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8008 story

マウスで単為生殖に成功 70

ストーリー by Acanthopanax
竹取の翁 部門より

MIYU曰く、"東京農業大学河野友宏教授らが、哺乳類では不可能だと考えられていた単為生殖にマウスで成功したことが22日付の「ネイチャー」誌に発表されます(読売新聞記事)。
このマウスは、マウス胎仔の発育に関連するH19遺伝子から13-kilobaseを削除する、という遺伝子改変を行った特別のマウスから未成熟な卵母細胞を採取して培養し、その核を取り出して別のマウスの卵子に移植し、化学物質で刺激を加え受精卵の様に分裂させて母胎に戻す、という操作を行って誕生させたものだそうです。(Natureによる論文概要: Birth of parthenogenetic mice that can develop to adulthood [成年期に発育することができる単為生殖のハツカネズミの誕生])
母胎に戻した371個の胚から、正常に生まれたマウスは2匹だけだそうですが、1歳3か月まで成長し生殖能力も有ることが確かめられています。(NatureのWeb記事には「かぐや」と名付けられたマウスと その子供の写真が掲載されています。)
今回の手法には遺伝子改変が必要なので、そのままの形で人間に応用することは出来ないそうですが、優良な家畜の育種に役立つと見られています。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Pen2 (18210) on 2004年04月22日 9時13分 (#536150)
    1万3千 塩基 (卵子だから 塩基対base-pairじゃないのか?)
    • Re:13-kilobase (スコア:2, 参考になる)

      by MIYU (17727) on 2004年04月22日 10時22分 (#536205)
      この話のNatureWeb記事が、
      Mouse created without father [nature.com]
      マウスは父親なしで作成されました [mypress.jp])なんですけれど、
      胎児の発育に関係しているのが「h19」と「igf2」という遺伝子で、
      この二つはエンハンサー競合により特異的な対立遺伝子発現を示す [nig.ac.jp]そうです。

      記事によると、精子モドキの方の「卵の提供主(雌)」の遺伝子が両方の働きを欠くように操作されたという事なので、それが1万3000(申し訳ないですが、塩基か塩基対かわからないです)の削除なのではないでしょうか。

      刷り込み(インプリンティング)は、父・母由来の対立遺伝子間に発現差をもたらす現象、非メンデル遺伝を示す現象、哺乳類の単為生殖を妨げる現象として知られているものだそうです。

      記事によると河野教授の次の目標は「ブタ」だそうです。

      親コメント
    • DNAは二重らせんなので卵子だろうが精子だろうが個体だろうが対になっています。
      従ってkilobaseといってもkbpと言ってもたいていの場合同じことです。
      今回のような研究において、deletion操作を行ったのがH19とIgf2を含む1万3千
      塩基にわたる領域なので、使用する単位としてはkbの方が適切でしょう。

      染色体が2組あるかどうか、ということでしたら単位には現れません。
      --
      kaho
      親コメント
  • by ncube2 (2864) on 2004年04月22日 9時44分 (#536176)
    この手で生まれたマウスは、その後どんな宗教活動をするの?(ぉぃ)
    • Re:で、 (スコア:2, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2004年04月22日 9時49分 (#536181)
      水からワインを生成するバイオ工場の部品となります。
      親コメント
      • by renja (12958) on 2004年04月22日 9時59分 (#536188) 日記
        そういえば
        日本酒(そのほかの飲み物でも良いのですが・・・)からビールを造り出す
        という宴会芸がありましたな。
        東京農大のやつが「このたび、東京農大では、日本酒からビールを造り出す技術を開発することに成功いたしました!!」という前口上でやってましたが、
        ウケをとるためとはいえ、わたしにゃ真似できないはなしですね^^;

        #ちなみにそいつは次の日の朝、自分のビールにまみれて目を覚ます羽目になりましたが・・・。

        下ネタだけどID
         
        --

        ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        パンと魚の瞬間大量クローニング工場も
    • by Anonymous Coward
      乙女の園で、スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせないように……マウスさまがみてます。
    • by Anonymous Coward
      この人 [google.co.jp]みたいになります。
  • by halo (12510) on 2004年04月22日 9時54分 (#536184) 日記
    単為生殖とあったので、哺乳類の1倍体に成功したのかと
    思いましたが、

    >未成熟な卵母細胞を採取して培養し、その核を取り出して別のマウス
    >の卵子に移植し、

    とあるので、普通の二倍体ができてるんですよね?
    どっちかというと、クローニングの新しい手法のような
    気がするのですが、これも「哺乳類では不可能とされて
    いた」んでしょうか。

    卵母細胞からスタートなので、体細胞クローンと比べて、
    テロメアが短くって老化が云々の問題を回避できるのか
    な?
    • これまでにも植物やカエルやニワトリでも、卵子だけで生体が発生することは知られていました。
      日本語で何というか知らないのですが、parthenogenesisと言います。
      例えば何かの化学物質を与えたり、何かで突っついたりすると卵割が始まってしまうので、これ
      までにも「オスはいらないんじゃないのか?」という疑問があったわけです。ただし、こうやっ
      て産まれた個体は不稔/不妊なのですが。

      では同じことがほ乳類でもできないのか、ということで当然研究がされてきましたが、今までは
      成功していなかったのです。
      この原因がインプリンティングと言われる、染色体の科学的な修飾にあるという予想がこれまで
      有力でした。
      インプリンティングというのは、DNAではなくて、そのDNAが巻き付いているタンパク質のヒスト
      ンが(メチル化やアセチル化という)修飾を受けることである遺伝子の活性を決めている現象で
      す。DNAを読んだだけでは分からないのですが、インプリンティングのせいである遺伝子は父親か
      らもらったものが、ある遺伝子は母親からのものが、という発現パターンをみせたりします。

      以前の研究では、インプリンティングを押さえるような環境下での卵子のみの発生が見られない
      かという実験がされていたそうですが、今回の研究ではインプリンティングを受ける領域を人工
      的になくしたマウスの卵母細胞からとった染色体を卵子に注入したというところがこれまでのや
      り方と大きく異なっています。
      驚くべきことにこのようにして産まれたマウスはそのご健康に育っただけではなくて生殖能力も
      獲得しているということです。

      私が更に驚くのは、インプリンティングを受けるのは今回のマウスが欠損しているIgf2/H19領域
      だけではないはずなのに、この一領域の欠損だけで可能になったということです。(この領域は
      面白くて、片方の親由来のIgf2が発現する個体ではそちらの親からもらったH19は発現しない、
      というたすきがけ状態で、インプリンティングの研究対象として頻繁に用いられます)
      ひょっとしたら成功確率が非常に低かったのはその他の被インプリンティング領域の影響なのか
      もしれませんが、誰も「一個所くらいでは無理だろう」と思っていたに違いないところを確信を
      持って突き進んだ今回の研究には感服しました。
      --
      kaho
      親コメント
      • parthenogenesis=単為発生、で通っているようです。ただ、これだとちょっと漠然としているので、必要に応じて自然単為発生/人工単為発生と使い分けた方がいいのかもしれません。

        インプリンティングについては
        国立遺伝学研究所のページ [nig.ac.jp]に解説があります。

        ぐぐってみたところ、自然単為発生自体はいろいろな生物で起こるようで、ヒト卵子の自然単為発生は0.1%程度の頻度 [nii.ac.jp](致死なので普段は気づかれない)で、下等動物(ヒトデ)には自然単為発生のみで増えるものもある [u-ryukyu.ac.jp]ようです。
        --
        yp
        親コメント
      • Re:単為生殖 (スコア:1, 興味深い)

        by Anonymous Coward on 2004年04月22日 11時43分 (#536283)
        >ただし、こうやって産まれた個体は不稔/不妊なのですが。

        これは、2nではなく、nになってしまうからでしょうか。あるいは、原理的に極端な近親交配の状態になって、劣性だった致死遺伝子が働いてしまうからでしょうか。

        今回のマウスは精子の代わりに他の個体の卵子の遺伝情報を使っているので、近親交配的にはならないと思います。

        >インプリンティングというのは、DNAではなくて、そのDNAが巻き付いているタンパク質のヒストンが(メチル化やアセチル化という)修飾を受けることである遺伝子の活性を決めている現象です。

        どちらかというと、DNAのメチル化がインプリンティングを決めているように思っていたのですが、ヒストンの修飾が重要なのでしょうか。

        >誰も「一個所くらいでは無理だろう」と思っていたに違いないところを確信を持って突き進んだ今回の研究には感服しました。

        なるほど。すごいですね。

        ところで、Igf2/H19領域というのを初めて聞いたのですが、たすきがけ的な発現というのはエンハンサー競合 [srad.jp]というような特別な制御をうけているのでしょうか。このような制御は哺乳類の雌のX染色体不活化にも関わっているのでしょうか。
        親コメント
        • >これは、2nではなく、nになってしまうからでしょうか。

          そうだと思います。全ての種についてそうか、と言われると自信ありませんが。

          >どちらかというと、DNAのメチル化がインプリンティングを決めているように思っていたのですが、ヒストンの修飾が重要なのでしょうか。

          なかなか鋭い指摘ですね。
          どちらが本質的か、というところにはまだ少し議論がありそうです。
          細胞分裂の時、染色体のコピーが作られるのですが、その時コピーとしてつくられた
          方の染色体は、メチル化やアセチル化がヒストンもDNAもされていないはずです。
          しかし娘細胞では母細胞のインプリンティングを引き継いでいる(例えば後述する
          Igf2/H19領域ではIgf2が父親から、H19は母親からの遺伝子が発現します)ので、
          DNAのメチル化を鋳型としたヒストンのメチル化とヒストンのメチル化/アセチル
          化を鋳型としたDNAのメチル化の両方が起きているのでしょう。

          かなり前に調べたのでちょっと記憶があいまいなのですが、受精時にはDNAは脱メ
          チル化されているのでインプリンティングを記憶しているのはDNAではない、だっ
          たか、ヒストン中心の実験結果が出ていたように思います。

          >ところで、Igf2/H19領域というのを初めて聞いたのですが、たすきがけ的な発現というのはエンハンサー競合 [slashdot.jp]というような特別な制御をうけているのでしょうか。このような制御は哺乳類の雌のX染色体不活化にも関わっているのでしょうか。

          エンハンサー競合はこの領域では起きていないとされています。
          片方の遺伝子を無意味な配列に置換してもたすき掛け的な発現があるので。
          検索してようやくいい図があったので紹介します [virginia.edu]と、オス由来の
          H19近辺のDNAはメチル化されているので、転写因子が上流のIgf2を転写し、
          メス由来の染色体ではその逆にH19の方が転写される、というメカニズムに
          なっています。

          X染色体に関しても、全てそれで説明がつくわけではないでしょうが、メスに
          おいてまるごと一本のX染色体が不活化しているわけではなく、遺伝子ごとに
          メチル化による不活化を受けて発現量が調節されているだろうと考えられて
          います。
          --
          kaho
          親コメント
      • by halo (12510) on 2004年04月22日 11時45分 (#536287) 日記
        読売の元記事を改めて読み直しました。

        > 精子により近づけるため、遺伝子を改変した特別なマウスを作り、
        >未成熟な卵母細胞を採取。目印が付かないように工夫して精子に似た
        >状態を保つ卵子を作った。

        ということで、減数分裂させた卵子を使ってるんですね。でも、

        >その後、この卵子の核を、別のマウスの卵子に精子の代役として移植
        >し、化学物質で刺激を加え、受精卵のように分裂させた。

        んー。これって、別コメント [srad.jp]のACさんの言う通り卵子+卵子で
        変則的な受精卵を作ったように読めますね。今までは有性生殖=異性生殖
        だったのが、同性な有性生殖という感じ。
        #むしろ同性愛者への朗報なのかも。

        それだと、たしかにクローニングではないけど、一倍体型の単為生殖
        でもないので、やっぱり「哺乳類では不可能とされていた」単為生殖
        に成功という感は薄いです。不妊じゃなくても不思議でもないし。
        #kahoさんが書いておられるように研究成果としての価値はあるんだろうと
        #思いますよ。もちろん。

        それともやっぱり一倍体なのかな。それだったらたしかに凄いんだけど。
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        # 便乗ツッコミ

        >誰も「一個所くらいでは無理だろう」と思っていたに違いないところを確信を持って突き進んだ

        確信は無かったかも。
        でも、たとえ単為発生に失敗したとしても、「一箇所くらいではやっぱり無理」「この方法では無理」ということがわかるので、実験は無駄にはならないですね。
    • Re:単為生殖 (スコア:2, 興味深い)

      by SteppingWind (2654) on 2004年04月22日 12時02分 (#536300)

      爬虫類までなら例えばオガサワラヤモリ [infoweb.ne.jp]みたいに単為生殖するものもいるので, 哺乳類でも何かのの要素があれば(または無ければ)可能なんでしょうね.

      ただ単為生殖といっても, 今回は一旦減数分裂した核を再度受精させているので, 例えばA-BというペアからはA-A, B-B, A-Bというペアが出来る可能性があり, 母と娘の遺伝子は異なってくるわけですけどね.

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      というか、分裂増殖に成功したのかと思っちゃったよ!!
      元の鼠から余分な頭や手足が生えて、新しい個体が「ぽこっ」と出てくるのかと。
      想像したら、怖かった……(T_T)

      # 第七の封印 [amazon.co.jp]みたいに。
      • by halo (12510) on 2004年04月22日 10時32分 (#536215) 日記
        うう。そんなこと思ってなかったのに。イメージが頭に浮かんじゃったよ(T_T)

        ># 第七の封印 [amazon.co.jp]みたいに。

        あれ、これ読んでないな。
        ティプトリーの「汝が半数染色体の心」とか、コードウェイナー・スミスの
        「シェイヨルという名の星」とかもお勧めですね ;)
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        ># 第七の封印 [amazon.co.jp]みたいに。

        ごめん、間違った。m(_ _)m

        手足が生えるのは反逆の星 [amazon.co.jp]のほうだった。

        # 読んだのはかなーり昔だったんで、うろ覚えもいいとこなのよ。
    • by Anonymous Coward
      これはクローンとは全然違って、単にメスをオスの代わりに使っただけだから、レズの男役が完璧になって有性生殖をしたと言うことだね。
  • by Anonymous Coward on 2004年04月22日 9時00分 (#536145)
    ということなんでしょうか。。。
    ついに雄滅亡。
  • by Anonymous Coward on 2004年04月22日 10時42分 (#536227)
    いつも右手で握っているものがまず頭に浮かぶんだよな。
    え?右手で握っているものはもういらなくなるって!? _ト ̄|○
  • by Anonymous Coward on 2004年04月22日 11時09分 (#536250)
    >母胎に戻した371個の胚から、正常に生まれたマウスは2匹だけで、18匹が死産、8匹は体が小さく産後すぐに死んだ。

    どうなのこの辺は?
    生存率とか上げられるの?
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