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電子地図の作図原理が特許紛争に 34

ストーリー by yoosee
ほんとに独自の技術なの? 部門より

maia曰く、"電子地図の作図原理の特許を保有する「丸石デジタル」(丸石自転車の子会社)は、国土地理院と地図メーカーに対して特許侵害を指摘し、主要メーカーなどに損害賠償を求め提訴する構えだ(共同通信報道)。
地図のデジタル化に関わる作図の原理(輪郭の線をコンピューターにそのまま線として自動的に認識させる作図技術)は1992年に西石垣氏によって特許出願され、1998年に成立した。主要地図メーカーは特許庁に「無効」を申し立てたが2001年3月に却下された。当時の国土地理院は、特許については「難解で解読が困難」「特許条件のすべてに該当しなければ、一部が触れても特許侵害に当たらない」と考えていたようである。業界団体も勉強会を開いた程度で、特に対策をとらなかった。その後、特許権は西石垣氏から丸石デジタルに譲渡され、本格的な特許紛争に発展した模様だ。
ところで、この特許はグラフィックソフトの「オートトレース」とは違うのだろうか?"

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  • 子会社って (スコア:2, 参考になる)

    by deleted user (3598) on 2004年02月07日 13時35分 (#491050)
    去年の12月の初めに設立 [maruishi-cycle.com] (PDF) されてたんですね。
    特許の運用?は12月の末 [maruishi-cycle.com] (PDF) から。

    それから一ヵ月経って動き始めた、と。
    --
    =^..^=
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    • Re:子会社って (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2004年02月07日 20時35分 (#491302)
      丸石自転車の平成15年11月期の決算短信 [maruishi-cycle.com]には、

       「…平面地図を電子地図化する地理情報システム(GIS)技術の特許
       (特許の名称「地図データ作成方法及びその装置」)の存在を知り、
       その特許権の有効活用を目的とする事業を推進する為、丸石デジタル
       株式会社を平成15 年12 月に設立し、当該特許権を取得しました。」

      とありますから、目的通りの行動なんでしょう。
      親コメント
  • by gtk (14477) on 2004年02月07日 17時47分 (#491209) 日記
    定額制IP携帯電話で株価吊り上げを目論んで破綻した会社 [srad.jp]を連想しちまうんだがなあ。

    業績がアレで、私募債発行しまくってて、得体の知れない会社が大株主に名を連ねていて、監査人を私募債発行後に国際第一監査法人に変更したというところまで大盛工業と同じなのよ。

    構図的には、大盛工業に相当するのが丸石自転車で、JMNに相当するのが丸石デジタルなのではないかと。
  • by GSone (8994) on 2004年02月07日 11時43分 (#490970) 日記
    オートトレースでベクターデータに変換することを指しているように思うんですが、
    92年よりも前にアドビあたりが作ってそうな予感がするのですが、
    どうでしょう?イラレ88あたりってオートトレースはまだなかったんでしたっけ。
    • 参考:特許情報 (スコア:3, 参考になる)

      by prajna (18168) on 2004年02月07日 12時40分 (#491006)
      西石垣さんの取得特許一覧

      1. 特開平10-123942 住宅地図及びその作成方法
      2. 特開平08-106530 地図データ作成システム
      3. 特開平06-259490 回路パターン情報作成装置
      4. 特開平05-073659 地図データ作成方法及びその装置

      (特許庁は直接リンクを張れないので検索でこれを入力)
      ニュース [c-crews.co.jp]を読む限り、時期的には4番目のものが該当しそうですね。

      しかし、

      > 慌てた国土地理院は業界団体の「日本測量調査技術協会」と情報交換する
      > とともに同年11月、作製部門の担当者らを集め対策会議を開いた。
      >
      > 地理院の内部文書によると、会議では①地理院(とメーカー)が使用し
      > ている作図システムは特許に抵触している旨の指摘を受ける可能性がある
      > 特許法との関連で法的対応の検討が必要―との指摘があった。
      >
      > しかし議論は紛糾。結局、特許内容については「難解で解読が困難」と専
      > 門的な検討を棚上げしたまま「特許条件のすべてに該当しなければ、一部
      > が触れても特許侵害に当たらない」との見解をまとめた。

      これはちょっとのんびりしすぎてはいませんか?電機メーカー系ならば決
      してありえない「対策」ですね…
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2004年02月07日 13時07分 (#491030)
        特許戦略や特許管理手法は電機メーカーとそれ以外ではまるで考え方が違うのです。電機は最先端を除けば一つの特許でその分野をすべて押さえられてしまうというものは少なく、製品サイクルも短く技術自体の寿命も極めて短いです。よって特許技術一つ一つの子細な検討よりも、お互い数を出した上で(カードゲームのように)めまぐるしくクロスライセンスするというのが基本になります。(その交渉や調整が知財部門の長の主な仕事だったりする)

        その意味で、他社に特許をおさえられるということは日常茶飯事なので、それを前提に対策(自社の持つ有力な特許との交換利用を打診する、別の会社の類似特許を指して値切る、等)することに慣れ、長けています。

        これがたとえば医薬だと、ある物質をおさえられたらもう代替は不可でその分野の独占を許してしまう、ということが多いため、それとはまた違う緻密なウォッチ、トレースをもって戦います。

        で、地図メーカーは… こないだの他社の地図データの盗用問題のように、知的財産についての意識が欠如しているのかもね。
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      • by Anonymous Coward on 2004年02月07日 13時26分 (#491043)
        4番目のものを斜め読みしてみましたが、ベクトル化したあとのデータを処理して閉領域(住宅とか道路とか)を構成するようにするもののようですね。読取時の誤差などで途切れた場合は自動的に閉領域を生成できないので暫定的な面情報をオペレータに提示したりもするようです。
        地図分野の業務常識がないので、これでどのへんが効率化できるのか今一不明確でした。
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    • by Anonymous Coward on 2004年02月07日 13時01分 (#491023)
      オートトレースでベクターデータに変換することを指しているように思うんですが、 92年よりも前にアドビあたりが作ってそうな予感がするのですが、 どうでしょう?イラレ88あたりってオートトレースはまだなかったんでしたっけ。
      随分前に読んだので、詳細はスッカリ忘れてしまいましたが、ラスターから線分を抽出してベクトル化し、その交差点を抽出後、右回りだか一定方向に交差点をトレースしていくことにより、ラスベク変換時に生じた線分の途切れなどのエラー要因を検出して、それを外部装置に表示することによって、ポリゴン化における修正の効率を上げるといった趣旨だったように記憶しています。

      ただし、その根幹である途切れ点の検出アルゴリズムが数回読んでも理解できず…というか、本当に書いてある方法で役にたつものになるのかなという疑問がぬぐえないものでした。それでも特許は成立していることは事実で、成立後、関連する数社で無効裁判を起こしたのですが負けちゃったらしいです。

      当時、エン企画が所有し主張していたのですが、他に売っちゃったということでしょうか。当時からアヤシサ爆発というのが風評だったのですが、それを買う会社っていったいどんな展開を考えてのことなんでしょうか?

      親コメント
      • なんか既存の技術なんだけど、なんか「すごいもの」を付加したように、
        難しい言葉を組み合わせて、特許とっちゃった、みたいに見えて、
        なんていうか、技術者が無知なクライアントとの打ち合わせで
        横文字を並べ立てて黙らせて煙に巻く手法みたいで嫌ですね。
         
      • 20年以上前、学部の卒論でそういうのをやりました。細線化処理に時間がかかるのでラスタデータのまま線を追跡し、交点では半径N(Nを何通りか変えて実行)の円周状から線を探して登録、というような処理をFORTRANで書きました。

        知らない間に手製のスタックを
    • by alp (1425) on 2004年02月07日 12時23分 (#490998) ホームページ 日記
      Adobe の Streamline です。1.0 は 90 年頃だったとおもう。この特許まだ見ていないから何とも言えないんですが、地図作製に特化した条項があったならこれだけでは潰れないでしょう。

      但し、「特許条件のすべてに該当しなければ、一部が触れても特許侵害に当たらない」は全くの事実なんですけど、また新聞記者の無知の丸出しかな。

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      • by GSone (8994) on 2004年02月07日 12時30分 (#490999) 日記
        成程。
        まあアドビの技術があったからといって特許自体は潰れないのですが、
        他社の製品で、すでに実現化されている技術の「亜流」もしくは「オマケつき」の技術であるとすれば、
        そもそも特許所有を盾に特許侵害を訴える言葉の説得力が、下がると思いますね。
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        • by alp (1425) on 2004年02月07日 12時46分 (#491010) ホームページ 日記
          関係ないです。あくまで抵触しているか否かだけ。特許侵害の主張に真っ向から対抗するには、「亜流」であることを主張して進歩性に絡めて特許潰す以外に方法はないです。類似公知技術をちらつかせて値切り倒す、という対処の方法はあり得ますが、今回国土地理院はそういうことを考えてはいないようですし。
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          • by GSone (8994) on 2004年02月07日 13時24分 (#491041) 日記
            説得力が下がる=潰しやすい と言ってるんじゃなくて、
             
            >類似公知技術をちらつかせて値切り倒す
             
            まさにそういうことです。
            子供の小遣い程度のカネで解決できれば、しめたもんじゃないでしょうか。
            親コメント
      • 確かに手元のStreamlineのCopyright表示を見ると1990,1994,1997となってますね。
    • 単純なオートトレースじゃなく、地図に特化した認識方法やアルゴリズムがあれば、特許としては成り立つんじゃないでしょうか。
      実際の特許内容を見てるわけじゃないので、あくまでも一般論ですが。
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    • by nInfo (14824) on 2004年02月07日 13時27分 (#491045)
      1992年より前の(バージョン2.0?3.0?)Canvas [deneba.com]に実装されていたような気がします。

      親コメント
    • MacDraw と MacPaint の融合ということだと SuperPaint あたりかな...

      特許の話とは別
    • Win3.1 の頃に使っていたCorel Draw なんかも
      オートトレース機能付いていたような覚えが。

      でもこのソフト出たのって92年あたりだった気がするんで、
      自分が使ってたより以前のバージョンのCorel Draw に
      オートトレース機能が付いていないと、無効の材料にはならないのかな……
    • 出力が、ちゃんと使える測量図になってるところが重要なのでは?
  • by STnet (19911) on 2004年02月07日 13時08分 (#491032)
    汎用CADのVectorWorksでも結構前からオートトレース機能が実装されてますけどねぇ.
    いつから実装されてるかは裏取れず...

    #「オートトレース」を「オートレース」と読み間違えた(恥
    • Re:VectorWorks (スコア:3, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2004年02月07日 14時02分 (#491059)
      #491023 [srad.jp]および#491006 [srad.jp]参照。
      ベクトル化のあとの処理が問題のようです。

      【特許請求の範囲】
      一応わかりやすく分離してみる。{(1)~(6)}が閉領域の生成方法です。特に(4)(5)(6)がキモかと。実施例を読むともう少しイメージがわきます。

      【請求項1】

      (1) 地形図等の原図を読み取って得られるラスターデータからベクトルデータを作成した後、
      (2) 該ベクトルデータを二次元の線データに変換し、
      (3) それらの線データを座標上の線分に変換し、該線分を所定方向に接続し、

      (4) 終点が始点と一致したときはそれらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成し、

      (5) 終点が始点と一致しないときはそれらの線分からなる面データを自動的に作成して、該面データの前記不連続となる始点及び終点を報知表示し、
      (6) 該不連続点から任意の点又は線へ接続する線データを入力に基づいて生成する


      ことにより該面データに対応する閉領域データを作成し、
      上記各閉領域データに属性データを付与可能にして該閉領域データを記憶、表示又は印刷する地図データ作成方法。

      【請求項2】 同様の内容を持つ「地図データ作成装置」
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        > (4) 終点が始点と一致したときはそれらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成し、
        > (5) 終点が始点と一致しないときはそれらの線分からなる面データを自動的に作成して、該面データの前記不連続となる始点及び終点を報知表示し、
        > (6) 該不連続点から任意の点又は線へ接続する線データを入力に基づいて生成する

        ポリゴンペースのモデラーソフトなら、珍し
        • by Anonymous Coward
          >この処理、わたくし、10年程前から実装して、使ってるんですが

          先に実装して利用していることが、証明できれば、払う必要がありません。
    • Re:VectorWorks (スコア:2, 参考になる)

      by hitopin (2384) on 2004年02月07日 13時37分 (#491052)
      MiniCAD(VectorWorksの前身)のver5にはまちがいなくあったよ。
      参考文献参照 [morikita.co.jp]。
      この本は95年にでてるね。
      その前にもあったかな?ver4は使ったこと無いのでわからない。
      親コメント
typodupeerror

私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

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