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犬は見かけによらない、という研究 19

ストーリー by GetSet
チャウチャウの皮をかぶった狼 部門より

SIA 曰く、 "朝日新聞の記事によると、アメリカでの遺伝病の研究にて犬種のDNAを互いに比較したところ、オオカミと遺伝子的に近いのは外見の似ているシェパードではなく、全然似ていなさそうなチャウチャウであったという結果がサイエンス誌に発表されるそうだ。犬の純血種を管理するアメリカンケネルクラブに登録された85種414頭とオオカミのDNAの比較によって明らかになったとのことで、同じようにオオカミに近いとされたのは日本の柴犬や秋田犬であったという。これってヒトのみならず「犬も見かけによらない」というところでしょうかねぇ?"

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  • チワワは犬に非ず [x51.org]」

    信じるかどうかは別として・・・。
    --
    "Not a psychopath, I'm a low-functioning sociopath."
      (変質者じゃない、低機能社会不適合者だ。)
  • by blackdrug (13208) on 2004年05月21日 10時23分 (#552802) 日記
    シェパードは品種改良 [geocities.co.jp]されてるから見た目が似てても
    やはり遺伝子的には変わってきているということではないでしょうか?
    むしろ何も手を加えてない秋田犬やチャウチャウのほうが遺伝子的には似てると。

    #オオカミ?ちゃうちゃう!
  • by MIYU (17727) on 2004年05月21日 11時34分 (#552858)
    Genetics help hound health [nature.com]、訳文 [mypress.jp]

    研究では、犬のDNAから各種類間の明瞭な違いを示す、96の際だった領域を特定したそうです。「Science」誌の中で報告された研究では、それに基づいて400種以上の異なる種類が記述されました。

    ほとんどの種類は過去数百年間のヨーロッパでの交配種だそうですが、古い血統を持つ犬(シャーペイ犬、ペキニーズ等)も発見されており、それらのうちのいくつかは2000年程前のアジアまたはアフリカに発祥の地を持つそうです。

    研究者は、現代の犬を大きく3つのカテゴリーに分類し、大まかな用語で、ヘルダー:遊牧犬(コリー、シープドッグ)、ハンター:猟犬(ハウンド、テリア)、ガード:番犬(マスチフ、ブルドッグ)と名付けています。
    このようなグループは、ヨーロッパ人が最初に血統クラブを設立した1800年代に発生したのではないか、と推測されています。

    • 重箱の隅をつつくようですが、とりあえずコメント。

      ・400種以上の異なる種類
       →85品種からなる414匹の犬です。一品種から一匹だと品種内の分散と品種間の分散の区別ができないので。

      ・96の際だった領域を特定
       →これは著者らの仕事ではなくて既に報告されていたマイクロサテライト領域(後述)を用いたものです。

      普通種の比較を行うためにはミトコンドリアの変異しやすい部分の配列を読んで比較するのですが、
      それは数十万年単位での進化をみられても数百年単位はできないので品種間の比較には使えません。
      そのため、人間でも親子判定に用いられるマイクロサテライトという、数百年でも変化が起きる配列
      を使うしかないわけです。

      次に、これは東洋の犬に反応しやすいのではないか? [srad.jp]という疑問についてですが、
      そういうことはないだろうと思います。
      しかしこの論文の著者らは医学部の所属であることからも系統分類や進化に関してはあまり明るくな
      いようで、別の理由で秋田犬やチャウチャウがオオカミに近いという結論は誤っている可能性が高い
      と思います。
      細かくいえば系統樹の作り方や評価の方法は素人としか言えませんが、それは専門的すぎるので言い
      ません。

      犬の品種改良は狩りや牧畜の目的からヨーロッパの方が盛んに行われ、そのため他の品種から隔絶した
      小さな集団で維持されて来ました。
      集団が小さいだけでは見かけの進化速度が変わる訳ではないのですが、そこに人間による人為的な選抜
      が加わることによりある特定の血統だけが強調される効果が加わっていたはずです。
      このような状況下ではあきらかに自然状態よりも特定の血統(=配列の保持家系)が増えるので、そう
      いった強い選抜を受けてつくられた品種は元の種であるオオカミから見て、他の犬よりも離れてしまう
      ように見えるでしょう。

      一方犬のマイクロサテライトはたかだか96個で、特定の病気と関連づけられているわけでもないし、
      1品種あたり数匹の(病気になっているかどうかわからない)個体では統計的に意味のある解析ができ
      るとは思えないので、疾患との関連は見いだせないでしょう。

      よってこれだけでは犬の品種の分類に役立っても、犬の家畜化の起源も分からないし犬の病気を知るた
      めにはもしかして少しくらい役立っても人間の病気には何の役にもたたないなあ、というのが感想です。

      #最初は獣医学部の研究なのかな、と思ったのですが、医学部なんですよねえ。
      #単に犬好きだったとんでしょうか・・・・
      --
      kaho
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      • by MIYU (17727) on 2004年05月21日 16時32分 (#553115)

        申し訳有りません。書き方が悪かったです。
        「96の際だった領域を特定」する為に利用されたのが、 ドッグショーなどで承諾を得た、「85品種からなる414匹の犬」です。
        領域が既報だというのは訳していて気付きませんでした。有り難うございます。

        アメリカのケンネルクラブの血統リスト [akc.org]には、 Recognized Breeds(これが152種です)の他に、Miscellaneous Class Breedsと Foundation Stock Service Breedsがあります。 400種というのは、そのような分が数えられているのだと思います。(私自身は犬の血統には詳しくないので、それが正しいのかどうかは判らないです )

        アメリカのケンネルクラブの血統リストは、写真とビデオ付きで 見てとても楽しい物ですので、犬がお好きな方はぜひ そちらをご覧になってみて下さい。

        以前 y_tambe氏が「Taxonomy(分類学)の領域は独特だ」、とコメント [srad.jp]されていましたが、こういう人為的な交配を繰り返したものの場合どのレベルで「種類」として確定した事になるのか、またどの部分の遺伝子でオオカミと近いと判定を下したのか、が興味深いです。 犬は、チワワ [akc.org]とセントバーナード [akc.org]のように見かけ上かけ離れていても交配出来ますし、オオカミとの交配も可能ですので。

        私は、「犬の品種の分類が出来るようになった」という話だ、と思って英文記事を読みましたが、やっぱり人間の病気の為には今のところ役に立たない話なんですね。
        人間の病気の研究の為には、すでにゲノム解析も終わっているラットとマウスがいますので、愛犬家が病気の管理をするために役立つという所まで行けば十分なんでしょうね。
        親コメント
        • >愛犬家が病気の管理をするために役立つという所まで行けば十分なんでしょうね。

          日本に限らずペット好きの人は研究者にもたくさんいて、セレラがゲノムの解読サービスを
          プレゼンしたりすると「私はイヌ好きなんだが私のイヌを読むのにいくらかかるんだ?」
          なんていう質問がとんだり。
          今回の研究もやっている人のイヌ好きが高じてなんじゃないかと、まあそう想像するところです。

          品種の分類というのは、種の分類をする分類学の領域ではなくてもう育種家のものなのですが、
          チワワが流行るとチワワと称して雑種犬を売る悪徳ペットショップへの対抗措置としては有効
          なのかもと、今ちょっと再評価気分です。(笑)
          --
          kaho
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          • by MIYU (17727) on 2004年05月21日 23時46分 (#553362)
            反省してGoogleしました。

            人間と一緒にいる犬は全部、イヌ科(Canidae) イヌ属(Canis)で、タイリクオオカミ・ 写真 [berkeley.edu](学名は、Canis lupus)の亜種 イエイヌ(familiaris)です。

            Wayneという方の研究 [floridalupine.org]によると、イエイヌとタイリクオオカミのミトコンドリアDNAの塩基配列は0.2%(核DNA換算だと0.1%未満)の違いしかなかったそうです。コヨーテとタイリクオオカミの違いは4%なので、イエイヌの方が近縁だと解説されています。(ちなみにヒトとチンパンジーの核DNAだと1.23%、ヒト同士でも0.1%の違いが有るそうです)

            また、イヌ属の動物は全て互いに交配可能で 子孫も繁殖力がある為、日本でも猟犬は強い血を求めて オオカミと意図的に交配することが行われていたそうです。

            Canidae(イヌ科)の12属 [ocn.ne.jp] 、  ニホンオオカミの学名 [ocn.ne.jp] より

               # 賢い秋田犬に「お守り」をされていたらしい MIYU
             
            親コメント
        • 医学上はあんまり役に立ちそうにないということには同意ですが一点だけ。

          >人間の病気の研究の為には、すでにゲノム解析も終わっているラットとマウスがいますので、

          残念ながら、というか、ラットとマウスだけではどうしても補いきれない部分というのは結構あります。それがいちばん顕著なのは感染症の分野で、ウイルスや細菌などは宿主特異性があるために、ある動物では感染や発病をしても別の動物にはまったく感染しないものがたくさんあります。そのため、ヒトに感染する病原体を研究しようと思っても、マウスやラットに感染しないために実験できない場合があるわけです。そういう場合には人体実験をするわけにもいきませんから、いろんな動物の出番になります。

          #もちろんヒトの培養細胞を使った研究も行われますが、細胞だけでは個体の反応をすべて見ることはできないので、動物個体を用いた実験も併せて行うのが必須です。

          ただしイヌに関していうならば、感染症的にはイヌとヒトにしかかからないものというのは少ないです。むしろ実験動物としては、消化管の研究に重要で、この分野では未だにイヌが欠かせません。これは主に生理学/解剖学的な部分(薬剤への反応性とか臓器の大きさとか)からの理由だそうで、また同時にこれまでの研究実績による知見の多さも使われる理由の一つでしょう。この面から言えば、イヌゲノムの解析にも十分医学的な実用性はあると思います。

          #オフトピですが、ネコは中枢神経(脳各野の位置の個体間ばらつきが小さい)、モルモットは心臓ペースメーカー(イオンチャンネルの応答性がヒトに近い)などの生理学的研究によく使われます。
          親コメント
          • by MIYU (17727) on 2004年05月22日 20時54分 (#553976)
            「in vitro」から始まって、細胞、培養組織、単純な有機体、 哺乳動物、最後に人間。テストの為の長い道のり。 それでも、全員にとっての完全な安全というのは難しい。

            ヒトゲノムの解析が進み、他の動物のゲノム解析が進み、 病気の治療が安全な・有効なものになるのだろうか、 と思いながら記事を追います。
            今待っている者には間に合わなくとも、その分のデータも含めて 次の代の役に立つのだ、と思いながら過ごします。
            積み重ねる事でしか見えてこない物が有ると思います。


            #「in vitro」の子供達全員の長期間観察調査が始まるそうです。
            親コメント
    • 研究者のカテゴリー分類は片手落ちですな。

      これも追加しときましょう。
      ポシンタン:食用犬(チャウチャウ、中国・朝鮮種)
  • by Anonymous Coward on 2004年05月21日 10時53分 (#552823)
    チャウチャウはチベタン・マスティフとサモエドの混血種が祖先だそうですが、柴犬も古くから日本にいる種で、単に東洋種に特有のDNAが反応しただけじゃないかな。
  • by Anonymous Coward on 2004年05月21日 16時24分 (#553104)
    オオカミの生息地って、すでに1箇所しかなくなっちゃったんでっしたっけ?
    そうでないとしたら、どこのオオカミと比較したんでしょう。
    あと、オオカミのほうも遺伝的に変化しつづけていると思うんですが、それはもちろん考慮されているんですよね?
    さらにさらに、ずっと昔にチャウチャウ(またはその祖先)が野生化したのがオオカミと交雑してる可能性は?

    遺伝子で比較、というニュースを見るたび、上記のような疑問がわいてきます。

    # お約束ですが、
    # チャウチャウの皮をかぶった狼 部門より
    # ↑それはチャウチャウちゃうんちゃう?
    • >どこのオオカミと比較したんでしょう。

      犬の祖先がオオカミであることは科学的に証明されていますので、どのオオカミでも構いません。
      あまり離れている(例えばネズミとか)とそもそも比較になりませんが、犬全体を比較する
      ための原点として(進化の分野では外群と呼びますが)使えればよいのです。
      実験データが正しければどのオオカミを使ってもほとんど同じ結果になるでしょう。

      >オオカミのほうも遺伝的に変化しつづけていると思うんですが、それはもちろん考慮されているんですよね?

      オオカミも当然変化していますが、オオカミに起きた変化と犬に起きた変化が連動しているわけ
      ではないので、それは実験結果に影響を及ぼしません。
      次の、オオカミとイヌの交配の問題を除けば。

      >ずっと昔にチャウチャウ(またはその祖先)が野生化したのがオオカミと交雑してる可能性は?

      オオカミとイヌは交配できますが、人間が意図的に行わないものは例外でしょう。
      また、この実験では純系のイヌを用いていますので、野生化したチャウチャウの血はこの実験に
      入って来ません。
      では純系として完全に管理される前に交配が起きている可能性は、というと、全く排除することは
      できませんが、DNAがオオカミのものである比率はざっくりいって混ざっているオオカミの比率に
      比例するので、そういう交雑が稀なものであればほとんど影響を及ぼさないでしょう。

      日本ではオオカミの血を意図的に入れることが行われたらしいので [ecology.or.jp]オオカミの血が
      混ざっている可能性が一番高いのはおそらく秋田犬だと思います。
      そのためチャウチャウと秋田犬が近そうなのは進化的に近いからではない可能性はあると思います。
      --
      kaho
      親コメント
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海軍に入るくらいなら海賊になった方がいい -- Steven Paul Jobs

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