鳥インフルエンザのワクチン製造に特許の壁 135
正しい知識と身近な予防からはじめよう 部門より
MIYU曰く、"ベトナムで猛威を振るい、人間への感染ですでに6名の死者を出している高病原性鳥インフルエンザ (H5N1) ですが、世界保健機関 (WHO) は新たにタイでも2例の人間への感染を確認しました。28日に対策のための10ヵ国緊急国際会議が開催されます。
H5N1型ウイルスについては1997年に香港で死者が出た時点で、国立感染症研究所などが研究を開始しており、野生動物からの弱毒性の株の採取、逆遺伝学技術の利用などによりワクチン開発のめどが立っています。しかし、特殊な遺伝子操作技術や製造工程の部分で、米国を中心とした複数のベンチャー企業が特許権を所有しており、WHOの調整も難航しています。
ワクチンの製造には卵と時間が必要なため、特許の利用問題で製造開始時期が遅れる事態は避けて欲しいものだと思います。現在、遺伝子構造が違うウイルスも見つかっています。最悪の場合5000万人もの死者が予測されている病気に対して、企業特許・利益というものはどのような意味を持つのでしょうか。" (続く…)
"国立感染症研究所・感染症情報センターの鳥インフルエンザ関するQ&Aによると、今のところ鳥インフルエンザに対する有効なワクチンは無く、現在使用されているヒトのインフルエンザワクチンでは鳥インフルエンザに対しては効果がないそうです。
A型インフルエンザの治療に用いられている抗インフルエンザウイルス薬が、鳥インフルエンザにも効果があると言われており、厚生労働省は養鶏業者らに感染防御策として抗インフルエンザウイルス薬の服用を指示しています。
(参考:Nature記事
Avian flu raises vaccine questions)"
似たような事例としてエイズのコピー薬解禁が思い出される。特許がなければ、現時点で製造法が確立していなかったかもしれない。新薬や治療法の研究開発費は膨れ上がり続けている。例外措置の乱発は、製薬会社に取っては死活問題となる。事は簡単には進まない。
なお、鳥インフルエンザについてはアサヒ・コムのQ&Aに簡単にまとまっている。
特許により強く守られているから新薬が生まれる (スコア:4, 参考になる)
Re:特許により強く守られているから新薬が生まれる (スコア:2, 興味深い)
一部の薬は、アマゾンのシャーマンの知識からパクってたりしながら、それで特許を取ってたりしてるから。
#マーク プロトキン [google.co.jp]は、そういう、アマゾン先住民の知恵から作られた新薬の利益の一部を先住民保護に当てるべきだと主張してますね。
Re:特許により強く守られているから新薬が生まれる (スコア:1, 参考になる)
しかし薬に頼らなきゃならない人の大半は病気で
マトモには働けないから金もあまり持っていない。
金の無い奴から金を引き出そうとする市場構造
そのものに無理がある。何らかの手段で外部の
系から金を引き出さないとどうにもならない。
#ちなみに新薬の売価の70%~80%が特許料だそうだ
Re:特許により強く守られているから新薬が生まれる (スコア:2, 参考になる)
大雑把に見積もって,10~100万の化学物質を試験して 100~1000 の効きそうな化合物が見つかり,その中で 0~5個ぐらいが効く& 毒性が低い化合物で, さらに 0~2 個ぐらいが本当の薬になるって感じです.
治験以前の段階での時間・金のかかるポイントとしては,
Re:特許により強く守られているから新薬が生まれる (スコア:1)
うーん、それっぽっちだとひとつの企業の研究費しかまかなえないのでは。大手だと年間の研究費は8000億円かけているそうで、規模で10位の企業でも2000億円をかけているそうですよ。問題にされたのはベンチャーですからそれらも含めれば、どこかの国家予算に匹敵するんじゃないかな。
#日本の企業は最高で15位だそうです。
Re:お金の問題ならば (スコア:1)
ボルビング払いはどうでしょうか?(笑)
# 即金で高額の品物を買った事が無いので、そう思った。
李 露星
Re:特許により強く守られているから新薬が生まれる (スコア:1)
複数の特許が絡んでる分、より複雑になりそう(憶測)
人命がかかってるからといってボランティアするわけにもいかず、逆に特許保有者の言い値で払うわけにもいかず。
最近特許がらみでろくな話がないなぁ (スコア:1, 興味深い)
発明者の権利を保護してウマー
社会ではその革新的な技術を使用でき、従来よりも製造費(などが)減ってウマー。
このように両方がウハウハであるはずなので、
今回の件は利用者側から見て浮くコストよりはるかに
特許料のほうが高くなるから問題なのでしょう。
何が革新的かの審査は難しいでしょうけれども、
体裁が整っていたら何でも特許になるようでは
利用者は特許を回避するだけ、特許保有者には
特許料が入らずという誰も得をしない構造になってしまう。
最近はほんとどうでもいい特許が目に付きますな。
http://srad.jp/article.pl?sid=04/01/24/1533230 といい。
あ、これはライバルに対するけん制だからちょっと意味は違うか。
#今回の薬の製造法などについては知りませぬ。
Re:最近特許がらみでろくな話がないなぁ (スコア:1)
なるほど。そういや、そのことを忘れるくらいに(笑)、
我々はDQN特許(やその運用)に日常的に晒されていますねえ。
>今回の件は利用者側から見て浮くコストよりはるかに
>特許料のほうが高くなるから問題なのでしょう。
ふむ。コストのバランスの崩壊が問題だということは、やっぱり、
知的財産に「言い値」がつけられることを、規制しないと駄目なんですかね…
まあ規制というのもナニですが、手段をどうするにせよ、
ほかの様々な分野での「インフレ対策」の技術が、何か参考になるんじゃないかなあ?
要するに知的財産ってものが
古典的なレッセフェル(だっけ?>神の見えざる手)の状態ままに置かれているから
ヤバイわけっしょ。
でも実際には経済って、自由とはいっても実際には機会や勝率は「平等」ではなく、
やっぱり強い奴が勝つシステムだし、
しかも知的財産みたいなジャンルは拠りによってそれを助長しやすい代物だし。
うーん。労組関係に或る時点からストライキが合法的に認められるようになったのと同様に、
「知的財産に対するストライキ(変な言葉だが、もっといいのが思いつかないなあ)」
みたいなものが定義されるべき、なんじゃないかと。
#こういう問題や、或いはパブリックドメインの問題とかを考えると、
#Debianが言う「社会(個人じゃなく社会を相手にした)契約」みたいなものに
#法的基盤を与えて欲しくなる。
市場「原理主義」 (スコア:3, 興味深い)
「意味」を問われるならば答えは1つ。
自由経済主義のもとでは、飢え死にする自由と同様に、病死する自由も有るよ、という話ですね。
市場「原理主義」は、こうして今日も成就され続けているわけです。
(この「市場原理主義」という言い回しは、たしか先日のNHKで耳にした記憶があります。)
元々、人権とか人道とかいう思想とは、市場主義とは(控えめに言っても)無関係というか直交です。
でもどちらも同じ生きた人間に降りかかる思想である以上、
両者が衝突するシーンは幾らでも有り得る。今回もその一例。
んーと。つまり、日本がもしもっと好景気なら
特許料を血税から支払って涼しい顔してられたかもよ、という話です:-P
(ただ、どれくらい金子が必要かは存じません。バブル景気でもまだ足りないかも知れないので。)
今回は特に、日本もウイルスのターゲットに入ってしまっているようですんで、
日本も「他人ごと」ではないです。つまり壁で苦しむ人間たちの中に日本も入る。
…ただまあ、栄養状態が良ければ死ににくいし、
それこそ特許料を払うことも日本(人)なら可能かも知れないんで
相変わらず「他人ごと」なのかも知れないけどさ。
ところで、
>正しい知識と身近な予防からはじめよう 部門より.
(スラドお得意の)冗談ですよね?
まさか(時折見かけるような)マヂじゃないよね?
ちなみに「特許の壁」で困ってる状況という奴は、
「正しい知識」が有るにも関わらずそれを思うように使えない状況と言えます。
#まあ、部屋の湿度を高く保つ工夫とかは、したほうが良いのは確かだけどさ。
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余談ですが、
(読売記事より)
>ばらばらに特許権を押さえられている
これについては、深刻度は比較にならないものの、俺も少し悩んだことが有ります。
電車の中とかで使うような首巻きつけ型の空気枕です。
aという特長を持つA社の商品と
bという特長を持つB社の商品とがあり、
「aとbを兼ね備えた製品があれば、いい(俺の首が楽になる)のになあ」と思ったんですが、
aもbも特許(とパッケージに自慢げに書かれてる)んですね。
特許が俺(ら)の生活を豊かにするのか?
この場合は、なまじaとbが(商業的な壁を乗り越えない限り)合体出来なくなってしまってるため、
却ってaとbを兼ね備えた理想の枕の実現が阻害され、つまり「不便」になってるわけで、
自慢されると却ってムカツクばかりです。
aとbとが単純に優劣つければ済むようなものならば
まだ良い(どっちかを買えば済む)んですが、
aもbも搭載して欲しい場合って、困るんですよね。
つまりですね、首に2つの枕を同時に巻けないし、
よしんば巻けたとしても、全然楽にならないから無意味なのですね。
よって、両方の製品を買うという選択肢は、無意味。
俺たちゃ(大抵)、特許自体を買うんじゃなく、特許な案を搭載された製品を買うわけですから、
その搭載のチャンスが事実上無い場合、我々の生活は一向に改善されません。
(この場合は、aとbとが「同時に」搭載された商品の出現のチャンスです。)
まあ株主相手には特許自体が自慢(や商売の種)になるんでしょうけど、
だとすれば、特許を「製品のパッケージに」誇らしげに書くのは意味不明です。
Re:市場「原理主義」 (スコア:2, すばらしい洞察)
この考えには賛同するが、ならばなぜ直交している概念が衝突するんだ?
Re:市場「原理主義」 (スコア:1)
> この考えには賛同するが、ならばなぜ直交している概念が衝突するんだ?
直行すると認めるならば、人権や人道が市場主義と衝突しているんではなく、市場主義の下で人権とか人道につけられた値段が特許の値段と衝突しているんだと言えると思います。
直行すると認めないならば、現在の社会の社会主義的側面と資本主義的側面が衝突しているのだと思います。
#個人的にはこういうのはどんなに正確に書いたとして直ちに解が見つかる問題ではないと思う
#ところで、資本主義と市場主義ってなんかちがうの?
Re:市場「原理主義」 (スコア:2, 興味深い)
長い上に主題らしきものも比喩でわかりにくいので、とりあえずサブジェクトに反応。
「市場原理主義」という言葉は多くの場合、市場の効能を説く論者を批判するために、「市場が常に最善」「市場の失敗は存在しない」という主張をしているかのように見せる目的で使われますね。実際にはそんな主張をしてる人は最初から相手にされないはずだし、それを批判する人から市場よりも優れた制度が提案されることもまずありません。そもそも、完璧な社会制度なんて存在しえないことは明らかなのに。
現状の市場をどう評価しているのかわかりませんが、少なくとも現在の市場は原理に完全に忠実ではありませんね。したがって市場原理主義は成就されてないと思います。
Re:市場「原理主義」 (スコア:1)
たぶんNHKスペシャル「富の攻防」でしょうね。
録画してなかった回がいくつかあるからDVD化しないかなー。
[udon]
Re:市場「原理主義」 (スコア:1)
>それを批判する人から市場よりも優れた制度が提案されることもまずありません。
「他に優れた制度が無いようだから、市場経済で我慢しとけ」と主張する連中をも、批判させて欲しいです(^^;
#原理主義の話ではないですが。
>少なくとも現在の市場は原理に完全に忠実ではありませんね
システムの「全体」が原理主義に基づいてるかどうか?は、ここではあまり問題ではないと思います。
或る場面における或る人々が原理主義ベースに振舞っているかどうかの問題、じゃないかと。
Re:市場「原理主義」 (スコア:1)
とあるのですが、鳥インフルエンザに対して正しい知識を持ち、その感染を予防する為に行動するのは「冗談」なのでしょうか?感染に対し、手洗い・うがいを推奨し、部屋の換気・濕度に気を配るというのは予防の為に薬を飲むのと同等かそれ以上に効果があることだと思います。
医療の世界では、(特に何の病原菌がついてきてるか解らない救急の世界では)スタンダードプレコーションが守られてますが、これも冗談なんでしょうか?
治療薬が手に入らないなら、その病気にならないように一次医療を充実させていくというのはbetterな選択だと思います。
まぁ、編集者が感想程度につけてるのが部門名だと思うので、記事との関連性をつつくのもアレだと思いますが。
Re:市場「原理主義」 (スコア:2, 参考になる)
>>飢え死にする自由と同様に、病死する自由も有るよ
>のあたりが意味不明です。
>飢え死にしよう!と思って飢え死にする。病死しよう!とおもって病死する。
「飢え死にする自由」というのは、市場主義批判の文脈で多用される慣用的表現です。
「完全な自由主義市場経済は、人々に完全な経済的「自由」を与える。
しかし、完全な自由主義市場経済には必然的に敗者が生まれる。
彼らにはどんな自由が与えられると言うのか?」
という疑問を簡潔に表す言葉が「飢え死にする自由」です。
そういう背景知識がないと、「病死する自由」という皮肉表現は分からないですね。
Re:マイナスモデキボウ(オフトピ) (スコア:1, おもしろおかしい)
こんな事を言えてしまう人が、僕と同じACだなんて…。
恥ずかしいので、もう自分がACだなんて言えません…。
Re:市場「原理主義」 (スコア:1)
>最近また長くなりだしちゃいましたね。
その「半年ぐらい」の、俺の「1日(?)辺りの投稿数」も、傾向の推移を観察してくださってます?
つまりですね、単に「減ってた」だけなんです。
長さだけでなく、数もね。
これがナニを意味するかってーと、一言で言えば、
スラドに「燃えるネタがあんまり無かった」ということです(^^;
簡単に済ませてしまっても痛痒を感じないような話題ばっかりだったなあ、と。
#と自己分析してるのでG7
え?最近?
さあ、なんなんでしょうね?(^^;
アメリカが良いお手本 (スコア:3, 興味深い)
「こっちは非常事態やねん、しょうがないねん」とか言って
特許の話とかすっ飛ばして特効薬作っちゃったのは。
--------------------
/* SHADOWFIRE */
特許は問題ではない。早急につくるべし。 (スコア:3, すばらしい洞察)
特許があるからワクチンが作れないってのはなんか違うのでは?
今回の状況ですが、特許となる製法自体は現在では一般に知られているんですね(秘密ならばそもそも特許を無視した製薬自体不可能ですし、特許制度がないから製法は秘密ってことはあっても特許がないから秘密ってことは考えられないでしょう)
また、特許使用料が支払えないというわけではなく、交渉に時間がかかるってのが問題なわけですよね。
ならば特許問題ははとりあえず棚上げにしてとっとと作って投与してしまえばいいだけでは?
で、特許を侵害して製薬したことに対する法的な問題ですが・・・
刑事上の責任は緊急避難ってことでお咎めなし。
民事上の責任については事後に正当なライセンス料を払えば済むこと。仮に民事裁判となってもこのような状況では賠償額は「正当な対価」を大幅に超えることは考えにくいでしょう。
Re:特許は問題ではない。早急につくるべし。 (スコア:1)
言いたいのは以下の2点です。
・本当に緊急なら特許など棚上げしてしまえ。 >WHO
・特許じたいは有用である。特許があるから新薬は開発されるしその製法は広く知られる。緊急時には棚上げすりゃいいんだ。 >特許否定者
書き間違い (スコア:1)
特許否定論者ですね。文句を言いたい相手は。
Re:特許は問題ではない。早急につくるべし。 (スコア:1, すばらしい洞察)
怖いですね。
懲罰的賠償を求める裁判に投資家が群がるという
いつものパターンが展開されたら少なくとも
日本企業は勝ち目がないような気がします。
Re:特許は問題ではない。早急につくるべし。 (スコア:1, 参考になる)
アメリカによる経済制裁を食らいかけた。
南アフリカ、タイ、インド、ドミニカ共和国、
アルゼンチンも同じく圧力をかけられた。
これらの件では最終的にはアメリカが引いて
特許の棚上げも「強制実施権」としてWTOに
認められたが今日もアメリカは強制実施権の
範囲を狭めるべく頑張っている。
そんなアメリカの議会でも炭疽菌騒ぎの時は
特許を無視してでも薬を調達すべきだという
話が出た。
アメリカにも色々あるようだ。
Re:特許は問題ではない。早急につくるべし。 (スコア:2)
薬の特許使用料適正価格法みたいなのを作って、適正価格は国が決めるってことは可能だし、とりあえず作れるようにして、価格は後でもOKに出来る。
イラク戦争でも分かるように、言うことを聞かない相手には経済制裁と戦争などの手段しかない。
特許権と著作権によって進歩の止まった暗黒時代として (スコア:2, すばらしい洞察)
# おおげさなような、そうでもないような
Re:特許権と著作権によって進歩の止まった暗黒時代と (スコア:1)
それを販売する(までのどこかの過程)でタンマリ金を取られるんで、
量産&販売ベースに乗せるのが事実上困難、
という状況が頻発してるのが、現代であるわけですよね。
実際に作って使ってが出来ないんじゃ、絵餅ですよね。
別のカキコにも似たような話が有ったと思いますが、
原理的に作れても実際に役立たせる(=量産させる)ことが困難だと
なんかヘビの生殺しという感じがします。
何も技術的手段が無い時代のほうが、
まだしも(肉体的には同じこととはいえ)精神的には救われたかも。
かつては神様がやっていたような多くの「選別」が、
今や人(社会)的要因で行なわれるわけで、
「助けられる」のに「(人間が)助けてない」んだよなあ。
しかも、食料みたいに絶対量が問題なものが不足してるってなら
まだしもなんだけど(まあそれも飽食諸国の存在を思えばナニですが)、
知的財産なんていう「コピー」が幾らでも可能なモノの供給が
(100%人為的に!!)絶たれてるせいで死んでいく人々が大勢居るとなると、
「けちくせぇこと言うなよ」
といいたくなる人の気持ちは、とりあえず誰にでも理解可能かと思います。
おや、NHKったらタイムリーですね。>データマップ(寿命ネタ)
Re:特許権と著作権によって進歩の止まった暗黒時代と (スコア:2)
特許使用料をただにすると、他社が作るので大量には売れないのでは?
また、爆発的な需要を見越して製造ラインを持っていればコストが掛かり過ぎる面があるはず。
国によっては、1/100くらいの賃金ベースのところもある。
その国で高価で無い価格帯にするには先進国では激安過ぎるよね。
20万のパソコンがそう言った国でも教育するためには必要だったとして、2000円位で売ってやることが可能なのかとか、そう言った時限の話と俺は思ってる。
ちなみに、特許は20年くらいで切れるよね。薬だと市場に出るまでに時間がかかるから残り10年くらいでしょ。
それくらいの期間はやはり必要だと俺は思う。
それに比べて著作権は、永遠に延長されそうな感じ。
貧乏人は生きてさえいれば文化的な生活は不要なのか、特許は何故20年で著作権それと比べてそんなに長いんだろうか?
映画ならば、映画館で上映され、ビデオ化され、TV放送される。ここまでで1、2年でしょ。
再放送など色々あるだろうけど、10年や20年くらいで貧乏人に見せても良いんじゃないの?
俺はそんな気がする。
Re:特許権と著作権によって進歩の止まった暗黒時代と (スコア:2)
下に「特許有効期間」の話があるので、特許権の有効期間ですよね?
>(存続期間)第67条 特許権の存続期間は、特許出願の日から20年をもつて終了する。
http://www.houko.com/00/01/S34/121.HTM
20年であっているのでは?
>それはともかく、極めて安いライセンスで特許を使わせてもらう代わりに、特許有効期間を+5年とか、+10年とか、延長を認めるようにしたら双方納得できそうな気がしますが。いかが。
俺はそうは全く思わないですね。
特許権が切れた後の5年や10年間、80%オフ程度の価格で市場に薬が流れているのに、それとどうやって区別するかは技術的にはきっと無理だろうし、結局は高い料金を一定期間払うのと買い手のコストは変わらない。
期間を2倍に延ばせば、1個当たりの特許使用料は半額で済むかもしれない。
しかし、それは8割や9割の地域で使用料を免除をすれば、残りの地域で5倍や10倍の使用料を取らなければならないことでもあるはず。
日本の様な先進国はそれだけ払えというのはWTOの考えでしょ。
開発コストを下げれば残りの地域でも変わらなく提供出来るのかも知れないが、その場合の開発ペースは著しく落ちるはず。
過去の新型インフルエンザの発生で有名なスペインかぜは
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2001/00597/contents/00001.htm
を見ると、2300万人を殺したらしい(世界人口が20億の時代だから1%以上)。
俺は薬屋でもなければ薬の技術者でもないので、どの特許が具体的にどうなのかとか、新型インフルエンザウイルス用の薬を作るには難しいのかも知らないけど、生死に関わることだからそこ早い開発が必要で、その為に多くの開発人員や機器が必要なのでコストが掛かるんでしょ。
開発しなければ薬は存在しないので、途上国の人だって使えない。
俺は相応の負担を途上国の人もするべきだと思う。
今金ないのならば、出世払いで先進国が用立てるのは当然やるべきだと思うが、ただで使わせ使わせろとかはやはりおかしいよな。
そもそも、民族の自治権の要求や植民地から独立とかはするけど、薬代は払いません。先進国の国民が負担してくださいでは、親にアパートの家賃払って貰っている状態と一緒で独立したとは到底言えない。
1960年代、民族の自治権が国連で権利として認められて植民地主義が幕を閉じたが、搾取植民地でなければ植民地でも良いのでは?
Re:特許権と著作権によって進歩の止まった暗黒時代と (スコア:2)
期間の延長は回収し易くなり薬の単価は下がりますが、トータルコストでメーカー側は本来特許で得るべき収入以下の価格にはしないはずです。
期間延長は、死にそうだから今日払うか、それとも10年後払うかの違いだけです。金利分も上乗せされて高い買い物をするだけでは無いでしょうか?
1万円の薬が、10年後(発売までに10年かかって残りが10年)2千円になる。
期間を10年延ばせば、6千円程度まで下げられるかもしれないが、この計算には金利や新たな新薬が開発されて薬が売れなくなるリスク(デリバディブなどで他社にリスクヘッジさせたり、保険会社にヘッジさせりね)等が加えられます。
保険会社は管理運営費として、想定されるリスクよりも数割高いコストを要求します。
ですから、受益者の合計の支払額は必ず増えます。
ちなみに、日本だって移植が受けられなくてアメリカで受けるために、1億かかるからって寄付を募ってますよね。
臓器提供カードの確認すらしていない医療機関があるから。
コストやリスクに対する対価を与える仕組みになっていないからね。
仕組みを作ると、対価分費用が増えるので作りたがらない面もある。
見方を変えると、1億とかかかる治療はせずに見殺しにするのが現状。
アメリカの安い健康保険では、上限が決められている奴も多いらしいし、死にそうだからって先進国の国民だって対価を払わなければ死にます。
実際死んでます。
話が逸れるが、
新型のインフルエンザが広まっても、ワクチン技術等があるのでスペインかぜの様にはならないと言う説があり、一方で大都市では電車や地下鉄で通勤している人が多数いて、爆発的に広がり甚大な影響を与えるという説もあるね。
エイズの薬とかでも (スコア:2, 興味深い)
こんなのは、命の問題ですから、特許なんて無視していいと個人的には思います。
「研究の継続の為に特許料は必要だ」とか言っていますが、それは寄付や、国際的な基金を作って解決したら良いと思うのですがね。
このように医学をビジネスと考えてボロ儲けしたい人々が、
貧しい人々の生血を吸い上げて太っている構図は気に入りません。
Re:エイズの薬とかでも (スコア:2, 参考になる)
無視していいというか、本当に必要とされるエイズ治療薬に関しては。
特許を無視して製造していいってことにWTOあたりで決まった [worldtimes.co.jp]らしいです。
この決議で、唯一反対の票を投じたのが米国だそうで。
まぁ、国内に特許を押さえるメーカーがありますからね。
ロシアあたりはWTOに加盟してないためこういう例外規定は受けられず、
こっちは本当に大変だそうです。
Re:エイズの薬とかでも (スコア:1)
薬を必要とする多くの人は生活で手一杯→寄付したくても出来ない
一部の金持ちは薬などいくらでも手に入る→寄付する必然性を感じないので付き合い程度しか寄付しない
って単純化すると話がわかりやすくなるのでは?
# そもそも資本主義下で知的財産を公益に役立てると言う概念
# 自体矛盾した概念なのかも
Re:エイズの薬とかでも (スコア:1)
他人の痛みは判らない(ふりをできる)。
…人類永遠の課題ですな(T_T)
他人の痛みがわかるようになる技術、とかがいつか出来たらいいのかも。
ただしそれを使うのが「非人道的だ」と批難されるのがオチだとも思うが:-P
だって平均寿命80歳の国の人に「30歳の国の人の痛みを体験しなさい」って訳にもいかん(と言われる)でしょうから…
あー無限Loop…
Re:エイズの薬とかでも (スコア:2)
国民が死ぬよりはマシと政府が思えば、鉱物の採掘権とか、土地とかを担保に政府が金借りて薬を買って、将来税金とかで払えば良いんじゃないの?
健康保険制度を作るとか色々方法はあるよね。
国家が破綻すらしていない状況で、特許使用料無しの提供はやはりおかしいよ。
開発コストは存在する以上、使用料なしで提供した分は、使用料ありの国民が負担することになるんだよ。
予防投与 (スコア:1)
とあるけど、
予防投与により薬に耐性を持ったウイルスが・・・なんてことは無いのかな?
#抗生物質じゃないから大丈夫なのかな?
1を聞いて0を知れ!
Re:予防投与 (スコア:2, 参考になる)
出てくる危険性は無視できませんが、今の場合、背に腹は代えられないというのが現状ですね。
現在、日本で認可されてる抗インフルエンザ薬はアマンタジン、ザナミビル、オセロタミビル(これが最近主に使われているタミフル:商標名)の3種ですが、このうちアマンタジンについては、実際にこれまでに耐性ウイルスの出現が確認されてます。
しかし、鳥インフルエンザは今、世界的流行を起こしており、日本もその発生地域になっているわけで。非常事態にあると言っていい状況なのです。特にトリ→ヒト感染での死亡例を伴う被害が報告されている以上、「高リスク者を対象にした」予防処置は必要です。ワクチンがない以上、薬剤に頼ってでも行うというのは間違っていない方針でしょう。
もちろん「高リスク群」に限った処置であって、その範囲の選定に十分な配慮が必要だと思いますが。
日本政府がベトナムに医薬品を供与 (スコア:2, 参考になる)
輸送費含めて2000万円分(10万錠)、製品名タミフル。
現地のWHO職員などはすでに服用しているそうなので、 多分病鳥の処分などに関わる「高リスク群」の人達用なのでしょう。
日本では、厚生労働省によって 抗インフルエンザ薬の国家備蓄が検討 [tbs.co.jp]されていますが、どの位必要なのでしょうか ?
インフルエンザ対策でもっとも重要なのはワクチン接種ですが、 現在、世界全体で一シーズンに製造可能なインフルエンザワクチンは 2億3000万回(地球人口の約4%)分で、 大部分は現在の人感染型ウイルスの為に確保されてしまうそうです。新型の分の確保は ・・・・ 。
また、変異能力の高いインフルエンザウイルスに対して、ワクチンが有効に働いているのかという疑問も投げかけられているようです。 (参考:Nature記事「Flu vaccine futile ?」 [nature.com])
人感染型ウイルスの出現は時間の問題だと思いますが、正直怖いです。
# 世界規模の危険に対応できるのは 国連 ?
資金を出すのは日本 [kantei.go.jp]だという事であっても
Re:日本政府がベトナムに医薬品を供与 (スコア:2, 興味深い)
インフルエンザはヒトでは気道粘膜から感染します。このため、もっとも効率よく「予防するため」には、気道の粘液中に中和抗体が存在することが重要です。粘液中では分泌型IgAというタイプの抗体が主に働くので、インフルエンザに対する分泌型IgAが誘導できるかどうかが大きいと言われています。
しかし現在使われているワクチンは静脈注射によるもので、IgGやIgMが主として誘導される。このために予防ワクチンとしての効力があまり高くないのだ、と考えられてます。
ただし現在のワクチンでも、予防の効果は低いとはいえ、かかったときに重症化を抑えるには有効だと考えられてますので、重症化したときのリスクが大きい高齢者などへの投与が推奨されているわけです。
IgA抗体が出来るワクチンシステムの研究(経気道ワクチンなど)も進んでいることですし、早くより有効なワクチンが出来てくれれば、と思わずにはいられませんね。
Re:予防投与 (スコア:2, 興味深い)
対象者に対して直接目の前で服用することを指示したり,定期的な経過観察を義務づけているポリシーです。
途上国では薬そのものを与えてしまうとヤミ市場に流れたり,対象者が飲まなかったりという状況が生まれやすいための対策です。
Re:予防投与 (スコア:2, 興味深い)
そもそも、人間が感染症にかかるのも病原体の活動が実害の出る範囲にまで活発化してしまうのが原因で、抗ウイルス剤をはじめとする感染症治療薬の働きは、この「平衡点をめぐる綱引きへの加勢」ということになります(抗生剤の一部には病原体の細胞自体を破壊するものもあるけど)。
/*
免疫系が対策を終了させてしまえば、たいてい綱を大きく引き戻すことができますが、その前に死んでしまうこともありますし、HIVのように免疫系の機能を破壊してしまう病原体もあります。
*/
また、病原体の増殖速度は雪だるま式に加速するもの(とは限らないけど原則的にはそう)なので、あまりに病原体の勢力が強くなると「今更加勢しても大勢は変えられない」という状況になります。
/*
一方、治療薬を投与した環境下で耐性種が発生する確率は、病原体の個体数の平方根に近似した値に比例するはずなので、ここでもやはり早期治療は有効です。
*/
で、耐性種の問題もやはり「耐性種の発生速度と人間側の対応速度」から生じる平衡の問題で、人間が対応するまでのタイムラグ期間に最も大きな被害が発生することになります。
この辺を踏まえたうえで、「耐性種が発生するから抗ウイルス剤の類いはダメ」ではなく、「耐性種の発生速度をできるだけ抑える」「耐性種への対応時間をできるだけ短縮する」といったポリシーのもとで、「できる限り有効活用する」のがポイントになります。
/*
いずれにせよ、病原体の進化過程(実は人間のも)に人工的なチャチャが入っていることは確かなので、それが望ましくないといえば望ましくないのですが、薬を使わなければ死んでしまうかもしれないという具体的な危険を無視できるほどことだとは考えにくいと思います。
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yp
Re:予防投与 (スコア:1, 興味深い)
スゲーin vitroな発想で生きた腸壁はそんなもんじゃない。
問題なのは正確な知識に基づいて適切な投薬指導ができない医者や薬剤師が大杉!ってことと、云っても聞かない患者大杉!ってこと!
(自称ではなく)ちゃんとした専門家が適切に指導し、それが徹底していれば何の問題もないと思う。
発明者の利益(による動機付け) vs 人類全体の幸福や福 (スコア:1)
この頃の企業の不祥事やら宗教対立の激化、環境やエネルギーも併せて考えると、特許や著作権制度や、そのベースである資本主義システム自体、ガタが来はじめているのかなとも思います。
Re:発明者の利益(による動機付け) vs 人類全体の幸福 (スコア:2, すばらしい洞察)
ガタというよりも、時代遅れになってるような気がします。
それ自体がイカレたわけじゃないんだけど、時代のほうが先に行ってしまってる。
技術の進歩とか、流通の容易性(知的財産において顕著ですね)とかが、
一昔前とは飛躍的に違っているわけで。
そういや20世紀は、物(に限らぬが)流が革命的に改善された時代でしたね。
おかげで、流れの鈍さを前提とするビジネス(モデル)は、破綻するか、
たまたま(笑)法律が守ってくれるならばその法律にしがみ付いて残存を図るか、
どっちかになっていってるわけで。
で、技術が人類を幸せにしてくれるであろう期待値に対し、
幾つかのビジネスモデルがブレーキをかけてしまってる、と。
それがブレーキ(より昔に戻そうとする方向)だからこそ、人々は怒ってるわけで。
#宗教対立とかはまた別の問題だと思う。
Re:他人の痛みは・・・・ (スコア:4, おもしろおかしい)
ああっ! デーモンくんがBSEでひどいことに。
…一方その頃、ペンギンくんは鳥インフルエンザで…
Re:記憶が正しければ (スコア:1, 参考になる)
製造/輸入を認めるWTOの合意はとりあえず成されました。
TRIPS医薬品アクセス問題 [wtojapan.org]
基礎からわかるTRIPS協定と医薬品アクセス問題 [odn.ne.jp]
Google 検索: ドーハ宣言 強制実施権 [google.com]
Re:製薬会社の社会的存在意義 (スコア:1)
そうですか?ほしいという人がいなければどんどん値段は下がりそうですが。
薬の場合は欲しい人の需要ではなくそれにかけた製造費で決まってしまうんではないだろうか?よく知らないけど。
つまり市場原理がうまく働いていない独占状態であると。
そもそも特許は限られた独占を認めるものだと思うから、コントロールしたいのなら特許制度の方をいじった方がいいのかな?
Re:製薬会社の社会的存在意義 (スコア:1)
And now for something completely different...
Re:会社の社会に対する責務 (スコア:1)
この世の中、結局金。
命がかかっていようがいまいが一緒。
金のないやつはメーテルと一緒に銀河鉄道にでも乗ればいいのです。
それが嫌だといっても、そうならないための社会主義は失敗してるんだし、
その原因の一つは、「働いても働かなくてもどうせ食っていけるんだし」って怠ける人が多かったから。
人間、金が関わってこないと何もしないのです。
1を聞いて0を知れ!