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リーマン予想解決される? 101

ストーリー by yoosee
数学の難問がまたひとつ 部門より

chiba-f 曰く、 "ITmediaの「米数学者、リーマン予想の証明を宣言」と言うニュースによると、米パデュー大学数学者ルイス・デ・ブランジェス・デ・ボルシア教授が、数学上の未解決問題である『リーマン予想』の証明を行い、6月8日に発表した事を報じています.

リーマン予想とは「リーマンのζ(ゼータ)関数の自明でない零点は複素平面のz=1/2の線上のみに存在する」と言う予想で,数学最大の難問と言われています(ここで自明な零点とは負の偶数(-2, -4, -6, ...)です).リーマン予想が正しいとすると、素数の分布を表す関数の値のもっとも精密な評価が得られることが証明されています.
なお,今回の証明に関する論文ボルシア教授のページからダウンロードできます.このページからボルシア教授は世界の数学者に向けてピアレビュー(評価や意見)を呼びかけています."

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2004年06月10日 15時24分 (#567008)
    リーマン予想
  • ガセネタ ? (スコア:4, 興味深い)

    by djahok (3730) on 2004年06月10日 22時52分 (#567379) 日記
    とりあえず斜め読みしてみましたが、証明のアイデアが書いてある、
    といった程度でこれでは正しいかどうかチェックしようにも無理でしょう。

    しかもmathworld.com [wolfram.com]によると
    そのアイデア自体1998年に反例が見つかっているそうです。

    さらに、このpaper(「論文」とは訳したくない)の日付は2003年5月なんですよね。
    それを今になって発表するというのも不可解です。
    • Re:ガセネタ ? (スコア:4, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2004年06月10日 23時30分 (#567406)
      de Branges は典型的な一発狙いの研究者で、古来からの難問に次々と手をつ
      けて失敗しているはずです。Bieberbach 予想の解決という実績がなかったな
      らば、今回も無視に近い扱いをされているのではないでしょうか。

      Karl Sabbagh,
      The Riemann Hypothesis : The Greatest Unsolved Problem in Mathematics
      Farrar Straus & Giroux, (2003).

      という本を立ち読みしたことがあります。(専門書ではなく、リーマン予想を
      研究している第一線の研究者達のルポルタージュのような本でした。)

      de Branges がリーマン予想に手をつけているという話は、この本の後半の主
      要な話題のひとつで、付録に、この本の執筆時点での「証明」の概要が載って
      いたりします。

      今回の「証明」がこれと同じ方針ならば、もっと早い次期に話題になっていた
      のではないかと思います。
      親コメント
    • by geln12 (18637) on 2004年06月10日 23時35分 (#567412) 日記
      数学は詳しくないので、paperの中身は分からないのですが、

      >さらに、このpaper(「論文」とは訳したくない)の日付は2003年5月なんですよね。

      私も気になって(気になったのは、何で書いたのかという下世話な興味ですけど)PDFの「ファイルのプロパティ」を見てみたのですが、

      なんで、タイミング的には後者が証明なのかなぁと思っていたんですが、タレコミ文リンク先 [purdue.edu]をみても「23-page paper」って書かれているので、???になっていました。

      後者のほうが論文の体裁をなしているような気がするんですが、どうでしょうか。
      親コメント
      • Re:ガセネタ ? (スコア:2, 参考になる)

        by you-you (4108) on 2004年06月11日 9時05分 (#567537) 日記
        後者はリーマンぜータ関数の統一的な取り扱いを述べているテキストで、論文というよりはテキストのようです。そしてやはり前者が証明をしていることになっているようですが、記述のうちの数割程度が「昔だれがなにをやった」とか「こういう経緯でこの部分の証明が進んだ」とか、いろいろぶつぶつ書いてあります。

        タイトルは俗な訳をすれば「リーマン予想を証明しちゃってごめんなさい」といったところですか。
        親コメント
  • 数学の論文 (スコア:3, 参考になる)

    by j3259 (7093) on 2004年06月10日 16時21分 (#567083) ホームページ 日記
    って読むの初めてですが、「デュポンおじさんはゴルフのあとオレンジジュースとラムを飲んでいた(で、数学の難問を出されて解いてみせた)」とか「MIT では二学期目から院の講座を受けれて、テストで教授の間違いを指摘したから、105点取った」とか個人的な自慢話が書かれていて興味深いです。
  • 訂正 (スコア:2, 参考になる)

    by chiba-f (6867) on 2004年06月10日 16時10分 (#567070)
    申し訳ありません.「自明でない零点は複素平面のz=1/2の線上のみに存在する」と書いてしまいましたが, 「自明でない零点は複素平面の,実部が1/2になる虚軸に平行な線上のみに存在する」の方が正しいです.
  • 証明の意義 (スコア:2, 興味深い)

    by Vorspiel (2391) on 2004年06月10日 16時22分 (#567084) ホームページ
    自明な零点は負の偶数(-2, -4, -6, ...)ですね > タレコミ文

    てのはともかく,実際これが証明されたとすると,現在の数学理論およびその応用にはどんなインパクトがあるんでしょうか? 「素数の分布を表す関数の値のもっとも精密な評価が得られる」と言われても,それで何が嬉しいの?(煽りじゃなしに)というのが私のような素人の感想でして.
    本家では「Riemann予想は量子論や統計物理学にも影響する凄いものなんだ~ [slashdot.org]」なんてコメントもついてますが.どなたか解説していただけますか.
    #上記コメントの「Fermatの最終定理に比べて注目されないのは,その定義と重要性の理解が難しいからだ」てのにすばらしい洞察+1

    • Re:証明の意義 (スコア:3, 参考になる)

      by prajna (18168) on 2004年06月10日 17時03分 (#567123)
      もしこれが本当のニュースなら、リーマン仮説よ、お前もか…という感じですね。問題そのものは、複素数を知っていれば高校生でも理解できるレベルで、その点ではフェルマーの定理と並んで、学生が数学に興味を持つきっかけとなりやすい未解決問題の1つでしたから。

      ただ証明できたら、直ちにインパクトがあるか、というと、多くの人はこの仮説をほとんど自明と見なしていた、という点で、それほどでは無いかもしれません。

      喉奥に魚の骨がひっかかったような、「リーマン仮説が正しいなら」という条件付きの証明は多いと思うので、これらがすっきりするという意味では大きな意義はあると思いますけど。

      クレイの100万ドルの賞金も、「リーマン仮説が正しいことを証明した人」が対象で、「正しくないこと」を証明した人は対象外です。それほど、正しいだろうことは確実視されていました。

      なにしろ、力づくでコンピュータをぶんまわした結果、最初の250000000000個の非自明な0点は、リーマン仮説を満たしているのが判明しているのです。実は仮説が間違っている、という方が驚天動地でしょう。
      親コメント
      • Re:証明の意義 (スコア:5, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2004年06月10日 18時49分 (#567207)
        > 力づくでコンピュータをぶんまわした結果、最初の250000000000個
        > の非自明な0点は、リーマン仮説を満たしているのが判明している
        > のです。実は仮説が間違っている、という方が驚天動地でしょう。

        ちょっと証明というものを軽視しすぎでは?

        任意の自然数 x,y,z,w において x^4+y^4+z^4=w^4 は
        解を持たないというオイラー予想には反例が見つかったわけで
        (例えば 95800^4 + 217519^4 + 414560^4 = 422481^4)。

        17世紀に 31, 331, 3331, 33331, 333331, 3333331, 33333331
        が素数であることから、33333....1 は全て素数であると予想されて
        いたけど、その後 333333331 は 17x19607843 であることが明らかに
        なったし。

        素数の出現頻度は大きい数になるほど減っていくため、出現頻度の
        予測を示す式をガウスが作ったが、常に式の結果は実際の素数の
        数より少し多い結果が出てしまう。この傾向はどんな大きな数
        になっても続くのではないかという予想を「ガウスの過大評価
        素数予想」と呼ぶが、実は
         10^10^10000000000000000000000000000000000
        近辺では予想式と実際の素数の数が逆転してしまう、とかいうのもあるし。
        親コメント
    • Re:証明の意義 (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2004年06月11日 10時06分 (#567587)
      たとえば、素数の分布が正確に分かると、素数を用いた暗号 (たとえば、RSA公開鍵暗号や楕円曲線を利用した暗号など)の安全性に対する評価が厳密になる、ということですね。(「精密」ではなくて「厳密」)
      ※ 暗号が解読されやすくなったり、されにくくもなったりするのではありません。

      素数分布の予想(Riemann予想が成立することを仮定すると証明できる)をもとに、様々な素数関連のアルゴリズムの計算量がどれだけかを評価したりできます。
      これまでは、これらの評価は「予想」でしかなかったのが、Riemann予想が証明されると「予想」ではなく「証明」された事実になります。そういう意味で「厳密」ですね。Riemann予想が証明されなくても「精密」な評価「予想」はあります。

      ちなみに、ワイルズの定理(もとフェルマ予想)よりはこちらの方がインパクトは大きいです。前者も重要ですが、どちらかというと前者の場合はそれを証明するために発展した膨大な数学の部分の方が重要で、定理自身は内容は理解しやすいですが、それを利用して何か別のことが出来るか、というとそんなことはありません。Riemann予想の方はそれを仮定すると様々な数学の「予想」が証明される訳で(暗号関係以外でも)、Riemann予想を証明するとそれらの「予想」を一遍に証明したことになる訳です。

      ですから注目されない(の?本当に)理由は「定義の理解」の難しさだけですね。重要性のほうはどちらも多分理解されてません。少なくともRiemann予想のほうが理解しやすいはず。
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    • by parsley (5772) on 2004年06月10日 16時29分 (#567093) 日記
      一つに、リーマン予想と同値であるという他の予想(ただしそれ以上は証明できていない)が一度に解決する。応用分野はおのおのの予想を調べてみないと分からない。知ったか振っておいて…

      素数の分布や楕円関数に関連するとなると、暗号へ繋がるかなと想像します。ただし、予想が証明されてなくても関連性から素因数分解や素数の探索の方法として、手があれば既に研究されているでしょう。(が私は知らない。)
      --
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      • by flutist (16098) on 2004年06月10日 17時02分 (#567122)
        > リーマン予想と同値であるという他の予想

        私もやっぱりよく理解してませんが、ガウスの素数定理も、これで証明できたと言うことでしょうか?

        π(x)~x/logx (x→∞)
        π(x)はx以下の素数の個数

        ってことで、「素数の密度は、ずっと一定」と証明されたんだろう、と思いました。もし、リーマン予想はハズレで素数の密度には偏りがあるのだ、ということだったら、RSAとかの暗号の脆弱性を見つけたことになると思いますが(素数を探しやすくなるので)、この証明はその逆なので、今までリーマン予想を前提に言われていた暗号の強さが、実際に証明されましたよ、ということになるんでしょうかね。

        自信があんまりなくてすみませんが。
        親コメント
    • by geln12 (18637) on 2004年06月10日 17時14分 (#567129) 日記
      よく分かっていないんだけど、
      ここに関連ありそうなページ:「ゼータ関数の零点分布と量子カオス」 [miyagi.jp]置いておきますね。
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    • by chiba-f (6867) on 2004年06月10日 18時30分 (#567191)
      自明な零点は負の偶数(-2, -4, -6, ...)ですね > タレコミ文
      おっしゃる通りです.ご指摘有り難うございます.
      親コメント
    • > 自明な零点は負の偶数(-2, -4, -6, ...)ですね > タレコミ文

      御指摘ありがとうございます。記事に反映しました。
      親コメント
  • 投げっぱなしニュース (スコア:2, すばらしい洞察)

    by fourbeat (16165) on 2004年06月10日 16時46分 (#567111)
    2年前の「多項式時間素数判定アルゴリズム」も、
    去年の「ポアンカレ予想」も、第一報は大きく打つくせに
    「で、結局trueなのか?」ということはほとんど報じられない。

    今回もそうなるのでしょうか。
    まあ、証明がほんとに正しければそれでもよいが、……

    #上二つのその後は寡聞にして知らないがID
    • by Anonymous Coward on 2004年06月10日 17時35分 (#567148)
      どんなニュースも第一報が大きいものです。
      狭義には第一報がニュースともいえます。
      第一報が間違っていた、となるとそのこと自体が
      第一報となりニュースになりますが...。

      検証やら解説は別メディアの役割かと。
      親コメント
      • > 第一報が間違っていた、となるとそのこと自体が
        > 第一報となりニュースになりますが...。

        最近気になってるんですが,件のAdTIのヨタレポート [srad.jp]のことはその後各種メディアでぜ~んぜん取り上げられてないですよね.Tanenbaum教授はじめ関係者がよってたかってボコボコにしてるとゆーのに(GROKLAW [groklaw.net]あたりを参照.ここも結構/.的偏りがあるサイトではあるけど).
        AdTIのFUDだけが流れて反論が全然流れない,てのはなんか納得いかん.うちらは騙されないにしても,UNIX・Linuxの歴史に詳しくない人達に悪印象を残したまんま,てのは….

        親コメント
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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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