに、米国と言う国家は、国家が国民の権利を不当に侵害
        >する場合、暴力革命を起こして現政権を転覆させても良い、

        2.
        >という憲法を持っています。

        1.は民主主義の根源ですから、正しい(当り前)。
        2.は憲法の性質上ありえない。

        と、憲法の教科書 [iwanami.co.jp]にも載っています。
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        • by Ryo.F (3896) on 2003年08月29日 18時42分 (#388081) 日記
          > 2.は憲法の性質上ありえない。

          ちなみに、その理由は?憲法を破棄する手続き云々と言う問題じゃないよね。
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          • #リンク先の教科書の方が、私なんぞの言葉よりありがたみ
            #があると思いますが

            このルールは気に入らなかったらブチ壊しても良いです
            と書いてあるルールは考えにくいと思いませんか?
            親コメント
            • by Ryo.F (3896) on 2003年09月01日 17時21分 (#389325) 日記
              ルールをぶち壊せ、と書け、と言っているわけじゃないでしょう。現体制を暴力革命で壊しても、その後同じ憲法を使い続けても良いわけですから。
              また、自分自身の改廃の方法を含むルール集合があったとしても、なんらおかしくはありません。事実、ほとんどの憲法は、改正の方法を含んでいるわけですし、全面的な改正(即ち、現行憲法の廃止)は、改正の方法に従って行えばよいと考えられているのでは?
              親コメント
              • 憲法は政治体制を定めるものです。だから、暴力革命が起こるような政府
                というのは憲法に問題があるわけで、革命後もそれが使われ続けるという
                のは矛盾です。
                主権である国民の憲法制定権力を憲法秩序を破壊せず、なおかつ変更が
                できるように転じたものが改正条項である、と説明されています。
                親コメント
              • by Ryo.F (3896) on 2003年09月01日 20時27分 (#389396) 日記
                > だから、暴力革命が起こるような政府というのは憲法に問題があるわけで

                ダウト。実際に出来上がるシステムと言うのは、ルールとその運用に規定されると考えることができます。良いルールでも、運用が悪ければダメなシステムになるし、悪いルールでも運用でカバーすることは不可能ではありません。良い憲法があればダメな政府ができないとは言えないし、その逆も言えません。従って、

                > 革命後もそれが使われ続けるというのは矛盾です。

                それは必ずしも矛盾とは言えません。つまり、憲法に問題がなくとも、暴力革命はおきえるし、暴力革命後に同じ憲法が使われる可能性はないとは言えません。

                > 主権である国民の憲法制定権力を憲法秩序を破壊せず、なおかつ変更が
                > できるように転じたものが改正条項である、と説明されています。

                そうですね。つまり、ルールを改廃することをそのルールの中に記述することに問題があると言うわけではありませんね。憲法制定権力とやらが維持されていれば、憲法秩序は新しいものに(あるいはより古いものに)変わっても良いわけです。

                つまり、暴力革命を可能にする条項を憲法ないに織り込むのが困難である理由と言うのは、憲法を改廃するルールをその憲法内に織り込むことの困難さに由来するわけではありません。良く考えてみてください。きっと教科書にもそのように書いてあるはずです。
                親コメント
              • ダウトですか。Ryo.Fさんの言うことは観念としては分かります。
                でも、私の説明(私が思い付いたわけではないけど)は歴史的
                事実から帰納して考えられたもので、今のところそうではない
                憲法や国家がないようなので、正しいとされているようです。
                将来に渡って通用する真実とは言いませんが、憲法理論って
                そんなものみたいです。
                あと、

                >つまり、暴力革命を可能にする条項を憲法ないに織り込む
                >のが困難である理由と言うのは、憲法を改廃するルールを
                >その憲法内に織り込むことの困難さに由来するわけでは
                >ありません。良く考えてみてください。きっと教科書にもそ
                >のように書いてあるはずです。

                読んでから言ってください。
                親コメント
              • by Ryo.F (3896) on 2003年09月02日 14時46分 (#389900) 日記
                > ダウトですか。Ryo.Fさんの言うことは観念としては分かります。
                > でも、私の説明(私が思い付いたわけではないけど)は歴史的
                > 事実から帰納して考えられたもので、今のところそうではない
                > 憲法や国家がないようなので、正しいとされているようです。

                それまたダウト。例えば、暴力革命によって軍事独裁政権が樹立された例はたくさんありますが、それは、前憲法が悪かったからだと言い切れるのですか?憲法以外の要因が大きい場合もあるのではないですか?

                ルールなんて、運用次第でどうにでもなるわけです。日本の現状を少しでも知っていれば、いくらでも実例を見ることができるでしょ?例えば、私学助成金の第八十九条違反は明らかだし、自衛隊は言うまでもなく第九条違反です。日本国憲法が良い物かどうかは別として、ルールがどうあろうと、運用次第で実際に出来上がるシステムはどうにでもなる、という実例がここにあります。そういうことは、憲法の教科書とやらには書いてありませんでしたか?書いてなかったとしても、この事実を知って、何か感じることはありませんか?

                > 将来に渡って通用する真実とは言いませんが、憲法理論って
                > そんなものみたいです。

                「そんなもの」程度のものを理由にして良いのですか?あなたの意見はどうなんですか?

                > 読んでから言ってください。

                はい。では以下の部分を読んでみましょう。

                #389293:
                : このルールは気に入らなかったらブチ壊しても良いです
                : と書いてあるルールは考えにくいと思いませんか?

                まるで、自分自身を改廃する(ブチ壊す)ことを含むルールの困難さが、暴力革命を許容する憲法を作ることが難しい理由であると言っている様に読めますね。でも、実際には違うわけです。

                それとも、教科書を読めという指摘でしょうか?確かに教科書はたくさんのことを教えてくれます。しかし、教科書に依らず解ることも世の中にはたくさんありますよ。私の書いた程度のことは、教科書など読まなくても解ることです。
                親コメント
  •  彼らには彼らなりのやり方があると思うんだけど・・・・
     米国企業は、発明した利益に対する報奨金の代わりに、優秀な研究者
    には高額の給料を支払う。
    ってのがどこから来てるのか俺は分からないんだけど、これが米国企業
    のやり方なら契約する相手にこれを納得させればいいだけでは?

    #でも現地の法ベースで動くとこういうことは言い辛いのかな?
    --

    -----
    スケーター12号〜(┌  ┌  ┌  ´Д`)┘
  • 報いる仕組みの確立? (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2003年08月29日 9時25分 (#387672)
    >しかし日本の場合は優秀な研究者 へ報いる仕組みの確立が先だろう。

    そんなのは簡単で、自分で「報われていない」と思えば辞めれば良いだけ。
    そうすると、どうしても優秀な人間を確保しておきたい企業はそれ相応の褒賞なり対応をする必要が出来ます。
    #そうでない企業は人材が流出するってだけの事。

    米国の方が報われているってのは、それがごく普通に行われているってだけに思えるのですが。
    というか、本当に優秀な人材なら日本でも珍しく無い事だと思う。

    でもって、辞めないで文句言うだけってのは結局、
    「報酬は欲しいけど会社員としての安定も欲しい。というか安定の方が優先。」
    という根性ナシが
    「でもやっぱり金は欲しい。一切リスクナシで。」

    って言っているだけなんで別段特別に対策がいるとは思わないんだけど。

    あとアメリカではスピンオフして自分たちで報酬を稼ぐってのも。
    日本でも社内ベンチャーとか増えて来たんで、報酬増加を狙うのならやる価値はあるんでしょうね。
    まあ、リスクが増えるってのは同様ではありますが。

    #結局は労働者側に未だに「就寝雇用・年功序列」による安定ってのが前提になってしまっているってだけでしょうね。

  • by WindKnight (1253) on 2003年08月29日 12時23分 (#387817) 日記
    アメリカの先発明主義こそ、なんとかしてほしいと思ふ。
  • by dgz (12635) on 2003年08月29日 13時49分 (#387896)
    内容自体はおいといて、タレコミ文中の:
    日本企業は研究者に対する報奨や評価が低いと嘲笑してきた国家
    って、感情的にナショナリズムをあおるだけの文に見えていやな感じです。 べつに、国家として嘲笑したわけじゃあるまいに。
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ナニゲにアレゲなのは、ナニゲなアレゲ -- アレゲ研究家

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