ごみ再資源化も宇宙技術の応用で 25
ストーリー by Acanthopanax
物質循環 部門より
物質循環 部門より
naocha 曰く、 "宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、株式会社カラサワファイン(さいたま市)に、「有機廃棄物の再資源化技術」の実施許諾を行いました(プレスリリース、ITmediaの記事)。この技術は、有機廃棄物を圧力と触媒で水と炭酸ガスに分解する「有機廃棄物の無機水分化技術」、排水を浄化する「水再生技術」、炭酸ガスから酸素を作る「空気再生技術」で構成されています。元々は、長期有人宇宙活動を実現するための自給自足型生命維持技術の開発のために研究されていました。商業的に成功すれば宇宙開発費用の一助になるでしょうか?"
不純物が問題になりそうな気がする (スコア:3, 参考になる)
触媒を使用する場合、想定外の物質に反応を邪魔される可能性が大きいと思われますので。
(宇宙用の場合、良くも悪くも閉鎖環境なので、試験動作を数ヶ月行えば触媒を使用不能にする物質への対策が可能です)
●日本の場合、町工場の排水も下水に流れるため、触媒が逝って処理がストップする可能性が非常に高いです。
(オフィスや一般家庭の排水でさえ、何が含まれているか判らない…)
# 重金属とかPCBのような「妙な不純物」が無いなら、加圧して200℃くらいで殺菌処理した後、畑に撒くのが一番低コストだったりして。
notice : I ignore an anonymous contribution.
追記 (スコア:2, おもしろおかしい)
#574087 の前提条件を書き忘れていたので追記します。
「少なくとも数件~数十件の排水を処理する」前提で書いています。
(建設費とランニングコストを考えると単一の排出元の処理に使用するのは高価すぎますので。
この装置が「住宅と隣接する小規模な畜産農家での使用」を前提にしているとしたら大笑いです)
notice : I ignore an anonymous contribution.
Re:不純物が問題になりそうな気がする (スコア:1, 参考になる)
>処理がストップする可能性が非常に高いです。
>(オフィスや一般家庭の排水でさえ、何が含まれているか判ら
>ない…)
入力は有機廃棄物に限定されてるのではないかな。家庭において生ごみとして分別済とか…
実証実験を行い実用化の目処が立った、と書いてあるので何か問題を避けるような工夫がしてあるのでしょう。:-)
実証実験とは書いていないのが気になる... (スコア:2, 参考になる)
>>何か問題を避けるような工夫
人力で分別するとか、特定製品を使うな、とかだったりして。
(漂白剤や清潔志向石鹸なんかが引っかかりそうな気がする)
# この技術の目玉は連続処理が可能な所にあるようなので、
# 大規模な施設の方が効率が良いように思えます...
notice : I ignore an anonymous contribution.
Re:不純物が問題になりそうな気がする (スコア:1)
再利用にかかるコストが、全部捨てた後に新品を購入するコストより高かったら売れないでしょうし。
廃棄処理に従量制の税金でもかければ、この手の技術って爆発的に進歩しそう。
#四月からゴミ袋が自治体限定仕様になったんですが、これが非常に高い。
#おかげでゴミの量が減りました。
二酸化炭素から酸素 (スコア:2, 興味深い)
大気中の二酸化炭素から、有用な資源が生成できるのは素晴らしいですね。・・・後は大元のエネルギー源をどう確保するかだけですが、短期的には太陽発電や潮力発電などの自然エネルギーの発電と組み合わせるとかなるのでしょうか。
後始末のやっかいな核分裂への依存度を下げる方法が見つかればいいですね。
Re:二酸化炭素から酸素 (スコア:2, 参考になる)
炭酸ガスを還元する以上のエネルギーは得られない(熱力学第二法則)はず。
トピックの研究にしても、どれだけのエネルギーコストがかかるかよくわからん…。
それに、「再資源化」と言ってるけど、上の文章には有価物を生み出すプロセスが
書かれてないんで、このシステムは「エネルギーを消費した有機物分解装置」
にすぎない気がする。
Re:二酸化炭素から酸素 (スコア:2, 参考になる)
同意。
メタンガスを得るなら、モノをタンクで腐敗させた方が簡単でしょう。
単純に分解するだけなら、合併浄化槽(http://www2.ktarn.or.jp/~jh6ibm/sub1.htm)があります。
参照:http://www2.saganet.ne.jp/vastalto/akvopurigo.html
(サイズも乗用車1台分程度ですので価格/能力がこれ以上でないと負けるでしょうね。)
notice : I ignore an anonymous contribution.
Re:二酸化炭素から酸素 (スコア:0)
宇宙空間と違ってなにもCO2を「全部」還元しなきゃいけないわけじゃくて、
炭酸固定のためのエネルギーをすべて外部から供給するわけでも多分なくて、
有機物(ゴミ)の酸化で得られるエネルギーを使って、CO2のたとえば「半分」でも
いいので、メタンなどの形に固定できれば、CO2の排出量を減らせるうえ、
そのエネルギーを保管や流通に便利な形に変えられるということじゃないんですかね。
もちろんメタンガスを燃やせばまたCO2にはなるけれど、その分化石燃料
の使用を
Re:二酸化炭素から酸素 (スコア:1)
商売としてそれを使うとなると、人工的に作り出したCO2から資源を作ることになると思うんですが。
1を聞いて0を知れ!
ぼそ… (スコア:0)
#いや、だからどうだというわけでは…
Re:ぼそ… (スコア:0)
二酸化炭素からダイヤモンドを作れば、
パンサークローも大喜び。
単純がベスト (スコア:2, すばらしい洞察)
いろいろ工夫を凝らすと、そこで別の別の廃棄物が出てきたり、
多量のエネルギーを消費したりろくなことがありません。
触媒式湿式酸化法 (スコア:1)
酸素があれば低温でも酸化は進行する。
コスト的には全然ダメです。
製品や生成物を より単純な原料に戻すのは経済的には「絶対」
引き合わない。
理由:高コストな生成物から安価な原料を作るから。
ペットボトルを繊維素材に加工するような、「戻し度合い」の
少ないほうがマシです。
宇宙技術ですね。
Re:触媒式湿式酸化法 (スコア:0)
>引き合わない。
>理由:高コストな生成物から安価な原料を作るから。
原料の方が生成物よりも高価な場合だと成り立たないので、「絶対」とまでは言えませんね。
例:金属の精錬
Re:触媒式湿式酸化法 (スコア:1)
そんなもの作る人いるんですか?
作れば作るほど損をするんじゃないかと。
1を聞いて0を知れ!
Re:触媒式湿式酸化法 (スコア:1)
>>原料の方が生成物よりも高価な場合
>そんなもの作る人いるんですか?
価値が安定しているモノである場合はさておき、時と場合によって変化するモノの場合はあり得ますよね。
原料の生産量が限られているモノとか、生成物自体は時代遅れで安価になっているモノとか。
ある人にはゴミ(≦0円)だがある人には価値がある(>0円)という場合も考えられます。
過去に生産した時には安価で原料が入手できたが、現在はその原料が何らかの理由で高価な場合、
価格としては原料>生成物が成り立ち、生成物→原料への”還元”が現実的である可能性が出てくるかと。
同意 (スコア:0)
そうそう。たぶん完全な循環型社会ってこういうことじゃないのかな?
自然界がそういう構造になっているように思える。
もちろん太陽からの恵みは受けるばかりだけど。
Re:触媒式湿式酸化法 (スコア:0)
鉄に比べると安価ですよね?
Re:触媒式湿式酸化法 (スコア:1)
1を聞いて0を知れ!
思い出した話(オフトピ) (スコア:1)
土に還る素材でできた歯ブラシ、てのが紹介されてました。
そういう素材に豚毛なので、土に埋めれば完全に分解するそうです。
近い未来、使い終わった歯ブラシを皆が地面に挿す世界。
絶対に条例とかで禁止されたりしそうなのですが。
技術屋魂発揮して、すげーもの作ったのは判った。でもさー、
ちゃんとプラ資源回収の仕組みを作って、そこにのせる訳にはいかないのか、と 1 hour…。
どうみても (スコア:0)
ところで、 (スコア:0)
実は (スコア:0)
私の会社は第一種圧力容器を作ることができて、その官庁申請や検査が私の担当なのですが、
この装置の心臓部(触媒と処理物を高温高圧で反応させる部分)を第一種圧力容器として扱ったので
これの件にも携わったりしました。
そのときには、なんでこんな有機廃棄物の処理装置とJAXAが関係あるのかな…と
不思議に思ってたのですが、 こういうことだったのですか。
記事を見て「あ、これは!」と驚きました。
#微妙に管轄外でよく知らなかったので(汗
その実証装置、2台作ったのですが1台はまだウチの片隅に転がってます。
どなたか見に来ます?
#隠してもあまり意味ないけどACで