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7344 story

地雷を検知する植物 8

ストーリー by yourCat
生ける赤信号 部門より

ncube2曰く、"病害虫に強い品種とか収量のデカイ品種等、遺伝子操作でいろんな植物の品種が開発されている昨今だが、goo経由の時事通信のニュースによると、デンマークのバイオ企業が地雷を探知できる可能性がある植物を開発したそうだ。何でも根が爆発物に触れると葉の色が緑から赤に変るそうだ。
ンー、地雷って実際の爆発物は容器の中だよね? どうやってその植物の根は爆発物を探知するんだろう? あと種蒔きだけど、当然飛行機なんかからの直播きでOKなんだろうな。地雷検知のための種蒔き作業で地雷にやられたんじゃシャレにならん。"

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  • デンマークのバイオ企業ことAresa社はこれ [aresa.dk]でしょうか。
    ここの1/24付けのプレス・リリース(pdf) [aresa.dk]によると、"土の中にある成分が含まれていると、3~5週間で葉の色が赤に変わる植物を開発した"ようで、この技術によって、地雷や重金属の探知が可能になるということらしいです。
    使った植物は、thale cress(シロイヌナズナ)と書いてあります。植物としては、全ゲノム塩基配列が初めて決定されたものですよね。

    深くはわからないので、あとは詳しい人任せ。
    • Re:情報追加 (スコア:4, 参考になる)

      by y_tambe (8218) on 2004年01月26日 17時35分 (#481226) ホームページ 日記
      >thale cress(シロイヌナズナ)

      学名(属名)のアラビドプシス(Arabidopsis thaliana)の方が通りがいいかも。何にせよ、植物の生物学ではタバコと並んで(分子生物学ならタバコ以上かも)最もメジャーな植物です。ゲノムサイズが植物の中ではかなり小さいのが利点で、そのおかげでゲノム解読が早かったので、ますます利用価値が高くなった。

      でも今回のは、プレスリリースから察するに、実はこれ、単に赤い色素を作る遺伝子の上流にメタロチオネイン・プロモーターくっつけただけのものじゃなかろうかと思うのですが。

      メタロチオネインは生体が重金属などにさらされたときに誘導されてくる、解毒作用を持ったタンパク質です。この「重金属にさらされたときに」mRNAの発現が誘導するようなプロモーター領域を遺伝子の上流に持ってまして、このプロモーター領域を取り出してきてを利用した「条件付き(コンデショナルな)」発現系というのは、割と昔から分子生物学的な実験にも利用されてます。

      #ある遺伝子の働きを見る場合、単に遺伝子導入した/しない、だけでみるだけでなく、
      #こういう「条件付き」の発現系で発現をON/OFFしてみるのが要求される場面もあるのです。

      プレスリリースでは、なんとなく「地雷も重金属も一緒くた」に話をしてるあたりからの推測にすぎないんで、何とも言えないところなんですが、本当にそうだとしたらその辺りの土壌の重金属イオン濃度が上がってるかどうかで色が変わる、というのが原理になるはずで。果たして地雷ってそんなに周囲に金属イオンを溶け出させてるものなんだろうかとか、本当に実用可能なのかどうかが気になるところだったりします。
      親コメント
      • 検索したらこんなPDFファイル [vub.ac.be]がひっかかりました。
        5ページ目の上の方にカンファレンスの報告として載っています。

        これを見る限りでは特定の金属に反応するプロモーターではなく、Arabidopsisがストレスにさらされたときに赤くなるタンパク質のようです。金属だけでなくTNTも検知するとか。
        (TNTを検知するバクテリア、という話も検索したらでてきましたが、この類でしょうか)
        想像するにHSP(熱ストレスに反応する遺伝子)のプロモーターかなあ、と。

        そのため特定の金属が地雷に含まれていなくてもいいという利点があるのですが、条件のコントロールが難しいらしいようです。
        たとえば水分が十分にあるとだめだとか、ちょっとずっこけてしまうのは、種をまく前にその土地の他の草を刈っておかなければならないという。
        地雷原の草を刈るって・・それは誰が・・・
        --
        kaho
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        • なるほど。参考になります。

          >(TNTを検知するバクテリア、という話も検索したらでてきましたが、この類でしょうか)
          もう [vt.edu] ちょっと調べてみたところ [nih.gov]、TNTを使ったシステムってのがいくつかあるみたいですね。

          基本的には、トルエン資化菌と呼ばれるトルエンを分解し栄養源に利用して増殖可能なバクテリアを利用してるようです。これまではこれらの菌そのもの、あるいはトルエン分解酵素のトランスジェニック植物を用いてTNTの生分解しようというアプローチが多かったようですが、センサーとしての応用研究も始まっているようです(生分解するにも限界があるから、その方が効率的なのでしょう)
          例えばこのarticle [nih.gov]では、Ralstonia pickettiiというトルエン分解菌の TbuT/PtbuA1 というアクティベーター/プロモーターシステムを使ってGFPをPseudomonas属の菌に組み込んでます。この菌を土壌に撒いて増やしてUVライトを当てて検出という仕組み。もしかしたら、この発現系を利用したのかもしれませんね。

          ただし(詳しい人にはいわずもがなでしょうが)この方法は、遺伝子組換え植物/細菌を自然界にばらまく方法でもあります。地雷の問題はとても大きいけれど、そこのバランスは十分配慮が必要でしょうね。おそらく、Pseudomonasを即、実用化できない理由は、一つは検出にUVライトが必須になることとその感度の問題、もう一つは遺伝子組換え細菌をばらまくリスクだと思います。

          地雷だと擬陽性(ないのにあると検知される)よりも擬陰性(あるのにないと検知される)が大きな問題になるでしょうから、UVライトがへたってきたりして光るべきものが光らないとなると命にかかわりかねません。そこらへんが植物では赤い色素にした理由ではないかと。
          また変異の頻度が早く、また根絶もしにくい細菌を使うよりは、植物の方が不必要になった場合の除去が*まだ*やりやすい、という側面もあるのではないかと思います。
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          • トルエン感受性プロモーターなんていうのがあるんですね.初耳です.

            今回の発表で,私が特異的なプロモーターではなくて一般的なストレス感受性のもの
            を使ったのではないかと思ったのは発表中に重金属の除去についても書かれていたり
            Arabidopsisはそのままでもストレス下では赤くなるためだったのですが,今日見た
            ところNatureのサイト [nature.com]にも情報があって,NO2感受性なのだそうです.
            (重金属などはこれからの研究ということでこの株とは異なるようです)

            前回の書き込みをした後に思いついたのですが,既に生えている雑草を除去するため
            には人手で刈らなくても除草剤をまけばいいので不可能ではありませんね.
            ただ上記の記事を読む限りでは実証テストはまだまだのようで,フィールドで本当に
            地雷を検知できるのか,埋められてからどの程度の期間なら検出可能なNO2を発生す
            るのかなど,実用化には時間がかかりそうです.

            まあ記事の最後にグリーンピースの人が言っているように地雷を取り除く方法の開発
            よりも,科学ではどうにもできない政治の問題の方が大きいのでしょうけれど.
            --
            kaho
            親コメント
    • Nature Science Update [nature.com]に判りやすい解説がでました。地雷から出ているNO2ガスを検知して紅葉するように改変したもののようです。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2004年01月26日 14時13分 (#481123)
    爆発物も分解してくれると良いのに。

    そうすれば、地雷原に種を蒔いて、数年後には安全になる。
    (何となくB級SFのネタになりそうな予感)
    • by Anonymous Coward
      >何となくB級SFのネタになりそうな予感)

      アーサー・C・クラークの「トリガー」(上下巻、ハヤカワ文庫SF)があります。
      特殊な放射線で火薬を強制的に爆発させる、という技術を開発しちゃった人の物語です。
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アレゲはアレゲを呼ぶ -- ある傍観者

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